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再生医療実現拠点ネットワークプログラム 新技術説明会

日時:2013年12月02日(月)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)滑膜間葉幹細胞による関節軟骨・半月板再生

東京医科歯科大学 再生医療研究センター 教授 関矢 一郎

新技術の概要

滑膜の体性幹細胞は軟骨や半月板に分化する能力が高く、この細胞浮遊液を関節内に静置すると障害部位に接着し、関節軟骨や半月板を再生することから関節軟骨欠損または半月板欠損に有効な治療法である。

従来技術・競合技術との比較

従来の縫合手術は障害が残ることが多く、また、人工軟骨や人工半月板は、機能の回復に良好な結果が得られていない。本技術では、滑膜組織0.5gと自己血清70mlを使用し14日間の1回の培養で平均5000万細胞を採取できる。また軟骨欠損部を真上に向けて滑膜幹細胞浮遊液を静置し10分間保持することにより細胞を鏡視下で接着させ、関節軟骨や半月板の再生が可能となる。

新技術の特徴

・関節鏡視下で細胞移植が可能
・14日間で移植可能な細胞培養が可能
・人工素材が不要

想定される用途

・関節軟骨の再生医療
・半月板の再生医療
・変形性関節症の再生医療

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

2)ヒト末梢血や線維芽細胞からiPS細胞をつくる技術

京都大学 iPS細胞研究所 初期化機構研究部門 講師 沖田 圭介

新技術の概要

本技術はヒトの末梢血や臍帯血、線維芽細胞、不死化B細胞などからiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製するための遺伝子発現プラスミドである。このプラスミドは実験室における取り扱いが容易であり、ゲノムへの挿入も少ないことから樹立したiPS細胞の解析への影響が少ないなどの利点がある。

従来技術・競合技術との比較

これまでプラスミドを用いたヒト末梢血からのiPS細胞樹立技術が報告されているが、作製効率が非常に低く実用的ではなかった。また、ウイルスベクターを使う方法も確立されているが、ヒトに感染するベクターであるため、取り扱いには注意が必要であった。本技術はプラスミドを用いているため作業者に対して安全性が高く、樹立効率についても十分高くなっている。

新技術の特徴

・効率の良いヒトiPS細胞樹立のためのプラスミド
・比較的長期にわたって外来遺伝子をヒト細胞に発現可能

想定される用途

・疾患特異的iPS細胞の作製
・再生医療用iPS細胞の作製
・ヒト細胞における遺伝子発現ツールへの応用

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

3)iPS細胞を用いた種々の心臓細胞の誘導と再生細胞治療及び病態モデル応用

京都大学 iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 教授 山下 潤

新技術の概要

心臓組織を構成している細胞群である心筋、血管内皮、血管壁細胞をそれぞれヒトiPS細胞から誘導・純化する技術である。誘導された細胞を細胞シートを初めとする種々の組織工学的手法を用いて、再び組織に近い形に戻すことにより、新しい心臓再生細胞治療や心疾患病態モデル作製に応用する。

従来技術・競合技術との比較

本新技術では心筋、内皮、壁細胞の誘導効率及び収量はすべて世界最高レベルであり、これら複数種の心臓細胞を同時に誘導する技術である。組織化後に細胞間相互作用により分泌タンパク増加など機能が強化される。

新技術の特徴

・複数種細胞を用いた心臓組織再構築
・治療及び創薬研究等広範な応用可能性
・培養下での心臓の生理・病態生理再現

想定される用途

・心筋梗塞・心不全などへの新規治療法
・安全性試験・創薬へのin vitro心臓モデル
・様々な心臓病態再現モデル

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

4)培養ヒト骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法

山口大学 大学院医学系研究科 消化器病態内科学 講師 高見 太郎

新技術の概要

局所麻酔で採取した少量骨髄液から線維化を改善させる骨髄間葉系分画をCPC内で通常培養し再投与する肝臓再生療法を開発した。 今後は、これを実施しつつ、さらに安全かつ効率的な培養法や培養設備(装置)の開発を行う。

従来技術・競合技術との比較

我々は肝硬変症に対する再生療法として自己骨髄細胞(非培養・全骨髄細胞)を末梢静脈から投与する「ABM i 療法」を世界に先駆けて開発し、国内外でその安全性と有効性を確認し、先進医療Bに認可された。さらに本技術であれば、全身麻酔は必要なく局所麻酔で採取する少量骨髄液での実施が可能となる。

新技術の特徴

・肝臓再生療法
・臓器線維症に対する治療法
・ウイルス検体でも培養可能な培養法

想定される用途

・ウイルス検体を含む細胞の培養装置
・効率的培養液
・再生医療

  • 医療・福祉

5)ヒトiPS細胞由来肝幹前駆細胞の大量増幅~大量の肝細胞が必要な創薬研究や再生医療の実現に向けて~

大阪大学 大学院薬学研究科 教授 水口 裕之

新技術の概要

ヒト肝細胞は再生医療(細胞治療)や創薬研究に必須であるが、安定供給が困難であり、ヒトiPS細胞由来分化誘導肝細胞の利用に期待が持たれている。今回我々は、ヒトiPS細胞由来肝幹前駆細胞(肝細胞への分化の前段階の細胞)を細胞外マトリックスの構成成分であるラミニン111上で培養することで、大量に維持・増幅する技術開発に成功し、より安価に大量のヒトiPS細胞由来分化誘導肝細胞を供給できる技術基盤を確立した。

従来技術・競合技術との比較

ヒトiPS細胞由来肝幹前駆細胞を大量増幅した報告はあるが、肝幹前駆細胞としての性質を保持したまま、安定に同細胞を増幅した方法はこれまで報告されておらず、本技術はヒトiPS細胞由来肝細胞の大量供給に極めて有効である。

新技術の特徴

・ヒトiPS細胞由来肝幹前駆細胞の大量調製

想定される用途

・再生医療(細胞治療)
・創薬研究

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

6)ヒト細胞の製剤化に向けたバリデーション技術

独立行政法人国立成育医療研究センター 再生医療センター センター長 梅澤 明弘

新技術の概要

本研究では、ヒト胚性幹(ES)細胞から作った肝臓細胞を移植する治療法の技術開発を行っている。ヒトES細胞製剤の製造において、効率のよい肝臓への分化誘導法、それに伴うCPCを用いたヒトES細胞の取扱技術や細胞製剤の安全性・有効性のバリデーションを確立した。

従来技術・競合技術との比較

従来の分化誘導法では、肝臓細胞のロット差が大きいことが問題であったが、本技術を用いることで、ロット差の少ない肝臓細胞の製造が可能となる。

新技術の特徴

・ES細胞の肝臓への分化誘導技術は、iPS細胞にも応用可能であり、汎用性が高い

想定される用途

・創薬の際の薬剤スクリーニング

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

再生医療研究推進部 事業推進G

TEL:03-5214-8427FAX:03-5214-7810
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