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先端計測分析技術・機器開発プログラム 新技術説明会

日時:2013年12月06日(金)

会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)

参加費:無料

発表内容詳細

  • 創薬

1)ペプチド創薬の革新技術:ルート1・2・3+発達ライブラリー法

埼玉大学 大学院理工学研究科 物理機能系専攻 教授 西垣 功一

新技術の概要

ペプチドを創薬の材料として機能による迅速淘汰法を開発した。新型マイクロアレイMMVを用いた技術であり、DNAからRNAを経由してペプチドにする技術と、着実にペプチドを発達・進化させる技術とからなる。

従来技術・競合技術との比較

これまでのin vitro evolution技術では、「機能淘汰」は基本的に1つ1つのクローンを対象として実施されるために効率が悪かったが、この技術では微量で1024並列に処理することができ、パフォーマンスを2桁近く上げている。

新技術の特徴

・様々な性質の異なるもの(カテゴリー:ペプチド、抗体、核酸、酵 素、細胞など)を並べて、レプリカを作製する
・マイクロアレイを一斉に種々な多段階反応をさせる
・ペプチドを特定の機能に関して、活性や結合力を確実に2~3桁高機能化する

想定される用途

・ペプチド創薬スクリーニング
・ペプチドマイクロアレイ作製
・抗体マイクロアレイ作製

関連情報

・新型マイクロアレイMMVの提供
・外国出願特許あり

  • 計測

2)環境水中の低濃度の放射性セシウムの迅速/存在形態別のモニタリング技術の開発

独立行政法人産業技術総合研究所 地圏資源環境研究部門 地圏環境リスク研究グループ 主任研究員 保高 徹生

新技術の概要

本研究では、環境水中における低濃度放射性Cs濃度の形態別測定を簡便かつ迅速に行うために、プルシアンブルー担持不織布および懸濁物質回収不織布の2種類のカートリッジ型不織布フィルタからなる、固液分離・溶存態放射性Cs濃縮を同時に行う装置を開発した。

従来技術・競合技術との比較

【迅速な前処理】20Lの環境水を対象として、8分?40分程度で懸濁態と溶存態の分離およびカートリッジへの濃縮が可能となり、従来法と比較して極めて短時間での分離/濃縮が可能となる。【直接測定】分析用標準を準備することで、カートリッジをゲルマニウム半導体検出器で直接測定が可能である。

新技術の特徴

・高流速での懸濁物質の回収が可能
・溶存態放射性セシウムを迅速に回収が可能
・移動等が容易

想定される用途

・河川モニタリング
・水中の放射性セシウムの除去装置
・自動モニタリング装置

関連情報

・サンプルの提供可能

  • アグリ・バイオ

3)結晶成長のin situ観察機構を搭載した、磁気力利用による高品質タンパク質結晶生成システム

東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授 田之倉 優

新技術の概要

強磁場と高磁気力の効果による対流制御環境を利用した高品質タンパク質結晶生成システムを開発した。本システムは結晶化の様子をリアルタイムに観察可能な光学デバイスを搭載しているため、効率的な結晶化実験の遂行が可能である。

従来技術・競合技術との比較

本システムは、専用の結晶化プレートを用いた同時多検体の結晶化実験が可能である他、その場観察用の光学デバイスを搭載しているため、結晶化プレートを取り出すなどの対流抑制環境への擾乱なしに、結晶成長の様子を知ることができる。

新技術の特徴

・擬似微小重力環境でタンパク質結晶化実験などが可能であり、高品質かつ均質なタンパク質結晶取得が可能
・強磁場(16T)、水の磁気浮揚が可能な高磁気力環境での結晶化の様子をその場観察することが可能
・4~20℃(±0.1℃)の温度制御環境下で、多検体同時実験が可能

想定される用途

・高品質タンパク質結晶の取得
・擬似微小重力条件下での結晶化
・結晶成長のリアルタイム観察による解析や評価

関連情報

・装置利用可能

  • 製造技術

4)ラジカル測定用時間分解遠紫外分光システムと小型インラインモニタの開発

関西学院大学 理工学部 化学科 教授 尾崎 幸洋

新技術の概要

促進酸化活性種であるラジカル種の濃度の時間変化をマイクロ秒オーダーで測定するのに有用な技術。測定した200nm付近の吸収スペクトルからラジカル種濃度の時間変化を観測することに成功し、ラジカル測定用小型インラインモニタの開発に本技術を適用した。

従来技術・競合技術との比較

従来、ラジカル種の測定は反応生成物により間接的に検出する手法に頼っていたが、本技術は直接的にラジカル種の濃度測定可能にした。さらにラボ用サイズの測定装置を産業プロセス用途で利用可能なまでに小型化することにも成功した。

新技術の特徴

・ラジカル種の濃度をその吸収特性から直接的に測定できる濃度測定方法及び装置
・遠紫外の波長領域(180-280nm)でマイクロ秒オーダーの時間分解スペクトルを測定できる装置
・レーザー光で励起された物質の過渡応答解析が可能な技術

想定される用途

・各種洗浄分野におけるラジカル濃度のリアルタイムモニタ
・ラジカル種の反応過程の解析
・電子遷移スペクトルの学術的研究

関連情報

・外国出願特許あり

  • 医療・福祉

5)小指サイズの超小型赤外分光断層イメージング装置

香川大学 工学部 知能機械システム工学科 教授 石丸 伊知郎

新技術の概要

小指サイズ(直径:5mm、長さ:30mm)の超小型分光断層イメージングユニットの開発に成功した。本技術は、測定面を合焦面内に深さを限定した分光断層イメージングの取得も可能である。日常生活空間での病態疾患モニタリングへの展開を目指している。

従来技術・競合技術との比較

従来のFTIRは机上サイズであり、数百万円程度と高額であった。また、マイケルソン干渉系による位相シフト干渉法であることから、機械的振動に弱かった。提案手法は、小型安価で、准共通光路型のフーリエ分光法であることから、日常生活空間での使用が可能である。

新技術の特徴

・小指サイズの超小型分光イメージング
・准共通光路型フーリエ分光法による機械的振動などへの髙頑健性
・ワンショット(1画像)による分光イメージング取得による高時間分解能

想定される用途

・無侵襲血糖値センサーなどの医用計測
・顔の皮脂分布計測などによる化粧品開発
・可搬型成分解析装置としての”微物のその場解析”

関連情報

・外国出願特許あり

  • アグリ・バイオ

6)ペプチド性タグを利用したタンパク質結晶化の技術

北海道大学 大学院先端生命科学研究院 先端融合科学研究部門 教授 姚 閔

新技術の概要

本技術は、分子に2あるいは3回回転対称を持たせるペプチドをタンパク質に導入し、分子の規則的会合体を形成させることにより、結晶化を促進し、結晶性を改善するものである。結晶化が困難なタンパク質に適用して結晶作製に成功した。

従来技術・競合技術との比較

タンパク質結晶化のために様々な方法が考案されてきたが、依然、結晶化が困難なタンパク質は多い。本技術は、従来法とは全く異なる手段を使うため、従来法で結晶が得られなかったタンパク質に対して適用できる。

新技術の特徴

・対称を持つペプチドの利用による結晶核形成の促進
・人工的に対称を導入することによるタンパク質結晶性の改善
・タンパク質のホモ多量体の形成
・どんなタンパク質でも融合可能であるため、汎用性がある

想定される用途

・結晶化困難なタンパク質の結晶化
・タンパク質結晶性の改善
・酵素反応の効率上昇
・タンパク質発現状況の改善

関連情報

・サンプルの提供可能

  • エネルギー

7)プローブを用いた装置・材料内部の物理・化学情報取得技術

山梨大学 燃料電池ナノ材料研究センター 特任教授 犬飼 潤治

新技術の概要

ミクロンレベルの直径を持つ各種プローブを装置や材料の内部に挿入し、プローブ先端での物理・化学情報を得ることのできる新技術である。系への影響を極力小さくしながら、複数点における情報を得る。

従来技術・競合技術との比較

本技術は系への影響が小さく、複数点での複数の情報を高い時間・空間分解能で得られることに特徴を持つ。

新技術の特徴

・装置・材料内部の情報把握
・系への影響が小さい
・複数点における複数情報の取得

想定される用途

・燃料電池等新装置
・材料工学
・生体工学・医療

  • 情報

8)分散型プロセス処理システムPIONEと画像処理システムEosの紹介

九州工業大学 大学院情報工学研究院 生命情報工学研究系 教授 安永 卓生

新技術の概要

元来、3次元電子顕微鏡のために開発したが、二つの他にも応用できる新技術プラットフォーム、PIONE(分散環境におけるファイル更新に基づくプロセス管理)とEos(画像処理コマンドとAPI(一部並列化による高速化)の集合)を提供する。

従来技術・競合技術との比較

PIONEは、ソフトウェア開発で利用される’make’類似のファイル更新型プロセス処理に加え、分散環境で利用できる、ルールベース前向き推論型プラットフォームである。一方、Eosは、画像処理一般が可能であり、pthreadやGPGPU等の最新の技術にも対応している。

新技術の特徴

・分散環境下でのファイル更新型ワークフローエンジンとそのログ処理
・ルールベースの前向き推論型エキスパートシステム
・高速処理を必要とする画像処理、特に、3次元再構成を伴う処理

想定される用途

・分散環境を必要とする大規模な画像処理、または、プロセス処理
・ファイル更新型プロセスの分散環境における自動管理
・センサーネットワークの自動データ収集、解析

関連情報

・サンプルの提供可能

  • 製造技術

9)静磁場印加電磁浮遊法による超高温熱物性計測システムの開発

東北大学 多元物質科学研究所 教授 福山 博之

新技術の概要

超高温熱物性計測システムとは、電磁浮遊法と静磁場を組み合わせ、溶融した金属や合金などの熱物性(熱容量、熱伝導率、放射率、表面張力、密度)を広い温度範囲で高精度に測定できる世界初の装置です。

従来技術・競合技術との比較

本装置では、電磁浮遊法により、試料を非接触に浮遊溶解し、熱物性計測における容器からの汚染の問題を回避しました。また、融体に静磁場を重畳することによって融体内の対流を抑制し、真の熱伝導率測定を可能としました。

新技術の特徴

・電磁浮遊法によって試料融体を浮遊させ、容器からの汚染を回避して融体の熱物性を計測できる
・静磁場を重畳することによって、浮遊する試料融体の振動と融体内部の対流を抑制する
→対流の影響を受けない真の熱伝導率が測定可能である
・気液平衡法や酸素ポンプを用いて雰囲気の酸素分圧を制御する
→表面張力を温度と酸素分圧の関数として評価できる
・過冷却状態が容易に得られるので、非平衡液体の物性計測や物質創製に利用できる

想定される用途

・エネルギー産業:原子炉・核融合炉用材料、発電用タービン材料開発
・航空宇宙産業:ロケット・航空機用エンジン及び構成部材開発
・半導体・素材産業:結晶成長、鋳造、凝固、溶接などのプロセス開発
・大学等研究機関:熱工学・材料工学・物性物理学

関連情報

・依頼測定可能

  • 製造技術

10)大型構造物を高速に透視するための原子核乾板要素技術の開発

名古屋大学 エコトピア科学研究所 教授 中村 光廣

新技術の概要

X線や中性子線などの人工の放射線を用いて透視できないような大きなスケールの物体の透視を行う宇宙線ラジオグラフィーに用いるための原子核乾板技術の開発を行って居ます。昨年度よりの進展状況を報告します。

従来技術・競合技術との比較

ラジオグラフィー用μ粒子通過位置検出器としては、シンチレーターやガス検出器を用いた物があるが、原子核乾板を用いる技術は電源不要な上にコンパクトで有り、設置場所に対する制限が少ない。

新技術の特徴

・1mから1kmスケールの大きな構造物の内部密度状態の透視
・マイクロメーターの位置精度をもつ放射線検出器
・3次元顕微鏡画像の高速取得

想定される用途

・火山の内部状態や自然資源の探査
・老朽化構造物の内部状態調査
・熔鉱炉などの、内部状態を直接はかれない大型構造物の内部状態探査
・放射線種同定、入射方向同定など

関連情報

・サンプルの提供可能

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

科学技術振興機構 産学基礎基盤推進部 先端計測室

TEL:03-3512-3529
Mail:sentanアットマークjst.go.jp
URL:http://www.jst.go.jp/sentan/
新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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