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横浜国立大学 新技術説明会

日時:2019年06月20日(木) 13:25~15:55

会場:JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)

参加費:無料

主催:科学技術振興機構、横浜国立大学

後援:特許庁、関東経済産業局

発表内容詳細

  • 医療・福祉

1)新生児用ウェアラブル黄疸計の開発

発表資料

横浜国立大学 大学院工学研究院 システムの創生部門 准教授 太田 裕貴

http://www.ota.ynu.ac.jp/index.html/

新技術の概要

新生児では、ビリルビンが皮膚組織に蓄積し黄疸を生じることがある(新生児では84%に黄疸が発生)。そのため、早期に黄疸症状を発見する必要があり、ビリルビン濃度の継続的な測定が重要である。本発表では、皮膚に当てた青色、緑色のLED光の反射光を連続的に解析し、ビリルビン濃度を測定する小型ウェアラブル端末(黄疸計)を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

ビリルビン濃度の測定方法としては、採血による直接測定と光学的測定の2つの方法が知られている。後者による既存のハンドヘルド型測定器等は、新生児の連続測定に必ずしも最適とは言えない。本発表の黄疸計は、2波長のLED発光と光センサーからの反射光の強度からビリルビン濃度を求める演算部を無線により接続し、連続測定を可能とした。

新技術の特徴

・小型ウェアラブル型センサー
・2種の反射光強度を用いた濃度算定法
・連続測定可能

想定される用途

・新生児向け黄疸計

関連情報

・展示品あり

  • 創薬

2)空気に安定な鉄塩錯体を用いたクロスカップリング反応

発表資料

横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 教授 山口 佳隆

http://www.chem.ynu.ac.jp/lab/yamalab/

新技術の概要

本技術は、炭素-炭素結合生成(クロスカップリング反応)を可能にする分子触媒に関するものであり、貴金属元素から脱却し、汎用金属元素である鉄の錯体への代替を可能とした。
本鉄塩錯体は合成が容易、空気中での取扱いが可能という特長を持ち、様々な機能有機分子合成へ新たな途を拓くことが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のクロスカップリング反応では貴金属元素であるパラジウムが用いられてきたが、元素戦略の観点から汎用金属元素である鉄が注目を集めている。本鉄塩錯体は、従来の鉄触媒に比べ、空気中で安定に取扱うことができ、配位子等の添加剤を必要としない触媒系であり、新たな鉄触媒プロセスの開発が期待できる。

新技術の特徴

・簡便な手法により炭素-炭素結合生成反応が実現できる触媒である。
・酸素や湿気に対して極めて安定な鉄塩錯体触媒である。
・配位子等の添加剤を必要としないシンプルな触媒である。

想定される用途

・医薬品中間体、農薬中間体の合成
・有機電子材料の合成
・その他、高機能有機化合物の安価で簡易な合成手段として

  • エネルギー

3)スパイラル熱交換器の積層化による伝熱性能向上

発表資料 プレゼン動画

横浜国立大学 大学院工学研究院 システムの創生部門 准教授 酒井 清吾

http://www.es.ynu.ac.jp/academic/dep/lab/00009/index.html

新技術の概要

スパイラル熱交換器を積層することにより、装置全体の大きさを維持または小型化しつつ、自浄作用を有する熱交換器を提供する。装置サイズを抑えたまま、流路長さを増加することにより省スペース化の要求に応え、伝熱面積を増加することにより移動できるエネルギー量を増加することができ、伝熱性能を向上できる。

従来技術・競合技術との比較

スパイラル熱交換器の伝熱性能向上策としては、流路形状を変更するための加工や表面処理が従来行われているが、流路の閉塞や自浄作用を低下させてしまう恐れがある。新技術では、スパイラル熱交換器自体を積層し、熱交換面積および流路長さを増加させて熱交換性能向上を図っているため、自浄作用を維持できる。

新技術の特徴

・スパイラル熱交換器を積層し、熱交換面積および流路長さを増加させて、熱交換性能を向上させる。
・自浄作用を保持したまま熱交換性能を向上させることができる。
・圧力損失を、従来の同程度の大きさの熱交換器並みに抑えながら、流れの乱れを利用することができる。

想定される用途

・汚泥や繊維物などを含んだ汚れた流体を扱えることから、下水処理場での熱交換器として用いる。
・バイオガスプラントにおける温調用として熱交換器を用いる。
・工場における工場排水の排熱回収機器として用いる。

  • 材料

4)環境微生物によるセルロースの修飾-ナノファイバーへの応用

発表資料

横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 教授 武田 穣

https://www.es.ynu.ac.jp/academic/dep/lab/00087/index.html

新技術の概要

セルロース素材の表面に化学反応によらず、環境細菌由来の水溶性多糖アミノ基を導入し反応性を付与する技術を見出した。アミノ基を有するこの多糖はセルロース素材に強固に吸着することから、多糖の水溶液とセルロース素材を接触する事により素材の表面にアミノ化(機能修飾)がもたらされる。

従来技術・競合技術との比較

アミノ化セルロースの製法は、従来、化学反応によるものが知られている。これに対し、多糖によるアミノ化は吸着のみで可能であり、得られるアミノ化セルロースは糖成分(グルコースとグルコサミンの交互共重合体:GG)のみからなり合成化合物成分を含まない環境調和型素材である。

新技術の特徴

・滴下ないし浸漬によりGG溶液をセルロース素材と接触させることでアミノ化がもたらされる。
・セルロース素材にアミノ基による陽性荷電、反応性、セルラーゼ耐性を付与する。
・アミノ化に用いる多糖(GG)はBiosafety level 1 (BSL-1)の安全な細菌から得られる。

想定される用途

・アミノ化セルロースは「止血材」、「金属イオン吸着材」などとして用いることが可能。
・誘導体化することで「触媒能」や「撥水性」など様々な機能付与が可能。
・局所的アミノ化が可能なことから「セキュリティーインク」としても有望。

  • 創薬

5)ナノ・セラノスティクスを目指した磁気ナノ微粒子

発表資料 プレゼン動画

横浜国立大学 大学院工学研究院 知的構造の創生部門 准教授 一柳 優子

http://yukolab.ynu.ac.jp/index.html

新技術の概要

本新技術のナノ微粒子は、フェライト等の磁性体をコアに持つコアシェル型のナノ微粒子であり、がん温熱療法(磁気ハイパーサーミア)に用いられる材料である。特に、シェルが、グルコースやその誘導体で修飾された事を特徴とする。これによりナノ微粒子をがん細胞に効果的にターゲッティングでき、より効果的な磁気ハイパーサーミアを可能とする。

従来技術・競合技術との比較

がん温熱療法への利用を目的とした磁気ナノ粒子研究は、殆ど、磁性体そのものの研究に終始している。磁気ナノ粒子をがん細胞へターゲッティングする為の研究は殆どない。本技術は、陽電子放出断層撮影(PET)でがん部位へのターゲッティングの実績があるグルコースを磁気ナノ粒子に修飾する事を実現した画期的な技術である。

新技術の特徴

・シェルにグルコースを修飾する事で、がん細胞へ選択的に磁性ナノ粒子を集中させ得る。
・磁性体にMnZnフェライトの系で、核磁気共鳴のT2緩和率が非常に大きい。

想定される用途

・がん温熱療法(磁気ハイパーサーミア)
・MRIやX線CT等の新たな造影剤

関連情報

・外国出願特許あり

お問い合わせ

連携・ライセンスについて

横浜国立大学 研究・学術情報部 産学・地域連携課 知的財産係
TEL:045-339-4450 FAX:045-339-3057
Mail:sangaku.chitekiアットマークynu.ac.jp
URL:http://www.ripo.ynu.ac.jp/cooperation/

新技術説明会について

〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町

TEL:03-5214-7519

Mail:scettアットマークjst.go.jp

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