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新技術説明会パンフレット


開催スケジュール
令和2年度の開催については新型コロナウィルス感染状況に関する政府および東京都の対応を鑑みて、従来の方法に代わりWEB開催の方向で検討しているところです。 具体的な開催方法につきましては、決まり次第、順次お伝えしていきますのでご了承下さい。

【オンライン開催】ライフイノベーション 新技術説明会
【日時】2020年10月27日(火) 10:25~15:55【会場】Zoomビデオウェビナーによるオンライン開催
【参加費】無料(事前申込み制)
【主催】科学技術振興機構、横浜市立大学、静岡県立大学、岐阜薬科大学、名古屋市立大学

ライフイノベーション 新技術説明会は、オンライン開催(Zoomウェビナーを利用)を実施いたします。聴講をご希望される方は、本枠内下部のリンクよりお申し込みください。
オンライン開催の詳細につきましてはウェビナー参加登録時の「受講環境について」を十分ご確認のうえお申し込みください。Zoomの接続方法のお問い合わせは受付ておりませんので予めご了承ください。
なお、開催当日名刺交換、個別相談の実施はございません。連携についてのお問い合わせにつきましては、Webサイトの「お問い合わせ」に記載の研究機関窓口へ直接お問い合わせいただけますようよろしくお願いいたします。

※お申込みはこちらから→ Zoomビデオウェビナーに参加する
 (定員に達した場合は参加申込を終了いたします。あらかじめご了承ください)

発表内容詳細

10:30~10:55 医療・福祉
1) 血液1滴でアルツハイマー病の早期診断が可能になる

名古屋市立大学 大学院医学研究科 病態生化学分野 教授 道川 誠
http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/1seika.dir/biochem1home.htm

【新技術の概要】

我々は、PET検査で診断したAD、PET陽性のMCIならびに剖検で確定診断したADの血清フロチリンレベルが、健常者、PET陰性MCI、血管性認知症患者血清におけるフロチリンレベルに比し、それぞれ有意に低下することを発見し、診断マーカーになるとの発明に至った。

【従来技術・競合技術との比較】

AD診断には、MRI画像、髄液中のAβやリン酸化タウ解析、アミロイド蓄積を可視化するPET検査があるが、侵襲を伴う、費用が高く実施可能な施設も限られるなど問題がある。また、血液マーカー開発も進んでいるが、検査法が複雑であったり特殊な機器を必要とする。本品は、検体が少量の血液であり、簡便で安価な診断法である。

【新技術の特徴】

・血液1滴の量で診断ができる(血清使用)
・特異度、感度とも90%以上の性能を持つ(ウエスタンブロット解析)
・発症前(軽度認知機能障害)ADを検出できる

【想定される用途】

・早期のAD診断の補助検査として一般病院やクリニックで使用できる
・PETや髄液検査に代わるADの診断法として使用できる
・他の認知症を来す疾患やうつ病などとの鑑別診断に使用できる

【関連情報】

・サンプルあり
・外国出願特許あり

11:00~11:25 創薬
2) がんバリアの破壊による治療抵抗性の改善

岐阜薬科大学 薬学部 生命薬学大講座生化学研究室 教授 五十里 彰
http://sv1.gifu-pu.ac.jp/lab/seika/

【新技術の概要】

生体内でがん細胞は凝集塊を形成し、治療抵抗性を獲得する。これまでに我々は肺腺がん組織に細胞間接着分子のクローディン-2が高発現し、凝集塊のバリア形成に寄与することを見出した。本発明ではクローディン-2に直接結合する低分子化合物を同定し、クローディン-2の発現低下作用と抗がん剤抵抗性改善作用を実証した。

【従来技術・競合技術との比較】

抗がん剤治療における治療抵抗性の原因として、薬物排出ポンプの誘導、代謝酵素の誘導などが報告されているが、効果的な治療抵抗性改善薬は未開発である。本発明は、がん凝集塊深部への抗がん剤透過性を亢進させる補助療法剤であり、新しいメカニズムによる治療抵抗性改善作用が期待できる。

【新技術の特徴】

・薬や機能性食品成分の腸管吸収の促進
・薬や機能性食品成分の経皮吸収の促進

【想定される用途】

・クローディン-2が高発現するがん細胞に対する増悪化の予防・治療薬
・クローディン-2が高発現するがん細胞に対する抗がん剤感受性の増強薬
・クローディン-2の発現増加が関与するがん以外の疾患に対する治療薬

【関連情報】

・サンプルあり

11:30~11:55 創薬
3) がんアジュバント薬を指向したオートファジー阻害剤の開発

岐阜薬科大学 薬学部 生命薬学大講座生化学研究室 准教授 遠藤 智史
http://sv1.gifu-pu.ac.jp/lab/seika/

【新技術の概要】

システインプロテアーゼAtg4Bはオートファジーに特徴的なイベントであるオートファゴソーム膜の形成に必須である。新規Atg4B阻害剤は細胞レベルでオートファジーを阻害し、既存抗がん剤との併用で抗癌剤の作用を増強した。

【従来技術・競合技術との比較】

オートファジー阻害剤としてPI3K阻害剤とリソソーム阻害剤が汎用されるが、これらはオートファジーという現象に特異的な阻害剤ではない。Atg4B阻害剤は唯一利用可能なオートファジー特異的阻害剤である。

【新技術の特徴】

・合成が容易な低分子阻害剤である
・オートファジー特異的な阻害が可能である
・多様ながん種で抗がん剤との併用効果が期待される

【想定される用途】

・研究試薬としてのオートファジー特異的阻害剤
・がんアジュバント薬

【関連情報】

・サンプルあり

13:00~13:25 医療・福祉
4) 三次元細胞集合体を用いた生体医療材料の開発

横浜市立大学 学術院 医学群 医学科 循環制御医学 助教 中村 隆
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~seiri1/

【新技術の概要】

我々の研究室では、培養細胞に周期加圧を加えることで、培養細胞の重層化に成功した。特筆すべきは、周期加圧にて用いる条件は生理的な血圧と異なり、高度に高圧かつ長い周期である。この周期加圧の条件を用いることで、培養細胞における細胞骨格および細胞外基質成分の発現が著増することで、細胞がつぶれることなく重層化が可能となる。この技術を用いて重層細胞シートを作製し、血管分野や消化管分野への応用を検討している。

【従来技術・競合技術との比較】

培養細胞に対して細胞工学を用いた様々な医療材料の開発が行われているが、これら医療材料の問題点は強度と伸展性不足である。周期加圧を用いた重層細胞シートは血管移植や消化管移植に耐用可能な強度と伸展性を有している。さらに、作製に複雑な工程や特別な機械を必要としないことから、汎用性が高い技術である。

【新技術の特徴】

・強度と伸展性を有するシート
・培養細胞のみから作製され、特別な試薬等を必要としない
・細胞外基質の一種であるエラスチンの合成が可能

【想定される用途】

・大血管に対する移植
・消化管への移植
・肺葉切除部位への移植

13:30~13:55 分析
5) 発光性金属体を用いたクロロホルムの選択的検出

横浜市立大学 学術院 国際総合科学群 生命ナノシステム科学研究科 物質システム科学専攻 教授 篠崎 一英

【新技術の概要】

トリハロメタン蒸気圧力に依存して色変化及び発光を示す新規化合物。その紫色粉末結晶はジクロロメタン蒸気に曝すと青色、クロロホルムでは赤色を示すことから、トリハロメタン蒸気を識別・検出することができる。また、極微量のクロロホルム蒸気に反応して、鮮やかな赤色発光を示すため、目視での高感度検出が可能である。

【従来技術・競合技術との比較】

本技術は、GCMSのような高価な装置を必要としない安価・簡便なクロロホルムの検出法である。近年、クロロホルムが存在すると発光が弱くなる高分子を用いた安価な検出法が開発されたが、微量計測は困難であった。本技術は、発光しなかったものがクロロホルム蒸気により赤く光りだすため、目視による極微量計測が可能である。

【新技術の特徴】

・ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素蒸気に曝すと、それぞれ青、赤、紺色を示す。
・クロロホルム蒸気にのみ感応して赤色発光を示す、
・色変化、発光変化は可逆的、瞬時に起こり、繰り返し使用可能。

【想定される用途】

・発光を用いたクロロホルムの選択的検出
・色変化を利用した、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素の識別
・色変化を利用する記録用デバイス

14:00~14:25 創薬
6) 脊髄に薬物・中分子薬を届ける経鼻送達ナノカプセル技術

静岡県立大学 薬学部 創剤科学分野 准教授 金沢 貴憲
http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/pharmeng/

【新技術の概要】

薬物(中分子薬も含)を脊髄に送達するための組成物で、親水性セグメントと疎水性セグメントとのブロック共重合体に膜透過性ペプチドを共有結合させた組成物と、薬物とを混合して経鼻投与することで、脊髄に薬物・ペプチド薬・核酸医薬を効率的に送達が可能であり、筋萎縮性側索硬化症や神経障害性疼痛の治療が期待できる。

【従来技術・競合技術との比較】

・静脈内・経口投与:侵襲性は低いが、薬物送達効率が投与量の0.01%程度
・髄腔内投与:薬物送達効率は高いが、侵襲性が高く投与技術が煩雑
⇒本発明技術:経鼻投与(非侵襲性で自己投与可能)によって高い送達効率を有する(最大0.3%)

【新技術の特徴】

・経鼻投与と組み合わせることで、脊髄組織への薬物(ペプチド薬・核酸医薬含む)送達が可能である
・幅広い薬物モダリティ(低分子薬物、水溶性薬物、ペプチド薬、核酸医薬)に適用できる
・特別な投与技術が不要(自己投与可能)なため、医療技術が発達していない国・地域での活用が期待される

【想定される用途】

・難治性脊髄疾患(ALS・神経障害性疼痛など)に対する自己投与型の医薬品
・難治性脊髄疾患の予防や症状軽減のためのサプリメントやアロマといったヘルスケア製品
・運動機能障害、脊髄損傷などのペット・動物用医薬品

14:30~14:55 アグリ・バイオ
7) 糖鎖生理学に基づいた皮膚老化の改善技術

静岡県立大学 薬学部 生化学分野 講師 南 彰
http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/biochem/

【新技術の概要】

糖鎖分解酵素シアリダーゼの酵素活性をイメージングしたところ、真皮に強いシアリダーゼ活性があることが分かりました。このシアリダーゼを利用して、年齢と共に減少し皮膚のしわの原因となるエラスチンを増やすことが可能になりました。

【従来技術・競合技術との比較】

イオン液体を利用することによって、酵素活性を維持したまま安定的にシアリダーゼを真皮に送り届けます。シアリダーゼを使った新しい仕組みによって、皮膚のエラスチン産生を促進することができます。

【新技術の特徴】

・糖鎖科学に基づく新しい作用機序
・イオン液体を利用した酵素の経皮導入技術

【想定される用途】

・シワ改善化粧品
・褥瘡(じょくそう)治療剤

15:00~15:25 創薬
8) エピジェネティックを司るSAMやSAHの新規誘導体の合成

静岡県立大学 薬学部 医薬品製造化学分野 教授 菅 敏幸
http://www.us-yakuzo.jp

【新技術の概要】

植物成長因子ICAのイネ代謝物として新規ホモシスティン付加体を単離した。さらに、絶対配置の決定を目指し、メチオニンより新規SAH誘導体の両異性体を含む合成方法を確立した。また、硫黄原子のメチル化により新規SAM誘導体の合成にも成功した。

【従来技術・競合技術との比較】

DNAのメチル化はガン発症の重要な因子として知られ、そのメチル化はSAMによって引き起こされる。そのため、阻害剤は疾患の重要なリードとして期待されるが、類縁体の簡便な合成法の報告はほとんどない。本発明はこれまでにない類縁体合成であり有用であり、創薬等への応用を検討していただける連携先を探したい。

【新技術の特徴】

・S-ICA-H(ホモシステイン)の合成と化合物の提供
・S-ICA-M(メチオニン)の合成と化合物の提供
・S-AICA-HとMの合成と化合物の提供

【想定される用途】

・医薬品のリード化合物
・生命現象解明のプローブ
・植物の成長制御のリード化合物

15:30~15:55 医療・福祉
9) 医療事故を電子カルテデータを用いて予測する人工知能技術の開発

名古屋市立大学 大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野 教授 明智 龍男
http://ncupsychiatry.com/

【新技術の概要】

院内で発生する医療事故の中で最も頻度が高く、患者の心身の状態や医療スタッフの労働負荷に深刻な問題をもたらし得るものの一つに点滴やドレーン類の自己抜去がある。今回、我々は、患者の電子カルテデータおよび人工知能技術を用いて、従来不可能であった本医療事故の予測を可能とした。

【従来技術・競合技術との比較】

集中治療室において点滴やドレーン類の自己抜去に関連する要因などの知見は散見されるが、一般病棟においてこれらを可能とする技術は存在しない。

【新技術の特徴】

・入院中の高齢者が点滴やドレーン類の自己抜去する確率を患者自身の電子カルテデータ(属性、バイタルサイン、治療薬等)から算出する
・解析に人工知能・機械学習技術を利用し、蓄積された電子カルテデータによる学習・改善が可能
・得られる予測の精度はAUCで0.7以上

【想定される用途】

・病院における医療事故予測
・医療費削減
・高齢者の健康寿命延伸