スマートテクノロジー 新技術説明会
【日時】2017年11月09日(木) 10:30~15:55【会場】JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
【参加費】無料(事前申込み制)
【主催】科学技術振興機構、大阪府立大学、大阪市立大学、兵庫県立大学
【後援】特許庁
【参加費】無料(事前申込み制)
【主催】科学技術振興機構、大阪府立大学、大阪市立大学、兵庫県立大学
【後援】特許庁
発表内容詳細
10:30~10:55
計測
1) 長作動距離広視野または超高分解能を実現するレンズレスホログラフィック顕微鏡
【新技術の概要】
本発明は、透過型と反射型のいずれも実現でき、長作動距離広視野または超高分解能を実現できるレンズレスホログラフィック撮像装置および同装置に用いるデータ処理方法を提供する。
【従来技術・競合技術との比較】
長作動距離広視野顕微鏡を開発するには、大口径対物レンズや膨大な画素数の受光素子が必要になり、従来の光学顕微鏡技術を使って長作動距離広視野顕微鏡を開発することは困難である。また、光学顕微鏡の開口数は1以下に制限され、このために光学顕微鏡の分解能は光の回折限界である光半波長を超えることはできない。
【新技術の特徴】
・作動距離が数10cmのレンズレス長作動距離広視野3次元顕微鏡
・合成開口数が2に近いレンズレス超高分解能3次元顕微鏡
・多数光波の高速記録と光波合成による長作動距離広視野または超高分解能の実現
・合成開口数が2に近いレンズレス超高分解能3次元顕微鏡
・多数光波の高速記録と光波合成による長作動距離広視野または超高分解能の実現
【想定される用途】
・溶液中の生体組織や培養細胞の長作動距離広視野高分解能計測、および超高分解能計測
・大容積な水の中の微生物観察、および大容積中の微粒子の精密光計測
・大面積な面上の微小キズやホコリなどの検出と精密計測
・大容積な水の中の微生物観察、および大容積中の微粒子の精密光計測
・大面積な面上の微小キズやホコリなどの検出と精密計測
11:00~11:25
材料
2) 破れない金箔~フレキシブル金属薄膜
【新技術の概要】
バイオマスとナノ材料を利用した新しい素材の開発を行った。本技術では、金属ナノ粒子と天然生物資源の複合化によって、それぞれの特性を相補することが可能である。工程が少なく、配線などの金属使用量を低減化できるなど、省資源、低コスト化を実現できる。
【従来技術・競合技術との比較】
従来の配線に比べて金属使用量が劇的に低減化(80%以上)されるにもかかわらず、安定した導電性、高い電流密度を示す。柔軟性に優れ、化学的に安定であるため金属アレルギーが抑制できるなど、人体へのストレスがない。
【新技術の特徴】
・導電性、金属光沢
・機械強度、柔軟性
・金属使用量低減化
・機械強度、柔軟性
・金属使用量低減化
【想定される用途】
・金属箔、フレキシブル配線
・電池電極、センサ電極材
・ウエアラブル機器
・電池電極、センサ電極材
・ウエアラブル機器
【関連情報】
・サンプルあり
11:30~11:55
創薬
3) ガス医療への応用を目指す光応答性一酸化炭素放出物質
【新技術の概要】
生体侵襲性の低い可視光に応答して一酸化炭素を放出する物質を生体元素である鉄カルボニル錯体をつくりだした。一酸化炭素放出光波長585nm(黄橙色)は、現在の鉄錯体として世界最長波長。量子収率が1%であるため、デスクライト程度の光照射で一酸化炭素放出ができる。天井からの生活光程度では安定なため、取り扱いが容易。
【従来技術・競合技術との比較】
生体利用を前提とする一酸化炭素放出物質には、応答光の長波長化(生体透過性と細胞非侵襲性の向上)と用いる元素の無毒性の両立が求められる。両者の特徴を兼ね備えた一酸化炭素放出物質は、これまでない。また応答光の更なる長波長化に必要な分子設計の要諦がすでに解明できており比較的簡単に実施できるのもこの物質の特徴である。
【新技術の特徴】
・生体元素で物質が構成されている
・生体侵襲性の低い黄橙色の光で一酸化炭素の放出ができる
・一酸化炭素放出後、錯体が完全に分解し、鉄(Ⅱ)イオンが生成する
・生体侵襲性の低い黄橙色の光で一酸化炭素の放出ができる
・一酸化炭素放出後、錯体が完全に分解し、鉄(Ⅱ)イオンが生成する
【想定される用途】
・一酸化炭素医療(臓器不全、敗血症等への対処療法)における安全な一酸化炭素放出剤(血中投与)
・慢性皮膚炎など外皮近傍の炎症に対する貼付型抗炎症剤
・慢性皮膚炎など外皮近傍の炎症に対する貼付型抗炎症剤
【関連情報】
・サンプルあり
12:00~12:25
電子
4) 生体を模倣した抑制型制御システム
【新技術の概要】
確率共振は、ノイズを利用して信号伝達を向上させる原理であり、生体のニューロンシステムに広く見られる。この原理を備えたニューロン型発振器を利用することで真に生体的な制御システムを実現する。
【従来技術・競合技術との比較】
通常の制御システムでは、システムの制御量を目的値に近づけることでシステム挙動を制御する。一方、本発明の技術では、制御信号の自律的発生とそれらの抑制によってシステムを目的値に近づける。これによって遷移過程においてゆらぎという冗長性を持ち、ロバストなシステム制御が可能になる。
【新技術の特徴】
・ノイズを利用して動作する
・ゆらぎによる冗長性の獲得とロバストなシステム実現
・システム間の協調的な動作が可能
・ゆらぎによる冗長性の獲得とロバストなシステム実現
・システム間の協調的な動作が可能
【想定される用途】
・アミューズメントロボットの制御
・イルミネーションのタイミング制御
・イルミネーションのタイミング制御
【関連情報】
・デモあり
・外国出願特許あり
・外国出願特許あり
13:30~13:55
環境
5) 貴金属の新規な高効率高速回収プロセス
【新技術の概要】
安価に入手可能あるいは廃棄物となっているシリコン粉末を投入することで、水溶液から貴金属成分を金属粉末として回収する。あらかじめ酸化膜を除去したシリコンを用いる、あるいは溶液にフッ化水素酸を加えるか塩基性とすることで、シリコンの酸化をアノード反応とする置換析出を利用し、シリコン表面に貴金属を析出させ回収する。
【従来技術・競合技術との比較】
本技術はセメンテーション法の一つである。従来法では、亜鉛などの卑な金属を加えることで貴金属を回収するが、投入する金属よりも貴なニッケルなどの非貴金属が混入するとともに、投入した金属が酸や王水成分などによって消費される。本技術ではいずれも起こらず、貴金属と銅のみを高効率高速に回収可能である。
【新技術の特徴】
・反応により溶出するものがなく、溶液から貴金属成分のみを選択的に回収可能
・金では、10分以内の常温処理で残留濃度0.1 mg/L以下まで高効率高速に回収
・王水などの酸化剤成分存在下でも回収可能
・金では、10分以内の常温処理で残留濃度0.1 mg/L以下まで高効率高速に回収
・王水などの酸化剤成分存在下でも回収可能
【想定される用途】
・貴金属リサイクルプロセス中のセメンテーションの高効率高速化
・都市鉱山、エッチング液、電解液からの貴金属成分の回収ならびに電解液の再生
・貴金属ナノ粒子の製造
・都市鉱山、エッチング液、電解液からの貴金属成分の回収ならびに電解液の再生
・貴金属ナノ粒子の製造
【関連情報】
・外国出願特許あり
14:00~14:25
創薬
6) 三次元細胞培養プラットフォーム:3DイメージングからBody on a Chipまで
大阪府立大学 研究推進機構 NanoSquare拠点研究所 テニュアトラック特別講師
萩原 将也
http://www.nanosq.21c.osakafu-u.ac.jp/ttsl_lab/m_hagiwara/index.html
http://www.nanosq.21c.osakafu-u.ac.jp/ttsl_lab/m_hagiwara/index.html
【新技術の概要】
ハイドロゲルを組み合わせて作製したデバイスにより、mmサイズの3D組織イメージングにおいて、従来レーザーが届かず見えなかった深度まで高精度に画像取得することを達成した。さらに三次元培養中のサンプルをマイクロ流体チップへカートリッジ式に挿入することができ、創薬分野で期待の高いBody-on-a-Chipへの展開も可能となった。
【従来技術・競合技術との比較】
従来細胞の三次元イメージングの精度は高価な共焦点や二光子顕微鏡の性能に依存していたが、本技術はこれら現在使用の顕微鏡をそのまま使え、かつ複数面からサンプルをイメージングすることで大幅に精度を向上させることができる。さらに従来のマイクロ流体チップ技術をより簡単に取り入れ、三次元培養に適応可能な技術である。
【新技術の特徴】
・最大6面より生体組織の観察が可能であり、ミリメートルの大域かつ高解像のイメージングが可能
・現在ユーザーが利用中の実験装置・試薬がそのまま利用可能な三次元培養プラットフォーム
・従来のマイクロ流体チップ技術をさらに簡単に三次元組織培養実験に取り入れることが可能
・現在ユーザーが利用中の実験装置・試薬がそのまま利用可能な三次元培養プラットフォーム
・従来のマイクロ流体チップ技術をさらに簡単に三次元組織培養実験に取り入れることが可能
【想定される用途】
・iPS由来細胞を用いた体外組織再生における大域高解像の三次元イメージング
・脳機能解明のための高解像イメージング
・複数臓器をマイクロ流体チップに組み込んだ「Body on a Chip」による創薬モデルおよびがん転移モデル
・脳機能解明のための高解像イメージング
・複数臓器をマイクロ流体チップに組み込んだ「Body on a Chip」による創薬モデルおよびがん転移モデル
【関連情報】
・デモあり
・展示品あり
・展示品あり
14:30~14:55
分析
7) 近赤外プローブを用いたアミノ酸の微量成分分析
【新技術の概要】
近赤外分光法は高速な非破壊分析・成分分析の手段として、食品や製品の検査や品質管理に利用されている。本技術では、高い近赤外吸収能をもつ希土類イオンを含む金属錯体をプローブとして用い、これら錯体と結合する陰イオンの検出感度の向上や選択的な検出を可能とする。
【従来技術・競合技術との比較】
微量成分の定量にはクロマトグラフィーを利用する方法が一般的であるが、分析に時間を要する。
近赤外分光法は多変量解析により、1回のスペクトル測定で多成分を同時定量できるため、食品の品質管理に使われているが、高濃度成分にしか適用できない。本技術はプローブを利用することによって、検出感度の向上及び特定成分の即時定量を可能とする。
近赤外分光法は多変量解析により、1回のスペクトル測定で多成分を同時定量できるため、食品の品質管理に使われているが、高濃度成分にしか適用できない。本技術はプローブを利用することによって、検出感度の向上及び特定成分の即時定量を可能とする。
【新技術の特徴】
・混合物中の多成分の即時定量
・近赤外光を利用した非破壊検査
・有機アニオン・アミノ酸などを対象とした分析
・近赤外光を利用した非破壊検査
・有機アニオン・アミノ酸などを対象とした分析
【想定される用途】
・食品分析
・血液・尿中に含まれる成分の濃度測定
・アミノ酸分析
・血液・尿中に含まれる成分の濃度測定
・アミノ酸分析
15:00~15:25
環境
8) レアメタルやレアアースを高吸収能できる酵母の探索
大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 准教授
岸田 正夫
【新技術の概要】
酵母を用いた金属回収に関するバイオレメディエーション研究の過程でレアアース類を高効率で吸収する酵母を単離できたので、その酵母の特性とレアアース類の回収条件について発表する。
【従来技術・競合技術との比較】
これまでにレアアース類を吸収・蓄積する藻類や細菌は知られているが、酵母についてはあまり報告がない。酵母を用いる利点として、菌体当たりの蓄積量が多いこと、培養や菌体回収が容易であることが挙げられる。
【新技術の特徴】
・安全性の高い微生物である酵母の利用
・特殊な薬品や化合物を必要としない
・醸造工程を利用できる
・特殊な薬品や化合物を必要としない
・醸造工程を利用できる
【想定される用途】
・プリント基板などからの希少金属の回収
・希少金属汚染水の浄化
・回収金属の持続可能な再生利用
・希少金属汚染水の浄化
・回収金属の持続可能な再生利用
【関連情報】
・外国出願特許あり
15:30~15:55
電子
9) 表面活性化接合法による厚膜・低損失配線の実現
【新技術の概要】
表面活性化接合法により、厚さが数+ミクロンの金属箔を中間層無で低温で貼り合せます。エッチングにより金属箔を加工し厚膜配線を作製します。半導体デバイスプロセスに導入可能な厚膜、低抵抗、低挿入損失の線路を短時間かつ低環境負荷で実現します。
【従来技術・競合技術との比較】
従来技術では、スパッタリング、メッキ、インク等の手法により金属厚膜を製膜します。これらの方法では、製膜の所要時間が膜厚に依存(スパッタリング、メッキ)、環境負荷大(メッキ)、焼結温度と抵抗間のトレードオフ(インク)という課題があります。金属箔の直接接合によりこれらの課題の解決が可能です。
【新技術の特徴】
・低抵抗、低挿入損失
・膜厚に依らず短時間で金属厚膜を製膜可能
・半導体プロセスとの整合性(接着剤、樹脂などの中間層不要)
・膜厚に依らず短時間で金属厚膜を製膜可能
・半導体プロセスとの整合性(接着剤、樹脂などの中間層不要)
【想定される用途】
・モノリシック集積回路中の低損失配線
・高周波配線板、実装基板
・高周波配線板、実装基板
【関連情報】
・サンプルあり