ライフサイエンス 新技術説明会
【日時】2017年07月25日(火) 9:55~15:00【会場】JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
【参加費】無料(事前申込み制)
【主催】科学技術振興機構、大分大学、佐賀大学、宮崎大学、鹿児島大学、琉球大学、山口大学
【後援】特許庁
【協力】鹿屋体育大学、都城工業高等専門学校、鹿児島工業高等専門学校
【参加費】無料(事前申込み制)
【主催】科学技術振興機構、大分大学、佐賀大学、宮崎大学、鹿児島大学、琉球大学、山口大学
【後援】特許庁
【協力】鹿屋体育大学、都城工業高等専門学校、鹿児島工業高等専門学校
発表内容詳細
10:00~10:25
創薬
1) C型肝炎治療薬リバビリンのジカ熱への応用
【新技術の概要】
ジカ熱に対するワクチンや治療薬は現在のところ存在しない。我々は STAT1欠損マウスがジカウイルス感染モデルマウスになることを新たに発見し、既存のC型肝炎治療薬リバビリンが細胞および生体レベルでジカウイルスの増殖抑制効果を持つことを見出した。以上より、リバビリンがジカ熱の予防や治療に応用できる可能性が示唆される。
【従来技術・競合技術との比較】
従来の解熱剤や鎮痛剤による対症療法に比べ、リバビリンによる治療では早期に体内からウイルスを排除できる。これは患者の苦痛を緩和できるのみでなく、他者への感染拡大を予防できる点で非常に効果的である。
【新技術の特徴】
・安全性が既に確認されている
・比較的安価なため発展途上国への普及が見込める
・比較的安価なため発展途上国への普及が見込める
【想定される用途】
・ジカ熱感染に対する予防的投与
・ジカ熱感染に対する治療的投与
・ジカ熱感染に対する治療的投与
10:30~10:55
創薬
2) 新規コンセプトにもとづく革新的な心機能調節薬
【新技術の概要】
心筋の収縮装置「サルコメア」の構成要素であるアクチン線維をターゲットとする、全く新規なコンセプトにもとづいた画期的な強心薬を開発できる可能性を見出し、そのスクリーニング方法を提供する。
【従来技術・競合技術との比較】
従来の強心薬は、収縮装置サルコメアの活性化シグナルを増強することで収縮性を高めるが、不整脈などの副作用がある。このため、サルコメア自体を標的とした創薬が注目されており、サルコメア内の心筋ミオシンに対する直接活性化薬は有望な新規強心薬であるが、アクチン線維を標的としたものはまだない。
【新技術の特徴】
・新しいコンセプトに基づく作用機序
・スクリーニング方法が存在する
・ヒット化合物がすでに存在する
・スクリーニング方法が存在する
・ヒット化合物がすでに存在する
【想定される用途】
・新規強心薬の創薬
・新規心機能改善薬の開発
・心不全の生命予後改善薬の開発
・新規心機能改善薬の開発
・心不全の生命予後改善薬の開発
11:00~11:25
医療・福祉
3) 3Dカメラを用いた摂食嚥下機能検査システムの開発
鹿児島大学 医歯学域歯学系 小児歯科学分野 教授
山﨑 要一
【新技術の概要】
食品の嚥下時における体表面動態を3Dカメラにより計測し、同時に嚥下透視検査(VF)による口腔、咽頭動態を撮影し、これらを同期させることで、体表面と体内部動態の相関性の分析が可能となる。結果的に3Dカメラによる体表面動態の計測により嚥下時の体内部動態を予測することで、摂食嚥下機能を評価することが本発明の目的である。
【従来技術・競合技術との比較】
従来よりモーションキャプチャーシステムを用いての体表面動態を計測する方法は存在したが、機器の大型化や高価であることから汎用化は困難であった。本技術では安価な小型3Dカメラを用いて非侵襲的、非接触的に体表面動態が計測可能であり、咽頭などの内部動態と同期させることが可能となった。
【新技術の特徴】
・嚥下機能診断
・非侵襲的検査方法
・体外・体内同時計測可能
・非侵襲的検査方法
・体外・体内同時計測可能
【想定される用途】
・医療分野
・介護福祉分野
・食品開発・検査
・介護福祉分野
・食品開発・検査
【関連情報】
・サンプルあり
11:30~11:55
医療・福祉
4) カルシニューリン/NFAT経路を標的とした副作用の少ない免疫抑制剤
【新技術の概要】
本技術は、カルシニューリン/NFAT経路(CN経路)を阻害し、免疫抑制効果を示す薬剤シーズを提供する。本技術の提供する化合物は、細胞膜透過性を有し、標的となる細胞に取り込まれてNFATの核内移行を阻害し、NFATのレポーター活性を抑制することでCN経路を阻害する。新規な免疫抑制剤としての利用が期待できる。
【従来技術・競合技術との比較】
CN経路を阻害する免疫抑制剤としては、シクロスポリンAやタクロリムスが知られるが、腎障害や耐糖能障害など特徴的な副作用が知られており、既存のCN経路阻害剤とは異なる作用点を持つ薬剤が望まれていた。本技術では耐糖能障害や細胞障害を引き起こさない事を示す結果が得られており、こうしたニーズに応えうると考えている。
【新技術の特徴】
・CN経路を既存の阻害剤と同等に阻害
・CN阻害剤に特徴的な副作用を引き起こさないことが期待できる
・CN阻害剤に特徴的な副作用を引き起こさないことが期待できる
【想定される用途】
・免疫抑制剤
12:00~12:25
医療・福祉
5) 多機能型フィルムセンサによる物体認識技術
【新技術の概要】
電気インピーダンスと振動測定を一体化させた多機能型フィルムセンサである。センサ上のヒトの動きによる電気特性及び温度変化の測定に加え、圧力及び微小振動の測定が可能で、在宅医療などでのベッド内のヒトの体位及び呼吸・脈などのバイタルデータを非拘束でセンシングすることを可能とする技術である。
【従来技術・競合技術との比較】
電気インピーダンス測定電極に圧電フィルムを用いることで、電気インピーダンスと振動の同時測定が可能であり、従来のセンサでは困難な単一型のセンサでより多くの情報を得ることが可能である。また、マトリクス状に配置することで比較的簡便な構成でヒトの圧力分布及びバイタルセンシングが実現できる点。
【新技術の特徴】
・圧電フィルムの電極を利用して電気特性を測定することで単一センサで複数のセンシングが可能である。
・マトリクス状にすることで比較的簡便に複数情報のイメージングを可能である。
・マトリクス状にすることで比較的簡便に複数情報のイメージングを可能である。
【想定される用途】
・ヒトの体位及びバイタルセンシング
・ウエアラブルバイタルセンサ
・ロボット物体認識センサ
・ウエアラブルバイタルセンサ
・ロボット物体認識センサ
【関連情報】
・サンプルあり
12:30~12:55
製造技術
6) シリーズ化したファインバブル発生装置の開発
【新技術の概要】
方式の異なる複数のファインバブル(FB[=マイクロバブル(MB)+ウルトラファインバブル(UFB)])発生装置を開発することで、FBの大きさや数、液物性、運転時間、液温度、コンタミ抑制や処理液量、装置費や運転費の観点から用途に応じて使い分けることができる。
【従来技術・競合技術との比較】
開発したFB発生装置は、従来のMB発生装置と比べて粘度の異なる液体でもコンタミレスの環境下でMB発生を可能とし、またUFBに関しては従来の液体ポンプによる高圧循環運転式と比べて、ニーズに応じてUFBの数、液物性、パス回数、運転時間、液温度、コンタミ抑制や処理液量、装置費や運転費の観点から使い分けることができる。
【新技術の特徴】
・コンタミ防止
・任意のスケールや液体に対応可
・低動力運転でウルトラファインバブルの気泡密度が高い
・任意のスケールや液体に対応可
・低動力運転でウルトラファインバブルの気泡密度が高い
【想定される用途】
・医薬品
・食品、化粧品
・農業、漁業、畜産業
・食品、化粧品
・農業、漁業、畜産業
13:00~13:25
医療・福祉
7) 複合振動を利用した新しい超音波治療器の設計
【新技術の概要】
カテーテルや内視鏡などを用いた低侵襲治療において、小型化に高出力を持たせるための治療器の設計が重要です。新技術ではワイヤや細い棒状の構造でも励起可能な複合振動モードを提案します。提案する振動モードは水泳のバタ足のような振動やハサミのような振動が励起され、液体の撹拌や肉の切開などに利用できます。
【従来技術・競合技術との比較】
従来技術には単一方向の超音波を用いたカテーテル用治療器や内視鏡用超音波メスがある。複合振動を用いることで効果を高めたり特別な効果を持たせたりできることは知られているが、安定した振動の励起が難しい課題がある。新技術で提案している複合振動は、単純構造であるため小型化が可能であり、励起させ易い特徴がある。
【新技術の特徴】
・超音波振動の複合振動モード設計法
・バタ足振動による高い撹拌能力
・ワイヤの先端に熱を集中させることができる
・バタ足振動による高い撹拌能力
・ワイヤの先端に熱を集中させることができる
【想定される用途】
・フレキシブルなワイヤ状の超音波撹拌器または超音波メス・ハサミ
・従来より細く侵襲性の低い超音波手術器具の開発
・先端に熱を集中させることによる集中的な温熱治療
・従来より細く侵襲性の低い超音波手術器具の開発
・先端に熱を集中させることによる集中的な温熱治療
13:30~13:55
医療・福祉
8) 寝息呼吸音計測による睡眠障害検査システム
山口大学 大学院創成科学研究科 機械工学専攻 教授
江 鐘偉
【新技術の概要】
本研究では、呼吸による換気状態に着目し、寝息呼吸音をマイクロフォンで計測し、呼吸のリズムや大きさの変動などを解析することで、睡眠時無呼吸症候群ならびに睡眠ステージを検出する簡易睡眠障害検査システムを開発している。
【従来技術・競合技術との比較】
市販されている睡眠状態計測システムは、基本的に睡眠時に発生する寝返り、呼吸や心拍などによる動きをセンシングし、その動きを解析することから睡眠ステージを評価するものである。本システムは、呼吸による酸素と炭素ガスの換気に着目した睡眠状態の評価を行うもので、睡眠ポリグラフ(PSG)に匹敵する分析結果を得ることに成功した。
【新技術の特徴】
・寝息呼吸音の解析技術
・睡眠ステージの推定
・無呼吸発作回数
・睡眠ステージの推定
・無呼吸発作回数
【想定される用途】
・睡眠障害検査
・健康維持
・安全・事故の早期防止
・健康維持
・安全・事故の早期防止
【関連情報】
・サンプルあり
・デモあり
・デモあり
14:00~14:25
医療・福祉
9) 内視鏡画像からの早期癌の自動検出
【新技術の概要】
早期癌の診断は内視鏡医の主観的な判断であり、その発見には熟練を要する。そこで、内視鏡画像を適切な周波数領域や色空間に変換し、これに基づく特徴量を求めることで早期食道癌部位を強調し、当該部位を自動検出する技術を開発した。
【従来技術・競合技術との比較】
従来方法は、専門医でもなくても癌とわかるような画像を対象としていたが、本技術は専門医のみが早期癌と判断できるような画像を対象としている。また、新世代内視鏡システム画像(富士フイルム社のFICEやBLI、オリンパス社のNBI)も利用可能である。
【新技術の特徴】
・内視鏡画像に写った早期食道癌部位を強調し、自動検出が可能。
・画像における周囲と異なるような部分の検出が可能(例えば、農作物の病気、構造物の異常部検出)
・画像における周囲と異なるような部分の検出が可能(例えば、農作物の病気、構造物の異常部検出)
【想定される用途】
・内視鏡画像からの癌の自動検出(医師の診断時の負荷の低減)
・画像のクラスタリング
・内視鏡医の育成
・画像のクラスタリング
・内視鏡医の育成
【関連情報】
・サンプルあり
14:30~14:55
創薬
10) バイオ医薬の探索と量産に向けた新技術基盤セットの開発
【新技術の概要】
バイオ医薬性タンパク質を開発し、生産、精製することが求められている。代表的な3種の有用タンパク質生産宿主を用いた遺伝子改変から高発現、及び生産タンパク質の抽出、精製までの新技術群を紹介する。
【従来技術・競合技術との比較】
バイオ医薬性タンパク質の開発には長い時間がかかる。短時間で遺伝子改変を行い、改変タンパク質を解析し、さらには、それを生産することが課題となっている。モデル生物としての大腸菌、酵母、培養細胞を同時に扱うことで、それぞれの特徴を活かした開発が可能となる。
【新技術の特徴】
・大腸菌によるクローニングとタンパク質高生産システム
・酵母による遺伝子合成からタンパク質高生産システム
・培養細胞による遺伝子改変からタンパク質解析システム
・酵母による遺伝子合成からタンパク質高生産システム
・培養細胞による遺伝子改変からタンパク質解析システム
【想定される用途】
・バイオ医薬の量産
・有用タンパク質の低価格量産
・バイオ医薬品開発
・有用タンパク質の低価格量産
・バイオ医薬品開発
【関連情報】
・サンプルあり