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量子科学技術研究開発機構 新技術説明会
【日時】2017年08月01日(火) 9:55~11:55【会場】JST東京本部別館1Fホール(東京・市ケ谷)
【参加費】無料
【主催】科学技術振興機構、量子科学技術研究開発機構
【後援】特許庁

発表内容詳細

材料
1) 強アルカリ条件に耐える高分子電解質膜をつくる

量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部プロジェクト「高分子機能材料研究」 主幹研究員 廣木 章博
http://www.taka.qst.go.jp/eimr_div/FuncPolym/index_j.html

【新技術の概要】

①ビニルモノマーの分子設計・合成、②放射線グラフト重合技術を活用した高分子の高次構造制御により、アルカリ耐性に優れたアニオン交換膜を作製した。本技術により、強アルカリ条件下で作動する燃料電池用の高分子電解質膜の提供が可能となる。

【従来技術・競合技術との比較】

電極に安価な鉄などを利用できるアルカリ形燃料電池は注目されているが、従来技術で作製される高分子電解質膜ではアルカリ耐性が問題となっている。本技術によりナノスケールの導電性領域を形成させた高分子電解質膜は、従来膜に比べ優れたアルカリ耐性・アニオン伝導性を有する。

【新技術の特徴】

・高分子膜の高機能化
・化学構造・高次構造制御によるアルカリ耐性の向上
・モノマーの選定により多用途に適用可能

【想定される用途】

・アルカリ形燃料電池用の膜材料
・水電解用の膜材料
・金属イオン分離膜

【関連情報】

・展示品あり

材料
2) 細胞培養に適したバイオデバイスを自在につくる

量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部プロジェクト「生体適合性材料研究」 リーダー 田口 光正
http://www.taka.qst.go.jp/eimr_div/BioMater/index_j.html

【新技術の概要】

医療・バイオ分野で求められている、材料の生体適合性や生分解性は保持しつつ、硬さや形状により細胞の接着性や運動性、遺伝子発現等を制御する機能を付加できる微細加工・改質技術を開発した。

【従来技術・競合技術との比較】

本手法では、水中に分散させた高分子への放射線照射により、素材の生体適合性を保持したままのハイドロゲル材料を作製することができる。架橋剤など薬剤を必要とする従来法とは異なり、細胞にやさしく、高効率で精密なバイオデバイスを創製できる。

【新技術の特徴】

・生体適合性ハイドロゲルの微細加工技術
・薬剤無添加のため細胞にやさしい改質技術
・細胞培養に適した形状や硬さを制御可能

【想定される用途】

・再生医療やバイオ研究のための3次元細胞培養
・生体内環境を模擬した創薬スクリーニング
・診断用の新しい造影剤の開発

【関連情報】

・展示品あり

材料
3) グラフェンを使ってナノスケールの磁気を制御する

量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部プロジェクト「陽電子ナノ物性研究」 上席研究員 境 誠司
http://www.taka.qst.go.jp/eimr_div/positron/Molspin%20team/index_molspin_top.html

【新技術の概要】

グラフェンは究極的に薄い電子やスピンの導線としてナノエレクトロニクスやスピントロニクスなど様々な分野への応用が期待されています。本講演では、厚さが一原子層のグラフェンやグラフェンと類似の構造を持つ六方晶窒化硼素を使ってナノ粒子の形状や配列を精密に制御したり、ナノ粒子や界面の磁気的な性質を制御する技術を紹介します。

【従来技術・競合技術との比較】

従来は、グラフェン自身の物性の解明や利用が研究されてきました。これに対して、私たちは、グラフェンを異なる材料と複合化することで発現する新物性・機能に注目しています。一原子分の厚さのグラフェンや窒化硼素が、組み合わせて用いる材料のナノスケールの構造や物性に大きな寄与を及ぼすことが明らかになりつつあります。

【新技術の特徴】

・グラフェン等の上にサイズが揃った数ナノメートル以下のナノ粒子やワイヤーを規則的に並べることができます。
・グラフェンや窒化硼素を厚さが究極的に薄い表面被覆層や絶縁層として用いることができます。
・磁性材料と組み合わせて用いることでグラフェンの電子のスピンを揃えたり磁性材料のスピンの向きを制御できます。

【想定される用途】

・磁気記録デバイスやスピントロニクスデバイス
・積層型ナノデバイス等の電極材料や絶縁材料
・電子・磁気・光学的機能性や触媒性を有する金属・半導体量子ドット

【関連情報】

・サンプルあり
・展示品あり
・外国出願特許あり

計測
4) 超単色X線によりナノ深度で薄膜の磁性を探査する

量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 関西光科学研究所放射光科学研究センター 次長 綿貫 徹
http://www.kansai.qst.go.jp/

【新技術の概要】

スピントロニクス材料などの機能性磁性薄膜デバイスについて、ナノメータ厚みのレイヤーの磁性や、表面・界面からナノメータ深さまでの磁性観察ができます。また、プローブ原子層を導入することによって、デバイスの任意の位置について、1原子層レベルで局所磁性観察を行うことができます。

【従来技術・競合技術との比較】

本技術は、我々独自の放射光超単色X線ビーム技術を改良してナノメータ厚みの磁性観察を可能としたものです。放射光の磁性観察では、軟X線の利用が盛んに行われていますが、表面のみの観察に限られます。一方、本技術は透過力のある硬X線を利用するため、埋もれた界面やレイヤーの磁性観察まで可能です。

【新技術の特徴】

・表面だけでなく、デバイス中に埋もれた界面やレイヤーの磁性観察ができます。
・低温や高温、ガス中での測定が可能です。
・電場・磁場などの外場印加時の素子の作動状態での観察が可能です。

【想定される用途】

・多層膜垂直磁気記録媒体、スピンエレクトロニクス素子
・磁気量子ワイヤー・量子ドットデバイス
・通常の分析手法では困難な微小領域磁性計測が必要な場合

【関連情報】

・展示品あり
<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>

量子科学技術研究開発機構 イノベーションセンター 研究推進課

TEL:043-206-3146(共同研究)、3027(ライセンス) FAX:043-206-4061
Mail:innov-prom1アットマークqst.go.jp(共同研究), innov-ip
URL:http://www.qst.go.jp/collaboration/prom