JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2008 九州横断3県合同(大分・熊本・長崎)

発表内容詳細

10:30~11:00 環境
1)  有機廃棄物を高カロリー燃料にすることで廃棄物の利活用を目指した廃棄物燃料化の高効率且つ低コスト製造方法
発表資料

熊本大学 大学院自然科学研究科 産業創造工学専攻 教授 鳥居 修一
http://www.mech.kumamoto-u.ac.jp/Info/lab/heat/torii/toriiindex.htm http://www.gsst.kumamoto-u.ac.jp/kenkyu/pdf/sangyo/sentan/torii.pdf

新技術の概要

有機系廃棄物を含水率を下げるだけでは高カロリー燃料にはならない。そこで、廃棄物と廃油混合した媒体を減圧し且つか加温することで効率良く含水率を下げることで高カロリー燃料を製造する。その最適製造方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

一般に有機系廃棄物だけでは高カロリー燃料にはならない。例えば脱水汚泥を火力発電所の代替燃料とするには、膨大な廃食油や熱エネルギーが必要である。本発明によれば石炭と同程度の発熱媒体を効率良く低コストで製造することが可能となる。

新技術の特徴

・バイオマス(廃液・廃油)の利活用が促進でき、環境にやさしい燃料をつくりだせる。
・現場で発生した有機系廃棄物と廃油を前処理することなく利活用できる。
・希望の発熱量をもつ燃料が製造できる。

想定される用途

・有機系廃棄物の利活用できる。例えば、畜産農家、豆腐・納豆製造メーカー、缶ジュースメーカー、海産物製造メーカー。
・廃油を未処理で利用できる。

11:00~11:30 情報
2)  個人アプリケーションをそのまま協調作業に利用可能にするコンピュータプラットフォーム

大分大学 工学部 知能情報システム工学科 教授 伊藤 哲郎
http://bunsyo1.ad.oita-u.ac.jp:8080/kentop.asp

新技術の概要

日常作業で利用するコンピュータ上で、個人利用を想定したアプリケーションとユーザの間で、ウィンドウイメージとユーザ入力のイベントを仲介することで、アプリケーションの改変なしに、その本来の機能を損なわず、協調作業に利用可能にするプラットフォームの構築技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来の協調作業支援技術では、あらかじめ作業内容を想定したアプリケーションやデバイスの開発に焦点があてられていた。新技術では、個人利用を想定したアプリケーションに協調作業に必要とされる機能を提供することで、日常作業における様々な作業形態に対応した環境を容易に構築することを可能にする。

新技術の特徴

・アプリケーション、OS、およびディスプレイなどのディバイスの変更なしに利用可能
・ウィンドウの回転、データの配信、および同一アプリケーション共有によるコミュニケーションの強化の実現
・異なるPC上でのアプリケーション共有による個人作業と協調作業の容易な切り替えの実現

想定される用途

・SDG(Single Display Groupware)に代わるテーブル型ディスプレイ上での対面作業環境の構築
・複数の小ディスプレイを利用した低コスト協調作業環境の構築
・遠隔地間でのリアルタイム作業管理

11:30~12:00 機械
3)  工作機械上での精密粗さ・形状測定技術
発表資料

長崎大学 工学部 機械システム工学科 准教授 矢澤 孝哲
http://manuf.mech.nagasaki-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

工作機械で加工した工作物に対し、表面粗さから形状までをサブミクロン以上の精度で非接触計測する技術。測定検査と加工の間に工作物の再チャックなど段取り替えが不要となり、高精度で高能率化が実現できる。

従来技術・競合技術との比較

通常の測定器では高精度であるほど振動や運動精度といった環境の影響を受けやすく機上計測が難しい。これに対し本技術は、光スキッド法により環境や外乱の影響を受けず、高精度化を実現している。

新技術の特徴

・光スキッド法により1点の変位測定(スタイラス)と面の変位測定(スキッド:点変位成分の移動平均に相当)を同軸・同時に行う
・スキッド・スタイラス測定結果の差分(差動法)により、振動や電磁ノイズ等の環境の影響、運動誤差の影響を除去できる
・光測定法の問題である光源の変化の影響を受けない

想定される用途

・加工精度(表面粗さ、うねり、形状精度)の機上計測(工作機械への搭載)
・表面粗さの自走測定(大型加工物に測定器を乗せ、運動させて測定)
・装置の運動測定(鏡面レベルの表面粗さの基準を用意できない場合)

関連情報

・試作可能

13:20~13:50 アグリ・バイオ
4)  アミロイド線維形成阻害剤を用いたアミロイドーシスの治療
発表資料

熊本大学 大学院医学薬学研究部 病態情報解析学分野 講師 城野 博史
http://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/diagnostic/index.htm

新技術の概要

アミロイドーシスとは、不溶性のアミロイド線維が生体内に沈着し、臓器の機能障害をおこす疾患の総称である。本研究では、アミロイド線維形成阻害剤を用いたアミロイドーシスの新規治療薬の開発を行う。

従来技術・競合技術との比較

本阻害剤は、疎水性の分子を取り込みやすい特性を持ち、蛋白質の安定化・凝集抑制作用を有することから、アミロイド線維形成の抑制を可能にする。本阻害剤は安全性に優れ、医薬品製剤にも広く利用されており、実用化の観点からも有用である。

新技術の特徴

・疎水性の分子を取り込みやすい
・蛋白質を安定化し、凝集・ミスフォールディングを抑制する。
・安全性に優れ、医薬品製剤にもすでに広く利用されている。

想定される用途

・アミロイドーシスの予防・治療
・アミロイドーシスの予防薬
・アミロイドーシスの治療薬

13:50~14:20 医療・福祉
5)  新規細胞接着ペプチドを用いた創傷治療への応用
発表資料

大分大学 医学部附属病院 皮膚科 講師 岡本 修

新技術の概要

我々はデルマトポンチン(DP)と呼ばれる細胞外マトリックス蛋白質が強力な表皮細胞接着能を有することを見出した。その活性ペプチドの1つはDP-4と名づけた11残基のペプチドと同定された。このDP-4ペプチドをマウスの実験的創傷に塗布すると、対照に比べて有意に新生表皮の延長が誘導された。

従来技術・競合技術との比較

創傷治癒促進剤としては従来トラフェルミンが知られているが、DP-4はマウス実験的創傷への塗布実験にてトラフェルミンと同等あるいはそれ以上の新生表皮の延長を示した。

新技術の特徴

・単純なペプチドで、化学的に合成が困難でない。
・化学的に合成されたペプチドで、細胞由来の物質の混入がない。

想定される用途

・外傷等による潰瘍の治療。

14:20~14:50 医療・福祉
6)  がん化の可能性の低いヒトiPS細胞作製技術
発表資料

熊本大学 大学院医学薬学研究部 免疫識別学分野 准教授 千住 覚
http://srv02.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/immunoge/immunoge.html

新技術の概要

ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)による再生医療の実現へ向けて、iPS細胞由来の分化細胞のがん化のリスクを低減するという課題を解決するための技術である。

従来技術・競合技術との比較

ヒトiPS細胞には、再生医療への応用が期待されているが、従来技術では、iPS細胞の作製には、体細胞に細胞がん化に関連する遺伝子を導入し初期化を行う必要があった。

新技術の特徴

・遺伝的改変によるiPS細胞由来分化細胞の機能の人為的制御

想定される用途

・ヒト多能性幹細胞由来の分化細胞を用いた再生医療
・ヒト多能性幹細胞由来を用いた細胞医薬の開発

15:00~15:30 製造技術
7)  結晶粒微細化による高強度ステンレス鋼およびニッケル基超合金の製造技術
発表資料

長崎大学 工学部 材料工学科 助教 水本 将之
http://www.mase.nagasaki-u.ac.jp/lab/soshiki/sos.htm

新技術の概要

鋳造用ニッケル基超合金やステンレス鋼の結晶粒を微細化させる添加剤の開発に成功した。本技術では、添加剤を合金溶湯中に添加するだけで微細組織の製品が得られる。通常の合金と比較して10分の1以下に結晶粒が微細化されるため、製品の加工性および機械的特性を向上させることができる。

従来技術・競合技術との比較

ニッケル合金やステンレス鋼の結晶粒の微細化技術は、煩雑な工程を必要とするものがほとんどであるのに対して、本技術は溶解した合金に添加剤を加えるだけであり、従来の製造工程の大幅な変更を必要とせずに、製品の機械的特性を向上させることができる。

新技術の特徴

・特殊な設備を必要とせず、従来の設備をそのままに最小限の作業工程の変更で適用できる
・既存のニッケル基超合金やステンレス鋼の機械的特性や加工性を手軽に向上させることが可能

想定される用途

・各種ポンプおよびタービンなど耐食性と高強度が求められる構造用材料
・複雑な機械加工を要する部材のための金属材料の改質
・鋳造製品の溶接・加工性の改良

関連情報

・サンプルの提供可能

15:30~16:00 材料
8)  チタニアナノ粒子の窒化によるハイレート電力デバイスの電極材料とその製法
発表資料

大分大学 工学部 応用化学科 准教授 津村 朋樹
http://www.appc.oita-u.ac.jp/inorgchem/toyoda/top.html

新技術の概要

急速充放電が可能なリチウムイオン電池電極活物質の製造技術である。すなわち、ナノスケールで構造制御された酸化チタン粒子を高純度アンモニア中で焼成することにより、形態を保持したまま酸化チタンを部分的に窒化する技術である。

従来技術・競合技術との比較

急速充放電に対応するための従来技術としては、高導電性材料のナノスケールでの混合、電極活物質のナノサイズ化等が挙げられる。本技術のようなナノサイズの電極活物質の部分窒化による電極活物質自身への導電性付与の報告はない。

新技術の特徴

・高導電性ナノ粒子
・導電性を窒化深度によりコントロール
・高表面積ナノ粒子

想定される用途

・リチウムイオン電池電極
・電気二重層キャパシタ
・触媒担体

16:00~16:30 製造技術
9)  Ba-Ca-Cu-O銅酸化物の薄膜製造法
発表資料

八代工業高等専門学校 情報電子工学科 教授 木場 信一郎

新技術の概要

Ba-Ca-Cu-Oは、100Kを超えるような高い超伝導転移を持った高温超伝導,電気伝導性などの特徴を有する銅酸化物である。このBa-Ca-Cu-O薄膜を結晶性よく製造するために、複合酸化物薄膜をバッファ層として、その表面にBa-Ca-Cu-Oを堆積する製造法。

従来技術・競合技術との比較

SrTiO3上に堆積させる方式のMBE法で、超薄膜が作製されているが、超電導転移温度が60K台であり、空気雰囲気により、劣化しやすい。本技術では、結晶整合性と酸素相互拡散源として複合酸化物をバッファ層とすることで、結晶性と安定性の面で有利である。また、複合酸化物に超伝導性をもたせることにより、超伝導薄膜システムとしても有利である。

新技術の特徴

・Ba-Ca-Cu-O薄膜の製造
・超伝導薄膜として安定なBa-Ca-Cu-O薄膜の作成

想定される用途

・酸化物の厚膜技術
・超伝導線材の基盤技術としての薄膜システム
<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>