発表内容詳細

10:40~11:10 環境
1)  植物利用による環境浄化法-ファイトレメディエーション
発表資料

広島大学 大学院理学研究科 数理分子生命理学専攻 助教 高橋 美佐

新技術の概要

有機塩素化合物類似化合物であるリマゾールブリリアントブルーまたはグアヤコールが存在する環境で生育させることにより有機塩素化合物分解能力が高い植物をスクリーニングする方法とそれを用いた環境浄化方法。

従来技術・競合技術との比較

有機塩素化合物の無害化処理法として一般的に用いられる熱分解処理法などの化学的分解法や汚染土壌の除去などの物理的な浄化方法に比べて環境負荷が小さい、低コストなどの利点がある。さらに、他の方法に比べて低濃度の汚染物浄化に有効である。また、遺伝子組換え植物を用いないので社会に受けいられやすい。

新技術の特徴

・植物利用による環境浄化方法
・環境負荷が小さい浄化方法

想定される用途

・産業廃棄物、工業用水、廃棄物埋立地浸出水に含まれる有機塩素化合物類浄化
・汚染土壌浄化

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11:10~11:40 環境
2)  高窒素含有有機廃棄物の乾式アンモニア・水素・メタン発酵処理
発表資料

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授 西尾 尚道
http://www.hiroshima-u.ac.jp/adsm/bio/biotechnology/index.html

新技術の概要

高窒素含有有機廃棄物(汚泥、家畜糞、生ゴミ等)を加水なしで、そのまま乾式アンモニア発酵し、脱アンモニア後、乾式水素・メタン発酵を行なう。アンモニアは肥料として利用する。水素は燃料電池で電力変換する。メタンは熱利用する。残渣はリン肥料として用いる。廃棄物の水処理フリーのカスケード利用となる。

従来技術・競合技術との比較

従来の固体有機廃棄物処理技術のうち、1)焼却はダイオキシンが発生しやすく、燃料費が高騰しており、2)コンポスト化は過剰生産気味であり、3)湿式メタン発酵はエネルギー回収できるが、水処理(後処理)を必要とする。

新技術の特徴

・高窒素含有有機廃棄物、例えば、汚泥、家畜糞、生ゴミを無加水で、単独あるいは合併処理できる。
・基本的には、水処理を必要としない。
・アンモニア、水素及びメタンを回収できる。
・残渣はリン源として利用できる
・アンモニアは窒素肥料として利用できるし、将来的には水素改質後、燃料電池に接続できる。

想定される用途

・有機廃棄物の減量化
・エネルギー利用(ボイラー、ガスタービン、燃料電池)
・肥料(アンモニア肥料、リン肥料)

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11:40~12:10 環境
3)  オゾン表面酸化反応に基づく混合廃プラスチックからの塩素系プラの除去
発表資料

広島大学 環境安全センター センター長・教授 西嶋 渉
http://environ.jp/

新技術の概要

プラスチックはそもそも疎水性表面を持つが、オゾンは塩素系プラスチックと特異的に反応し、その表面を親水性に変えることを見出した。その後、浮遊選別を行うと比重に関係なく、疎水性表面を持つ様々なプラスチックは浮上し、比重が1より大きく、かつ親水性に変化した塩素系プラスチックを沈降分離することが可能である。

従来技術・競合技術との比較

様々なプラスチック類を含む廃プラスチックは比重分離によって浮上分のみ回収され、資源化されてきた。あるいは溶融過程で塩化水素として脱塩素化してきた。比重分離では廃棄に回るプラスチック量が大きくなり、脱塩素化では腐食に対応するため高価な耐腐食性材料を使わなければならない。新技術では水処理に使用される程度のオゾン濃度で常温10分程度で親水化ができ、分離ができる点に特徴がある。

新技術の特徴

・水処理程度のオゾン処理なので低コスト
・従来の比重分離と相性のよい湿式処理
・高度な技術が必要ない

想定される用途

・自動車、家電等シュレッダーダスト中のプラスチックの資源化のための前処理
・混合廃プラスチックの資源化のための前処理

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13:40~14:10 アグリ・バイオ
4)  S-アデノシルメチオニン高蓄積酵母株の構築と酵母菌体製剤への利用

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 特任教授 宮川 都吉

新技術の概要

生体の恒常性維持に不可欠な高機能分子であるS-アデノシルメチオニン(SAM)高生産の変異を醸造用酵母(協会7号)に導入(セルフクローニング)することにより、安全なSAM高蓄積酵母の作成に成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来法によれば、SAMは酵母菌体から抽出、精製、化学処理により製剤化するが、SAMの安定性と安定化の化学処理による毒性に大きな問題がある。本法では、我々が開発したSAM高蓄積酵母株菌体を"酵母菌体製剤"として利用する。

新技術の特徴

・醸造酵母への高生産遺伝子の導入はセルフクローニングによる。このため、原理的に組み換え体に該当しない。
・精製SAMには、安定性と安定化化学処理による毒性に大きな欠点がある。酵母菌体製剤は、この問題を回避できる。
・我々が見出した特殊な変異(sah1-1)により、SAMを野生株の37倍菌体内蓄積する(特開2005-261361)。

想定される用途

・SAMの欠乏は肝臓病、骨関節症および鬱病などの病因で、SAMの治療効果は著しい。酵母菌体製剤を食薬として摂取する
・酵母菌体はそれ自体で栄養補給剤として定評があるので、SAM高蓄積酵母菌体製剤はイメージ的に受け入れられ易い。

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14:10~14:40 アグリ・バイオ
5)  温暖化環境下におけるトウモロコシの生産力の向上
発表資料

広島大学 大学院生物圏科学研究科 植物栄養生理学専攻 教授 藤田 耕之輔

新技術の概要

温暖化環境下におけるトウモロコシの生産力の向上を図るため、新栽培技術(2期作)の開発や新品種の具備すべく特性の解明

従来技術・競合技術との比較

新栽培技術によって、従来技術よりも生産性が向上し台風などのリスクが低減すると共に、温暖化対応の品種は、ソース(光合成)ではなく、子実等のシンクの高温耐性が高いことを初めてを示した。

新技術の特徴

・一作の子実収量は従来と大差ないが2作のため安定した高位生産が可能である。
・台風、梅雨による日照不足等のリスクの軽減、従来トウモロコシ無栽培の早春・晩秋の日射量の活用・CO2吸収の特徴がある。
・温暖に対応した新品種特性は、ソース(光合成)でなく、穂軸・子実等のシンクの高温ストレス特性によることを示した。

想定される用途

・トウモロコシの生産性の向上によって、食品製造、家畜飼料、バイオエタノールなどの自給率の向上を図る。
・現在、耕作放棄地、調整水田などの活用によって、肥料・農薬・コンポストなどの農業資材分野の活性化を図る。
・生産性の向上によって、環境保全の面から、水田の治水機能、自然景観の維持など本来の機能の復元を図ることができる。

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14:40~15:10 アグリ・バイオ
6)  「透明ガエル」(スケルピョン)の開発とその利用
発表資料

広島大学 大学院理学研究科 附属両生類研究施設 教授 住田 正幸
http://home.hiroshima-u.ac.jp/~amphibia/sumida/

新技術の概要

色彩突然変異(黒眼と灰色眼)を用いた交配によって、皮膚が透明で内臓が透視できる「透明ガエル」(スケルピョン)を作成することに成功した。スケルピョンは体壁が透明で、幼生期から成体期にいたるすべての段階で、内臓を透視できるため、新たな実験動物として利用価値が高いと考えられる。

従来技術・競合技術との比較

スケルピョンは解剖せずに、同一個体の内臓を繰り返し、一生にわたって観察できるため、内臓の成長や成熟、老化の過程、癌などの発生や進行の過程を経時的に調べるのに有用である。また、化学物質の生体への影響(例えば毒性)を容易に評価できる。さらに鑑賞用としても利用可能である。

新技術の特徴

・皮膚が透明で同一個体の内臓を繰り返し一生にわたって観察できる。
・体内の組織や器官の変化を解剖せずに詳細に観察できる。
・疾病(例えば癌)の発生や進行過程を経時的に観察できる。

想定される用途

・疾病(例えば癌)の治療法の開発に寄与する。
・化学物質や薬剤の生体への影響(例えば毒性)を容易に評価できる。
・鑑賞用としての利用も可能である。

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15:20~15:50 アグリ・バイオ
7)  バクテリオファージの新しい利用法:細菌感染症の治療剤
発表資料

広島大学 大学院生物圏科学研究科 生物資源科学専攻 教授 中井 敏博
http://home.hiroshima-u.ac.jp/fishpath/

新技術の概要

バクテリオファージは細菌に感染してそれを溶菌するウイルスで、自然界では細菌の「天敵」として存在する。本技術(ファージ療法)は、このファージを魚類の細菌感染症の治療および予防に利用しようとするものである。

従来技術・競合技術との比較

抗生物質などによる化学療法には、薬剤耐性菌の出現や薬剤による環境汚染の問題がつきまとう。抗細菌剤としての優れた特性を有するファージによる本療法は、これらの問題を解消する全く新規な技術である。

新技術の特徴

・ファージは特定の病原菌のみを速やかに殺菌し、常在菌に影響しない。
・ヒトや動物には感染しないので安全である。
・自然から分離したものであるので環境汚染の心配がない。
・投与方法が多彩(注射、経口、浸漬、スプレー)である。
・製造コストが安価である。

想定される用途

・水産増養殖における細菌病の防除
・人および動物の細菌感染症の治療
・水や食品の殺菌
・細菌の同定試薬

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15:50~16:20 アグリ・バイオ
8)  自然土壌細菌を利用した植物根頭がんしゅ病防除法
発表資料

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 准教授 宇佐美 昭二
http://home.hiroshima-u.ac.jp/mbiotech/ichikou/itikouindex.html

新技術の概要

バラや桜などの花卉・園芸植物に感染して根頭癌腫を形成することにより商品価値を下げてしまう土壌病原性根頭がんしゅ病菌を、自然土壌より分離した単一または複数の土壌細菌を土壌へ添加することにより除菌し、根頭癌腫の発生を防除する。

従来技術・競合技術との比較

従来方法では、汚染土壌の加熱殺菌や単一微生物の大量投与により土壌フローラが破壊され、栽培土壌としての再活性化を必要とした。本方法では自然土壌由来の非病原性細菌を投与することにより、土壌フローラに対する破壊的な効果を示さず、栽培土壌として継続して利用することができる。

新技術の特徴

・根頭がんしゅ病の発生を抑制する。
・根頭がんしゅ病菌に汚染された土壌を再生できる。
・土壌フローラの破壊を引き起こさない。

想定される用途

・根頭がんしゅ病菌汚染土壌の再生
・花卉・園芸植物植え付け時の根頭がんしゅ病防除用製剤

関連情報

・サンプルの提供可能

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