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発表内容詳細

10:30~11:00 アグリ・バイオ
1)  細胞の未知の遺伝子を発見するためのウイルスの開発と応用
発表資料

群馬大学 生体調節研究所 生体情報部門・細胞構造分野 教授 原田 彰宏
http://traffic.dept.med.gunma-u.ac.jp/

新技術の概要

本発明ではレトロウイルスベクターをゲノムDNAに挿入することで遺伝子の機能を不活性化すると共に、そのベクターの性質を利用してベクターが挿入された遺伝子を簡便に同定しようというものである。

従来技術・競合技術との比較

これまでの培養細胞に変異を生じさせ、原因遺伝子を同定する手法としてゲノムDNAに化学物質を用いて点突然変異を入れた後に異常な細胞を同定し、その細胞に多種のcDNAを導入して形質を復帰させ原因遺伝子を同定していたが、この手法だと原因遺伝子を得るのに多大な労力と時間が必要であった。

新技術の特徴

・簡便に細胞に導入できる
・簡便に遺伝子機能を不活化できる
・簡便に変異遺伝子を同定できる

想定される用途

・薬剤耐性に関係する遺伝子の同定
・脂質、タンパク質合成に関連する遺伝子の同定
・他、細胞の機能に関連する遺伝子の同定一般

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

11:00~11:30 アグリ・バイオ
2)  酵素を利用したグルクロン酸の新たな製造プロセス
発表資料

宇都宮大学 農学部 生物生産科学科 准教授 羽生 直人

新技術の概要

デンプンを原料とし、選択的酸化触媒TEMPO(2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl)を用いてα-1,4-ポリグルクロン酸(アミロウロン酸)へ変換した後、土壌より単離した新規アミロウロン酸分解菌の産生するエクソ型加水分解酵素を作用させることによってグルクロン酸を得る。

従来技術・競合技術との比較

一般的な酸化剤や強酸を用いる従来技術では、反応選択性が低く、多くの副生物が生成してしまうため、煩雑な精製操作を必要とするのに対し、本プロセスでは反応選択性が高く、効率的なグルクロン酸製造が可能となる。

新技術の特徴

・反応選択性が高いため,副生成物が非常に少ない
・加熱・加圧の不要な穏やかな条件で反応が進行する環境適合性の高いプロセス
・土壌より単離したPaenibacillus属細菌の産生する新規加水分解酵素を利用

想定される用途

・医薬品、医薬原料
・食品添加剤(栄養ドリンクなど)
・新規な界面活性剤原料

11:30~12:00 アグリ・バイオ
3)  梨果実の「みつ症」に関わる遺伝子の探索と応用
発表資料

茨城大学 農学部 生物生産科学科 准教授 井上 栄一
http://fruit.agr.ibaraki.ac.jp/

新技術の概要

梨果実の「みつ症」は、果肉部が水浸状となり日持ち性の低下や果肉の褐変をもたらし、商品価値を著しく低下させる重大な生理障害である。本発明は、「みつ症」が発生した梨果実で特異的に発現する遺伝子またはその産物であるタンパク質をマーカーとして利用し、未熟果実の段階で「みつ症」の発生予察を行うための技術である。

従来技術・競合技術との比較

梨において、「みつ症」の程度を測定する方法としては、果実を切断して目視により果実内部を調査する方法や光を照射して果実内部の品質を評価する方法がある。しかし、これらの方法は「みつ症」が発生してしまった果実の程度を評価するものであり、「みつ症」の発生してない段階での発生予察を可能とする方法は発明されていない。

新技術の特徴

・不可能であった「みつ症」の発生予察が可能。
・特定の遺伝子またはタンパク質をマーカーとして利用。
・予察結果の数値化またはその視覚化が可能。

想定される用途

・試験研究機関で利用する精度の高い予察装置の開発。
・一般の梨園でも利用可能な簡易診断キットの開発。
・「みつ症」を発症しにくい抵抗性品種の開発。

関連情報

・サンプルの提供可能

13:20~13:50 計測
4)  カラーブラウン管を用いた磁気の可視化とその応用
発表資料

埼玉大学 地域オープンイノベーションセンター 客員教授 山田 興治

新技術の概要

カラーブラウン管のRGBシャドウマスクの機構を用いた漏洩磁界を直視する装置であり、磁石の着磁量や鉄鋼材料の漏洩磁気を観測するのに用いる。感度は100ガウス/stripe程度となるが原理的に高感度化可能である。従来の白黒の可視化方法や鉄粉による磁力線の観察に比べてはるかに直感的に磁界を捉えることが出来る。

従来技術・競合技術との比較

新技術の概要にも触れたが、従来ではN-Sの区別が不可能であったが青、赤の発色区別により識別可能である。また高感度化についてはシャドウマスクの細分化によりマイクロテスラ(10mガウス)にまで改良可能である。

新技術の特徴

・N,Sの識別可能な磁界直視
・漏洩磁気を可視化
・着磁量の直視

想定される用途

・回転機のステータ磁気検査
・鉄鋼材料の非破壊検査
・教育機器

13:50~14:20 アグリ・バイオ
5)  酵素構造に学ぶ-生分解性高分子からマラリアワクチンまで
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 准教授 奥 浩之

新技術の概要

蛋白質や酵素は、高効率性や高選択性に於いて科学や工学が究極の目標とする特徴を数多く備えています。また材料開発を考える場合、アミノ酸を用いた高分子材料は、設計の自由度や環境・生体への適合性という観点から、ますます重要になると考えられます。

従来技術・競合技術との比較

我々は実験室レベルでの大量合成(~数モル)に関して簡便化やステップ数の削減、機能性の付与(ナノ微粒子、刺激応答性など)について、長年研究を続けており、アミノ酸とヒドロキシ酸を用いた材料として独自の技術を有しています。

新技術の特徴

・アミノ酸材料の問題点である結晶性と溶解性の克服技術。
・整形外科材料など医療分野への応用・実用化研究。
・材料科学の視点から開発しているマラリアワクチンは例が少ない。

想定される用途

・企業レベルの協力が得て、液相合成法による大量生産を実証したい。
実際に医用材料として多くの応用が期待されている。 マラリアワクチンを通じて材料科学の視点から温暖化対策、途上国支援に貢献できる。

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

14:20~14:50 材料
6)  遷移金属複合酸化物を用いた新しいタイプの可視光応答光触媒
発表資料

宇都宮大学 大学院工学研究科 物質環境化学専攻 助教 手塚 慶太郎

新技術の概要

不対電子を持つ遷移金属イオンを含む複合酸化物を用いた可視光応答光触媒であり、可視光照射により、高いメタノール分解活性を有することを見出した。新規な水素生成反応や防汚、除菌などの応用展開が期待される。

従来技術・競合技術との比較

光触媒として実用化されている酸化チタンと比較すると、酸化チタンが紫外光にしか活性がないのに対して、本技術の触媒は可視光で高い活性がある。太陽光中に紫外線はわずかしかないのに対して可視光は豊富にあるので、太陽光の効率利用の観点からも優れている。

新技術の特徴

・不対電子を持つ遷移金属イオンを含む複合酸化物を用いた可視光応答光触媒
・従来の光触媒とは異なるメカニズムによる光触媒活性

想定される用途

・太陽等の光を使った水素生成反応
・太陽等の光を使った防汚、除菌などの有機物分解

15:00~15:30 アグリ・バイオ
7)  熱ショックを利用した農作物の病害抵抗性誘導技術
発表資料

茨城大学 農学部 フィールドサイエンス教育研究センター 准教授 佐藤 達雄
http://protech.agr.ibaraki.ac.jp/index.html

新技術の概要

作物体温を数十秒間、温湯浸漬や温湯散布で40℃以上にする(熱ショック)ことにより病害に対する抵抗性や保存性の向上が図られる。作物の免疫を向上させることにより殺菌剤を使うことなく病害の発生を抑制することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来、作物の病害対策としては殺菌剤の散布に大きく依存してきたのに対し、本法は薬剤等を用いることなく、植物の獲得免疫を利用することによって病害に侵されにくい作物体を育成することができる。

新技術の特徴

・殺菌剤等の薬剤を用いて病原菌を殺すのではなく病原菌に対する作物の抵抗性を誘導することにより病害にかかりにくくする。
・作物の病害抵抗性を誘導する手段として温度変化のみを用いる。
・広汎な作物、病害に対して効果が期待できる。

想定される用途

・作物の減農薬・無農薬栽培
・作物収穫後の日持ち性向上

15:30~16:00 情報
8)  一枚画像からの簡単な3次元復元と複数形状の高速な統合手法
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 情報機構/情報メディア基盤センター 准教授 川崎 洋
http://www.cgv.ics.saitama-u.ac.jp/

新技術の概要

一枚の画像から3次元復元を行う簡易な手法を提案します。画像上で復元したい部分を中心にお絵かきソフトで指定していくだけで3次元が復元できます。また、そうして得られた複数の3次元形状を高速に一つに統合することができます。その際、復元できなかった穴は滑らかに埋まります。

従来技術・競合技術との比較

従来の一枚画像からの3次元復元は、消失点を指定したり、3次元の直方体を2次元画像に重ねるなど、複雑な作業が必要なため一般ユーザが使うことは難しいものでした。今回はそのような処理が必要無いため、誰でも気軽にスナップ撮影した画像から3次元復元することが出来ます。また、複数形状の統合は従来、非常に重い処理でしたが、最近のPCでは一般的になりつつあるグラフィックチップを使用することで、これを大幅に高速化します。

新技術の特徴

・一枚画像から複雑な作業をすることなく簡易に3次元復元できる。
・複数の3次元形状を高速に一つの形状に統合できる。
・計測できなかった穴を自動で滑らかに埋めることができる。

想定される用途

・スナップ撮影した写真を3次元に起こして、CADやグーグルアースなどで再利用できます。
・高速な形状統合により、デジタルアーカイブやCG映画、ゲーム作成時における作業時間を大幅に短縮できます。
・ゲームにユーザ自身が登場することなどが簡単に出来るようになります。

関連情報

・データをお送り頂ければテスト致します。
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

16:00~16:30 計測
9)  紫外領域円二色性スペクトルを用いた血糖値測定システム
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 生産システム工学専攻 准教授 櫻井 浩

新技術の概要

我々は、非侵襲血糖値測定システム開発を目指して、100mg/dl程度の希薄グルコース水溶液の紫外光円二色性スペクトルを検討した。その結果、波長180nm~205nmの間は水の吸収が少なくグルコースの円二色性スペクトル信号が強いため、誤差10%程度でグルコース濃度の定量可能であることをを見出した。

従来技術・競合技術との比較

近赤外領域に着目した分光法、ラマン分光、旋光度分光、屈折率、蛍光法など光学的計測法では、グルコース以外の脂肪、タンパク質、多くの電解質などからの信号の分離が困難である。そのため、十分な測定精度が得られていない。しかし、本システムでは、グルコースとそれ以外の脂肪やタンパク質、多くの電解質が識別可能である点が優位である。

新技術の特徴

・グルコースの高精度定量(100mg/dlで誤差10%)
・グルコース選択的
・測定対象物の温度変化による影響が少ない

想定される用途

・非侵襲血糖値測定システム
・食品の糖度計

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

16:30~17:00 材料
10)  酸化チタンや酸化亜鉛のシリカコーティングによる光触媒活性制御技術
発表資料

宇都宮大学 大学院工学研究科 学際先端システム学専攻 教授 鈴木 昇
http://www.chem.utsunomiya-u.ac.jp/lab/funtai/

新技術の概要

無機系顔料の酸化チタンや酸化亜鉛は光触媒活性を有しており、化粧品や塗料に利用する場合はその機能を抑制する必要がある。ここでは、ゾル-ゲル法でのシリカコーティング技術を紹介します。

従来技術・競合技術との比較

ゾル-ゲル従来法では、コーティングに長時間(数時間以上)を必要としているが、マイクロ波加熱法を利用することで、短時間(数分)の処理を可能としました。

新技術の特徴

・マイクロ波は簡便な加熱方法
・処理時間が極めて短い
・均一性の高いコーティング

想定される用途

・化粧品の紫外線防御料
・ナノテクノロジー分野
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