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発表内容詳細

13:40~14:10 電子
1)  ディジタル音響信号への知覚不可能な情報の埋込とその検出方法
発表資料

北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 人間情報処理領域 准教授 鵜木 祐史
http://www.ais.jaist.ac.jp/index-j.html

新技術の概要

本方法は、電子透かし技術として要求される、検知不可能性、秘匿性、頑健性を満たしたディジタル音響信号向けの電子透かし技術である。本方法は、蝸牛遅延という本来聴覚に備わっている特性とこれに関係する同時性知覚の研究成果に基づき、検知不可能な電子透かし情報の埋込を実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来法として、(1)エコーハイディング法(Gruhl、 1996)と(2)周期的位相変調法(西村&鈴木、2004;特許第3627022号)がある。いずれも聴覚特性に基づいた方法であるが、(1)に関しては秘匿性の点で、(2)に関しては検知不可能性の点で、本方法が優れている。

新技術の特徴

・聴覚特性(蝸牛遅延特性)に基づいた知覚不可能な情報埋め込みの実現

想定される用途

・ディジタル音響データ(ディジタルコンテンツ)の著作権保護
・ディジタル音響データ(ディジタルコンテンツ)への付加価値情報の追加

関連情報

・サンプルの提供可能

14:10~14:40 電子
2)  超高周波帯における小型平面構成信号多分配回路の多様な設計方法
発表資料

富山大学 理工学研究部(工学系) 電気電子システム工学科 教授 坂上 岩太

新技術の概要

マイクロ波ミリ波などの超高周波領域における信号(電力)多分配回路の構成法について述べる。内容は以下の2通りに分けられる。 (1)分布定数素子による4通りの構成方法: プリント基板上にて小型で且つ優れた周波数特性を有し、1入力を同時に3,5、7分割等する。多段変成器の導入により、広帯域化や最近話題の2周波、3周波対応の回路とする。 (2)集中定数素子によるインピーダンス変換型ブランチカプラによる構成方法:インピーダンス変換比を適宜選ぶことにより回路を構成する素子数を減らす。  

従来技術・競合技術との比較

(1)分布定数素子による4通りの構成方法: 従来回路より大幅に小型化し且つ周波数特性も改善する。従来回路とは異なって信号入力部に多段変成器を導入することができ、更なる広帯域化が図られ、また、最近必要性が強調されている2周波、3周波設計対応の回路となりうる。 (2)集中定数素子によるインピーダンス変換型ブランチカプラによる構成方法:インダクタ、キャパシタなどの素子数を減らす構成法を提案する。

新技術の特徴

(1)分布定数素子による4通りの構成方法: 
・1入力同時信号多分配回路である。
・大幅な小型化と大幅な周波数特性改善をする。
・4通りの設計法(1.広帯域設計、2.帯域幅比設計、3.多周波設計、4.容易設計)を可能とした。
(2)集中定数素子によるインピーダンス変換型ブランチカプラによる構成方法: 
・集積化に適した回路設計
・インダクタやキャパシタなどの構成素子数をインピーダンス変換型の導入により低減

想定される用途

・アレイアンテナなどの信号供給回路
・マイクロ波ミリ波帯の電力増幅回路

関連情報

・試作可能
・外国出願特許あり

14:40~15:10 アグリ・バイオ
3)  糖鎖高分子を利用したタンパク質の凝集阻害剤
発表資料

北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 物質デザイン・創出領域 准教授 三浦 佳子
http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/miura/

新技術の概要

アルツハイマーアミロイドβ、β2ミクログロブリンなどのタンパク質は凝集して、アミロイドと呼ばれる塊を形成する。中性の糖鎖を側鎖に結合させた糖鎖高分子はタンパク質の構造を安定化して、凝集を防ぐ。

従来技術・競合技術との比較

トレハロースをはじめとする中性糖はタンパク質の水和を安定化することが知られているが、その活性は弱い。我々の糖鎖高分子ではタンパク質安定化する効果が強く、少量で長期にわたる安定化を促す。

新技術の特徴

・タンパク質の強い凝集阻害効果
・少量で単糖よりも強い効果を発揮する

想定される用途

・食品
・基礎科学(試薬)
・製薬

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

15:30~16:00 アグリ・バイオ
4)  微生物の複合培養法を用いた新規抗生物質製造法
発表資料

富山県立大学 工学部 生物工学科 講師 尾仲 宏康

新技術の概要

本技術は属の異なる二種の放線菌を複合培養することによって、純粋培養とは異なる代謝産物の生産を放線菌に促す技術と、さらに、得られたペプチド化合物の構造を遺伝子組換え技術により簡便に多様化する二つの独立した技術からなる。

従来技術・競合技術との比較

医薬品等天然物からの生理活性物質スクリーニングには、純粋分離された菌株を使用するのが一般的であり、複合培養法はほとんど報告されていない。また、特定の1菌株が放線菌やカビに広く作用するという前例はない。

新技術の特徴

・新発見微生物Tsukamurella pulmonisは様々な放線菌、カビの二次代謝産物を誘導することができる。
・Tsukamurella pulmonisと複合培養したときのみ、放線菌やカビが二次代謝産物を特異的に作る例が多数見られた。
・ゴードスポリン生合成遺伝子を利用すれば、チアゾール、オキサゾール環をペプチド化合物に簡単に導入できる

想定される用途

・医薬品のスクリーニング(純粋培養では生産できない化合物が発見できる可能性がある)
・化合物の醗酵生産時の高収率、高効率化(純粋培養に比べ高生産する場合がある)
・複素環(チアゾール、オキサゾール)修飾による、ペプチド化合物の高機能化、医薬品探索ライブラリーの効率的な作製

関連情報

・MTA契約後の菌株の提供は可

16:00~16:30 アグリ・バイオ
5)  細胞応答を利用する迅速・簡便な生物毒素の検出法
発表資料

富山大学 大学院理工学研究部(工学系) 生命工学科 教授、生命工学科長、大学院生命融合科学教育部生体情報システム科学専攻長 篠原 寛明
http://epic.eng.u-toyama.ac.jp/~matlife/bio/lab/bio1/shino.html

新技術の概要

神経系の培養細胞が持つ受容体やイオンチャネルへ作用する麻痺性貝毒、記憶喪失性貝毒や神経症状型きのこ毒などを、その細胞の刺激応答能から迅速、簡便に、しかも感度よく検出する方法を開発しました。

従来技術・競合技術との比較

従来、神経性生物毒素の検出には、注射した動物の生死判定法、細胞の生死判定法、液体クロマトグラフィー質量分析法、酵素免疫測定法などが用いられますが、本方法は、これらの方法に比べて極めて短時間で検出を行えます。

新技術の特徴

・培養細胞、測定試薬をキットとして供給することにより、容易な操作で、30分程度で検出結果が出せます。
・食の安全を守るだけでなく、薬品や化学物質の神経毒性チェックなどにも用いることができます。
・複数の培養細胞を用いて、サンプル中の複数の毒素を同時検出することもできます。

想定される用途

・貝、きのこなどの食品検査、食中毒予防
・薬品や化学物質の神経毒性検査
・脳・神経系細胞の刺激応答観測に基づくライフサイエンス研究

16:30~17:00 アグリ・バイオ
6)  膜組成が内外で異る細胞を模倣したリポソーム
発表資料

北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 バイオ機能・組織化領域 教授 高木 昌宏
http://www.jaist.ac.jp/ms/labs/takagi/

新技術の概要

実際の細胞膜は、内外の組成が異なっている。新しい手法では、液滴法を用いて細胞サイズの内外組成の異なる「非対称リポソーム」を作製できる。

従来技術・競合技術との比較

従来法では、非対称膜は作製できない。また大きさも実際の細胞に比べてはるかに小さい。本手法では、細胞サイズの非対称構造を持つリポソームを作製できる。

新技術の特徴

・液適法により内外層の組成の異なる非対称リポソームを作製する方法
・実際の細胞と同様の大きさを持つリポソームを選択的に作製する方法
・細胞に於いて信号伝達の足場ともなるドメイン構造(ラフト)を有するリポソームを作製する方法

想定される用途

・外部ストレスが膜の構造・機能に与える影響を単純な系で解析する。
・膜中に内包された物質を運搬、融合、分離する技術を開発する。
・膜流動性と細胞信号伝達の関係を解析する。

関連情報

・サンプルの提供可能
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