発表内容詳細

13:40~14:10 製造技術
1)  無電解銅めっきによるLSI配線及び三次元実装貫通電極形成技術
発表資料

関西大学 システム理工学部 機械工学科 教授 新宮原 正三
http://www.ap-phys.mec.kansai-u.ac.jp/

新技術の概要

三次元LSIの貫通ビアホール(TSV)への銅の埋め込み堆積を、無電解銅めっきにより検討した。現状技術では、TSVへの金属電極形成は、CVD法による多結晶シリコン、あるいはタングステンなどが主流技術となっている。電気抵抗の低い銅の埋め込みに関しては、電解めっき法が検討されている。本研究では、タングステン膜の上への無電解置換銅めっきにより、直径2μm、深さ40μmのTSVへの銅堆積を検討した。

従来技術・競合技術との比較

電解めっきによる銅のTSV埋め込みにおいては、アスペクト比(深さ/直径の比)が5以上になると、電流シード層の形成が困難なために埋め込み形状が不完全となる。本技術の無電解めっきにおいては、適切な添加剤の組み合わせにより、ホール入り口のピンチオフが抑制され、アスペクト比が高くともほぼ完全なコンフォーマル堆積が実現されるので、微細なTSV埋め込みに適している。

新技術の特徴

・複雑に入り組んだ深い穴の内部にも、均一な膜厚で銅皮膜が形成できます。
・本技術では、凹凸の激しい表面の凸部への銅堆積が抑制されます。一方、凹部への堆積はさほど抑制されません。よって、平坦化が可能です。

想定される用途

・3次元LSIの貫通ビアホール形成技術
・LSI極微細Cu配線及びビアホールの形成
・電解めっき皮膜などにおけるピンホールへの、銅の封止など。

14:10~14:40 計測
2)  超音波STM(走査型トンネル顕微鏡)の原理と応用
発表資料

関西大学 システム理工学部 機械工学科 教授 高田 啓二

新技術の概要

走査型トンネル顕微鏡の試料に超音波検出器を取り付け、試料に発生する超音波を検出することで、様々な物理情報をイメージングするプローブ顕微鏡である。例えば探針振動で試料に超音波を発生させると、探針-試料間に働く原子間力が検出でき、絶縁体を観察することができる。原子間力は弱い引力領域から斥力領域まで連続的に計測される。探針-試料間に交流電圧を加えると静電気力が検出され、誘電率や半導体不純物濃度等が画像化される。

従来技術・競合技術との比較

カンチレバーで力を検出する原子間力顕微鏡(AFM)は、柔らかいカンチレバー先端に探針があるためにその位置制御性および位置検出精度が原理的に制約される。一方、超音波STMでは、探針がスキャナに堅固に固定されているために、様々な力が探針に作用しても探針位置を正確に制御でき、その位置はスキャナ印加電圧等として正確に画像表示される。光てこやカンチレバーは不要で、走査型トンネル顕微鏡と同様のシンプルな構造である。

新技術の特徴

・急峻な高さ変化を有する微細形状を正確に観察することができる。
・マイクロカンチレバーを使うことなく、絶縁体観察ができる。
・探針-試料間に電圧を加えた状態で、静電気力の影響を受けることなく、探針を試料直近まで精度良く接近できる。

想定される用途

・微細素子製作過程等における微細構造の形状検査
・半導体材料等の物性検査
・原子間力顕微鏡(AFM)走査型トンネル顕微鏡(STM)に代わる顕微鏡として、両者の全用途への適用。

14:40~15:10 製造技術
3)  時間反転する超音波技術とその応用
発表資料

関西大学 システム理工学部 物理・応用物理学科 専任講師 山本 健

新技術の概要

時間が反転したかのように経路を逆向きに伝搬する超音波を発生させる技術である。発生した超音波は伝搬経路の不均一による波面の歪みを自動的に補正する能力を有する。電場との非線形相互作用を利用したバルク弾性波デバイスである。

従来技術・競合技術との比較

アレイを用いた信号処理による時間反転波を発生させる手法と比較して、複雑な計算処理部を必要としない手法であり、高周波への適用も容易である。また、入射波より大きな時間反転波を発生する増幅の可能性もある。

新技術の特徴

・超音波の波面の歪みを自動的に補正
・反射の法則に従わず、入射波と同じ方向に反射
・バルク超音波デバイス

想定される用途

・診断や治療等の医療分野
・探傷等の非破壊検査

15:20~15:50 材料
4)  環境・医療用インテリジェント高分子ゲルの合成と応用
発表資料

関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 教授 宮田 隆志
http://www.chemb.kansai-u.ac.jp/kouzai/index.htm

新技術の概要

内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)などの環境汚染分子および腫瘍マーカーなどの生体分子を厳密に感知して構造変化するソフトマテリアル(分子応答性ゲル)を世界で始めて合成に成功した。このような分子応答性ゲルは環境汚染物質等の吸着除去システムやセンサーシステム,医療診断システム,DDSなどへの応用が可能である。さらに,分子応答性を示すナノ粒子の合成や薄膜調製も行っている。

従来技術・競合技術との比較

従来の高分子ゲルは高吸水性樹脂やソフトコンタクトレンズ,振動吸収剤等として幅広く実用化されているが,本技術の分子応答性ゲルは特定の分子に応答できる世界で初めてのソフトマテリアルであり,分子捕捉材料やセンサー材料などへ応用することによって従来技術にない医療システムや環境改善システムの構築が可能である。

新技術の特徴

・標的分子を厳密に見分けるセンサー機能をもった高分子ゲルの合成とその応用
・標的分子を感知して構造変化する高分子ゲルの合成とその応用
・標的分子の情報を蛍光変化や体積変化などに情報変換できる高分子ゲルの合成とその応用

想定される用途

・水質管理(環境汚染物質の除去,環境センサー,水処理など)
・医療診断センサー(遺伝子診断,抗原診断,腫瘍マーカー診断など)
・ドラッグデリバリーシステム(DDS)(疾病シグナルによる自律応答型DDS,疾病部位における標的DDSなど)

J-STORE掲載特許情報

15:50~16:20 材料
5)  氷結晶制御物質の機能解析とその素材応用
発表資料

関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 准教授 河原 秀久
http://www.life-bio.kansai-u.ac.jp/laboratory_images/microbial.html

新技術の概要

氷の核形成を抑制したり、あるいは微小な氷結晶の成長を抑制する物質を様々な生物および天然素材、特に食品素材から分離製造している。その機能は、氷に関わる様々な現象を制御する機能である。それら物質を用いて、冷凍食品の品質改善および細胞などの保存などに用いることが可能である。

従来技術・競合技術との比較

これまでは、糖質などを大量に利用して、その凝固点降下によって、凍結点の降下あるいは未凍結状態を調製したきた。これら氷制御物質の場合には、使用量は0.1%以下であり、場合によってはppmオーダーで活性を発揮できる。このように微量の添加によって、機能が発揮できるので、汎用性が広まる可能性がある。

新技術の特徴

・天然素材で、食品添加も可能である。
・細胞膜の安定化にも寄与できる。
・氷全体の構造を改善することができる。

想定される用途

・食品産業
・再生医療・ライフサイエンス
・冷凍機

関連情報

・サンプルの提供については、依頼の量による。

16:20~16:50 材料
6)  有機金属化合物の特性を活かした均一系触媒反応開発
発表資料

関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 准教授 大洞 康嗣
http://www.achem.kansai-u.ac.jp/fine/fine.htm

新技術の概要

本技術は、有機ケイ素、スズ、チタン、二オブ化合物を反応基質として用い、これら有機金属化合物が有する特徴的な反応性を活かした効率的かつ高選択的な有機金属化合物の新規合成法ならびに、これらを反応試剤として用いた新規均一系触媒反応開発法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

クロスカップリング反応等に広く用いられている、有機ケイ素、スズ等の有機金属化合物の合成において、従来法に比べ本技術は、高収率、高選択的かつ副生成物を生成しない方法で得られる点が特徴的である。また、本技術はこれまで行われてこなかった、有機チタン、ニオブを用いた新規クロスカップリング反応を提供する。

新技術の特徴

・効率的な有機ケイ素、スズ試薬の合成法
・オレフィン類からの効率的な有機変換反応
・高活性、高選択的な均一系触媒反応

想定される用途

・クロスカップリング反応剤としての利用
・高い機能を有する含金属材料のとしての利用
・工業的か製品を合成するための均一系触媒としての利用

16:50~17:20 製造技術
7)  アクティブスクリーンを用いた新プラズマ窒化技術
発表資料

関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 准教授 西本 明生
http://www.kumse.kansai-u.ac.jp/LABHPFILE/akamatsu/seika.html

新技術の概要

プラズマ窒化処理法は、熱変形が少ない、特別な加熱装置を必要としない、省エネルギーであるなど多くの利点を有するため、殆どの鋼種に適用されているが、放電が試料の端部に集中しやすいこと、質量の異なる製品を同時に処理すると窒化状態にばらつきを生じることなどが欠点として挙げられる。上記のような欠点を解消することを目的とした、処理品の周りに金属製のスクリーンを置きこれを陰極として、スクリーン表面でプラズマを発生させるという間接的な窒化処理技術である。

従来技術・競合技術との比較

スクリーンを用いた窒化処理は処理品に対して間接的に窒化がなされるため、また放電が試料の端部に集中しないことから、複雑な形状の処理品に対して均一に処理することが可能となる。

新技術の特徴

・従来のプラズマ窒化技術の問題点(エッジ効果、アーキング)を回避できる
・従来のプラズマ窒化装置を使用できる
・均一な窒化膜を形成できる

想定される用途

・自動車部品
・航空機部品
・各種金型の表面処理

関連情報

・サンプルの提供可能
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