JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2008 山陰(鳥取・島根)発

発表内容詳細

10:50~11:20 創薬
1)  生薬に含まれる新規抗がん成分の探索と創薬への応用
発表資料

鳥取大学 医学部 医学科 准教授 三浦 典正
http://www.med.tottori-u.ac.jp/p/igaku/gakka/igaku/byoutai/yakubutsu/

新技術の概要

現在臨床応用されている抗癌薬の中には生薬から抽出されてきたものも多いが、生薬には未だ不明な抗癌成分が含まれている。主成分としてアルカロイドや配糖体などが知られており、我々はまずアルカロイドに着目し、多くの漢方薬成分から1つのリード化合物及び派生物質を発見し、抗癌作用、抗テロメレース作用、抗トポイソメラーゼ作用など臨床応用可能な作用を有していることを見出した。その有用性と新規なシーズとしての可能性を報告する。

従来技術・競合技術との比較

植物由来の抗腫瘍成分は多く存在し、その一部は臨床応用されている。しかし長い歴史の中で淘汰されたり、反対に重用された生薬由来成分の中にも、重要な成分が含有されている可能性がある事は否定できない。我々がリード化合物としてまたその派生物資として同定してきた新規成分は、抗腫瘍効果を有し医薬になり得る可能性があり、既に臨床応用されている成分と異なる化学構造でありながら、多様な抗腫瘍効果を有することで期待が大きい。

新技術の特徴

・新規抗癌薬の発見
・数種のリード化合物の発見
・多様な抗癌作用

想定される用途

・医療
・バイオ研究

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11:20~11:50 医療・福祉
2)  骨粗しょう症の弱い骨を確実に固定する新世代のネジ
発表資料

島根大学 プロジェクト研究推進機構/医学部 医学科 准教授 森 隆治
http://www.med.shimane-u.ac.jp/orthop/index.html

新技術の概要

骨粗鬆症で弱くなるのは海面骨といわれる網目状の骨で、この脆弱な海面骨を骨折することが多い。本技術が提供する骨接合ネジは、海面骨からの引抜き強度が大きいため、骨折した骨粗鬆症患者の寝たきり防止に役立つ。

従来技術・競合技術との比較

従来の骨接合ネジは、ネジ山先端に応力を集中させることで、頑丈な骨を強固に固定する。しかし、応力集中は脆弱な骨の破壊を招く。本技術では応力を分散し脆弱な骨を固定するのに適したネジを提供する。

新技術の特徴

・ネジ山の形状が従来と異なる。
・ネジから骨に伝わる力が広い範囲に分散する。
・靭帯と骨の接合部に使えば、靭帯の固定強度が高まる。

想定される用途

・骨折の手術で使う骨接合ネジ
・骨と靭帯の接合部に使うネジ
・海綿骨と同様な構造を持つ多孔性セラミックなどの固定ネジ

関連情報

・サンプルの提供可能

11:50~12:20 医療・福祉
3)  脳機能イメージングに新たな道を拓く、立体形状をした多点透明電極の開発
発表資料

島根大学 医学部 医学科 教授 廣田 秋彦

新技術の概要

脳機能イメージング法の1つとして、脳の電気活動を光学的に多数ヶ所から同時記録する手法が普及しつつあるが、心拍動などにより波形が大きく歪む問題の解決が求められている。脳波を光学測定と同時に測定できる透明多点電極を用いた、有力な解決策を呈示する。

従来技術・競合技術との比較

透明電極の市販品はあるが、平面形状をした試料に測定対象を限定したものであり、立体形状をした脳などに用いることはできない。測定対象を圧迫することなく、多点同時測定を可能とする透明多点電極を作製した。

新技術の特徴

・電極のベースが曲面である。
・透明導電体として生体毒性の無い材料を用いている。
・任意の位置に多数の電極を作製可能である。

想定される用途

・光学的に膜電位を測定し、脳の機能イメージングする画質の飛躍的な改善。
・光学測定領野内の任意の位置に電気刺激を加える。
・曲面状の測定対象から光学測定する際、周辺部がピンボケになり、測定精度が落ちる現象の改善。

13:40~14:10 アグリ・バイオ
4)  タンパク質の立体構造決定とインタラクトーム解析
発表資料

鳥取大学 大学院医学系研究科 機能再生医科学専攻 准教授 飯塚 舜介
http://med.tottori-u.ac.jp/p/igaku/daigakuin/kinou/seitai/seitaikoujikinou_home/meshizuka/

新技術の概要

タンパク質タグ付きの目的タンパク質を用いることで、溶解度が低い、或いは安定性が悪いタンパク質の立体構造をNMR法で決定する方法。タグタンパク質と目的タンパク質のシグナルを分離して帰属し、構造情報を得る。

従来技術・競合技術との比較

NMR法は溶液中のタンパク質の構造を決定する唯一の方法であるが、溶解度が低い場合、安定性が低い場合は使えない。タグの性質を利用することで、溶解度を上げ、安定性を増して、生成・精製の手間を少なくする。これによって構造決定と、創薬ターゲットとなるタンパク質ドメイン選定を迅速に行う。

新技術の特徴

・タンパク質タグつきの目的タンパク質のNMRスペクトルから、目的タンパク質のシグナルを抽出し、帰属する。
・タンパク質タグつきの目的タンパク質のNMRスペクトルから、目的タンパク質のNOEの構造情報を得る。
・単独では、NMRの試料として用いることが出来ないタンパク質に構造決定の道を開いた。

想定される用途

・構造に基づいた創薬の検討。
・溶解度が低いタンパク質の構造決定
・構造安定性の低いタンパク質の構造決定

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14:10~14:40 アグリ・バイオ
5)  普通のご飯として食べることで高血圧を予防できるお米の開発
発表資料

島根大学 生物資源科学部 生物科学科 准教授 赤間 一仁
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/biology/akama/index.htm

新技術の概要

遺伝子工学の手法を用いて、グルタミン酸からギャバ(高血圧などを緩和する成分)への変換を触媒する酵素の活性を増大させ、お米の中にこの改良酵素を大量に作らせることで、ギャバを高濃度に含むお米を開発することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

ギャバを高濃度に含むお米として、巨大胚芽米系統イネ、浸漬処理をおこなった胚芽米が開発されている。いずれも胚芽の部分にギャバを多く含むために、玄米の状態で炊飯・摂取する必要がある。これに対して、本研究で開発したお米は精米しても高濃度のギャバが保持されるため、普通のご飯として食べてもギャバの効果が期待できる。加工の必要がないために、低価格で販売できる。

新技術の特徴

1)ギャバ合成酵素の機能解析の成果を利用
2)食味を損なうことなく、機能性成分であるギャバを充分量摂取することの実現
3)様々な生活習慣病の予防効果も期待

想定される用途

1)日常食として常用することで、血圧が気になる中高年の高血圧の予防効果、高血圧症の治療効果が期待できる。
2)高齢者が日常食として常用することで、脳機能の改善が計られ、認知症の予防効果が期待できる。
3)集約的な高付加価値米として栽培することが可能であるために、耕地面積が限られた中山間地域での新たな産業創出として期待できる。

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14:40~15:10 アグリ・バイオ
6)  陽イオン交換体を用いた簡便なプラスミドDNA抽出法
発表資料

島根県産業技術センター 技術部 環境技術グループ 主任研究員 永田 善明
http://www.shimane-iit.jp/

新技術の概要

大腸菌からのプラスミドDNA精製法である「アルカリ-SDS法」に陽イオン交換作用を応用。菌体溶解液をアルカリ土類金属を保持する陽イオン交換体、および水素イオンを保持する陽イオン交換体と接触させることにより、短時間でプラスミドDNAを得ることができる。

従来技術・競合技術との比較

本プラスミドDNA抽出法は、染色体DNA、タンパク質、塩等の不純物側を沈殿吸着により除去し、プラスミドDNAのみを溶液中に残存させる方法である。従来法であるアルカリ-SDS法+核酸結合担体を用いる方法と比較して操作ステップが大幅に減少し、菌体ペレットから3操作、15分でプラスミドDNA溶液を得ることができる。

新技術の特徴

・操作ステップが少ないため、プラスミドDNAを短時間で得ることができる(3操作、15分以内)。
・得られたプラスミドDNAは直ちに制限酵素処理、PCR等に適用可能

想定される用途

・大腸菌からのプラスミドDNA精製キット
・プラスミド自動精製装置

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15:20~15:50 情報
7)  口部形状と頭の動きを利用した文字入力システム
発表資料

鳥取大学 大学院工学研究科 情報エレクトロニクス専攻 助教 齊藤 剛史
http://salmon.ele.tottori-u.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、 1台のカメラ画像を用いて、手指を用いずに口部形状と4種の簡単な首振り動作により文字を入力する技術である。リアルタイム画像処理を利用して、従来にない新しい文字入力技術の提案である。

従来技術・競合技術との比較

従来のキーボードやマウス、視線方向検出、音声認識を利用した文字入力技術に比べると、入力速度が早くない課題が残っている。しかし口部形状を利用することは、ユーザに発話を意識させる利点をもつ。さらに音声認識と異なり声を出す必要が無く、かつ騒音環境下でも利用できる利点をもつ。

新技術の特徴

・手指や視線を使わずに口の動きと簡単な首振り動作のみで文字を入力できる。
・内容に応じて口を動かすことにより文字の入力を実現するため、利用者は話しをしている感覚を実感できる。
・実際に文字入力システムを開発し、被験者実験による評価を実施している。

想定される用途

・手指の細かな動きが困難なユーザに対する文字入力のためのインタフェース
・音声認識技術と統合したインタフェース
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15:50~16:20 情報
8)  車側面に取り付けられた魚眼カメラによる車線検出
発表資料

鳥取大学 大学院工学研究科 情報エレクトロニクス専攻 教授 李 仕剛
http://app6.ele.tottori-u.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、車の側面に取り付けられた魚眼カメラから車線検出の手法を提案する。魚眼カメラの広い視野を利用して、より安定な車線検出が可能になる。その手法は、カメラの取り付け姿勢情報は事前に測定しておく必要がない。

従来技術・競合技術との比較

従来は、前方に取り付けられているカメラから車線検出を行った。しかし、その手法は、前方にトラックなどの車両があるときに、その車線が遮断され、観測しにくいという欠点がある。

新技術の特徴

・車の側面に魚眼カメラを取り付け、長い範囲内の車線を観測できる
・カメラの取り付け姿勢情報は事前に測定しておく必要がない
・簡便に車の車線逸脱を検出できる

想定される用途

・車の運転補助
・車の自動運転

関連情報

・サンプルの提供可能

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16:20~16:50 機械
9)  精密シャフトの高精度輪郭形状測定用位置合わせ治具の開発
発表資料

鳥取県産業技術センター 機械素材研究所 生産システム科 特任研究員 木村 勝典
http://www.tiit.or.jp/

新技術の概要

微細精密部品の輪郭形状を迅速かつ高精度に測定するため、特にシャフトと呼ばれる丸棒形状の固定に特化し、容易にかつ短時間で高精度の位置合わせが可能で、水平・垂直・直立の3方向にセットできる治具を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の治具は固定面・方向が限定され位置合わせに時間や熟練を要する点等課題があったが、輪郭形状評価に影響を及ぼす要因を明らかにし課題をクリアーする治具を開発、短時間で容易に高精度位置合わせを行えるようになった。

新技術の特徴

・広範囲な直径のシャフト固定に対応および平行・垂直・直立の3通りの固定方法が可能なこと。
・軸合わせ機能は0.1deg/50mmの範囲に容易にセットできること。
・測定軸に垂直な軸と回転軸の機能を組み合わせたのみのシンプルな構造とし、操作性の向上と操作時間短縮を図れること。

想定される用途

・精密シャフトの輪郭形状測定時の位置あわせ用治具
・球状部品及び円筒状部品の観察時固定用治具

16:50~17:20 材料
10)  プラスチック上にも形成できる高速薄膜トランジスタ
発表資料

島根大学 総合理工学部 電子制御システム工学科 教授 梶川 靖友
http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/~kajikawa/

新技術の概要

300℃以下の温度で堆積できる化合物半導体混晶薄膜を開発した。多結晶薄膜でありながら、電子移動度が高いので、大きなオン電流と数百MHzの周波数応答を持つ高速薄膜トランジスタが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、プラスチック上にも形成可能な半導体薄膜として研究されてきた非晶質シリコン薄膜や多結晶酸化亜鉛薄膜にくらべ、電子移動度が格段に高く、電流駆動能力と高速応答性に優れる。

新技術の特徴

・300℃以下でも堆積できる半導体多結晶薄膜
・電子移動度は約500cm2/VsとSi単結晶なみの高速性
・化学的にも安定で、酸化亜鉛のように水分に弱いということはない

想定される用途

・有機ELディスプレイ駆動用トランジスタや曲面形状の高速電子回路
・CPU部分と表示画面が一体となったシート状パソコン
・大面積の赤外検出器

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