発表内容詳細

10:30~11:00 医療・福祉
1)  循環器疾病をモニタリングできる在宅ヘルスケアー用の心肺情報計測解析システム
発表資料

山口大学 大学院理工学研究科 システム設計工学系専攻 教授 江 鐘偉
http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~mechatro/

新技術の概要

本技術は心肺情報計測解析システムに関するもので、医学的な知識を持たないユーザーでも簡単に心音・呼吸音を収録・解析でき、また、心電・呼吸情報を拘束感なく長時間モニタリングすることもできる。本技術は、循環器疾病の早期発見または治療経過のモニタリング、さらに発見が難しいといわれる不整脈や無呼吸症候群などにも有効である。

従来技術・競合技術との比較

聴診音の診断は専門知識を持つ医師でも熟練と経験が必要で難しい。そのため、従来の技術のほとんどが医師の診断をより正確に行えるように手助けするものであった。本技術は、十分に専門知識を持たない一般ユーザーでも特徴的な心音を抽出でき、さらに独自の解析技術により、心音の異常・正常を判別するものである。弁膜症疾病に関しては高い識別率で判別可能である。

新技術の特徴

・医学的な専門知識がなくても心音異常の有無を簡単に判別できる解析方法と表示方法を提示。
・時間域ならびに周波数域から抽出した特徴値パラメータを用いた弁膜症疾患の高精度識別方法を開発
・拘束感が小さく装着性がよいため、長時間の心肺情報を計測可能

想定される用途

・循環疾病の治療経過の在宅モニタリング
・在宅介護や在宅医療用診断装置
・不整脈や無呼吸症候群などのへのモニタリング

関連情報

・試作可能
・外国出願特許あり

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11:00~11:30 医療・福祉
2)  自己骨髄細胞を用いた肝臓再生技術
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 消化器病態内科学分野 教授 坂井田 功
http://www.ichinai-yamaguchi.jp/

新技術の概要

本技術は、骨髄中に含まれる「間葉系幹細胞」を用いた肝臓再生医療に関する技術であり、具体的には、肝硬変などの重い肝疾患において、患者さん自身の骨髄液を採取・精製し、肝細胞への分化能力を有する間葉系幹細胞を回収して、これを投与するという「肝臓再生治療」に利用可能な細胞製剤に関する技術である。

従来技術・競合技術との比較

本技術は自己由来の幹細胞を用いた医療技術であるため、肝移植では避けられない拒絶反応の心配がない。また従来の肝硬変治療剤に比べて効果が高く、副作用も無く、更に肝線維化の改善には顕著な効果を示すという特徴がある。遺伝子組換えなどの技術は一切使用しておらず、臨床応用に際しての問題も無い。

新技術の特徴

・自己に由来する幹細胞を用いる技術であり、拒絶反応の問題をクリアしている
・投与した幹細胞は肝臓内の障害部位に特異的に定着するため、ターゲッティング不要
・肝機能の向上と線維化の著しい改善が見られる

想定される用途

・肝硬変・肝線維化疾患の治療、肝がん治療後の肝臓再生
・幹細胞の肝臓への定着及び肝臓の再生の効率をより高めるための新規薬剤の開発

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11:30~12:00 医療・福祉
3)  MEMS技術による単一細胞の伸展・観察用デバイス
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 応用医工学系専攻 助教 佐藤 克也
http://mems.mech.yamaguchi-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

再生医療等の研究への適用を目標に、単一細胞レベルで伸展変形を与えながらその場観察を可能とするデバイスである。MEMS技術によって作製したチャンバーの大きさは単細胞と同程度であり(約200μ)、顕微鏡視野内(Φ250μ)に収まるので、伸展時に視野から外れることなく観察できる。

従来技術・競合技術との比較

既存の細胞伸展デバイスは、多数の細胞をマスとして観察するもので、チャンバーは大型(5cm)である。伸展時の細胞のずれ(移動)について考慮されていないので、伸展時の状況を連続的に観察することやパッチクランプなどの静止した物を対象とする測定は不可能であり、個々の細胞の応答特性や力学的特性を明らかにできない。

新技術の特徴

・チャンバーは単一細胞レベルの大きさで、伸展時の連続観察やパッチクランプによる測定が可能である。
・一つの細胞培養ディッシュに多数のチャンバーを集積可能であるため、実験効率を高めることが可能。
・滅菌容易で、ディスポーズ可能なデバイス。

想定される用途

・骨芽細胞などの細胞を対象とした力学刺激応答の評価
・伸展状況下における心筋細胞の特性評価

関連情報

・試作可能

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13:20~13:50 環境
4)  水中音響を用いた貝類の食害生物の感知システム
発表資料

山口大学 大学院理工学研究科 社会建設工学専攻 教授 関根 雅彦

新技術の概要

瀬戸内海西部海域ではナルトビエイ等によってアサリが壊滅的な被害を受けている。本技術は、二枚貝食害生物が貝殻を破砕する音を水中マイクでモニタリングし、破砕音の特徴から食害生物の種類を含めて検出するシステム。実用化されれば、ナルトビエイ等の出現の早期検出が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

二枚貝の貝殻の破砕音による食害生物検出はまったく新しい着想であり、食害生物の生態解明、駆除装置のトリガー、食害警報装置など、沿岸漁業で大きな問題となっている貝類の食害に広く応用できる。

新技術の特徴

・食害生物種まで含めて検出できる。
・水中マイクと演算部からなる簡単な装置で自動判定できる。
・警報装置、駆除装置などのトリガーとして利用できる。

想定される用途

・ナルトビエイ来遊検知・駆除装置
・貝類食害生物モニタリングシステム

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13:50~14:20 環境
5)  耐熱性エタノール生産細菌を用いたバイオエタノール生産技術
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 応用分子生命科学系専攻 教授 山田 守

新技術の概要

本技術は、耐熱性エタノール生産細菌を用いた発酵生産に関し、具体的にはザイモモナス属細菌の耐熱性株を用いたバイオエタノール生産に関する。理論上、ザイモモナスは酵母より高いエタノール生産能を有するが、至適発酵温度の幅が狭いなどの問題から実用化が遅れていた。今回紹介する耐熱性株は39℃という温度条件下でもすぐれた発酵能を示し、種々の発酵生産に利用可能である。

従来技術・競合技術との比較

現在のエタノール生産では主に酵母が用いられるが、ザイモモナスは酵母に比べ、グルコース1分子あたりのエタノール生産能が高い。またザイモモナスはゲノムサイズが小さく、遺伝子組換えなどによる改良に好適である。更に、今回提案する耐熱性株は、39℃という高温条件下でも良好なエタノール生産能を示し、25℃付近が発酵の至適温度であるザイモモナス既存株に比べ優位性を持つ。

新技術の特徴

・30-39℃での高い増殖能とエタノール生産能:
30℃において…エタノール生産能は既存のザイモモナスのエタノール高生産株(Zm4株)の1.4倍
39℃において…エタノール生産能はエタノール高生産株の2.5倍

想定される用途

・バイオエタノール生産
・ブタノール、イソプロパノール、水素などの発酵生産
・アミノ酸、乳酸などの発酵生産

関連情報

・サンプル提供可能(但し、相談要)

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14:20~14:50 環境
6)  改質天然繊維を強化材とする新しい複合材料の開発
発表資料

山口大学 大学院理工学研究科 システム設計工学系専攻 教授 合田 公一

新技術の概要

植物系天然繊維に力学及び化学処理を施し、高強度・高剛性及び高靭性を発現させる天然繊維の改質処理法を確立した。また、改質天然繊維によって強化された生分解性樹脂基複合材は、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)と比べてほぼ同等の衝撃吸収エネルギーを発現した。

従来技術・競合技術との比較

1)天然繊維の広範な応用において問題点であった、天然繊維の低靭性の克服に成功した。 2)天然繊維の低靭性のために複合化後も複合材の低靭性が指摘されてきたが、靭性が改善された結果、構造材料として適用範囲が拡がった。

新技術の特徴

・アルカリ処理による天然繊維の高靭化
・力学処理による天然繊維の高強度化・高剛性化
・改質天然繊維を用いた複合材による耐衝撃性改善

想定される用途

・内装材などの自動車部品
・コンピュータ等の筺体、電子基盤など
・建材など

関連情報

・サンプル提供可能(但し、相談要)

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15:00~15:30 材料
7)  電気化学法によるマンガン酸化物のナノ構造形成と電力貯蔵材料への応用
発表資料

山口大学 大学院理工学研究科 物質化学専攻 准教授 中山 雅晴
http://web2.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~nkymm

新技術の概要

マンガン(II)水溶液を陽極酸化することにより、共存カチオンを取り込んだマンガン酸化物薄膜を電極表面に形成させることを可能にした。生成物はMn酸化物ナノシートが積層したバーネサイト構造を有し、シート内のMn3/4価の酸化還元および層間カチオンの拡散に基づく大きな擬似容量と迅速な充放電特性を示した。

従来技術・競合技術との比較

リチウム二次電池のコバルト酸化物の代替材料、あるいは次世代電気化学キャパシタ(=レドックスキャパシタ)材料としてナノ構造、特に二次元層構造をもつMn酸化物が注目されている。熱処理あるいは水熱処理過程を経て粉末を産するという従来の化学的手法に比べ、本法は簡便、かつ大規模製造に適している。さらに、薄膜という形態はエネルギー密度の観点から有利である。

新技術の特徴

・水溶液からの電気化学プロセスにより層状Mn酸化物(バーネサイト構造)を電極基板上に作製可能。
・陽極酸化条件によって生成物のモルフォロジーや層構造を精密に制御できる。
・析出物は密着性が良く、導電性であるため、電池・キャパシタ用途においてバインダー、導電剤を必要としない。

想定される用途

・電力貯蔵材料(電気化学キャパシタ、リチウム二次電池の正極材料)
・電位制御可能なカチオン吸着材およびイオン交換体(排水中の金属イオンや有機色素の分離回収分野)への展開。
・電極触媒(アルカリ溶液中での酸化還元触媒、センサー)への展開。

関連情報

・サンプル提供可能(但し、相談要)

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15:30~16:00 材料
8)  高性能フレキシブルディスプレイを目指した多結晶Siの低温大粒径化技術
発表資料

山口大学 工学部 電気電子工学科 技術専門職員 河本 直哉

新技術の概要

結晶成長で重要な役割を果たす結晶粒界のみを選択加熱できる可視レーザ光を利用することにより、多結晶Si粒の大粒径化を低温でおこなう技術を開発した。本技術は、プロセス温度が高いため難しかったプラスチック等を基板としたSi系半導体による高性能フレキシブルディスプレイへの実現を目指すものである。

従来技術・競合技術との比較

フレキシブルディスプレイにおける薄膜トランジスタ材料として注目されている有機半導体は、多結晶Siと比べて電子移動度が数百倍も遅いことや、CMOS 回路が構成できないことから、ディスプレイ上に周辺回路を組み込むシステム化の実現にはかなりの時間を要する。本技術は、石英(、ならびにガラス)基板で既に実績のある多結晶Siを用いることで、そのシステム化を短期間で可能とするものである。

新技術の特徴

・可視レーザ照射による結晶粒界部分加熱: 結晶成長の低温での効率向上
・紫外、可視領域のパルスレーザ照射による結晶成長: 結晶成長を小分けにおこなうことで低温化プロセスを実現
・触媒物質を用いない(可視レーザ光が結晶成長の触媒作用): 不純物の影響がない

想定される用途

・液晶、EL、LED、E-Inkなどを用いたフラットパネルディスプレイ、もしくはフレキシブルディスプレイ
・多結晶シリコン系太陽電池(フレキシブルにも対応可能)
・RFID、ICタグ、集積回路などのクレジットカード、もしくはプラスティック製家電筐体等への直接作製

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16:00~16:30 材料
9)  複数機能性官能基の相乗効果による高イオン伝導性のポリマー電解質
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 応用分子生命科学系専攻 教授 堤 宏守
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~tsutsumi/

新技術の概要

ニトリル基とエーテル基を併せ持つ高分子を用いたポリマー電解質において、官能基の相乗作用による高イオン伝導を可能とした。この高分子化合物はポリアクリロニトリル(PAN)のような汎用ポリマーに対して添加剤的に用いることで高イオン伝導性が得られ、さらにマトリックスポリマーの特徴を活かした様々な特性を有するポリマー電解質の実現が可能である。

従来技術・競合技術との比較

この高分子化合物を用いたポリマー電解質では、PANベースの電解質膜の約10倍から100倍の伝導度を実現することができる。また、高イオン伝導であるため膜をある程度厚くすることが可能であり、過充電・過放電時の電極間の短絡を防ぎうる。さらに溶媒を含まないので、安全性に優れた電池などのエネルギー貯蔵デバイスが実現できる。

新技術の特徴

・複数の官能基の相乗作用でイオン伝導性が高められる。
・従来型のポリマー電解質よりも10倍から100倍高い伝導度を示す。
・本ポリマーを汎用ポリマーに添加剤的に混合しても高イオン伝導性ポリマー電解質が作製可能

想定される用途

・高容量二次電池、特にリチウム二次電池
・高容量電気化学キャパシタ
・色素増感太陽電池

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16:30~17:00 情報
10)  進化的アルゴリズムを用いた画像処理による外観品質検査の自動化技術
発表資料

山口大学 大学院理工学研究科 環境共生系専攻 准教授 河村 圭
http://gateway2.design.csse.yamaguchi-u.ac.jp/lab/index.html

新技術の概要

本技術は、目視外観検査に代わる新しい自動検査手法を構築するものである。具体的には、ノイズ部分も含まれている検査対象画像に対して、進化的アルゴリズムにより、注目部分(検査対象欠陥)を自動的に抽出・分類する手法を効率的に構築する。このような画像処理では、途中の処理手順の選択やそれに伴う多数のパラメータの組合わせ調整が必要であるが、本技術では自動的に最適化できる。

従来技術・競合技術との比較

目視外観検査の分野では、検査基準の高度化に伴い、検査者の熟練度が要求される例が多い。また、画像処理技術の開発においても、技術者の経験や勘を頼りとして試行錯誤的に処理手順を確立してきた。これに対して、本技術では、検査対象欠陥を抽出・分類するための高精度な画像処理手順の探索が高速に実施可能である。

新技術の特徴

・熟練(画像処理の知識・ノウハウ)を要せずに注目部分(検査対象欠陥)の自動抽出・分類手法が提案できる。
・画像処理条件最適化の際の試行錯誤的な手順が不要となり、大幅な時間短縮が期待できる。

想定される用途

・画像診断(検査)を高精度化させ、外観品質特性の検査精度を向上させる(外観検査の効率化・外観品質の向上)。
・限度見本を基にした外観品質検査を自動化する。これまでに注目部分の抽出(例えば、コンクリート表面からのひび割れ抽出)やパターン認識(例えば,鋼材のさび外観評価・さび状況の分類)に関する研究実績があるが、他の画像処理分野への展開も可能である

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