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発表内容詳細

10:30~11:00 材料
1)  柔軟性に優れた絹フィルム
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 教授 河原 豊
http://kawaharalab.bce.gunma-u.ac.jp/

新技術の概要

本発明は、絹糸腺中での存在状態であるフィブロインの超分子構造を破壊することなく取り出してフィルム化することで、柔軟でエタノールに対して構造安定なフィルムを供給可能とした。

従来技術・競合技術との比較

従来の中性塩などを用いて作られる再生絹フィブロインフィルムは、脆く、細かく折りたたむと亀裂を生じ、エタノールに対しても構造が不安定であったが、本発明のフィルムは細かく折りたたんでも亀裂を生じることなく、元に回復可能で、エタノールに不活性で十分な強度を併せ持つ。

新技術の特徴

・フィギュアのコーティング
・知能開発玩具の被覆

想定される用途

・化粧パックフィルム
・創傷被覆材
・ラッピング材料

11:00~11:30 エネルギー
2)  新規磁気浮上装置
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 人間支援・生産科学部門 教授 水野 毅
http://control.mech.saitama-u.ac.jp/home-j.html

新技術の概要

複数の電磁石を一つの電力増幅器(アンプ)で励磁することによって低コスト化を実現する磁気浮上装置に関する技術である。変位センサも省くことによってより一層の低コスト化を実現することも可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の磁気浮上装置では、一つの電磁石に対して一つの電力増幅器(アンプ)を用いている。

新技術の特徴

・最大の特徴は一つの増幅器を用いて複数の電磁石を励磁できること
・浮上体の複数の自由度を一つの増幅器を用いて制御することが可能
・複数の浮上体を一つの増幅器を用いて同時に制御することも可能

想定される用途

・磁気軸受装置(ターボ分子ポンプなど)
・磁気浮上装置(搬送装置など)
・超清浄空間用支持機構

11:30~12:00 計測
3)  新開発高効率光分解コンバーターを用いた大気二酸化窒素測定
発表資料

茨城大学 理学部 理学科 地球環境科学コース 准教授 北 和之
http://earth.sci.ibaraki.ac.jp/

新技術の概要

高効率・高出力紫外LEDを用いて、約95%と従来よりはるかに変換効率の高い二酸化窒素光分解コンバーターを開発した。すでに普及している化学発光法による窒素酸化物(NOx)測定装置に取り付けることで、硝酸PANなどの干渉のない高精度の測定が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来の化学発光法窒素酸化物測定装置で用いられているMo加熱触媒は、変換効率は高いものの硝酸やPANも分解されてしまい、夏季の昼など30%程度もの大きな誤差を生じてしまう。新開発の光分解コンバーターは、変換効率はMoコンバーターと同等で、二酸化窒素以外の物質はほとんど変換せず、高精度の観測を可能にする。

新技術の特徴

・ほかの窒素化合物の干渉がない高精度
・従来の光分解コンバーターに比べ非常に高い変換効率
・従来の光分解コンバーターに比べ長寿命

想定される用途

・研究用大気環境計測
・排気ガスなどの窒素酸化物計測
・大気環境常時監視

13:10~13:40 材料
4)  新規磁性微粒子を用いた腫瘍細胞破壊方法

宇都宮大学 大学院工学研究科 電気電子システム工学専攻 助教 佐久間 洋志
http://www.ee.utsunomiya-u.ac.jp/~ishii/

新技術の概要

独自のガスフロースパッタ法により、大きさが100~200nmでいがぐり形状をした磁性微粒子の作製に成功した。また、この微粒子を用いて、がん等の腫瘍細胞を効率よく破壊する新規治療方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

磁性微粒子を用いたがん治療法として磁性ハイパーサーミアが挙げられるが、我々の開発した治療法はこれと比較して、高いターゲティング効率を有し、局所的な細胞破壊を可能にする。これにより短時間で効率の良い治療が行える。

新技術の特徴

・独特のいがぐり形状を持つ磁性微粒子
・粒子が多数の「いが」で囲まれているため,表面積が大きい
・気相法で作製するため,不純物を含まない

想定される用途

・がん治療
・ドラッグデリバリー
・磁気粘性流体

13:40~14:10 材料
5)  環境応答型蛍光団を利用した生体関連分子の検出
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 助教 山田 圭一

新技術の概要

本発明では、1)細胞内コレステロールを検出できる蛍光標識化ポリエン系抗生物質を開発した。2)環境応答型蛍光性アミノ酸を合成し、酵素反応を利用して複素環化合物へ誘導する方法を見いだした。

従来技術・競合技術との比較

1)市販のコレステロール染色試薬よりも蛍光強度が強く、固定細胞及び生細胞中のコレステロールの可視化に幅広く適用できる。また、免疫染色も可能である。2)既存の環境応答型蛍光団と比べ分子サイズの小さいので、対象分子の構造や機能を大きく変えることなく標識できる。

新技術の特徴

・生細胞中のコレステロールを検出可能
・分子サイズが小さく、種々の生体分子への導入が可能
・水誘起蛍光消光を利用して有機溶媒中の水分量の簡易測定に利用可能

想定される用途

・生命科学研究用試薬
・医薬中間体

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

14:10~14:40 計測
6)  新規光学干渉法によるナノメータ微小変位計測システム
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 環境システム工学系専攻 連携教授 門野 博史
http://www.env.gse.saitama-u.ac.jp/labs/sensing.html

新技術の概要

本微小変位計測法はレーザ光の散乱現象を利用した新規な光学干渉法である。粗面物体に適用可能であるため適用範囲が極めて広く、単純な光学系により、波長の千分の一(サブナノメータ)の精度で物体変位が計測可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の光学干渉法は、ミラーのような鏡面物体に適用が制限され、また、高精度化には、極めて精度の高い光学部品や高価な装置が必要となる。しかし、本手法は光散乱場の統計に基礎をおいているので、高精度化が極めて容易かつ安価に可能である。

新技術の特徴

・散乱性の表面を持つ物体に非接触計測が可能。従って、動植物などの生体計測への応用が可能
・サブナノメータの超高精度を保ちつつミリメートルオーダの広いダイナミックレンジを持つ
・単純な光学系により超高精度計測が可能

想定される用途

・柔らかい工業材料の面内・面外ひずみの高精度計測
・微小工業材料・部品の超高精度変位・ひずみ計測
・植物生長の極短時間挙動計測。植物工場における最適栽培条件など

14:50~15:20 材料
7)  ラジカル的アリル化反応を活用する含フッ素化合物の合成
発表資料

茨城大学 工学部 生体分子機能工学科 教授 久保田 俊夫
http://www.biochem.ibaraki.ac.jp/04kyouiku.html

新技術の概要

Keckのラジカル的アリル化を用いることによって、トリフルオロメチル基が直結した炭素上のハロゲンをアリル基で置換することができる。具体的には、2-アルコキシ-2-ハロ-3,3,3-トリフルオロプロパノイル化合物のハロ-アリル交換が可能である。

従来技術・競合技術との比較

イオン的手法である求核置換反応では、トリフルオロメチル基が直結した炭素上のハロゲンをアリル基で置換することは困難であった。

新技術の特徴

・この手法を応用することによって、様々な含ハロ含フッ素有機化合物にアリル基の導入が可能になる
・さらに、アリル化生成物は様々な有用化合物の合成ブロックとして利用できる

想定される用途

・含フッ素合成ブロック
・含フッ素樹脂用モノマー

関連情報

・研究員を派遣いただければサンプル合成方法を指導します

15:20~15:50 計測
8)  環境中にある静電磁場を目印とする移動車両の自己位置認識の方法
発表資料

宇都宮大学 大学院工学研究科 学際先端システム学専攻 准教授 尾崎 功一
http://www.eng.utsunomiya-u.ac.jp

新技術の概要

環境中には静電磁場と呼ばれる変動の少ない磁場が存在している。磁場が大きく乱れるような場所はその変化を目印として認識することで、ロボット等の移動体は自己位置を認識することができる。

従来技術・競合技術との比較

一般的には目印なる磁体を環境中に設置し、移動体はそれによって自己位置を認識することができる。これに対して本方法は環境中にある磁気の変動を目印に位置を登録することで環境に磁体を設置することは不要になる。

新技術の特徴

・環境中の磁気に乱れを積極的に目印として利用すること
・環境中に手を加えなくても、ロボットにとっての目印を定義できること
・磁場変動を積極的に利用できること

想定される用途

・自律移動ロボット
・センサモジュール
・環境磁場に応じた磁場のトレース移動

15:50~16:20 電子
9)  電子デバイス高精度測定用アナログ・デジタル変換器
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 教授 小林 春夫
http://www.el.gunma-u.ac.jp/~kobaweb/

新技術の概要

電子デバイス・電子回路の線形特性を高精度で測定するために、基本波(信号正弦波)、高調波(2次、3次、4次、….高調波)を高精度・低消費電力でAD変換するマルチバンドパス・デルタシグマAD変調器に関する技術の紹介を行う。

従来技術・競合技術との比較

マルチバンドパス・デルタシグマAD変調器は基本波(信号正弦波)、高調波(2次、3次、4次、….高調波)のみの周波数成分をAD変換するので、高精度構成にしても低消費電力化できる。また、大部分はアナログ回路ではなくデジタル回路で構成できるので実現が容易である。

新技術の特徴

・電子デバイス測定器
・アナログ・デジタル混載システムLSI
・通信用受信回路

想定される用途

・電子デバイス・電子回路の線形性の高精度測定用AD変換器
・マルチキャリア通信信号用AD変換器

関連情報

・外国出願特許あり

16:20~16:50 計測
10)  高速度カメラを利用した鏡面反射光の分離技術
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 助教 辻 俊明
http://akt.ees.saitama-u.ac.jp/tsuji/index.htm

新技術の概要

鏡面反射光は誤認識を引き起こす要因であるため、画像処理の分野のみならず日常生活においてもしばしば問題となる。そこで光源の輝度変動を検知できる高速度カメラの特性を利用して鏡面反射光を除去する技術を開発した。その内容を解説する。

従来技術・競合技術との比較

鏡面反射光の除去に関しては(1)偏光フィルタ(2)複数光源・複数カメラの情報統合(3)色のモデルに基づく補正、等の先行技術が挙げられる。いずれも何らかの制約があるのに対し、本提案技術は、より汎用的に利用可能である。

新技術の特徴

・単一のカメラで実装可能
・光の入射角や彩度に非依存
・誤差を視認できないレベルの分離精度

想定される用途

・デジタルカメラの"テカり"除去機能
・反射光による誤検知をなくした高信頼性ロボットビジョン
・降雨運転時の路面の反射を除去し、車線を見やすくする知能ゴーグル
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