発表内容詳細

13:30~14:00 計測
1)  X線による可搬式の金属材料評価装置
発表資料

金沢大学 人間社会研究域 人間科学系 教授 佐々木 敏彦

新技術の概要

金属等の表面の結晶状態を通して材質変化や残留応力を軟X線の回折を利用して調べる。リアルタイムで高分解能を実現し、装置の小型化・軽量化・可搬化・低価格化を実現するため、半導体検出器によりX線回折環画像を取得し、新開発のデータ解析原理(cosα法)を使う。

従来技術・競合技術との比較

従来のような点又は線でのX線の測定に代わる二次元検出器の採用で、回折環の二次元画像による膨大な回折情報を無駄なく活用可能であり、さらに、新開発の解析原理を適用することで、装置の大幅な小型簡略化、しかも、高精度かつ高速計測を実現し、オンサイト、高所、動的などの測定を低価格で実現する。

新技術の特徴

・コストパフォーマンスを活かし、従来は普及することができなかった低価格帯のサンプルの検査が可能になる
・屋外での現地計測が必要なケースに有効(鉄道レール、溶接、橋梁、鉄塔、生体材料、生産ライン)
・複雑な装置と長時間を要する三軸残留応力のような測定を大幅に改善できる

想定される用途

・屋外での測定(鉄道・橋梁・その他の社会インフラの機械構造物)
・高所(鉄塔・大型構造物)や狭隘部(溝・歯車底・隅肉溶接)
・生産ラインでの高速または動的な測定

14:00~14:30 計測
2)  自由曲面製品の板厚を高速で高密度に測定する全自動システム

金沢大学 理工研究域 機械工学系 准教授 浅川 直紀
http://www-mm.hm.t.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

非接触のレーザ変位計と自由度の高い6軸ロボットを用い、非破壊では不可能であった自由曲面の詳細な板厚分布計測を高速に行う。また、測定箇所の3次元的位置を保持していることを利用し、直感的で分かりやすい表示と評価を行う。

従来技術・競合技術との比較

従来、作業者がポイントマイクロメータなどで1点1点計測する方法が一般的だが、膨大な時間を必要とするため高密度測定には適していない、形状によっては非破壊で希望測定箇所の測定が不可能、などの問題があった。

新技術の特徴

・とにかく速い:従来の方法の10倍以上の測定速度。しかも全自動
・形状を選ばない:CADデータなどがなくても現物だけで即測定可能、自由曲面もOK
・結果が分かりやすい:測定箇所の座標も同時取得するので、自由な表現と評価が可能

想定される用途

・プレス加工製品の開発段階やプレス金型の経年変化などの評価ツールとして
・接触すると凹んでしまう軟質材料や食品などの厚さ測定
・塗装製品の塗膜の詳細な分布の評価

関連情報

・サイズによっては試計測可能

14:30~15:00 機械
3)  レーザ処理による切削加工のバリ発生抑制
発表資料

金沢大学 理工研究域 機械工学系 講師 田中 隆太郎
http://www.ms.t.kanazawa-u.ac.jp/~manufac/

新技術の概要

レーザが照射された炭素鋼は、マルテンサイト組織となっており、照射前と比べ硬度が高く延性が低い特性を持つ。このような処理を被削材に行い、レーザ照射面を切削加工時において工具の出口側になるように設置し切削加工を行うと、出口付近に生じるバリを低減することができる。また、切削後のコーナー部は硬度が高い部分が残存しており強度も高めることができる。

従来技術・競合技術との比較

現状では、バリ取り工具による手作業や機械加工によるバリ取りを行う方法が一般的である。また、レーザ切断を応用したバリの除去手法についての研究もある。切削条件の検討により発生するバリを小さく抑える方法や発生したバリをいかにして除去するかについての研究は行われているが、バリの発生自体を抑制しようとした研究は見られない。

新技術の特徴

・切削後のバリ取り不用
・加工能率向上

想定される用途

・金属材料の機械加工
・機械加工の自動化

15:10~15:40 デバイス・装置
4)  LSIに集積できる低電圧・高利得なアバランシェフォトダイオード
発表資料

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 教授 飯山 宏一
http://hslab.w3.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

標準CMOSプロセスによるなだれ光検出器であり、電極構造の工夫等により光吸収を高め、なだれ増幅利得を向上させる。8Vのバイアス電圧で100倍以上のなだれ増幅利得を実現した。

従来技術・競合技術との比較

市販のなだれ光検出器はCMOSとは異なるプロセスで作製され、動作電圧も150Vと高いため、LSIとの集積化は困難である。また、従来のCMOSプロセスによる光検出器はなだれ増幅利得を利用しておらず、高速化と高感度化は両立していない。本技術は、低電圧・高速化・高感度化を同時に実現するものである。

新技術の特徴

・集積回路の作製プロセスであるCMOSプロセスのみで作製可能であること
・低電圧でも大きな利得が実現できるので、受光感度を容易に高めることができること
・LSIと集積化可能であるので集積密度が上がり、受光系の低コスト化が実現できること

想定される用途

・光伝送システムにおける光レシーバー(光検出器と電子回路を集積化したもの)
・デジタルカメラなどの撮像素子
・光CTなど人体からの微弱な散乱光の検出など、光応用計測システム

15:40~16:10 デバイス・装置
5)  鉛を含まない低コストのBiFeO3系の強誘電体材料
発表資料

金沢大学 理工研究域 電子情報学系 講師 川江 健
http://materia2.w3.kanazawa-u.ac.jp/

新技術の概要

BiFeO3材料の元素置換により生成される非鉛強誘電体材料及び圧電体。著しいリーク電流抑制効果による安定動作を示す。元素置換による特性劣化を一切伴わずに室温においても優れた強誘電特性が得られている。

従来技術・競合技術との比較

100kV/cm以上の高バイアス域におけるリーク電流値は、従来材料と比べて約3桁低い値。残留分極値および抗電界の劣化は無く、BFOと同等の特性が室温で安定に得られている。

新技術の特徴

・圧倒的にリーク電流が少ない
・明瞭な角型を示す分極-電界曲線
・BiFeO3に比べて残留分極値の減少が一切見られない
・室温でも安定的に強誘電体特性を示す
・希土類等の希少元素種を用いない

想定される用途

・強誘電体不揮発性メモリ
・極限環境下(高温、放射線など)における低環境負荷IDタグ
・圧電アクチュエータ
・医療用MEMSデバイス開発における低毒性圧電体材料
・低環境負荷赤外線センサ用デバイス材料

関連情報

・サンプルの提供可能

16:10~16:40 環境
6)  ハイドロカルサイトを用いたヒ素の無毒不溶化
発表資料

金沢大学 環日本海域環境研究センター 地球環境計測研究部門 助教 福士 圭介
http://earth.s.kanazawa-u.ac.jp/fukushi/

新技術の概要

本発明の収着材は特に地下水ヒ素汚染の問題となる100ppb以下の低濃度ヒ素の除去に有効である。本収着材は相変化する際にヒ素を物質内に取り込んで安定化するため容易にヒ素が溶け出さない。また、カルシウム、炭酸及び水から構成されるため、海水などこれらの成分を含む水から容易に作成できるという特徴を持つ。

従来技術・競合技術との比較

従来の鉄及びアルミニウム酸化物系のヒ素収着材はアルカリ環境において効果が落ちる問題があったが、本収着材はアルカリ環境において効果を発揮する。鉄酸化物系のヒ素収着材は還元環境において不安定であり溶出が懸念されるが、本収着材は酸性環境を除き安定に存在する。また、構成成分の性質から収着材自体は完全に無毒である。

新技術の特徴

・天然の湖から発見
・海水などから簡単に合成可能
・高アルカリ条件で有効に働く

想定される用途

・地下水中ヒ素の無毒化
・アルカリ性土壌中ヒ素の不溶化
・温泉水中ヒ素の無毒化

関連情報

・サンプルの提供可能

16:40~17:10 医療・福祉
7)  タンパク質相互作用に基づく化学発がん性の迅速検定方法
発表資料

金沢大学 医薬保健研究域 薬学系 准教授 山下 克美

新技術の概要

細胞周期遺伝子Cdc25Bが、細胞外からの化学物質ストレスによりリン酸化され、ユビキチン化タンパク質のβTrCPと結合する反応をGFP蛍光で検出することで、非遺伝毒性発がん刺激を迅速・簡便に検出する。

従来技術・競合技術との比較

従来の非遺伝毒性化学発がん物質検出系は、動物実験が主体であり、時間及びコストがかかる。本システムは、細胞レベルでは24時間で毒性検定ができ、また、ヒト初代培養細胞を検定に用いることも可能である。

新技術の特徴

・細胞への非化学物質性ストレス刺激の検出
・細胞ストレス軽減物質の探索
・医薬品シーズの探索
・分子標的薬剤の検定

想定される用途

・化学発がん性の短期検定
・化学物質安全性(毒性)試験
・環境中の(複合)化学物質の毒性検定
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