発表内容詳細

10:30~11:00 創薬
1)  医薬品のプロセス化学を指向する有機合成
発表資料

関西学院大学 理工学部 化学科 教授 田辺 陽
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~tanabe/

新技術の概要

医薬品のプロセス化学として頻繁に使用される、アシル化、スルホニル化、シリル化などの縮合反応の開発を行っている。高速・安価・環境調和型の反応群でトータルな意味での費用対効果を目指す。

従来技術・競合技術との比較

四塩化チタン,N-メチルイミダゾール、トシルクロリドなど安価で低毒性で環境調和型の反応剤・触媒を使用し、従来法より高速・高収率の反応群である。企業・大学で使用されているが、さらに性能の向上を図る。

新技術の特徴

・医農薬プロセス化学における汎用反応の新合成法
・ファインケミカルズの環境調和型新合成
・香料・化成品・機能性分子・生理活性天然物の新合成法

想定される用途

・医薬品のプロセス化学的合成
・ファインケミカルズのプロセス化学的合成
・香料・化成品・機能性分子・生理活性天然物の新合成

関連情報

・サンプルの提供可能

11:00~11:30 アグリ・バイオ
2)  線虫C. elegansの遺伝的サプレサー解析による制御カスケードの解明
発表資料

関西学院大学 理工学部 生命科学科 教授 西脇 清二
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~nishiwaki/

新技術の概要

線虫C. elegansは体細胞数が少なく、遺伝解析に適したモデル動物である。C. elegansを用いた遺伝的サプレッサー解析は、進化的に保存された遺伝子の制御系の解明に有効である。

従来技術・競合技術との比較

遺伝的サプレッサーの分離と解析は制御カスケードの解析に重要であるが、マウスやゼブラフィシュなどの高等動物では、多数の個体数を扱えないことや、世代時間が長いために困難であった。

新技術の特徴

・短期間で関連する遺伝子の同定ができる
・大きなスペースを必要としない
・コストが低く抑えられる

想定される用途

・疾患関連遺伝子などの制御系の解明
・診断薬や治療薬開発への基盤情報を得る

11:30~12:00 アグリ・バイオ
3)  光を用いた生体機能モニタリング技術:光バイオプシー
発表資料

関西学院大学 理工学部 生命科学科 准教授 佐藤 英俊

新技術の概要

極細径ラマンプローブやナローバンド蛍光イメージなど、分光計測技術を複合的に利用し、かつ光ファイバーによるその場計測を実現したシステムです。ハイパースペクトル分析などの新解析技術を利用し、目視では見ることのできない分子レベルの生体機能を、無染色、無標識で、無・小侵襲的に、連続的に計測することを可能としました。

従来技術・競合技術との比較

従来の光学計測技術では計測が難しかった生体内の計測サイトに、極細径の光ファイバーでアクセスすることを可能としました。また,無染色・無標識技術であり、臨床診断などヒトへの応用も安全に実現可能な技術です。

新技術の特徴

・ラマンプローブは外径600マイクロメートルで,注射針や血管カテーテルを通すこともできます
・マウス・ラット用ファイバー内視鏡は1.2mmのチャンネルを含め外径2.5mmで可撓性に優れ,種々のスペクトル分析が可能です
・ナローバンド蛍光イメージは無染色で組織形態を描出することができます

想定される用途

・診断の他,抗癌剤や種々の治療効果のモニタリング,術中迅速診断
・iPS細胞の分化制御など,再生臓器工場での品質のリアルタイムモニタリング
・食肉の格付けの他,最終肥育中の生きたままの肉質評価

関連情報

・外国出願特許あり

13:10~13:40 デバイス・装置
4)  ラジカル測定用時間分解ATR-FUV 分光システムの開発
発表資料

関西学院大学 理工学部 化学科 教授 尾崎 幸洋
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~ozaki/ozaki.html

新技術の概要

水の遠紫外(FUV)分光スペクトルがラジカル生成によって変化するという、申請者らの見出した新たな知見に基づく、水溶液中で起こるラジカル反応を追跡可能な時間分解ATR-FUV分光システムを紹介する。

従来技術・競合技術との比較

半導体洗浄水や、食品の殺菌洗浄水の管理を行う際にトラップ剤、蛍光プローブ分子などの添加は許されないが、本成果の分析方法を応用すれば水質を損なうことなくプロセスのオンラインでリアルタイムな測定が可能となり、より高度で繊細な洗浄技術の発展に寄与できる。

新技術の特徴

・水の遠紫外領域第一吸収帯のスペクトルを完全に測定できるのは世界でも我々が開発したATR遠紫外分光法のみ
・ラジカルの水和,水素結合状態のダイナミクスをキネティクスの観点から研究するという新しいアプローチ
・高集積半導体デバイス製造技術の向上にも寄与できる

想定される用途

・最先端の半導体洗浄プロセスにおけるラジカル測定
・食品や医療機器などの殺菌洗浄効果の管理
・食品の抗酸化力の測定

関連情報

・外国出願特許あり

13:40~14:10 アグリ・バイオ
5)  タンパク質の折りたたみを工学にする
発表資料

関西学院大学 理工学部 物理学科 教授 瀬川 新一
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~segawa/

新技術の概要

タンパク質の機能を工学的に利用するためには、その高分子としての物理化学的な成り立ちを理解し制御する必要がある。タンパク質の折りたたみ過程を1つの物理現象として研究してきたが、その成果は新技術としていろいろな分野で活用可能である。

従来技術・競合技術との比較

Protein Engineeringの当初の目標はアミノ酸置換による機能改変であった。現在はタンパク質の折りたたみ過程を制御するということも重要分野である。タンパク質の物理化学的性質を検出する測定器の新技術開発もまた大きな発展が期待される分野である。

新技術の特徴

・タンパク質の折りたたみ反応の制御、S-S結合再生反応の制御
・タンパク質の品質制御、品質劣化の防御
・タンパク質の構造計測、構造ゆらぎの計測

想定される用途

・医薬品等の品質管理、タンパク質の計測機器開発、タンパク質改変の指針
・ゲノム、タンパク質の分子科学ソフトウェアの開発

14:10~14:40 材料
6)  第一原理計算と熱統計力学の統合によって、半導体・金属の欠陥エネルギーを計算する手法
発表資料

関西学院大学 理工学部 情報科学科 教授 西谷 滋人
http://ist.ksc.kwansei.ac.jp/~nishitani/

新技術の概要

材料開発において、系の自由エネルギーあるいは活性化エネルギーを求める必要がある。第一原理計算と熱統計力学をうまく統合して、実験で求めることが非常に困難な半導体・金属の欠陥・活性化エネルギーを計算する手法を確立している。

従来技術・競合技術との比較

第一原理計算は絶対零度でのエネルギーしか求めることができない。一方、有限温度のシミュレーションで多用される原子間ポテンシャルでは信頼性が低い。第一原理計算の精度を有限温度の自由エネルギー計算で達成している。

新技術の特徴

・固体の有限温度の自由エネルギー計算
・化合物半導体の環境依存性
・固体の欠陥エネルギーの予測

想定される用途

・未知物質の熱膨張・有限温度安定性
・化合物相の表面エネルギー
・固体中の微小析出物核生成の活性化エネルギー

14:50~15:20 情報
7)  ランダム行列理論を用いた共分散行列のノイズ除去
発表資料

関西学院大学 理工学部 数理科学科 専任講師 森本 孝之
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~morimot/

新技術の概要

日内高頻度収益率の交差積和として計算される実現共ボラティリティを推定する際に、ミクロ構造ノイズと呼ばれるバイアスが生じる。そこで、交差積和行列を固有値分解し、その最大固有値の漸近分布に基いた仮説検定を提案する。

従来技術・競合技術との比較

既存手法では、ランダム行列の最大固有値の収束値のみを用いるため、本質的な成分を誤ってノイズとみなす危険性を定量的に評価できない。本研究では、ランダム行列最大固有値の漸近分布に基づき定量的にノイズの評価を行う。

新技術の特徴

・天候データなどの気象分野での応用
・ゲノムデータなどのバイオインフォマティクスへの応用
・教育・心理学分野における統計データへの適用

想定される用途

・VaR等のリスク管理への応用
・より効率的なポートフォリオの構築
・派生証券価格付け理論への適用

15:20~15:50 情報
8)  劣通信環境における情報共有のためのネットワーク制御技術
発表資料

関西学院大学 理工学部 情報科学科 准教授 巳波 弘佳
http://ist.ksc.kwansei.ac.jp/miwa/miwaLab

新技術の概要

通信インフラが大規模な損傷を受ける災害時において、被災情報の共有のための現実的な情報流通手段が必要である。本技術は、特に劣悪な通信環境を前提とせざるを得ない建物内において、複数の救援者が協力して得た情報を共有・統合を行うための通信制御に関するものである。

従来技術・競合技術との比較

建物内部においては、特に災害時、GPSによる位置測位や携帯電話の利用が困難になる。本技術は、このような劣通信環境を前提とした、至近距離の通信のみに基づく情報流通技術であるため、より現実的な状況に対応している。

新技術の特徴

・劣通信環境における蓄積搬送型通信に基づく情報流通
・複数のノード(救援者・救援ロボット)の協調による情報流通の効率化
・建物内の情報(被災者のみならず各種センサ情報)の収集と制御

想定される用途

・災害時、建物内の被災状況の把握(残存する移動可能領域の把握)
・災害時、建物内要救助者の探索
・通常時、建物内の各種センサ情報の収集とセンサの制御

15:50~16:20 情報
9)  実世界インタラクション

関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 教授 河野 恭之
http://www.hcilab.jp/~kono/Research/index.html

新技術の概要

ユーザの周囲状況に応じたサービス提供のために、周囲にある人やモノを低コストでセンシングできる技術とその応用例を紹介する。一つは人の目には見えないがカメラから捉えることができるビジュアルマーカを用いた手法で、もう一つは無線通信デバイスの検出状況を用いた周囲状況把握手法である。

従来技術・競合技術との比較

不可視マーカ技術はRFIDなどのような無線タグをモノや環境に埋め込む必要が無く、また通常のビジュアルマーカのように人に目障りになることもない。無線通信デバイスを用いる状況センシング技術では、従来の絶対位置検出技術と異なり周囲の人やモノの密度や流れを掴むことができる。

新技術の特徴

・印刷等による実物体への低コストなID情報付与
・既に普及している機器をセンシングに利用
・周囲状況の把握だけでなくユーザの興味情報の抽出が可能

想定される用途

・ライフログ
・デジタルサイネージュ
・自動タギング

16:20~16:50 情報
10)  CGやロボットを情報メディアとする身体的インタラクション技術
発表資料

関西学院大学 理工学部 人間システム工学科 准教授 山本 倫也
http://hsi.ksc.kwansei.ac.jp/staff/Prof/yamamoto.html

新技術の概要

CGキャラクタやロボットなどの身体のはたらきに着目し、コミュニケーションの楽しさ、感動の仕組みの解明に挑戦するなかで、人と人をつなぐメディアとしての情報機器のヒューマンインタフェースを研究・開発し、人と人がかかわるシステムへの導入を進めています。

従来技術・競合技術との比較

身振り手振りなど身体的リズムが引き込み合う、動作に対して発話音声が遅延するなど、人は、身体のはたらきを活かしてコミュニケーションしている。活き活きと情報を伝えるCGやロボットには、これらの本質的なインタラクション特性に基づく身体性メディア技術の基盤が不可欠である。

新技術の特徴

・身体的リズムを共有することで、一体感あふれるコミュニケーションを実現
・情報を伝える観点から、CGキャラクタやロボットの動作生成タイミングを制御
・人と人をつなぐ生活情報技術として、幅広く応用展開可能

想定される用途

・コミュニケーション支援
・コンテンツ制作
・エデュテインメント
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