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発表内容詳細

10:25~10:55 情報
1)  数十億の画像片からの検索:大規模高速画像認識・検索とその応用
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 教授 黄瀬 浩一
http://imlab.jp/

新技術の概要

数十億の画像片により索引付けされた100万枚の画像を数十ミリ秒で識別する手法など,本研究室で開発した大規模高速画像認識・検索法を説明するとともに,その画像著作権保護やインテリジェント・ペンへの応用についても紹介する.

従来技術・競合技術との比較

従来の技術では,大規模な画像データベースを検索する場合,正確性,高速性のいずれかを失うか,あるいは膨大なメモリが必要であった.本技術の特徴は,これらの問題を高いレベルで解決している点にある.

新技術の特徴

・ベクトルデータの高速近似照合技術(36次元ベクトルの数十億×数千の照合を50ミリ秒程度で実現)
・メディアの特性に応じた処理(一般画像用と文書画像用を開発)
・同じ対象かどうかを正確に識別可能

想定される用途

・画像著作権保護(たとえ断片が不正利用されても検出可能)
・インテリジェント・ペン(ペンが文書を認識し,ユーザの筆記を電子化する)
・カメラによる検索インタフェース(携帯カメラで物体を撮影するとサービスを起動できる)

関連情報

・外国出願特許あり

10:55~11:25 情報
2)  デジタル信号処理に基づいたRF回路損失の高速処理可能な補正技術
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 電気情報システム工学専攻 助教 林 海
http://www.eis.osakafu-u.ac.jp/~iic

新技術の概要

無線通信端末においては、RF回路部品の特性の不完全さにより受信信号に歪みが発生し、受信特性が大きく劣化する場合がある。本技術では、高価で高性能なRF回路部品を用いることなく、デジタル信号処理(DSP)技術に基づく高速処理可能な補正方法を提供することにより、低コストかつ高性能な無線端末を実現する。

従来技術・競合技術との比較

アナログキャリブレーション法に比較して、DSP補正法は精度が高く、補正性能が安定である。現存のDSP補正法は、上記の利点を有するものの、膨大な計算量を必要とすることから実時間処理が困難である。本技術は、DSPに基づく高速処理可能で、かつ高性能な補正性能を提供する技術である。

新技術の特徴

・小型化・低コスト化・省電力化可能な受信機の構築
・付加回路不要な高性能受信機の実現
・実時間処理可能なアルゴリズムの開発

想定される用途

・無線LAN
・ソフト無線
・各種小型・低コスト無線通信端末

関連情報

・外国出願特許あり

11:25~11:55 情報
3)  カメラで撮影した文字・ロゴの高速認識
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 知能情報工学分野 助教 岩村 雅一
http://imlab.jp/~masa/

新技術の概要

デジタルカメラ(またはwebカメラ)で撮影した文字やピクトグラムを1秒間に200~250文字程度認識し、認識と同時に位置と姿勢を推定できる。斜めからの撮影にも頑健で、45°程度まで認識可能。ノートパソコンでも実時間動作可能(デモ有り)。

従来技術・競合技術との比較

従来技術には認識できる文字のレイアウトに制限があり、文字が一列に並んでいる場合にのみ適用できた。一方、本技術は文字単位で認識するため、文字のレイアウトに依らず認識可能である。ロゴやピクトグラムの認識も可能になった。

新技術の特徴

・ノートパソコンで実時間動作可能
・文字やロゴの認識結果に応じて、QRコードのようにwebページを開いたり、サービスを起動できる(動画や写真の表示、音楽や音声の再生など)
・認識と同時に位置・姿勢を推定できるため、動画や写真を重畳表示できる

想定される用途

・実時間翻訳機
・視覚障害者補助
・環境中からの文字・ロゴの発見

関連情報

・デモ有り

13:10~13:40 アグリ・バイオ
4)  食品や臨床検体に潜む病原大腸菌の網羅的迅速検出法
発表資料

大阪市立大学 大学院生活科学研究科 長寿社会総合科学講座 教授 西川 禎一
http://www.life.osaka-cu.ac.jp/cgi/pro.cgi?4102

新技術の概要

大腸内に常在する無害な大腸菌から下痢を起す病原大腸菌を通常の検査法で識別することは不可能である。そこで、その病原大腸菌遺伝子を標的とするプライマーおよびプローブを設計し、リアルタイム・マルチプレックスPCR法による網羅的迅速検査法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の遺伝子診断では、検査対象とする病原大腸菌の亜群別に検査する必要があった。本法は、病原大腸菌の6亜群10遺伝子を一括して定量的に検出できる高効率なものであり、サンプル中の病原大腸菌の種類と数を迅速・高精度に判定できる。

想定される用途

・食品の品質管理
・臨床検査
・行政による食中毒の調査研究

13:40~14:10 アグリ・バイオ
5)  てんかん及びうつ病の治療薬スクリーニング法の開発
発表資料

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 獣医学専攻 准教授 加藤 啓子
http://www.bioenv.osakafu-u.ac.jp/grad/vet/staff_kozokino.html

新技術の概要

神経回路網の異常な同期性放電が原因であるてんかんのモデルマウスとてんかん原因分子を欠損したうつ病モデルマウスを開発し、治療薬スクリーニング法を構築した。近年の30~40代成人てんかん発症率上昇と、うつ病治療薬多剤服用との因果関係が注視されており、てんかんとうつ病を同時にモニターしながらスクリーニングすることで新たな治療薬開発を目指すことができる。

従来技術・競合技術との比較

本法のてんかんモデルマウスは、難治てんかんの50%を占める側頭葉てんかんのモデルであり、脳波と分子カスケードをもとに、時間軸に沿ったてんかん発症過程を計測する。またうつ病モデルマウスは、睡眠障害と不安障害を併発し、脳波、行動、血中マーカーをモニターする。てんかんとうつ病という相反する疾患を同時にモニターする系は従来存在しない。

新技術の特徴

・ストレス反応性の計測
・生体リズム検出系の提案
・毒性試験

想定される用途

・医薬
・食品
・その他治療方法の開発

14:10~14:40 アグリ・バイオ
6)  高活性人工遺伝子ベクター
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 河野 健司
http://www.chem.osakafu-u.ac.jp/ohka/ohka9/index.htm

新技術の概要

細胞などに高効率で遺伝子等を導入する高活性人工ベクターを開発した。このベクターを用いることで遺伝子や核酸医薬、タンパク質などを高効率に細胞内に導入することができる。

従来技術・競合技術との比較

広く用いられている遺伝子導入剤に比べて、活性が高く、しかも細胞に対する毒性が低い。

新技術の特徴

・細胞内に様々な物質を導入する
・バイオイメージング

想定される用途

・遺伝子関連医療
・ドラッグデリバリー
・バイオ試薬

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

14:40~15:10 アグリ・バイオ
7)  新規コラーゲン産生能向上剤によるアンチエイジングへの応用
発表資料

大阪市立大学 大学院生活科学研究科 食・健康科学講座 准教授 小島 明子
http://www.life.osaka-cu.ac.jp/cgi/pro.cgi?1209

新技術の概要

コラーゲン産生能向上剤の簡便でかつ有効なスクリーニング法を確立し、さらに本法を用いて、これまで皮膚の老化防止または改善のために有用なコラーゲン産生能向上剤を開発してきたが、さらなる新規素材を開発し、化粧品組成物として提供する。

従来技術・競合技術との比較

皮膚線維芽細胞のコラーゲン産生能を向上させる物質としてビタミンCが知られているが、我々が見出した新規コラーゲン産生能向上剤は、それを凌駕する強力な効果を有する。

新技術の特徴

・褥瘡、傷などに対する創傷治癒薬
・骨、軟骨の老化防止
・歯茎安定剤の開発

想定される用途

・化粧品

関連情報

・サンプルの提供可能

15:20~15:50 アグリ・バイオ
8)  薬物制御機能を有する機能性コラーゲン材料の作製と癌治療への応用
発表資料

大阪府立大学 21世紀科学研究機構 ナノ科学・材料研究センター 特別講師 児島 千恵
http://www.nanosq.21c.osakafu-u.ac.jp/ttsl_lab/c_kojima/index.html

新技術の概要

コラーゲンはバイオマテリアルとして有用である。我々はコラーゲンと人工多分岐高分子とのハイブリッド材料を作製した。この新規コラーゲン材料は様々な刺激に応答して薬物を放出することができることを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

従来の刺激応答性材料は人工合成物であり、生体適合性に問題があった。また、従来のコラーゲン材料は刺激応答性の薬物放出能をもっていなかった。今回の作製した材料はコラーゲン由来であり、かつ、刺激応答性を有する新規材料である。

新技術の特徴

・ヒドロゲル
・コラーゲン材料
・温度応答性と癌細胞の転移に伴う薬物放出

想定される用途

・癌治療のための薬物送達システム(DDS)への応用

15:50~16:20 アグリ・バイオ
9)  標的細胞だけでRNAiを引き起こす核酸マシン
発表資料

大阪市立大学 大学院工学研究科 化学生物系専攻 准教授 立花 亮

新技術の概要

設計した核酸マシンは標的細胞と非標的細胞を自ら判断し、標的細胞でだけRNAiを引き起こすことができる。例えば、がん細胞だけで作用し正常細胞では作用しない、副作用のないRNAi医薬などへの応用が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

細胞表面抗原を利用した細胞特異的なデリバリーは標的細胞特異的な抗原が必要であるが、適当な抗原がない場合もある。核酸マシンはこのような場合でも、標的細胞を高度に認識し、特異的にRNAiを引き起こすことができる。

新技術の特徴

・標的細胞の一塩基置換したmRNAを認識識別できる
・副作用なしに標的細胞にだけ致死的なRNAiを引き起こすことができる
・標的細胞だけを生存させるプロトコルがある

想定される用途

・副作用のないRNAi医薬
・ES細胞/iPS細胞から分化させた細胞だけを選択する方法
・導入された遺伝子が発現した細胞を選択する方法

16:20~16:50 アグリ・バイオ
10)  非水系バイオプロセスを可能とする有機溶媒耐性生体触媒
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 荻野 博康
http://www.chemeng.osakafu-u.ac.jp/group4/indexJ.html

新技術の概要

有機溶媒存在下でも高い安定性と活性を保持した酵素を開発しています。有機溶媒存在下で用いることが可能であり、難水溶性基質の溶解性と反応速度向上、加水分解酵素を用いた合成反応の触媒、微生物汚染の低減が可能になります。

従来技術・競合技術との比較

これまで、酵素は有機溶媒存在下で容易に変性・失活するため、有機溶媒存在下では用いることができませんでしたが、有機溶媒耐性酵素は有機溶媒存在下でも高い安定性と活性を保持しています。

新技術の特徴

・有機溶媒存在下での酵素反応・微生物反応
・難水溶性基質の溶解性と反応速度向上
・酵素を用いることによる高い反応選択性と基質特異性

想定される用途

・酵素を用いたペプチド合成やエステル合成反応
・難水溶性化合物の不斉合成
・低水分濃度(非水系・無溶媒系)での酵素反応

関連情報

・サンプルの提供可能

16:50~17:20 アグリ・バイオ
11)  医薬品中間体として重要なキノキサリン誘導体の安価な新規製造方法
発表資料

大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 応用生命科学専攻 准教授 谷森 紳治
http://www.bioinfo.osakafu-u.ac.jp/~tanimori/

新技術の概要

本技術は、安価で入手の容易な塩化第一銅を触媒に用い、医薬品などの製造や探索において重要な化合物群であるジヒドロキノキサリンー2-オン誘導体の簡便で経済的な一段階合成法を提案するものです。

従来技術・競合技術との比較

従来技術と比較し、触媒ならびに出発原料が安価であり、反応操作も容易である。また、原料が入手容易なことから、様々な置換様式を持った誘導体ライブラリーを光学活性な形で得ることができる。

新技術の特徴

・ワンポット(一段階)で合成
・触媒、原料が入手容易で安価
・反応操作が簡便
・廃棄物が少なく、環境に優しい

想定される用途

・医薬品中間体の製造
・スクリーニング用化合物ライブラリーの合成
・創薬のためのビルディングブロックの製造

関連情報

・サンプルの提供可能

17:20~17:50 材料
12)  バイオ技術によるレアメタル(インジウム、白金族元素)の分離・濃縮・加工
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 小西 康裕
http://www.chemeng.osakafu-u.ac.jp/group1/japanese/index.html

新技術の概要

特定の微生物の機能を活用して、30分程度の短時間の操作で、溶液中のレアメタルを細胞に取り込ませるだけでなく、機能性素材となるナノサイズ固体粒子の合成までも室温で、ワンステップで行えるバイオ分離・濃縮技術である。

従来技術・競合技術との比較

室温で、迅速に、溶存インジウムをワンステップで微生物細胞に濃縮・粒子化できる新規バイオ技術である。白金族元素を含む水溶液では、室温で迅速に進行するバイオ還元反応で金属ナノ粒子が生成することから、材料合成機能も兼ね具えたリサイクル技術となる。

新技術の特徴

・溶存レアメタルを分離・濃縮し、さらには高機能材料の合成までも可能にするバイオ技術
・溶存インジウムを迅速に、効率的に、微生物細胞に分離・濃縮できる環境適合技術
・白金族元素を含む水溶液から、微生物細胞を反応場に用いて金属ナノ粒子を室温合成

想定される用途

・都市鉱山からのレアメタルのリサイクリング
・未利用低品位資源からのレアメタルの回収
・微生物細胞を反応場・担体として活用する貴金属触媒の開発
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