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発表内容詳細

10:10~10:40 デバイス・装置
1)  線形性に優れた低電場で動作可能な非鉛系圧電材料の創製と機能性
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系 マテリアル工学分野 教授 森 茂生
http://mori-lab.mtr.osakafu-u.ac.jp/

新技術の概要

近年の電子デバイスの微細化に伴って、的確にナノスケールでの変位を電場により制御できる圧電材料の開発が求められている。本発表では、鉛を含まない線形性に優れた圧電材料について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

現在使用されている鉛系圧電材料は、電場に対して大きく変位をするものの印加電場に対する応答が非線形であるが、本研究で見出した材料は電場に対して線形性の良い応答を示すのが特徴である。

新技術の特徴

・低電場で動作が可能である(10KV/cmの印加電場で0.01%の歪みが生じる)
・線形性の良い圧電応答を示す(印加電場として0~100KV/cmの範囲で動作可能)
・非鉛系圧電材料

想定される用途

・圧電アクチュエーター
・圧電スピーカ
・インクジェットプリンターのヘッド

関連情報

・サンプルの提供可能

10:40~11:10 デバイス・装置
2)  カンチレバーを用いたディスポーザブルな超小型薄膜用膜厚モニター
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 電子・数物系専攻 准教授 川田 博昭
http://www.pe.osakafu-u.ac.jp/pe5/

新技術の概要

基板上に所望のパターンを順次貼り付けていく移植法を用いてプラスチック基板にカンチレバーを作製し、微小な質量変化を検出できる使い捨ての薄膜の膜厚測定用デバイスを作製した。

従来技術・競合技術との比較

従来の水晶振動子を用いた薄膜の膜厚測定用デバイスと比べて大きさは1/10以下、コストは1/3程度にできる。また、新規な使い捨て可能なマイクロマシンを作製できるプロセスとして広範な応用も期待できる。

新技術の特徴

・多層構造3次元マイクロマシン
・立体空中配線による高速伝送路
・段差基板上へのマイクロマシン作製

想定される用途

・薄膜の膜厚モニター
・積算型のにおいセンサー
・微小ダストモニター

関連情報

・試作可能

11:10~11:40 デバイス・装置
3)  半導体微小共振器を用いた量子もつれ光子対の高効率発生
発表資料

大阪府立大学 大学院理学系研究科 物理科学専攻 助教 大畠 悟郎
http://www.p.s.osakafu-u.ac.jp/~hikari/

新技術の概要

光を用いた量子情報通信や量子コンピューターに必要不可欠な要素である「量子もつれ光子対」を高効率に生成する方法。半導体微小共振器を利用したこの方法により、集積化可能で効率の良い光子対生成デバイスの実現が期待できる。これは、量子情報通信などの素子や回路に利用可能である。

従来技術・競合技術との比較

・従来のパラメトリック下方変換法と比べ、圧倒的に高効率な光子対生成を実現可能 ・ナノ薄膜と微小共振器を用い、従来にはない集積化可能サイズの素子実現が期待できる ・複雑で精密な構成の光励起装置と検出装置を必要とせず、装置も簡便なもので実現可能 ・量子通信・コンピュータは、従来では実現出来なかった絶対安全な暗号通信と超高速計算が可能

新技術の特徴

・全固体でスケーラブル(集積化も可能)な素子の実現が可能となる
・光励起及び検出装置が単純で簡便な構成である
・高効率に量子もつれ光子対を生成できることが期待できる

想定される用途

・光を用いた量子情報通信,量子コンピューター
・量子イメージング、量子リソグラフィー
・量子もつれ光子対を用いた新奇な分光測定

関連情報

・外国出願特許あり

13:10~13:40 環境
4)  BDF製造時副生するグリセリンの水素、メタンへの効率的転換技術
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学専攻 助教 徳本 勇人
http://www.chemeng.osakafu-u.ac.jp/group5/indexJ.html

新技術の概要

バイオディーゼル燃料の製造時に副生する強アルカリ性のグリセリン溶液は、従来の嫌気発酵処理では分解が困難である。本技術では、嫌気発酵分解能力を劇的に向上させる発酵制御技術により、このグリセリンを容易に資源・エネルギーに変換させることに成功した。

従来技術・競合技術との比較

原料油脂の10?20%程度副生するグリセリンを単独で処理する方法である。極微量の有機物を発酵制御剤として加えるだけであるので、環境負荷は小さく、迅速に有価物を生産できる。また、既存のメタン発酵槽を利用でき、新たな設備投資も少ないと考えられる。

新技術の特徴

・水素、メタンが生産できる
・化成原料が生産できる
・1つの発酵槽で多種多様な資源・エネルギーを分離生産できる

想定される用途

・微生物を利用した環境浄化
・微生物を利用した医薬品製造
・腸内細菌の調整や医療技術への応用

13:40~14:10 環境
5)  希土類磁石を用いない高性能PMモータの開発
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 電気・情報系専攻 准教授 真田 雅之
http://www.eis.osakafu-u.ac.jp/~mds/

新技術の概要

マグネットトルクとリラクタンストルクの両方を利用可能なリラクタンストルク応用モータにおいて、希土類磁石の使用量がゼロで従来技術と同等の性能となる高性能モータを実現するための等価狭ギャップ構造を開発した。

従来技術・競合技術との比較

高性能な永久磁石モータには強力な希土類磁石が使用されているが、希土類材料の高騰や将来にわたる資源確保への懸念からその使用量を削減することが強く望まれている。モータは固定子と回転子のギャップ長が短いほど出力、効率の面で性能が良くなるが、機械的な制約から実ギャップ長の短縮には限界がある。

新技術の特徴

・実ギャップ長を短縮することなく狭ギャップ磁気回路と同等の磁束密度を得られる
・永久磁石の界磁磁束を低減もしくはゼロにしても性能低下を抑えられる
・高磁束密度領域でも特性の劣化が少ない

想定される用途

・電気自動車・ハイブリッド自動車用モータ(主機・補機)
・産業用・家電用モータ
・自然エネルギー用発電機

14:10~14:40 環境
6)  アルミニウム箔-樹脂積層複合フィルムからのアルミニウム箔の分離回収
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 吉田 弘之
http://www.chemeng.osakafu-u.ac.jp/group5/indexJ.html

新技術の概要

アルミニウム箔と複数種類の樹脂フィルムからなる積層フィルムを、水共存下で亜臨界及び/または超臨界条件で処理し、アルミニウム箔を酸化させることなく分離し、金属状態で回収する。

従来技術・競合技術との比較

アルミニウム箔と複数種の樹脂フィルムから成る積層フィルムを、空気、酸素ガス、過酸化水素のうちのいずれかの酸化剤を添加した超臨界水の条件下で処理し、酸化されたアルミナとして回収する方法が提案されているが、再利用するには、還元するエネルギーが必要である。

新技術の特徴

・超臨界水より低温、低圧の亜臨界水を用いるため、イニシャルコスト、ランニングコストも格段に安い
・酸化剤を添加しないため、非酸化金族状態のアルミニウムとして回収できる
・酸化剤を添加しないため、装置の劣化が防げる

想定される用途

・レトルト食品用製品包装材を製造している工場のから出る切れ端及び不良品からのアルミニウムやプラスチックモノマーの回収
・プラスチックの含有量が50%以上の場合、容器包装リサイクルの対象となり、これらの処理に利用できる
・一般廃棄物から分別回収し、それらを集めて処理、再資源化することも可能である

14:50~15:20 材料
7)  高温強度と高温耐摩耗特性に優れたNi基超・超合金
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 高杉 隆幸
http://www.eng.osakafu-u.ac.jp/Japanese/02senko/materi_group/group05.htm

新技術の概要

Ni3AlとNi3Vの金属間化合物相を2重に複相組織化して結晶整合性と組織微細化を果たし、優れた高温強度や耐クリープ特性に加えて高い常温硬度を1000℃付近まで維持させることにより、これまでにない高温耐摩耗特性に優れた耐熱部材や高温工具の創出が期待される。

従来技術・競合技術との比較

高温強度に優れているが高温耐摩耗に劣る既存Ni超合金、あるいは、常温耐摩耗に優れているが高温強度・摩耗に劣る超硬合金に対して、本合金は800℃以上で高温強度のみならず転がり磨耗やすべり摩耗さらには高温衝撃特性に優れたパフォーマンスを示す。

新技術の特徴

・高い高温強度、優れたクリープ特性、優れた耐摩耗特性、優れた耐腐食・酸化特性
・耐摩耗特性をさらに向上させるための浸炭や窒化による表面硬化処理が可能
・素材製造や2次加工への従来金属基盤技術適用により低コストにして信頼性の高い製品製造が可能

想定される用途

・高温ダイス、高温金型、高温耐熱工具、硬質・高融点用摩擦攪拌ツール
・エンジン内シリンダーヘッド、耐熱スプリング、耐熱バルブ、耐熱摺動部材、光学レンズ製造用ダイス
・高温締結部材、高温・特殊環境用軸受け部材、ジェットエンジンおよび産業用ガスタービンブレード

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

15:20~15:50 材料
8)  アルミニウム軽合金のイオンビーム照射による新たな強化法
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 教授 岩瀬 彰宏

新技術の概要

イオンビームによる照射促進偏析現象を利用して、アルミニウム軽合金(ジュラルミン)中に直径2ナノメートル程度の析出物を均一に分散させることにより、室温かつ短時間で強度を大きく向上させる技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の時効による強化法と比べて、材料を高温にすることなく、はるかに短時間での処理で材料を硬くすることができる。また、表面だけなど、材料の任意の部分の強度制御が可能である。

新技術の特徴

・室温かつ極めて短時間での材料強化プロセシング。材料の任意の場所の強度を制御。ジュラルミンだけでなく他の多くの合金にも適用可能

想定される用途

・マイクロマシンの局所強度の制御、強度パターニング技術、靭性と硬さを併せ持った材料作製

15:50~16:20 材料
9)  ベリリウム銅を凌駕する高強度、高導電性を有する新規銅合金の創製
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 助教 千星 聡
http://www.engm.mtr.osakafu-u.ac.jp/

新技術の概要

従来の時効プロセスに水素化プロセスを組入れた新規の手法を時効強化型チタン銅合金に採用しました。これにより従来のプロセスでは困難であった組織制御が可能となるため、高強度化と同時に高導電率化が可能となります。この成果により、電子機器を構成する基盤素子用導電性銅合金の機能性と社会環境信頼性が飛躍的に改善されます。

従来技術・競合技術との比較

先端電子機器に搭載されている導電性材料には強度と導電性のバランスに優れたベリリウム銅が汎用されています。しかし、ベリリウムが人的有害であり、希少金属であるために安定供給性に問題があります。チタン銅合金は優れた力学的特性を有し、安全性や価格で優位ですが従来の時効プロセスでは低導電性が欠点でした。本技術は水素を利用した手法によりチタン銅合金の強度化と同時に、高導電率化に成功しています。

新技術の特徴

・競合材(ベリリウム銅)と同等以上の強度と導電性を有する導電性材料が創製可能です
・従来法と比較して製造プロセス・コストはほぼ同等です
・コモンメタルから構成され、リサイクル性にも富むため、社会環境にフィットした材料です

想定される用途

・コネクター材料
・電子素子用リードフレーム
・フレキシブル プリント サーキット

16:20~16:50 材料
10)  高強度および水素触媒機能性を有するNi3(Si,Ti)基耐熱金属間化合物合金
発表資料

大阪府立大学 大学院工学研究科 物質・化学系専攻 准教授 金野 泰幸
http://www.eng.osakafu-u.ac.jp/Japanese/02senko/materi_group/group05.htm

新技術の概要

本開発材は冷間加工が可能な金属間化合物で、600℃までの温度域では現用金属材料の中でも屈指の高強度特性と高い硬さ特性を示す。また,耐食性や耐酸化性も良好なことから、現用のニッケル合金やステンレス鋼に代わる次世代型の金属材料である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では困難とされている金属間化合物の冷間加工を成分組成と加工熱処理プロセスの工夫により克服。汎用的な合金元素と既存製造装置により製造可能なためコスト的にも有利。さらに、構造用材料としての好ましい特性のほかに、メタノール分解反応に触媒活性を示し、新規な水素製造触媒としての機能性も有している。

新技術の特徴

・強度、硬さの耐熱性に優れ、耐食性や耐酸化性も良好
・薄板,箔,棒,線などへの塑性加工が可能
・自発的表面ナノ構造形成による水素製造触媒能が発現

想定される用途

・高温環境下で強度や耐摩耗性が必要とされる部材
・耐食性や耐酸化性が要求される部材
・触媒および構造体を一体化した燃料電池用メタノール改質器
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