JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2009 山陰(鳥取・島根)発

発表内容詳細

10:50~11:20 環境
1)  土壌中への選択的溶液輸送による土壌環境の修復
発表資料

島根大学 生物資源科学部 准教授 森 也寸志

新技術の概要

深さ1mまでの土壌中の望む部位に効果的に溶液を拡散させる技術を構築した。有機物の少ない劣化土壌に施したところ、有機物量と植物バイオマスの増加が見られ、炭素固定に効果があると判断した。

従来技術・競合技術との比較

土壌が元々持つ構造や、浸透様式を巧みに利用しているので、土木的に大がかりにならず、環境負荷が非常に小さい。また、未利用資源を使ってメンテナンスがほとんど不要になる技術をあわせて考案した。

新技術の特徴

・安価で低環境負荷
・ムラの起こりやすい材料への均等浸透技術
・地域未利用資源である竹を使用

想定される用途

・劣化土壌への有機物貯留と植生の回復
・使用する薬剤の量を1/10程度にできる汚染土壌の効果的な浄化
・使用するリン肥料の量を1/10程度にできる施設園芸における効果的な施肥

11:20~11:50 環境
2)  ヘドロを加えた余剰汚泥からの新規な炭化水素抽出技術
発表資料

島根大学 総合理工学部 地球資源環境学科 教授 石賀 裕明

新技術の概要

汽水湖の底泥や浚渫土などは粘性土であり、有効利用はあまりされていない。下水処理場から発生する余剰汚泥も同様である。これらは有機物の含有量が多く、炭化水素の抽出が可能であれば、非在来型炭化水素資源として活用できる。

従来技術・競合技術との比較

余剰汚泥をコンポスト化する技術は既に知られているが、底泥との混合によって、その有機資源としての特性を生かす技術は他に例が無く、本技術は環境問題対策、エネルギー資源の有効利用での有望な技術となる。

新技術の特徴

・有機質の底泥からの炭化水素抽出
・粘性土の造粒化・固化
・余剰汚泥、ヘドロの資源化

想定される用途

・湖沼、沿岸域の底泥、余剰汚泥の処理
・抽出した炭化水素のエネルギー資源としての活用
・加熱乾留物の環境資材としての活用

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

11:50~12:20 環境
3)  原子状に微細化した安価な高活性パラジウム触媒による機能性材料合成反応
発表資料

鳥取大学 大学院工学研究科 助教 奥村 和

新技術の概要

USY型ゼオライトに担持したPd触媒に、キシレン中で水素をバブリングすることにより、単原子状に高分散した金属Pd触媒を調製することに成功しました。この単原子Pd触媒はベンゼン環同士のC-C結合をつなぎ、機能性分子であるビフェニル誘導体を生成する鈴木・宮浦反応に対して極めて高い活性を示します。

従来技術・競合技術との比較

Pd/USY触媒はゼオライトとPd水溶液を室温で混合するだけで得ることができ、安価で調製が非常に簡単です。また本触媒を1mg使用することで、最大100gものビフェニル誘導体を得ることができます。触媒が溶媒に溶解せずに反応するため、反応後に触媒の分離を簡単に行うことができます。

新技術の特徴

・ppm以下の極めて微量のパラジウムの使用で反応が完結する
・触媒の調製法が簡単で安価である
・反応基質の適用範囲が広い

想定される用途

・有機EL素子の原料合成
・液晶の原料合成
・製薬

関連情報

・サンプルの提供可能

13:20~13:40
-)  中国地域産学官連携コンソーシアム事業について

中国地域産学官連携コンソーシアム 産学官連携プロデューサー 清水 克彦

新技術の概要

文部科学省産学官連携戦略展開事業(戦略展開プログラム)「中国地域産学官連携コンソーシアム」は 島根大学、鳥取大学を始め、中国地域における大学等の知的財産を集積し、一元体制を確立し、知的財産の活用を促進し、地域のイノベーション創出に貢献する取組みです。ウェブマッチングシステム「シーパスネット」を整備し、また、産学官連携プロデューサーを配置して体制の整備に努めてまいりました。現在、現在、22大学が参加しており、産学官連携事業、人材育成事業に注力しているところです。企業の皆様には会員登録していただき、「中国地域産学官連携コンソーシアム」を是非ご活用いただけたらと思っております。企業の皆様に事業紹介(企業様の参加メリット、ウェブマッチングシステム「シーパスネット」の内容紹介、産学官連携プロデューサーの役割など)をさせていただきます。

13:40~14:10 医療・福祉
4)  魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸の心房細動予防作用
発表資料

鳥取大学 大学院医学系研究科 機能再生医科学専攻 教授 久留 一郎

新技術の概要

多価不飽和脂肪酸は電気を作るイオンチャンネル蛋白を安定化し増加させることを発見した。魚油特に未利用魚油にこの類似作用があることを見出し、不整脈、心不全及び脳卒中を予防機能性食品への応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

不整脈の発症と慢性化の原因は心臓でのチャネル蛋白の減少であるが、これまでにチャネル蛋白を増加させる作用を有する治療薬は皆無である。本技術は未利用資源の魚油を用いており新規性が極めて高い。

新技術の特徴

・不整脈発症の原因を治療できるユニークな作用
・未利用資源を利用できる
・食品としてヒトへの応用が可能

想定される用途

・難治性不整脈への応用
・難治性心不全への応用
・脳卒中予防への応用

関連情報

・サンプルの提供可能

14:10~14:40 医療・福祉
5)  細菌糖鎖を利用したワクチンと分析・診断ツールの開発
発表資料

鳥取大学 農学部 生物化学 教授 山崎 良平
http://muses.muses.tottori-u.ac.jp/staff/yamasaki.htm

新技術の概要

細菌性髄膜炎の起炎菌の産生する糖鎖を利用して、以下の開発を行う。 1)感染診断および分析ツール、と2)感染予防のためのワクチン開発

従来技術・競合技術との比較

これまでに、迅速で簡便な診断ツールは存在しない。この技術では、このような診断を可能にするツールを開発する。未だに有効なワクチンが存在しない髄膜炎起炎菌に対するワクチン開発を目的とする。

新技術の特徴

・病原性細菌の産生する糖脂質、リポオリゴ糖の糖鎖を利用した感染診断ツール
・上記の細菌糖鎖を利用した細菌の同定ツール
・上記の細菌糖鎖を利用した利用した感染予防のためのワクチン開発

想定される用途

・ヒトだけでなく他の哺乳動物の病原性細菌感染の診断、ワクチン開発
・植物の病原性細菌の分析、感染予防
・食品、水等に存在する病原性細菌の簡便で迅速な分析ツール

関連情報

・試作可能

14:40~15:10 医療・福祉
6)  新規酵素アスパラギン酸脱水素酵素を用いるL-アスパラギン酸の生産と定量
発表資料

島根大学 生物資源科学研究科 生物生命専攻 教授 澤 嘉弘
http://www.ipc.shimane-u.ac.jp/seimei/index.html

新技術の概要

二種の常温性細菌より、常温で高い活性を示すL-アスパラギン酸脱水素酵素を発見した。これらのリコンビナント大腸菌を用いて、安価な有機酸を出発物質とする高効率L-アスパラギン酸製造方法を確立した。

従来技術・競合技術との比較

アスパルターゼを用いるアスパラギン酸生産では、加熱によるフマラーゼの除去操作を必要とするが、加熱処理によりアスパルターゼの一部失活や安定性の低下を招来してしまう。本法は加熱処理を必要としない。

新技術の特徴

・常温で高い活性を持つアスパラギン酸脱水素酵素
・TCAサイクルを利用するのでフマラーゼ等の大腸菌内在酵素を不活化する必要がない
・高発現するので2ステップでの均一まで精製が可能である

想定される用途

・L-アスパラギン酸生産
・L-アスパラギン酸の定量
・アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST, GOT)活性の測定

関連情報

・サンプルの提供可能

15:10~15:40 医療・福祉
7)  冷凍庫と冷蔵庫があればできる高品質濃縮技術
発表資料

鳥取県産業技術センター 食品開発研究所 食品技術科 科長 小谷 幸敏
http://www.tiit.or.jp/

新技術の概要

切頭円錐状の容器に溶液を入れ、上部からの凍結を遅延させながら冷凍庫内で凍らせたあと、冷蔵庫内で上下を反転して解凍すると、解凍初期に高濃度な溶液が高効率に回収できる。この方法を用いると、高品質な濃縮液を容易に得ることができる。

従来技術・競合技術との比較

従来の凍結濃縮法は、専用の遠心分離機等が必要があり、非常にコストが高く、中小企業での実用化は難しかった。当技術は企業が保有する余剰冷凍庫、冷蔵庫を使用することで設備の有効利用、低コスト化が可能であり、中小・零細企業においても実用化が容易である。

新技術の特徴

・非加熱であることから、原料溶液の特徴をそのまま濃縮することができ、高品質
・冷凍庫、冷蔵庫と溶液を入れる簡易な切頭円錐状の容器さえあれば実施可能で、中小・零細企業でも実用化が容易
・従来の凍結濃縮と異なり、いったん冷凍庫内で凍らせてしまうため、冷凍中の管理が不要
・解凍初期に濃縮液が流出することにより、濃縮液の濃度管理が容易
・低温環境での作業が少なく、作業者の負担が少ない
・切頭円錐容器であることから、氷の離脱が容易で容器の再利用が容易
・低コスト・高品質な濃縮技術

想定される用途

・煮汁や果汁、野菜搾汁液などの濃縮
・清酒等アルコール飲料等の濃縮
・排水等の浄化

関連情報

・サンプルの提供可能

15:50~16:20 機械
8)  雑草と闘うロボットたち
発表資料

島根大学 生物資源科学部 地域開発科学科 准教授 土肥 誠
http://bioinfoenv.shimane-u.ac.jp/

新技術の概要

農道や河川敷の雑草を刈り取るロボット、作物と雑草を識別して雑草を除去するロボットおよび法面での作業に対応できる集草・梱包装置を開発し、様々な分野での雑草対策に貢献できる。

従来技術・競合技術との比較

危険で過酷な草刈り作業を無人で行えるよう、雑草と作物を識別したり、畦や農道を検出しながら草刈り・草引きする。また、法面での雑草の集草・梱包を可能とした。

新技術の特徴

・遺伝的アルゴリズムを用いた雑草の識別
・不整地での草刈り
・法面に対応した集草・梱包装置

想定される用途

・道路・河川敷の雑草の刈り取りと除去
・農業生産基盤(特に、畦草)の維持管理
・公園や林の景観保全

J-STORE掲載特許情報

16:20~16:50 製造技術
9)  二方向観察による三次元顕微鏡システムの開発
発表資料

鳥取大学 大学院工学研究科 機械宇宙工学専攻 助教 中井 唱
http://www.damp.tottori-u.ac.jp/~lab5/index.html

新技術の概要

市販の倒立型顕微鏡の側方に対物レンズ、カメラ、光源を1組設置し、二方向から同時観察することで、大きさ数μmの対象物の三次元並進・回転運動を、数十μmの領域にわたって観察可能な顕微鏡システムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

三次元観察可能な従来の顕微鏡は、1つの対物レンズを用いて像のピントのずれから奥行き方向の位置を計測していたが、本手法は、従来手法よりも広範囲、高精度で三次元情報を取得可能である。

新技術の特徴

・精子のらせん運動の三次元解析
・三次元ブラウン運動する粒子が界面から受ける影響の測定
・三次元マイクロPIV(流れ場計測法)への応用

想定される用途

・界面近傍における細菌運動の三次元解析

16:50~17:20 製造技術
10)  水平移動方式による方向操作用インターフェース
発表資料

島根県産業技術センター 情報デザイングループ 科長 米田 和彦
http://www.shimane-iit.jp/

新技術の概要

ジョイスティックに代わる、水平移動入力方式の、低速で移動する車両用操作装置。 本装置はX-Y平面上の方向で進行方向を、変位量で速度を制御する。

従来技術・競合技術との比較

ジョイスティックはレバーを傾ける方向・角度によって進行方向と速度を制御するのに対し、本装置は平面上の位置で入力するため、回転軸が不要でジョイスティックに比べて装置を薄く作製できる。また変位量も大きくすることが可能である。

新技術の特徴

・手・足を操作板上に置いて操作するため疲労が少なく、良好な操作感を得られる
・装置の厚さ(高さ)を薄く(低く)できるため、設置場所の自由度が向上する
・ストロークを大きく取ることができる

想定される用途

・電動車いすの操作装置
・ゲーム用入力装置
・農業機械・建設機械・娯楽用車両等の方向操作用入力装置

関連情報

・試乗できる電動車いす、有り
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