発表内容詳細

10:10~10:40 機械
1)  超音波振動を用いたリニアボールガイドの摩擦力制御による高速・高精度位置決め
発表資料

静岡大学 工学部 機械工学科 教授 大岩 孝彰
http://oiwa.eng.shizuoka.ac.jp/

新技術の概要

超音波振動をリニアボールガイドユニットに加えることにより、静止摩擦減少によるスティックモーションの防止と摩擦力増大による高減衰能化を同時に実現する。これにより位置決め精度向上と整定時間短縮が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

従来の空気軸受は低摩擦だが剛性や減衰が低いため制御系の不安定化を招く。制御による摩擦補償では運転条件毎にパラメータ同定などが必要であり、その補正効果も低い。本技術は物理的に転がり案内要素の摩擦を増減させることができる。

新技術の特徴

・転がり摩擦力の減少だけではなく、増加も行える
・PTP位置決めの整定時間短縮だけではなく、輪郭制御時の軌跡精度も向上する
・装置も簡便な上に従来の機械の設計変更も少なく適用できる

想定される用途

・高速な位置決め装置
・高精度な位置決め装置

10:40~11:10 機械
2)  真空対応の小型極微動XY薄型ステージとAFMへの応用
発表資料

静岡大学 工学部 機械工学科 准教授 岩田 太
http://tf2a14.eng.shizuoka.ac.jp/

新技術の概要

擦動部分の無い新しい機構のXYステージの開発試作を行った。摩擦が無いので小駆動力であり潤滑剤を要しないため、真空環境下でも使用可能である。本ステージをAFM位置決めに用いた応用例などを示す。

従来技術・競合技術との比較

小型、ボールベアリングなどの擦動部分の無い長寿命の精密XYステージが求められ、さらに高真空下での用途ではオイルフリー、ベーキング可能、ダストフリーと云う特徴について報告する。

新技術の特徴

・ステージ面40mm角、厚さ7mm、作動長2mmXYステージの試作機の位置分解能はアクチュエータの性能から30nm
・特に光学機器、真空機器での精密XYステージに適する
・本構造を微小化したMEMS、あるいは大型化した移動機構としても、本技術の特徴を発揮できる

想定される用途

・超高真空下の精密XY移動機構(高温ベーキング可能、コンタミネーションフリー)
・光学用精密位置決め機構(フリクションレス)
・例えば、AFMなどの試料台、プローブ駆動台など

関連情報

・文部科学省知的クラスター創成事業 浜松オプトロニクスクラスター

11:10~11:40 デバイス・装置
3)  フィールド用携帯蛍光顕微鏡 自然界での微生物生態観察
発表資料

静岡大学 工学部 機械工学科 学術研究員 宮川 厚夫

新技術の概要

地球環境への影響が予想される、地下・海底熱水系などの極限環境に生存している多種類の微生物群は、その培養の困難さから90%以上の種が見逃されていると云われている。このため、小型化できる最適な光学系の採用により、フィールドで直接微生物群を検出可能な蛍光顕微鏡を試作した。

従来技術・競合技術との比較

多様な微生物群の検出において、培養法は検出率が低く、時間がかかるため多くを見落とし、また、DNA検出法では、個々の微生物の種類や生死を判別するのが困難である。そこで、直接検出できるよう、蛍光顕微鏡を小型・軽量・低消費電力化した。

新技術の特徴

・一人で持ち運び容易な小型、軽量、低消費電力な顕微鏡
・野外、水中、地下で観察可能な防塵、防水構造
・内蔵のXYZステージで広い面積の一括観察
・蛍光観察で多種の微生物、生物関連物質の検出

想定される用途

・フィールドにおける微生物類の生態観察
・食品中の微生物類のリアルタイム検出
・惑星生命探査

13:20~13:50 デバイス・装置
4)  表面プラズモンアンテナを備えた高S/N・高速の微弱光センサー
発表資料

静岡大学 電子工学研究所 新領域創成部門 教授 猪川 洋
http://www.rie.shizuoka.ac.jp/nanosystemintegration.html

新技術の概要

薄いSOI層を用いた横型pn接合フォトダイオードの表面に薄いゲート絶縁膜を介して表面プラズモンアンテナを設ける。これにより、高い量子効率、低い暗電流、高い動作速度が同時に達成された。

従来技術・競合技術との比較

高い量子効率と高い動作速度を両立させるために表面プラズモンアンテナを利用した例はあったが、構造が複雑な上、暗電流が大きいため検出感度の向上が困難であった。本技術では、比較的簡易な構造で暗電流の低減も達成している。

新技術の特徴

・高い量子効率、低い暗電流、高い動作速度が同時に満足するフォトダイオードが得られる
・同フォトダイオードに波長フィルターや偏光フィルターの機能を持たせることができる
・同フォトダイオードをアレー状に配置してイメージ・センターを構成することができる

想定される用途

・微弱光の高感度、高速検出
・分光画像、偏光画像の取得
・素子冷却を用いない高感度フォトダイオード、イメージセンサなど

関連情報

・文部科学省知的クラスター創成事業 浜松オプトロニクスクラスター

13:50~14:20 デバイス・装置
5)  紫外から可視領域まで発光するモノリシックLED
発表資料

静岡大学 電子工学研究所 フォトニックデバイス分野 助教 中村 篤志

新技術の概要

近年酸化亜鉛系材料の半導体としての性質が注目されている。本技術は、「リモートプラズマ」技術により非平衡条件下において、酸化亜鉛系材料の新規結晶を作成し、紫外から可視領域まで発行可能な素子を提供する。

従来技術・競合技術との比較

半導体発光素子は広い波長域で発光することが応用上好ましいが、材料固有のバンドギャップのため、波長に応じて異なるバンドギャップの材料が使われているのが現状である。今回同一材料で紫外?可視の波長域をカバーすることを可能とした。

新技術の特徴

・フルカラー発光素子
・リモートプラズマMOCVD結晶成長
・結晶にダメージを与えずに高エネルギーラジカルを酸化物半導体に添加する電気伝導性制御

想定される用途

・省スペース白色照明
・高演色性ディスプレイ
・色忠実スキャナ及び複写機

J-STORE掲載特許情報

14:20~14:50 デバイス・装置
6)  高輝度化したマイクロ波による長寿命・高効率光源
発表資料

静岡大学 客員教授、名誉教授 神藤 正士

新技術の概要

マイクロ波点灯の放電ランプの構造を更に検討し、短い放電ギャップでも高効率・高輝度となる構造を実現した。効率よく導入する改良を行って、点灯時の発熱が少なくなり長寿命であることから新たな用途が開けた。

従来技術・競合技術との比較

他の放電ランプとは異なるマイクロ波放電ランプの特性を生かして中心部に電力を供給できる構造とした。安定なプラズマをランプ中心部であるアンテナ先端(放電ギャップ部)に形成した。電極やガラス部への熱伝導が無くマイクロ波電力が集中するため効率が高い。

新技術の特徴

・光を発生する光点が小さい強力光源
・ランプ交換し難い長寿命の強力光源
・ランプの封入するメタルハライド等の発光波長が強い光源
・マイクロ波電源の低価格化が進みコストメリットが向上

想定される用途

・産業用照明光源(UV~可視光)
・測定器や試験機器の強力・長寿命・安定な光源
・植物工場用、建物・橋梁・空港などでの強力・長寿命で性能が安定な光源(例えばライトアップ用)

関連情報

・デモンストレーション可能

15:00~15:30 材料
7)  安価かつ充放電特性に優れた電気二重層キャパシタ
発表資料

静岡大学 工学部 物質工学科 研究員 渡邉 真志
http://cheme.eng.shizuoka.ac.jp/chemsys/sudohlab.html

新技術の概要

電気二重層キャパシタ用電極に比較的安価で入手しやすい材料を用い、組成を最適化することで、出力密度及びエネルギー密度を向上させることを可能にする。これにより充放電特性に優れた電気二重層キャパシタの作製が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

通常、電気二重層キャパシタにおいて出力密度とエネルギー密度はトレードオフの関係にある。従来、高出力かつ高エネルギー密度を達成するために特殊な材料等の使用例が多かった。本技術では電極組成の最適化により高出力かつ高エネルギー密度を達成した。

新技術の特徴

・単純な方法で電極組成の最適化が達成される
・特殊材料を使用せずに高出力かつ高エネルギー密度の電気二重層キャパシタを提供できる
・比較的安価である

想定される用途

・電気自動車等のエネルギー回生システム
・通電加熱触媒用電源
・発電、消費電力量の平滑化

15:30~16:00 情報
8)  ひとの視覚系が認識するデータを得られる時空間データ処理技術
発表資料

静岡大学 工学部 システム工学科 教授 相田 一夫

新技術の概要

ひとの視覚系の構造と光通信用受光回路や各種通信方式の工学要素との対比により考案した時空間情報処理技術であり、入力刺激がイメージセンサからの場合、ひとが特徴的に感じる画像(強調画像)を電圧分布として出力する。例えば物体移動時のひとの動体認識に近い出力が得られる。

従来技術・競合技術との比較

画像の特徴を抽出し制御系を構成する従来の方法は、膨大な計算量がネックとなり産業分野などに適用が限定されていた。本技術は簡単な回路網により時空間情報のリアルタイム特徴抽出を実現するので、日常の各種機器に実装することが可能となる。

新技術の特徴

・物理モデルに基づく演算アルゴリズム。電気回路による装置化、プログラムによる実装の何れも可能
・従来の画像処理技術は静的な空間情報処理をベースに構築。一方、新技術は動きのある時空間情報を直接処理
・時空間情報からリアルタイムで特徴抽出(輪郭強調、動きベクトルなど)

想定される用途

・高速な情報処理が要求されるロボット等の制御分野。「動物の反射」に相当する高度なフィードフォワード制御
・時間空間情報の異常、変化を素早く検出。車載カメラによる運転アシスト、防犯カメラ等のセキュリティ分野
・動画像から動きを強調した静止画像の生成(アニメーション作製、デジカメ等)。1~3次元空間情報の特徴抽出

関連情報

・独立行政法人情報通信研究機構(NICT)との共同開発

16:00~16:30 情報
9)  ステレオ画像を用いた高精度リアルタイム3次元計測
発表資料

静岡大学 工学部 電気電子工学科 准教授 橋本 岳
http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~tdenden/staff.htm

新技術の概要

画像データを用いたステレオ計測の計測誤差を飛躍的に低減する方法を改良し,遠方にある多数の測定目標をリアルタイムかつ高精度で測定技術の実用化研究を発表する。簡易なデジカメを複数台用いても実現できる。

従来技術・競合技術との比較

従来のパッシブステレオ計測では、カメラから対象までの距離が長くなると誤差が急激に増大する。誤差発生原因の改良により、計測誤差を従来より1/10以下に出来る方法を開発した。数百m先の対象物を誤差数cmで,リアルタイムに計測できる。

新技術の特徴

・3次元計測における高精度化
・測定対象に(レーザー等を照射しない)パッシブ計測の実用的活用
・演算コストの小さい高速処理によるリアルタイム計測が可能

想定される用途

・人体形状計測(レーザースキャンが不要なため短時間計測が可能であり移動・運動物体にも対応)
・遺跡など地形測定(遠距離でも高精度かつ短時間での計測)
・形状計測(建物等の外観計測の短時間化)

関連情報

・デモンストレーション可能
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