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発表内容詳細

10:30~11:00 機械
1)  局部加熱による微細管のフレキシブルなダイレス加工
発表資料

首都大学東京 大学院理工学研究科 機械工学専攻 教授 真鍋 健一
http://www.eng.metro-u.ac.jp/production/folder/member06/frame.html

新技術の概要

局部加熱部のみを変形させるため熱的並びに変形エネルギーの省エネ化が可能。微細な直管や異形管の引抜加工、増肉加工、ベローズ加工、テーパー加工、断面の異形成形が可能で、初期断面形状が相似則に変形するので、複雑断面材をそのままマイクロ化できる。

従来技術・競合技術との比較

金型を使わずに各種加工ができるため、多品種少量生産に適しており加工の柔軟性が高く、金型費がかからずコストダウンできる。加工速度は低速になる。微細結晶粒化できれば超塑性を利用して一度に大きな減面率を与えることができる。

新技術の特徴

・金型工具を一切用いないフレキシブルなダイレス引抜きによる微細管の創成
・断面形状を異形形状に成形しながら縮径加工が可能となるため、長手方向も含めたより複雑形状部品の創成が可能
・連続結晶粒微細化工程と組み合わせれば、初期断面形状が「幾何学的相似則」に従って変形するので、より微細管の創成に適している

想定される用途

・無痛注射針,医療用マイクロ部品(カテーテル、ステント、その他)、美容整形用微細器具
・ベローズ、テーパー部品
・マイクロ伝熱部品、マイクロセンサー部品

関連情報

・サンプルの提供可能
・相談により試作可能

J-STORE掲載特許情報

11:00~11:30 情報
2)  トランジスター回路のモデル化と入力評価
発表資料

首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 情報通信システム学域 准教授 三浦 幸也
http://www.sd.tmu.ac.jp/RDstaff/ice.html

新技術の概要

今日の主流技術であるCMOSトランジスタは、遮断・線形・飽和の何れかの状態で動作している。このことに着目し、CMOS回路を遮断・線形・飽和の3状態で離散的にモデル化して、回路状態を評価し、且つ表示できる方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

通常トランジスタ状態は判別式を利用して文字情報もしくは数値情報で表現されるが、本技術ではこれを視覚的に表現でき、また既存のCADツールへの組み込みも可能であると考えられる。

新技術の特徴

・CMOS回路を離散状態(トランジスタの遮断、線形、飽和状態)でのモデル化可能
・CADプログラムへの組み込み
・半導体回路・電子回路の教材資料

想定される用途

・CMOS回路・電子回路などの設計、テスト、解析、評価
・CAD分野

関連情報

・回路状態の可視化プログラムのデモは可能

11:30~12:00 製造技術
3)  将来本命とみられる前後輪独立駆動電気自動車の走行性能向上
発表資料

首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 ヒューマンメカトロニクスシステム学域 教授 武藤 信義

新技術の概要

電気自動車のスタンダードになると予測される前後輪独立駆動車の駆動性、操縦性の向上を目指し、車輪のスリップやロックを防止する為の駆動及び制動トルク協調制御を行う。また、モータの安定性向上のためのサージ電圧とノイズ除去によっても、操縦性が向上する。

従来技術・競合技術との比較

摩擦係数の低い道路を走行する際、駆動、制動両面で車輪がスリップすることが多かった。本発明では、前輪のスリップコントロール情報を後輪の制御に用いると共に、路面の摩擦係数を予測し、協調制御をおこなう。

新技術の特徴

・電気(燃料電池、ハイブリッド)自動車への応用ができる
・前後独立駆動車の安全性を向上させる

想定される用途

・電気自動車
・燃料電池自動車

13:10~13:40 材料
4)  構造制御されたリチウムイオン電池用高容量合金系負極
発表資料

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 教授 金村 聖志
http://inorg777.apchem.metro-u.ac.jp/

新技術の概要

三次元的に均一な多孔電極をマイクロドメイン化することにより新しい負極材料の作製を行った。リチウムイオン電池用の合金系負極は充放電により大きく膨張・収縮するため高いサイクル特性を得ることができないが、本提案のマイクロドメイン化により大きく改善され、実用的な負極の作製が行えた。

従来技術・競合技術との比較

合金系の負極に関する研究は、主に合金粉体をバインダーにより結着し電極を安定化させる方法により行われてきた。しかし、合金自身の微粉化を抑制することはできなかった。本研究では、ナノ・ミクロ構造制御により、微粉化の抑制に成功した。これにより実用レベルの負極を作製できるようになった。

新技術の特徴

・100nmオーダーの孔が連通した状態で連続的に集積された材料
・上記の状態の材料をマイクロサイズでドメイン化した材料
・孔を制御することで機能性を発揮できる材料

想定される用途

・リチウムイオン電池用負極
・ナノ・ミクロで規則的な孔を有する材料を必要とする分野、分離膜
・他のエネルギーデバイスにおける構造制御 

関連情報

・サンプルの提供可能

13:40~14:10 材料
5)  金属酸化物を担体とする金ナノ粒子触媒の調製
発表資料

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 准教授 武井 孝
http://www.comp.tmu.ac.jp/harutalab/

新技術の概要

金属酸化物を担体とする金ナノ粒子触媒は、担体の種類によってその触媒特性が大きく変化することが知られている。担体に金属イオンをドーピングする本技術によりその触媒特性が大幅に改善される。

従来技術・競合技術との比較

従来金ナノ粒子触媒特性の制御は、担体の種類をかえることで行われてきたが、担体の種類をかえることなく、少量の金属イオンのドーピングにより触媒特性を向上させることができる。また、金ナノ粒子触媒は、他の貴金属触媒と比較して温和な条件での触媒反応を得意とする。

新技術の特徴

・マイルドな(低温、低圧)条件での触媒反応
・ドーピングによる触媒活性、耐久性の向上
・ドーピングによる担体粒子と金粒子の微細化

想定される用途

・バイオエタノールからの酢酸合成
・室内空気の浄化
・マスク等

関連情報

・サンプルの提供可能

14:10~14:40 アグリ・バイオ
6)  食品産地判別や原料分析の新技術(分子レベル安定同位体比を解析ツールとする食の安全と生体影響評価)
発表資料

首都大学東京 大学院理工学系研究科 分子物質化学専攻 教授 伊永 隆史
http://www.se.tmu.ac.jp/chem/Environm/top.html

新技術の概要

安定同位体は人体に悪影響を及ぼさず、従来にない特性と有利性を持つ。食品や生体中の天然・人工物質をクロマトグラフ分離-同位体比質量分析計利用により、アミノ酸、脂肪酸等を分子レベルで分離し、安定同位体比を精密計測することにより、食品の産地分析や生体影響を評価できる。

従来技術・競合技術との比較

米国サーモフィッシャーサイエンティフィック社製GC-IRMSと水キャリアを使用したLC-IRMSが実用化されたが、LCを使った試料分離でほとんどの場合に利用される有機溶媒を含む水系混合溶媒は未だ使用不可能なため、有機分子の多くは測定できず用途が限定されるという重大問題の解決に役立つ。

新技術の特徴

・同位体比質量分析計と液体クロマトグラフィーを接続可能にして、新規な先端分析装置を開発できる
・試料物質をイオン化して有機溶媒と分離しながらイオン化輸送する多段階プロセスを開発できる
・有機溶媒分子によるバックグランドを排除するため、完全に脱溶媒してイオン輸送系から除去する

想定される用途

・化学物質の起源解明を安定同位体をツールとして実現し、代謝・動態解析に関する物質研究を推進
・様々な食品、サプリメント等を通じて安定同位体は摂取・代謝されており、これらを直接検出し解析
・生体中に存在する天然・人工物質の安定同位体比を分子レベル解析、由来判定により生体影響を評価

14:50~15:20 機械
7)  レーザー蒸着法による固体酸化物燃料電池の作製
発表資料

東京都立産業技術高等専門学校 ものづくり工学科 准教授 吉田 健一
http://www.ky.metro-cit.ac.jp/

新技術の概要

複数工程が必要だった固体酸化物燃料電池の作製工程を、レーザー蒸着法を用いて1回の製膜過程で作製することに成功した。またこの技術では、800℃以下の低温製膜と、多孔質金属基板上への製膜も可能となり、車載用などの移動用電池としての実用化の可能性を秘めた技術となる。

従来技術・競合技術との比較

従来の固体酸化物燃料電池の作製方法と比較して、製造工程が複数回から1回に、合成温度が1000℃以上から800℃以下になる。また従来の製造方法ではセラミック基板を用いているが、本技術では多孔質金属基板が使用できるため、高性能・高強度の固体酸化物燃料電池の作製が可能となる。

新技術の特徴

・単一製造工程で作製が可能な固体酸化物燃料電池
・低温(800℃以下)合成、低温動作(700℃以下)が可能な固体酸化物燃料電池
・省資源となる薄膜型の固体酸化物燃料電池

想定される用途

・固体酸化物燃料電池
・触媒
・機能材料

関連情報

・サンプルの提供可能

15:20~15:50 情報
8)  指の屈伸運動を用いた生体認証
発表資料

首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 経営システムデザイン学域 准教授 西内 信之
http://www.tmit.ac.jp/~nishilab/

新技術の概要

本手法は、人間の指の屈伸運動時に表れる個人を特定できる様々な特徴量を捉え、それを個人認証に利用するものである。指の屈伸運動は極めて再現性が高く、これにより高い認証精度が得られている。

従来技術・競合技術との比較

生体認証で現在問題とされている「なりすまし」に対しては、人間の動きを認証に用いることが注目されているが、これまでの、どの手法も動きの再現性に問題があり、認証精度は低く、一般に広く利用されているものはない。

新技術の特徴

・人間の動きを認証に用いており、「なりすまし」は困難であり、個人を認証する精度は高い
・装置構成は一般的な光学系の機器であり、特殊な機器を必要としない
・装置に指を挿入し屈伸運動するだけで認証できるので、手軽な認証プロセスである

想定される用途

・施設や部屋の入退場管理のための個人認証装置
・PCのユーザ管理のための個人認証装置、ネットでの本人確認
・アミューズメントパーク等での中途出入に利用

15:50~16:20 通信
9)  背景分離を活用した雪・雨などの妨害にも強い低ビットレート高画質監視符号化
発表資料

首都大学東京 大学院システムデザイン研究科 情報通信システム学域 教授 西谷 隆夫
http://www.sd.tmu.ac.jp/mmdsp/

新技術の概要

複数の監視用カメラを用いて人や動物等の移動を監視センターへ伝送するデータ量を、背景分離により、大幅に減量する。背景画像については画面解像度及びフレームレートの少なくとも一方を低減してから符号化処理を行う。監視対象物を含む前景画像は、監視対象物を識別するのに必要な画質を確保して伝送できる。背景分離技術がPanカメラに対応できると携帯電話ビデオの高画質化に役立つ。

従来技術・競合技術との比較

現状で監視用カメラを用いて人や動物等の移動を監視する場合、伝送される情報量が膨大なので、伝送に要する時間が長くなるか、或いは通信に要する帯域が広くなる。その結果、通信コストが高額になり、通信回線の混雑に対して脆弱となる。監視対象物の解像度を維持しつつ伝送される情報量を常時削減することができる動画像処理装置、動画像処理プログラム、及び動画像処理方法を提供する。

新技術の特徴

・画像中の主要なデータのみを取り出し、高速処理可能
・広範囲な応用のきく基本アイデア
・地表監視システムに最適

想定される用途

・保安システム
・車、ロボット等の自動運転
・ケイタイから家庭の大型ディスプレーにHDTV実況放送伝送

16:20~16:50 通信
10)  ユーザグループ特徴量の変動を活用し意外性を加えたモバイル音楽共有システム
発表資料

産業技術大学院大学 産業技術研究科 情報アーキテクチャ専攻 教授 加藤 由花
http://aiit.ac.jp/info.rbz?nd=109&ik=1&pnp=102&pnp=108&pnp=109

新技術の概要

モバイル端末を利用した音楽ファイル共有システムを実現するために,ネットワーク上に音楽ファイルのキャッシュを適応的に配布する。構成要員の嗜好をもとにネットワークの特徴を把握してユーザに音楽等を提示するが、聴衆場の時間変化に着目した偶発的意外性を組込む。

従来技術・競合技術との比較

ユーザが滞在する場に応じてサービスの内容を変化させる。このとき、場の特性を適宜ユーザに知らせることにより、単に嗜好に追従するだけでなく、意外性のあるサービスの提供を可能としている。これは従来のコンテキストアウェアネスサービスと逆の発想である。

新技術の特徴

・物理的な空間ではなく、ある空間に存在するユーザ(構成要員)をもとに「場」をとらえる
・ユーザの嗜好を「音楽」で表現する(国籍、言語、性別のようなユーザ属性に依存せずに利用可能な技術である)
・ユーザおよび構成要員の嗜好をもとに場を特徴付け、数値化する。これによりユーザのサービス利用形態の変化を促す

想定される用途

・携帯電話を利用した意外性のある音楽配信システムの提供
・場の特徴量(その場に滞在するユーザグループの特性)を利用した広告配信
・場の特徴量をデジタルサイネージに利用する
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