発表内容詳細

10:10~10:40 計測
1)  プラズモン共鳴を用いた光学式圧力センサと光制御電子源
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 先端機械システム部門 助教 岩見 健太郎
http://www.tuat.ac.jp/~umedalab/j_top.html

新技術の概要

金属中の自由電子の集団振動であるプラズモンは、その共鳴波長が周囲の環境に敏感に依存したり、金属周辺の電場を増強したりするという性質を持っている。我々は、このうち前者の性質を圧力センサに、後者の性質を電子源に応用した。

従来技術・競合技術との比較

プラズモンを利用した圧力センサは、従来の電子式の圧力センサに比べて、電磁ノイズの影響を受けないという特徴を持っている。電子源では、プラズモンを用いない従来の電界放出電子源に比べて、低い電界で電子を放出できる。

新技術の特徴

・小型圧力センシング
・ノイズレス圧力センシング
・光制御電子放出

想定される用途

・狭所圧力センシング
・生体内圧力センシング
・電子線リソグラフィ

10:40~11:10 材料
2)  シリコンナノワイヤの簡便で高効率な製造方法
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 先端電気電子部門 准教授 上迫 浩一
http://www.tuat.ac.jp/%7Ekamilab/

新技術の概要

本技術は、金属触媒を用いて各種基板にシリコンナノワイヤを成長させる方法であり、(1)金属単体またはそれの酸化物を水素ラジカル(原子状水素)によって前処理を行うこと、及び(2)シリコン原料ガスとしてシランを用い、水素ラジカルの作用を利用してシリコンナノワイヤを効率的に成長させることを特徴とする。

従来技術・競合技術との比較

本技術では、(1)金属触媒として、In、Ga、Au、Sn等を用いて、400℃程度の低温でシリコンナノワイヤを製造できる。また、(2)プラズマCVD法等を用いて製造可能である。(1)の方法により、簡便に製造できる。また、(2)により既存のCVD装置とノウハウを利用して量産が可能。

新技術の特徴

・種々の金属触媒、金属酸化物を利用でき、成長パラメータによりナノワイヤの形状制御が可能
・電極材料等への応用が可能
・多孔膜の型板等への応用が可能

想定される用途

・半導体デバイス(MOSFET、発光ダイオード、太陽電池等)
・センサ(高感度バイオセンサ等)
・マイクロマシン等の素材

関連情報

・ナノワイヤ素材の試作可能
・外国出願特許あり

11:10~11:40 材料
3)  [2+2+2]付加環化反応を利用した新規有機発光材料の創製
発表資料

東京農工大学 産官学連携・知的財産センター 教授 田中 健
http://www.tuat.ac.jp/~tanaka-k/

新技術の概要

当研究室では既に、アルキン、ヘテロクムレン、ニトリルなどの不飽和化合物に、カチオン性ロジウム/BINAP系錯体触媒を作用させることにより、化学/位置/エナンチオ選択的[2+2+2]付加環化反応の開発に成功した。本説明会では、この新規不斉触媒反応の「新規有機発光材料の創製」への展開について解説する。

従来技術・競合技術との比較

当研究室の触媒系は、従来のCo、Ni、Pd、Ru、Ir、RhCl(PPh3)3 錯体触媒系では実現できなかった、1)温和な反応条件、2)高い触媒活性、3)高い選択性、4)広い基質適用範囲、の全てを兼ね備えた新しい触媒系である。また、当研究室は、触媒的[2+2+2]付加環化反応に関する論文を近年世界で最も数多く発表しており、この研究領域において世界をリードする研究グループである。

新技術の特徴

・芳香環構築と同時に多彩な置換基導入が可能
・芳香環構築と同時にらせん不斉の構築が可能
・基質の組み合わせをかえることで、多彩な化合物群の合成が可能

想定される用途

・有機EL材料
・有機半導体材料
・液晶

関連情報

・サンプルの提供可能

13:00~13:30 アグリ・バイオ
4)  農薬の有効利用へ向けて-土壌中の線虫を簡易に検出する遺伝子診断方法
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 先端生物システム学部門 准教授 豊田 剛己
http://www.tuat.ac.jp/~toyota/

新技術の概要

土壌を、特製器具を用いて圧密することでその中に生息する植物寄生性線虫を二期幼虫、成虫、シスト、卵を含めてすべて物理的に破壊する。ついで、土壌からDNAを抽出し、植物寄生性線虫の種類毎に設計してプライマーを用いてリアルタイムPCRにより定量する。

従来技術・競合技術との比較

従来法のベルマン法やトレイ法では抽出および計数に3日間程度を要するが、本手法では4時間で定量できるようになった。また、顕微鏡下で植物寄生性線虫を同定・計数しなければならないので、熟練した技術が要求されるが、本手法ではDNAを扱う技術があれば誰でも定量できる。

新技術の特徴

・土壌中の植物寄生性線虫の迅速・簡便定量
・土壌生息性害虫の定量
・植物体に付着した植物寄生性線虫の定量

想定される用途

・遺伝子診断
・線虫被害の予測
・殺線虫剤の適正利用

関連情報

・外国出願特許あり

13:30~14:00 アグリ・バイオ
5)  細胞接着阻害活性を有するクラゲ抽出成分の特性
発表資料

東京農工大学 農学部附属硬蛋白質利用研究施設 教授 新井 克彦
http://www.collagen-institute.jp/index.html

新技術の概要

クラゲにNaClを加え最終濃度1モルにすると、中性塩可溶性コラーゲン成分(画分)が溶け出す。この成分(画分)にさらに最終濃度5モルになるようにNaClを加えた後に遠心分離を行うと、その上清にがん細胞に対する接着阻害活性を持つコラーゲンが得られる。

従来技術・競合技術との比較

コラーゲンの細胞接着阻害活性に関する従来技術や競合技術は皆無である。一方、細胞接着阻害を基盤とした抗がん剤としてヘビ毒由来ディスインテグリンがあるが、この物質の標的アミノ酸配列はArg-Gly-Aspであり、コラーゲンではない。

新技術の特徴

・一部のコラーゲンは1モルNaClで溶解することを利用して、クラゲ体に含まれる水分を利用してコラーゲンを溶かす
・マウス由来がん細胞(B16メラノーマ、ルイス肺がん細胞)に対する細胞接着阻害作用
・マウスへ移植したB16メラノーマに対する増殖抑制作用

想定される用途

・細胞接着阻害を利用した培養基材(iPS細胞やES細胞のスフェロイド形成)
・抗がんペプチドの作製の基盤的情報

関連情報

・サンプルの提供可能

14:00~14:30 アグリ・バイオ
6)  イソニトリル化合物の新規合成法の開発と海洋付着生物防汚剤等の製造への利用
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 生命農学部門 准教授 北野 克和

新技術の概要

イソニトリル化合物には、海洋付着生物に対する付着阻害活性等の生理活性を有するものがあることが報告されている。本発表では、汎用的なホルムアミドからのイソニトリル合成法とイソニトリル化合物の付着防汚剤としての利用の可能性について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

比較的低毒性な試薬を用いて、より汎用的なホルムアミドからのイソニトリル合成が可能である。また、イソニトリル化合物は、フジツボキプリス幼生を殺すことなく、付着のみを阻害するため、低環境負荷型の付着防汚剤としての利用が期待される。

新技術の特徴

・多種類のホルムアミド化合物のイソニトリル化へ利用可能
・イソニトリル化合物は、忌避的に海洋付着生物の付着を阻害
・新規生理活性物質の創製へ利用が期待

想定される用途

・海洋付着生物に対する付着防汚剤の創製・製造
・新規農薬の創製・製造
・ファインケミカルズの原料

関連情報

・サンプルの提供可能

14:40~15:10 アグリ・バイオ
7)  微生物を利用した高機能ナノ磁性粒子の設計と生産技術
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 生命機能科学部門 特任准教授 吉野 知子
http://www.tuat.ac.jp/~matunaga/

新技術の概要

酵素、抗体、受容体などのタンパク質を簡便に磁性粒子上に導入する技術。微生物体内において機能を保持した様々なタンパク質と均一なナノ磁性粒子の複合体を同一の手法で合成することが可能。

従来技術・競合技術との比較

従来法では化学架橋法により磁性粒子上にタンパク質を導入するため、活性低下、操作が煩雑等の問題点がある。一方、本技術は遺伝子融合を用いることで、活性を保持したタンパク質?磁性粒子の複合体を簡便に作製することができる。

新技術の特徴

・B/F分離操作が可能なナノサイズの磁性粒子(フェリ磁性)
・脂質二重膜で覆われているため分散性が高い磁性粒子
・遺伝子融合技術により様々なタンパク質付き磁性粒子の生産が可能
・磁気分離機能を搭載したロボットとの組み合わせにより全自動化が可能

想定される用途

・細胞分離用磁性粒子(幹細胞分離など)
・イムノアッセイに利用(癌マーカー検出など)
・創薬スクリーニング用のマテリアル(医薬品候補物質の濃縮など)
・磁気ラベル剤(MRIの造影剤など)

関連情報

・サンプル提供の可否は応相談
・外国出願特許あり

15:10~15:40 材料
8)  安全で加工性に優れた次世代イオニクスデバイス用固体高分子電解質の開発
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 応用化学部門 講師 富永 洋一
http://www.tuat.ac.jp/~tominaga/

新技術の概要

フレキシブルで軽く、安全性が高い次世代電池に欠かせない固体高分子電解質(SPE)の改善技術や新材料の開発は極めて重要な研究課題である。本研究は、世界的な廃棄量の増加により社会問題化しているCO2を溶媒や原料として積極的に利用するもので、これにより液体に依存せずに高いイオン伝導度を安定的に発現できるSPEを得ることができる。

従来技術・競合技術との比較

従来型SPEのイオン伝導度は室温で10-5 -10-4 S/cmが限界であるため、液体電解質を含むゲル状にしてから実用化するのが一般的である。一方、本研究では従来型SPEにCO2処理技術を応用することで、液体を全く使わずにイオン伝導度を大幅に改善させることに成功している。更に、CO2を原料とした新しいSPEの合成を行い、従来型SPEの10-4S/cmを上回る高いイオン伝導度を達成している。

新技術の特徴

・新型SPEは、従来型を上回る高いイオン伝導性を示す
・安価で再利用が容易なCO2を溶媒や原料の一部として使っており、環境に優しい
・液漏れや引火性の心配がなく、安全で加工性に優れた電解質が得られる
・これまでに開発されたSPEに対しても効果がある
・得られるSPEのほとんどは透明で柔らかいゴム状固体である

想定される用途

・ポリマー型Li-ion二次電池

関連情報

・サンプルの提供可能

15:40~16:10 アグリ・バイオ
9)  短いペプチド系溶解度向上タグによる組換えタンパク質の封入体形成防止法
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 生命機能科学部門 准教授 黒田 裕
http://www.tuat.ac.jp/~ykuroda

新技術の概要

増殖が速く培養が容易な大腸菌は組換えタンパク質の大量発現系の宿主に汎用されるが、タンパク質が封入体を形成し、他の発現系が必要な場合が多い。タンパク質の凝集傾向性と大腸菌内の封入体形成には相関がある。本発表では、タンパク質の溶解度を著しく向上させる短いペプチド系溶解度向上タグを封入体形成防止へ応用した技術を紹介する。

従来技術・競合技術との比較

組換えタンパク質に高溶解度融合タンパク質を融合することで、封入体形成を防止することがあるが、従来の高溶解度タンパク質の分子量は嵩高であり、組換えタンパク質の機能や構造への影響が懸念されるため、大抵の場合、精製の段階で削除を必要とする。本技術を用いることで、融合タンパク質と同程度の溶解度向上効果を有する、低分子量で精製の段階で削除を必要としないペプチド系溶解度向上タグを設計することができる。

新技術の特徴

・分子量が従来のタグの10分の1ほどで同程度の溶解度向上効果が得られる
・現在まで応用したタンパク質全種類に対して効果があった
・分子量5万以上の酵素でも効果が見られた
・SS結合の問題に対しても効果が見られた例がある
・活性が低下した酵素は1例のみである

想定される用途

・組換えタンパク質の封入体形成防止
・測定試料の可溶化
・組換えタンパク質の精製のための可溶化

関連情報

・サンプルの提供可能

16:10~16:40 材料
10)  多孔質金属基板を用いたマイクロリアクター
発表資料

東京農工大学 大学院共生科学技術研究院 応用化学部門 准教授 桜井 誠
http://www.tuat.ac.jp/~kameyama/

新技術の概要

伝熱性、成形生に優れたアルミニウム基板の表面に微小流路を形成し、その流路表面を陽極酸化、表面処理することにより多孔質被膜化し、その被膜部分に触媒を担持したマイクロリアクターを作成し化学プロセスに応用する。

従来技術・競合技術との比較

金属基板を母材とするマイクロリアクターであり、かつ流路管壁を触媒化した形状であるため、充填層型のリアクターと比べて圧力損失の少ないものとすることができ、ガラス基板等を利用したマイクロリアクターと比べて伝熱特性に優れたものとすることができる。

新技術の特徴

・金属材料を用いることによる高い伝熱特性
・基板の直接触媒化により様々な成形用途に対応
・管壁型により低圧力損失触媒反応器化が可能

想定される用途

・マイクロ燃料電池システムの構成要素(燃料改質器等)
・熱交換型マイクロリアクター
・環境触媒プロセス用マイクロリアクター
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