発表内容詳細

10:40~11:10 アグリ・バイオ
1)  耐熱性酵母の高効率遺伝子導入技術と凝集性株の育種
発表資料

山口大学 産学公連携・イノベーション推進機構 准教授 星田 尚司
http://genetic.eng.yamaguchi-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

エタノール生産酵母の一種Kluyveromyces marxianusにおいて、線状DNAを用いた独創的な効率的遺伝子組み換え技術を構築し、この技術を発酵生産の効率化・低コスト化を実現できる同種の耐熱性株に適用して、発酵生産プロセスでの生産物の分離・精製に有利な新しい凝集性酵母を育種した。

従来技術・競合技術との比較

線状DNAを用いた酵母の効率的遺伝子導入技術はこれまでになく、新規な分子生物学的基盤技術の開発に利用できる。耐熱性酵母に凝集性を付加することで発酵生産への利用価値をさらに高めた。

新技術の特徴

・線状DNAを用いた非常に効率の高い形質転換技術
・凝集性を新たに付与された耐熱性酵母株(RAK4299, RAK4300, RAK4301, RAK4302株)
・温度によって凝集性の制御可能

想定される用途

・低分子有機化合物、タンパク質・酵素などの有用物質生産
・凝集性因子を用いた酵母細胞の固定化技術
・変異タンパク質ライブラリーの構築、組換え遺伝子作成など分子生物学的基盤技術

関連情報

・有体物提供契約を結んだ上でのサンプル提供は可能
・外国出願特許あり

11:10~11:40 アグリ・バイオ
2)  耐熱性酢酸菌を用いた温度管理が低減化される高温発酵系の開発
発表資料

山口大学 農学部 生物機能科学科 教授 松下 一信
http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~oubi/

新技術の概要

酢酸発酵をはじめ酢酸菌の「酸化」発酵は通常30℃付近の培養温度で行われており、高温になるとその発酵効率は格段に低下する。今回、耐熱性酢酸菌および高温適応育種菌を基に、より高温(37~40℃)での安定な種々の酸化発酵系が開発されたので紹介する。

従来技術・競合技術との比較

酢酸菌における「高温発酵」の概念がなかったこともあって、ほとんど競合する技術はこれまでにはない。東南アジアなどの熱帯地域に限らず、温暖化のすすむ昨今、温度管理が容易で、冷却コスト削減をめざす国内醸造・発酵産業に貢献できる。

新技術の特徴

・冷却エネルギーを低減化した、冷却水のいらない発酵技術
・食酢・5-ケトグルコン酸(酒石酸、ビタミンC、キシラリン酸、キシリトールなどの前駆体)・ジヒドロオキシアセトン(日焼け止めなどの化粧品)・キラルアルコール酸化物(各種医薬素材の合成中間体)などの生産に繋がる高温酸発酵技術
・遺伝子組み換え技術を用いておらず食品生産に即応用可能

想定される用途

・夏場に冷却を必要としない省力化で安定な食酢生産
・東南アジア諸国などの熱帯国での酢酸菌を利用する発酵技術の展開
・中国など水不足が深刻な国での酢酸菌を利用する発酵技術の展開

関連情報

・有体物提供契約を締結した上での試料提供

11:40~12:10 アグリ・バイオ
3)  ネギ属植物由来の抗菌物質とその利用
発表資料

山口大学 農学部 生物資源環境科学科 教授 伊藤 真一
http://www.agr.yamaguchi-u.ac.jp/~member/shinsan/p.html

新技術の概要

従来わが国においてほとんど利用されていないネギ属植物の一種シャロットの根および球根部から、強い抗菌作用を有する化合物を見出した。この物質の農業分野や医薬分野への応用について提案する。

従来技術・競合技術との比較

シャロットは食用のネギであることから、これに含まれる抗菌物質は従来の抗糸状菌剤に比べて安全性が高いと考えられる。また本技術は、単なる熱帯野菜でしかなかったシャロットに高い付加価値をもたらす技術である。

新技術の特徴

・日和見感染・皮膚感染の原因真菌に対する抗菌剤(医薬・動物薬としての利用)
・野菜工場(水耕栽培養液の汚染防止)
・無菌施設での環境維持

想定される用途

・農業用抗菌剤(安全性の高い抗菌剤)
・土壌改善資材(連作障害低減)
・食品貯蔵(貯蔵・市場病害の予防)

関連情報

・有体物提供契約を締結した上でサンプル提供可能

13:10~13:40 建築・土木
4)  鍔付き鉄筋によるコンクリート構造物のひび割れ制御
発表資料

徳山工業高等専門学校 土木建築工学科 教授 田村 隆弘
http://www.tokuyama.ac.jp

新技術の概要

鉄筋コンクリート構造物の有害な収縮ひび割れは、内部応力が局所化することにより割れ幅が増大する。本技術は、複数の鍔(つば)を配置した鋼材により、内部応力を複数の鍔間に分散させ、ひび割れの局所化を抑制するものである。

従来技術・競合技術との比較

コンクリートの収縮ひび割れ対策は、「材料により収縮を低減する方法」「ひび割れを分散する方法」「ひび割れ発生位置を制御する方法」があるが、これらには経済性/技術の特殊性/汎用性の観点において課題がある。本技術は、複数の鍔を付けた鉄筋の使用で、ひび割れを効率よく分散できるため、安価で施工性に優れ、かつ大型の構造物にも適用が期待できる。

新技術の特徴

・ひび割れ誘発目地が設けられない構造でも適用できる
・膨張材との併用により、応力バランスの良いケミカルプレストレスが導入できる
・応力分散されているために解体時には、効率よく解体できる可能性がある
・市販のネジ節鉄筋に、ナット状の鍔を複数配置することにより、低コストで施工性に優れた構造となる

想定される用途

・土木構造物(橋台、壁式橋脚、アンカレッジ)の有害ひび割れの防止
・建築構造物(柱、梁)の有害ひび割れの防止
・土木建築構造物の耐久性の向上
・建築構造物の美観の向上

13:40~14:10 情報
5)  生物ゲノム情報解析手法を利用した迷惑メールフィルターの開発
発表資料

山口大学 大学情報機構 メディア基盤センター 准教授 杉井 学

新技術の概要

本技術は、迷惑メール、正当メールの両者に含まれる単語や文字列の出現頻度や特徴パターンを抽出し、機械学習により、迷惑メールをフィルタリングするシステムである。これは、生物ゲノム情報から重要遺伝子配列等を抽出する際に用いられたプログラムを応用したものである。

従来技術・競合技術との比較

従来のフィルターは、迷惑電子メールの特徴のみを用いて分類を行うため、日々多様化・進化する迷惑電子メールを正確に判断することが困難になっている。しかし本技術では、正当な電子メールの特徴も加味して判断するため、迷惑メール・正当メールとも、バランスの良い安定した分類精度が常に得られる。

新技術の特徴

・必要なデータを回収するために、必要ないデータの特徴も利用(ネガティブモチーフの利用)して回収することができる
・迷惑メールの分類だけでなく、文章の特徴パターンを抽出することができる
・言語の種類に依存せず、特徴パターンの抽出やメールの分類ができる

想定される用途

・迷惑電子メールのフィルタリング
・文献収集システムや文書自動分類システムのような文章特徴の抽出を伴うシステム(開発中)

関連情報

・開発後は、山口大学内にて大規模実証試験実施予定

J-STORE掲載特許情報

14:10~14:40 情報
6)  デジタルカメラのための被写界深度制御ソフトウェア
発表資料

大島商船高等専門学校 電子機械工学科 准教授 岡崎 秀俊
http://www2.cc.oshima-k.ac.jp/denshi/okaz/index-okaz.mht

新技術の概要

写真撮影では主要な被写体に焦点を合わせて背景をぼかすことにより主要な被写体を注視させる表現技法があるが、コンパクトデジタルカメラやカメラ付き携帯電話では撮像素子が小さいため被写体の背景をぼかすことができない。本発明ではデジタルカメラで撮影した画像のウェーブレット変換に係数を与えることにより、被写界深度をフィルムカメラと同程度に補正するプログラムを提供する。

従来技術・競合技術との比較

被写界深度の制御を目的として、一部の一眼レフ型デジタルカメラではフィルムカメラと同等の画面サイズ撮像素子を搭載しているため製造コストが嵩み、光学系のサイズも画面サイズに比例するためカメラの小型化が困難であるという問題がある。一方、本発明によれば小型の撮像素子を用いたコンパクトなデジタルカメラでも被写界深度の制御が可能である。

新技術の特徴

・使用者はぼけの係数を決めるだけで、希望する大きさのぼけを持つ画像を得られる
・画像内のぼかしたい箇所の境界部の指定、レタッチ等のマウス等による煩雑な手動操作を必要としない
・入力画像のぼけの大きさを基にした、被写界深度の浅いカメラで撮影した写真と同様の自然なぼけ得られる

想定される用途

・デジタルカメラの組み込みファームウェア
・パソコン用アプリケーションソフトウェア
・携帯電話プロバイダーによるカメラ付き携帯画像の被写界深度修正サービス

関連情報

・サンプルの提供可能

14:50~15:20 医療・福祉
7)  傾斜スイッチを用いた安否確認システム
発表資料

宇部工業高等専門学校 機械工学科 准教授 内堀 晃彦

新技術の概要

傾斜スイッチ(傾きを感知してon/off)をセンサとして独居老人や単独工事従事者等の安否を確認したい人自身やその行動圏内のドアノブ等に設置し、その情報を収集・分析することにより、所在位置や転倒の有無を検知し、遠隔地にいる関係者に通知する新規な安否確認・通知システムである。

従来技術・競合技術との比較

焦電型赤外センサーを用いた同様のシステムに比べ、ペットや太陽光、白熱灯等による誤動作の少ないシステムを提供することができる。また、屋内外のデータ収集に電灯線通信を用いる場合、センサの電源やネットワークに関する工事が不要となる等、簡便に設置可能である。

新技術の特徴

・傾斜スイッチをセンサとして用いて、人やドア等の動作検知を行う方法であり、ペット等による誤作動がない
・安価なセンサを使用し、しかも既存の施設設備の改造なしに簡便に設置できる安否確認・通知システムである
・遠隔地にいる人間に、携帯電話等を用いて異常や安否を通知することができる
・ビデオカメラのように居住者のプライバシーを害することがない

想定される用途

・独居老人を始め単身生活者の安否確認
・安静状態を維持しなければいけない患者の離床検知
・危険現場での単独工事(作業)従事者の安否確認
・防犯システム(不審者の家宅侵入検知等)

15:20~15:50 医療・福祉
8)  膝関節疾患を診断するための骨の3次元運動解析技術の開発
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 応用医工学系専攻 准教授 森 浩二
http://mems.mech.yamaguchi-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

高齢者に多い膝部の関節疾患を早期に発見する方法として、膝部を構成する骨(大腿骨、脛骨、膝蓋骨)の3次元の姿勢や位置関係を把握する事が有効である。本技術では、通常のX線装置による画像(2次元)でも、膝関節部の骨の3次元位置や姿勢を精度よく推定するアルゴリズムを開発した。

従来技術・競合技術との比較

通常のX線撮影では、隣接する骨同士が重なり、輪郭の一部が同定できない例が多い。このため、撮影時の特別なノウハウや特殊なX線撮影装置(フラットパネルディテクタ)が必要であった。本技術は、このような輪郭欠損の画像でも、骨の位置や姿勢の推定を行うことができ、多くの病院の既存設備で実施可能である。

新技術の特徴

・本技術は、P型フーリエ記述子(開曲線型)を用いた、骨輪郭のテンプレートパターンマッチングを行うアルゴリズムである
・従って関節部分を構成する骨の輪郭が欠損している画像でも、対象となる骨の位置姿勢が推定可能
・既存のX線撮影装置で実施可能であり、その際の撮影角度の制約が少なく、患者への負担も少ない

想定される用途

・関節疾患の早期診断、人工関節置換手術後の治療評価
・工業製品等でのX線を用いた非破壊内部検査に対しても応用可能

関連情報

・外国出願特許あり

15:50~16:20 医療・福祉
9)  新規速効性表面麻酔剤の開発
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 歯科口腔外科学分野 助教 原田 耕志
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~oms0/

新技術の概要

特定の既存局所麻酔薬を併用することにより表面麻酔の速効性が著しく増大し、除痛効果も高まることを見出した。これらの混合麻酔剤に更にある種の血管収縮剤を添加することによって、これらの麻酔効果は一段と高められる。

従来技術・競合技術との比較

歯科において、従来の表面麻酔剤は塗布後、3-5分程度経過しなければ効果が発現しないため、次の処置(注射など)まで患者も医師もじっと待たねばならなかったが、本表面麻酔剤では塗布後、1分程度で効果が現われるので、いらだちや時間ロスもなくなり、治療がスムーズに進められる。

新技術の特徴

・表面麻酔の速効性が著しく増大、除痛効果も高まる
・市販の麻酔薬および血管収縮薬の混合薬剤のため、長期の治験を必要としない(新薬開発と異なる)
・痛みに対して感受性の高い患者(幼児など)への注射部位(皮膚を含む)への塗布による注射針刺入時の痛みの軽減

想定される用途

・歯科治療において局所麻酔を行う前の麻酔針刺入部への塗布
・歯肉膿瘍切開など低侵襲な歯科処置時の麻酔
・口内炎や皮膚炎などの痛みに対する対症療法
・尿道にカテーテル等を導入するときの痛みの軽減
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