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発表内容詳細

10:20~10:50 材料
1)  DLC/光触媒複合薄膜によるプラスチック容器の防臭・消臭性向上
発表資料

茨城大学 工学部 機械工学科 准教授 尾関 和秀
http://www.mech.ibaraki.ac.jp/ozeki-lab/

新技術の概要

本技術は、ガスバリア性に優れたダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜と消臭機能に優れた光触媒膜を組み合わせることで、防臭・消臭に優れた薄膜をプラスチック上にコーティングする技術である。

従来技術・競合技術との比較

食品用プラスチック容器に食品から臭いが付着すると、臭いを除去することは非常に困難であった。従来品では、もともとプラスチック容器が安価であることから防臭に関する機能が付加されてこなかった。

新技術の特徴

・防臭性に消臭性を付加させたこと
・臭いが付くことによる容器の廃棄を低減できる可能性がある
・薄膜である

想定される用途

・食品用プラスチック容器への内面コーティング

10:50~11:20 医療・福祉
2)  近赤外光を用いた血中コレステロール値の非侵襲測定器
発表資料

宇都宮大学 大学院工学研究科 機械知能工学専攻 准教授 嶋脇 聡
http://www.mech.utsunomiya-u.ac.jp/cms/index.php

新技術の概要

上腕を圧迫した際の指血管のうっ血状態を近赤外光にて測定することで、血中コレステロールの程度を推量できる。波長850nmと非常に扱いやすい光を用いている。また、コレステロールの吸光度を検出するのではなく、コレステロールの増加により、血中ヘモグロビン量が増加したことを利用している点で斬新であると言える。

従来技術・競合技術との比較

非侵襲で測定されるため、いつでも気軽に計測を実施することができる。従来の非侵襲計測を実施しようとするアイデアでは、分光光度計の原理を利用して、コレステロールの吸光度より、血中コレステロール値を推測しようとするものであった。しかし、その場合、使用する光の波長は1600nm程度となってしまい、CCDカメラで検知することが困難であった。

新技術の特徴

・上腕を圧迫するだけの非侵襲性
・血中コレステロールが赤血球を破壊(溶血)することで生じる遊離ヘモグロビン量を検出
・上腕圧迫によって生じるうっ血状態を利用

想定される用途

・家庭用健康機器
・血圧計との組み合わせた複合機
・血圧計と血糖値計と組み合わせた生活習慣病のスクリーニング装置

11:20~11:50 医療・福祉
3)  近赤外光領域にりん光を示すイリジウム錯体を利用した癌組織イメージング技術
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 助教 吉原 利忠

新技術の概要

生体深部にある癌組織を正常組織と区別して可視化させるための新規プローブ分子として、近赤外光領域にりん光を示すイリジウム錯体を提案します。また、これらイリジウム錯体の生体投与性を向上させるために、水溶性化させる分子設計について提案します。

従来技術・競合技術との比較

生体深部の癌組織検出法として臨床応用されているPET法は、放射性元素を使用するため特殊な装置や管理区域を必要とします。本技術では、近赤外光領域の光を利用することで、生体深部にある癌組織を簡便に観測することが可能となります。

新技術の特徴

・りん光の酸素濃度依存性を利用して、生体中における低酸素領域を可視化できる
・近赤外光領域の光を利用するため、生体深部測定が可能である
・分子の発光特性を保持したまま、脂溶性、水溶性をコントロールできる

想定される用途

・癌、動脈硬化、脳梗塞などの低酸素病態の識別
・燃料電池内の酸素濃度測定、自動車へあたる気流の測定
・河川、湖水、海中に溶存している酸素濃度測定、土壌中の酸素濃度策定

関連情報

・サンプルの提供可能

11:50~12:20 創薬
4)  迅速かつ簡便にウイルス、微生物類を検出する指示薬の開発
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授 幡野 健
http://www.fms.saitama-u.ac.jp/lab/hatano/index.html

新技術の概要

ウイルス・毒素などに対し特異的な接着能を有する糖鎖を集積化したカルボシランデンドリマーへ凝集状態によりフォトルミネッセンス(PL)強度が変化するシロール誘導体を付与した新規物資を創製。そのPL発光強度変化によるウイルス∙毒素の検出を可能にするバイオセンサーの開発。

従来技術・競合技術との比較

高額機器を必要とせず安価な携帯用紫外線ランプがあれば何処ででも検査が可能である利便性、検体と混合し紫外線照射するだけの短時間検査の実現、糖鎖を置換することにより様々なウイルス・毒素などの検査に対応できる汎用性を兼ね備えている。

新技術の特徴

・凝集により発光効率向上(AIE)するシロール誘導体を利用している
・蛍光標識化剤ではなくウイルスや毒素が存在すると蛍光消光や発光色変化を起こす
・用する糖鎖を変えれば様々なウイルス・毒素の検出薬として利用可能である

想定される用途

・微生物、毒素などの検出用の簡易検査キット
・微生物、毒素などの検出用試薬
・微生物、毒素などの存在量を検量するための試薬

関連情報

・サンプルの提供可能

13:50~14:20 創薬
5)  新規ヌクレアーゼ耐性人工核酸アプタマーの創製とその応用
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 准教授 桑原 正靖
http://dna.dept.eng.gunma-u.ac.jp/

新技術の概要

塩基部位や糖部位を化学修飾したヌクレオチドを用いることで、ヌクレアーゼ耐性の向上や機能の多様化を狙った人工核酸アプタマー創製技術の開発を行っています。

従来技術・競合技術との比較

核酸アプタマーを医薬・診断薬へ応用するには、高い生体内安定性や結合親和性が求められます。本法では、従来のポスト修飾法に比べ、活性を低減させることなくヌクレアーゼ耐性を高めることが可能となります。

新技術の特徴

・ヌクレアーゼ耐性の向上
・核酸機能の拡張
・生産コストの低減

想定される用途

・治療薬、診断薬、検査薬、研究試薬など

J-STORE掲載特許情報

14:20~14:50 アグリ・バイオ
6)  早期開花技術を活かした‘SEEDピーチ’の開発
発表資料

宇都宮大学 農学部 生物生産科学科 植物生産学講座 准教授 山根 健治
http://agri.mine.utsunomiya-u.ac.jp/hpj/deptj/plaj/staff/Yamane.html

新技術の概要

早期播種、ジベレリン阻害剤やストレス処理などにより種子発芽から1年程度でモモを開花させます。本技術により多様性に富む種子繁殖による花モモ‘SEEDピーチ’を早期開花させ、花色や花形を確認した苗木を生産できます。

従来技術・競合技術との比較

通常、樹木は種子発芽から開花までに数年を要します。1年生の樹木における花芽着生と開花の報告はほとんどありません。遺伝子組み換えによるリンゴやミカンなどの早期開花が報告されていますが、遺伝子組み換え植物はまだ実用化に至っていません。

新技術の特徴

・1年生樹木の開花
・コンパクトで扱いやすい苗木
・クローン繁殖でない多様性に富む花木

想定される用途

・庭木・公園緑花木・街路樹・ビオトープなど
・育種のための世代促進
・桃葉エキスや化粧品などの素材の開発
・桃の節句用の商材

14:50~15:20 アグリ・バイオ
7)  抗体を用いた検査法に代る高機能ぺプチド型ELISA
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物理機能系専攻 教授 西垣 功一
http://gp.fms.saitama-u.ac.jp

新技術の概要

標的分子に対して強く結合するペプチドをスクリーニングし、そこで得たペプチドを高感度標的分子検出系であるELISA法における抗体に代替させる。優れた性能と経済性が実現する。

従来技術・競合技術との比較

これまで抗体を用いたELISA法の独壇場であった。その理由は抗体以外に高い親和性を有する分子を取得する方法がなかったからであるが、ペプチド法はこの壁を壊し、さらにより高機能化の道を拓いた。

新技術の特徴

・抗体より簡単確実に高感度検出法を構築可能
・抗体よりはるかに低コスト
・種々な対象をターゲットとし得る

想定される用途

・血液中のガンなどの分子マーカーの検出
・細胞中の低濃度化合物の検出
・環境中の低濃度化合物の検出

15:30~16:00 機械
8)  永久磁石と電磁石を併用するハイブリッド磁気軸受けの新しい構造を提案
発表資料

茨城大学 工学部 機械工学科 教授 増澤 徹
http://www.mech.ibaraki.ac.jp/masuzawa-lab/

新技術の概要

バイアス磁束を発生させるための永久磁石の磁気抵抗の影響をなくすことにより、電磁石により形成される磁束の損失を抑制し、大きな磁束を得ることの出来るハイブリッド型磁気軸受けを提供する。

従来技術・競合技術との比較

永久磁石の磁路を他の永久磁石で限定することにより、従来の方法に比較して柔軟にハイブリッド磁気軸受の効果的な磁路が形成できると共に、吸引力の増強が図れる。

新技術の特徴

・永久磁石と電磁石を併用することで強力な吸引力を発生できる
・永久磁石と電磁石を併用することで効率良い磁気軸受を構成できる
・永久磁石と電磁石を併用することで小型、強力な磁気軸受を構成できる

想定される用途

・モータ、ポンプ等の回転機の非接触軸受
・クリーン環境、耐腐食環境における非接触軸受
・磁気浮上

関連情報

・外国出願特許あり

16:00~16:30 材料
9)  クマによる樹皮剥ぎ被害を防止し、樹幹の成長を阻害しないバンド
発表資料

宇都宮大学 農学部 附属演習林 教授 小金澤 正昭

新技術の概要

クマやシカによる植林木の樹皮剥ぎ対策として、テープやネット巻きが行なわれてきた。しかし、この方法では、幹が太くなると、巻きつけたテープが幹に食い込むといった問題が生じた。今回の発明は、樹木の成長に伴って、巻きつけたベルトが伸びて、食い込みを防ぐものである。

従来技術・競合技術との比較

従来の食い込み防止対策としては、ウィリー(信濃化学工業株式会社)のようにベルトの縁に切れ込みをつけ、生長とともにベルトが緩む方式がある。

新技術の特徴

・安価
・軽量、持ち運び容易
・丈夫である

想定される用途

・樹皮剥ぎ防止バンド
・樹木名表示ラベル取り付け用バンド
・幼獣用伸張性首輪

関連情報

・サンプルの提供可能

16:30~17:00 医療・福祉
10)  核内受容体LXR-βRNAコアクチベーター(LXRBSV)の臨床応用
発表資料

群馬大学 大学院医学系研究科 病態制御内科学 助教 橋本 貢士

新技術の概要

我々は核内受容体である肝臓X受容体β(LXR-β)の選択的スプライシング変異体が、LXR-β自身のRNAコアクチベーターであることを世界で始めて証明した。今までLXR-βのコアクチベーターは特定されておらず、しかもnon-coding RNAであることが本発見の特徴的な点である。

従来技術・競合技術との比較

核内受容体のコアクチベーターは、従来蛋白であることが多く、RNAであるものは極めて少ない。しかも選択的スプライシング変異体がコアクチベーターであることは今まで報告はなく、極めて新奇性が高い。

新技術の特徴

・LXRBSVは下垂体に多く発現している
・LXRBSVは蛋白としてではなく、non-coding RNAとして作用する
・LXRBSVは肝臓X受容体β(LXR-β)の選択的スプライシング変異体である

想定される用途

・下垂体に多く発現しているため、腫瘍マーカーとしての応用
・LXR-βはアルツハイマー病や、筋側索性硬化症にも関連しているため、LXRBSVはそれらの発症にも関係しているかもしれない
・LXRに特異的に作用する人工リガンドの開発の補助としての応用

関連情報

・サンプルの提供可能

17:00~17:30 アグリ・バイオ
11)  開花間際のタケ類クローンの検出法

宇都宮大学 農学部 森林科学科 教授 小林 幹夫
http://mori1.mine.utsunomiya-u.ac.jp/sinrin/fs/lab/syokubutu.html

新技術の概要

タケ類の葉で花成促進遺伝子FTおよび花成抑制遺伝子CENのそれぞれの相同遺伝子の発現をRT-PCR法により検出する。FTが検出されれば1年〜数年以内に開花し、CENが単独で検出されれば、数十年間は開花しない。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は皆無です。偶発的に開花中のタケを発見した時点で、そのクローンを圃場に移植し、交配実験が行われてきました。

新技術の特徴

・開花しそうなタケのクローンの識別
・今開花中のタケが、来年も咲き続けるか予測できる
・絶対に咲かないタケのクローンを検出できる

想定される用途

・異種のタケの間での交配による雑種個体の作出
・緑化用の苗の育成
・栄養繁殖期間の長い樹木類の開花予測と育種
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