JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2010 首都圏北部4大学発

発表内容詳細

10:20~10:50 材料
1) フラクタル構造を持つ透明導電膜の製造方法
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 教授 土橋 敏明
http://www.chem-bio.gunma-u.ac.jp/~biorheo/

新技術の概要

本技術は、バインダマトリックス中に導電性微粒子をフラクタル構造を有するように自己組織化させることにより、透明でありながら導電性を発言する膜を作製する方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

一般に用いられている導電性フィラーは特定波長の可視光線を吸収し、バインダマトリックスに比較して屈折率が高いため、透明性を損なう原因となることから、高度の光学的特性を要求される用途に適用するのは難しいが、本発明のフラクタル構造を持つ導電膜はそのような用途にも用いることが出来る。

新技術の特徴

・太陽電池
・太陽光を利用した保温
・電磁波遮蔽フィルム

想定される用途

・ディスプレイの帯電防止処理
・各種製造工程における帯電防止処理

10:50~11:20 電子
2) 高速高精度電磁界解析によるミリ波アンテナの高性能化とテラヘルツ波帯への展開と課題

茨城大学 工学部 電気電子工学科 助教 鈴木 健仁

新技術の概要

汎用シミュレータでは設計が困難なミリ波帯大規模アンテナをモーメント法による高速高精度電磁解析で設計し、高性能化した。特に高周波数帯で高利得、高効率が実現可能な導波管スロットアンテナに適用した。今後、テラヘルツ波帯アンテナへと展開を進める。

従来技術・競合技術との比較

有限要素法(FEM)や時間領域差分法(FDTD)などを用いた汎用シミュレータでは大規模モデルの解析に多くの時間を要する。そのため、パラメータの繰り返し補正が伴う高精度な設計は難しい。モーメント法では高速かつ高精度な解析・設計が可能である。

新技術の特徴

・高速高精度なアンテナ設計
・アンテナの高性能化
・アンテナ動作の理解

想定される用途

・ミリ波帯での高速無線通信用アンテナの開発
・テラヘルツ波を用いた2次元イメージングセンサへの応用
・テラヘルツ波放射用光伝導アンテナへの適用

11:20~11:50 デバイス・装置
3) 静電塗布法を用いたナノ構造体の形成技術およびそれを利用した有機デバイス
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物理機能系専攻 助教 福田 武司
http://www.fms.saitama-u.ac.jp/lab/kamata_l

新技術の概要

本技術は静電気を利用した有機薄膜を実現する手法である。特に静電塗布プロセスの噴射環境の帯電量を制御することで効率的な成膜を可能にした。また、本手法を応用してナノ構造を有する有機薄膜の形成にも成功している。

従来技術・競合技術との比較

静電塗布法は任意の有機層の積層化が容易、有機薄膜表面の形状や制御が可能、ナノファイバが形成可能であるという利点を有しており、従来の塗布プロセスでは実現が困難であった有機デバイスの高効率化が実現できる。

新技術の特徴

・静電塗布プロセスの有機材料の噴射方向の制御
・静電塗布プロセスを最適化することで実現したナノ構造を有する有機薄膜の成膜技術
・静電塗布プロセスの安定化の実現

想定される用途

・積層構造を利用する幅広い有機デバイス(有機EL/有機太陽電池など)
・ナノ構造を利用した有機無機ハイブリッド材料およびデバイス
・ナノ構造を利用したバイオ関連用途

関連情報

・サンプルの提供可能

11:50~12:20 材料
4) 溶融二軸延伸/緩和処理による超高分子量ポリエチレン膜の高性能化技術

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 准教授 上原 宏樹
http://www.tech.gunma-u.ac.jp/HP1/Courses/Research/2007/01/Research01_Uehara.html

新技術の概要

超高分子量ポリエチレンの溶融状態においてピンポイントで発生する溶融特性領域で二軸延伸し、その後、特定の温度条件下で収縮させることにより、引張り強度と引裂き強度のバランスに優れたフィルムの製造を可能とした。

従来技術・競合技術との比較

超高分子量ポリエチレンは溶融粘度が極めて高いので、押し出し成形あるいはブロー成形等の通常のフィルム化工程が適用できない。したがって、現在上市されている超高分子量ポリエチレンフィルムはスカイブ法によって調製されており、その高性能化および薄肉化には限界がある。

新技術の特徴

・配向構造および均一ラメラ構造の導入により、高い引張り強度および引き裂き強度を達成
・高強度化に伴い、厚さ数ミクロンの薄肉化が可能(市販フィルムは最薄でも厚さ100ミクロン)
・均一ラメラ構造を利用してナノメートルサイズの細孔形成が可能

想定される用途

・バリアフィルム
・保護フィルム
・リチウムイオン電池セパレーター

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

13:50~14:20 材料
5) 資源リスクの少ない熱電発電・熱光発電用半導体結晶とその製造法

茨城大学 工学部 電気電子工学科 准教授 鵜殿 治彦
http://www.ee.ibaraki.ac.jp/hanken/

新技術の概要

資源量が豊富で有害性の低い元素で構成され、熱電発電や熱光発電に適した半導体結晶とその合成法

従来技術・競合技術との比較

従来良質な結晶の合成が困難であった問題を克服し、良質の結晶を合成。これにより、熱電発電や熱光発電に非常に適した特性の半導体材料となった。

新技術の特徴

・シリコンプロセスに適合
・高温大気中(<1100℃)での高い化学的安定性
・近赤外から波長2.5μm程度での光センサ、シリコンプロセス適合

想定される用途

・100-300℃の範囲の廃熱を利用した熱発電素子への利用
・200℃-700℃の発熱体からの光を利用した発電
・近赤外から波長2.5μm程度での光センサ、シリコンプロセス適合

14:20~14:50 計測
6) 軟弾性体を用いた2次元圧力分布計測装置と計測方法
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 人間支援・生産科学部門 教授 平原 裕行

新技術の概要

流れ場におかれた物体表面の圧力を、2次元的に計測する面圧力計測装置と、その計測方法に関し、測定レンジが広く、応用性に富んだ手法である。

従来技術・競合技術との比較

従来から、2次元圧力計測の方法として、感圧塗料を使用する方法や、MEMS圧力センサを使用する方法などが知られている。感圧塗料を用いる塗料の蛍光は、気流に含まれる酸素により消光され、気流の酸素濃度は、気体圧力に比例するため、カメラの画像から、測定対象の表面の圧力分布を光学的に把握することができる。また、MEMS圧力センサを用いる2次元圧力計測では、測定対象の表面に多数のMEMS圧力センサを配置して、その表面の圧力分布を計測する。

新技術の特徴

・物体表面上の圧力を画像解析によって取得することができる
・2次元の圧力の時間変化を取得できる
・局面の計測に拡張することができる

想定される用途

・水車プロペラ設計における圧力変動計測
・風車翼設計における圧力変動計測
・各種実験での圧力計測

14:50~15:20 製造技術
7) 時空間ダブルパルス照射法

宇都宮大学 オプティクス教育研究センター 准教授 早崎 芳夫
http://www.opt.utsunomiya-u.ac.jp/~hayasaki/index-j.html

新技術の概要

本技術は、フェムト秒レーザーパルスの照射時間や照射位置を制御する。すなわち、レーザーパルスを時間的・空間的に制御する事によって、高効率の物質を励起する技術である。

従来技術・競合技術との比較

既存のダブルパルス法は同じ位置に2つのパルスを照射していたが、そのパルスを空間的にも調整することで、物質の励起を高効率に行うことができる。

新技術の特徴

・多光子顕微鏡
・第2高調波顕微鏡
・ナノリップル構造形成

想定される用途

・超短パルスレーザー加工
・ガラスや半導体の切断
・レーザーメス

15:30~16:00 デバイス・装置
8) レーザー光による光沢のある物体及び透明物体の3次元形状計測法

茨城大学 工学部 知能システム工学科 教授 馬場 充
http://ins5.dse.ibaraki.ac.jp/

新技術の概要

従来の非接触法では安定的に精度良く実現することが困難とされていた、光沢のある金属物体や透明物体の3次元形状計測をレーザー光を用いて、高速・高精度に実現する方法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

光沢物体や透明物体の3次元形状計測は接触法が主流である。画像を使った非接触手法も提案されているが、種々の制約があり、汎用性に乏しい。それに対して、本手法は原理的な制約がない点に優位性がある。

新技術の特徴

・光沢物体や透明物体の表面反射特性、寸法や、形状に対して原理的な制約がない
・精度や測定時間を考慮したシステムの設計が可能である
・既存のシステムのレーザー投光系がそのまま利用できる

想定される用途

・製品の形状・表面検査
・CADの入力装置
・各種形状計測用

16:00~16:30 材料
9) α-オレフィンのイソ選択的ポリマー化を触媒するハフニウム錯体の開発
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 教授 石井 昭彦
http://www.chem.saitama-u.ac.jp/ishii-lab/

新技術の概要

C2対称性の[酸素ー硫黄ー硫黄ー酸素]四座配位子をもつハフニウム錯体と助触媒を用いて1-ヘキセンなどのオレフィンをポリマー化すると、イソ選択的にポリオレフィンを合成することができる。

従来技術・競合技術との比較

1-ヘキセンなどの高級オレフィンのポリマー化を高活性、高分子量、高立体選択的、かつ、低い分散値で達成することは困難であったが、本触媒系はそれを可能にした。

新技術の特徴

・触媒となる錯体がC2対称性を有し、反応を通して構造的に安定である
C2対称性の錯体を用いることで高立体特異的合成反応が起こる
・ハフニウム錯体のため、反応が穏やかに進行する

想定される用途

・高イソ選択的ポリ(α-オレフィン)の合成
・高立体特異的合成反応の触媒
<連携・ライセンスについてのお問い合せ先>