発表内容詳細

10:40~11:10 医療・福祉
1)  難治癌の血管「再生」による治療抵抗性解除
発表資料

旭川医科大学 医学部 内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野 講師 水上 裕輔
http://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/imed3/

新技術の概要

血管系前駆細胞の移植によって腫瘍血管の異常性を是正することに成功しました。がん組織の低酸素状態を改善し、抗癌剤に対する感受性が高まり、難治癌の克服につながる新しい細胞医療の実現が可能となります。

従来技術・競合技術との比較

血管新生阻害薬は画期的な新薬ですが、血流の乏しい難治癌での有効性は認められません。我々は、腫瘍血管を再生することによりDrug Deliveryを改善し、低酸素に関連する薬剤抵抗性を解除する新しいアプローチを提唱します。

新技術の特徴

・がんの低酸素環境を解除
・癌細胞の薬物耐性を克服
・ドラッグデリバリーの改善

想定される用途

・がん治療をはじめとする細胞医薬
・組織・臓器修復(再生医療)
・細胞ラベリングによる診断

関連情報

・外国出願特許あり

11:10~11:40 医療・福祉
2)  HTLV-1関連脊髄症の診断および治療に関する研究
発表資料

聖マリアンナ医科大学 大学院 難病治療研究センター 分子医科学研究部門 准教授 山野 嘉久
http://www.marianna-u.ac.jp/ims/kenkyu/genome.htm

新技術の概要

ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の感染者の一部に発症する脊髄の慢性炎症性疾患であるHTLV-1関連脊髄症(HAM)において、免疫異常を誘発している細胞を同定し、また新規治療法を発明した。

従来技術・競合技術との比較

HAMをモデルとして免疫異常を引き起こす細胞群を同定し、様々な免疫疾患の治療標的となる可能性を有する。また今回の新規治療法は、これまでの発想とは異なる治療法である。

新技術の特徴

・HAMの診断補助、重症度の判定、治療効果の評価などを迅速かつ容易に行うことが可能
・HAMに対する新規治療方法の有効性を検証、医薬品への応用
・他の免疫疾患に対する新規診断キット、新規医薬品への応用

想定される用途

・新規診断キット
・新規医薬品
・治療効果の評価キット

11:40~12:10 医療・福祉
3)  指動脈スティフネス指標の開発とその応用
発表資料

札幌医科大学 医療人育成センター 教養教育研究部門学科目 心理学 准教授 田中 豪一
http://jglobal.jst.go.jp/detail.php?JGLOBAL_ID=200901076654533207&t=1&d=1&q=%28205%29%3D1000001976

新技術の概要

小・細動脈の圧-容積関係を直接測るスティフネス評価法はなかった。本法は指動脈でそれを解決し簡易測定とスティフネス指数を開発した。その信頼性は高く、動脈硬化患者を判別でき、健常者の血管健康と慢性ストレスを評価できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の測定技術と製品は臨床段階に進んだ疾病早期診断に適するが、本法は最早期診断(より早期の健康評価)が可能である。また、指に圧迫を加え脈波を測定するだけなので、経済性・安全性・簡便性に極めて優れ従来法に勝る。

新技術の特徴

・動脈硬化診断における高い妥当性が期待できる
・血管の健康を5分程度で安全かつ効率的に評価、診断できる
・小型軽量化が可能で、測定に特別の技術を必要としない

想定される用途

・病院用動脈硬化診断装置(循環器内科、眼科など臨床各科)
・家庭用小型検査装置(動脈硬化、栄養・運動生活習慣、ストレスチェック)
・学校用健康教育教材

関連情報

・外国出願特許あり

13:30~14:00 医療・福祉
4)  直接測定によるタンパク質の結合機能診断と創薬支援
発表資料

滋賀医科大学 医学部 生化学・分子生物学講座 准教授 石田 哲夫
http://www.shiga-med.ac.jp

新技術の概要

今回の新技術は、高性能ゲルろ過用ミクロカラムにタンパク質と低分子化合物の微量の混合液をそのまま注入して2つの台形部分を持つフロンタルクロマトグラムを形成させ、両者の分子間相互作用を全自動で超精密測定する。

従来技術・競合技術との比較

従来の分子間相互作用解析装置は、タンパク質に低分子化合物が結合することに伴うシグナルを利用する間接測定で、シグナルの飽和レベルの見積もりが必要である。新技術では遊離型化合物濃度を直接測定する

新技術の特徴

・タンパク質にも低分子化合物にもラベルやセンサーチップへの固定を必要としない
・混合液の調製を含めてすべて自動で測定する
・タンパク質も低分子化合物も測定後無傷で回収できる
・タンパク質1分子に複数の化合物が結合する多重結合系の精密結合曲線が測定できる

想定される用途

・血清タンパク質のマーカー薬剤に対する結合機能を測定することによる新規診断の開発
・ターゲットタンパク質に結合する低分子化合物のハイスループット定量的スクリーニング
・市販の分子間相互作用解析装置と併用することによる間接測定データの解析支援
・血清メタボロミクスでの前処理

14:00~14:30 医療・福祉
5)  再生医療の実用化に向けた新規アプローチ ― 気管再生を中心に ―
発表資料

聖マリアンナ医科大学 医学部 大学院医学研究科 形成外科 准教授 井上 肇
http://www.marianna-u.ac.jp/PRS/

新技術の概要

気管代替物は50年前にシリコン人工気管として考案されているが、満足すべき成果は認められない。本研究では、無細胞化した気管組織を気管再生の鋳型として用い、着脱可能なシリコンステントを用いた自己修復型気管再生技術の確立を試みた。

従来技術・競合技術との比較

従来迄はシリコンと言う人工物を気管として代替していた。本研究は無細胞気管を足場として無細胞気管鋳型が自己組織伸展に伴って吸収消失する。置き換えが完了する迄の物理強度不足は着脱可能なシリコンステントで補い、自己気管が万一嵌頓狭窄を起こしても即時対応出来る内視鏡下吻合技術も確立した。

新技術の特徴

・組織リサイクルが可能である
・組織を無細胞化出来れば基本的にはどの組織・臓器であっても鋳型として使える可能性がある
・無細胞組織であるため、理論的には異種間移植(Xeno Graft)が可能

想定される用途

・消化管の再生医療への拡大
・整形外科領域(関節軟骨鋳型)
・無細胞組織鋳型を用いたDDS

14:30~15:00 創薬
6)  SLEを対象としたIFN制御を目的とする新たな薬剤の開発
発表資料

関西医科大学 医学部 血液呼吸器膠原病内科 講師 伊藤 量基
http://imed1.kmu-ac.jp/office_activities_view.html

新技術の概要

I型インターフェロン(IFN)の過剰産生が病態の発症や進展に寄与するSLE(全身性エリテマトーデス)等の自己免疫疾患を抑制する化合物を見出した。NF-kB阻害薬であるBAY11-7082がヒト樹状細胞およびマウスのⅠ型IFNの過剰産生を効果的に抑制し、IFN関連自己免疫疾患の治療薬としての開発が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、SLE等の自己免疫疾患の治療は、ステロイド剤が中心であるが、その副作用などが臨床上問題になることが多い。そこで、I型IFNの過剰産生を原因とする自己免疫疾患の治療薬と成りうる化合物を見出し、その作用機序として、?T型IFN産生の重要な因子であるIRF(Interferon Regulatory Factor)7を抑制することを明らかにした。

新技術の特徴

・樹状細胞が産生するI型IFNを効果的に抑制する
・I型IFN産生経路において重要な転写因子であるIRF(Interferon Regulatory Factor)7を抑制
・新たな自己免疫疾患の治療薬

想定される用途

・全身性エリテマトーデス、尋常性乾癬などⅠ型IFNの過剰産生を原因とする自己免疫疾患の治療
・関節リウマチやクローン病などのTNFaが関与する自己免疫疾患の治療
・多発性骨髄腫、乳がんなどNF-kappaB関連の抗癌剤

関連情報

・サンプルの提供可能

15:10~15:40 医療・福祉
7)  新規バイオマーカーによる自閉症の判定方法
発表資料

浜松医科大学 子どものこころの発達研究センター 特任准教授 松﨑 秀夫
http://rccmd.org/

新技術の概要

自閉症は原因や治療法が特定されず専門家による療育が重要である。本技術は独自に発見した血中マーカーの測定により簡易な自閉症者候補の判定を可能とし、自閉症者の早期診断に基づく早期療育の開始と社会生活適応性の改善の可能性を提供する。

従来技術・競合技術との比較

自閉症の診断は豊富な経験を有する専門医でのみ可能であり療育効果等も限定的であった。本技術により血液サンプルによる簡易な自閉症者候補の判定が可能となり、早期診断・療育効果の向上と合わせ新規治療法開発への展開も期待される。

新技術の特徴

・専門的な経験を必要としない自閉症の簡易判定法の提供
・高い精度での判定法の提供(8歳未満では感度83%、特異度90%、正診率86%)
・早期診断を通じての療育効果等包括的な治療体系の確立・改善の可能性

想定される用途

・自閉症発症危険度の判定(診断薬分野)
・自閉症の早期診断に基づく予防・早期治療の機会提供(治療分野)
・自閉症患者の社会復帰支援等の包括的治療体系の確立への寄与(治療分野)

関連情報

・外国出願特許あり

15:40~16:10 医療・福祉
8)  進行期子宮頸部扁平上皮癌の放射線治療予後に関与するアポリポ蛋白C-Ⅱ
発表資料

関西医科大学 医学部 放射線科 准教授 播磨 洋子
http://www.tnoc.kmu.ac.jp/

新技術の概要

放射線治療効果を向上させるには腫瘍の放射線治療に対する感受性を予測する必要がある。我々は放射線治療前の子宮頸部扁平上皮癌患者血清を用いてバイオマーカー候補蛋白としてアポリポ蛋白C-II(ApoC-II)を同定し、ApoC-IIのモノクロナール抗体Elisa-Kitを作成した。ApoC-IIは予後不良症例に低発現し、原病生存率に関与していることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

バイオマーカーは人が発する生体情報を数値化・定量化した指標を意味し、癌については組織型の違いにより扁平上皮癌のSCC抗原、腺癌のCEA抗原、発症臓器では前立腺癌のPSA抗原があるが、子宮頸癌の臓器特異的な指標はなく、また放射線治療効果に関与するバイオマーカーは未だ判明していない。

新技術の特徴

・ApoC-IIの測定値により、子宮頸部扁平上皮癌患者の放射線治療に対する応答性を判別する
・ApoC-IIの測定値により、過剰な治療も省くことができ、有害事象も減少し、医療経済の面からも有用である
・血清を採取して測定するので、簡便な検査法である

想定される用途

・子宮頸部扁平上皮癌患者で放射線治療の対象となる症例を判別する
・扁平上皮癌が多い頭頸部癌患者で放射線治療の対象となる症例を判別できる可能性がある
・他の部位の放射線治療の対象となる症例の治療効果を判別できる可能性があり、市場性は十分にあると考えられる
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