発表内容詳細

10:40~11:10 アグリ・バイオ
1)  低糖のジャム、ベビーフード、えん下補助食品の創出
発表資料

県立広島大学 生命環境学部 生命科学科 准教授 佐藤 之紀
http://www.pu-hiroshima.ac.jp/files/e38e.pdf

新技術の概要

今まで、ジャムの製造には、高メトキシルペクチンを用いる場合が多いため、糖と酸が必要であった。しかし、糖や酸を用いずにある種のアミノ酸を添加すると、そのアミノ酸には増粘効果が認められ、さらには濃度を高くして加熱するとゲル化する。これを利用すると、無糖または低糖ジャムの創出が可能となる。この技術はジャムのほか、ベビーフード、えん下困難者用食品のゲル化に利用できる。

従来技術・競合技術との比較

アミノ酸を添加して、高メトキシルペクチン水溶液がゲル化することは全く知られていない。むしろ、グリシンなどのアミノ酸を高メトキシルペクチン水溶液へ添加すると、粘度が低下することが知られている。

新技術の特徴

・糖を用いない高メトキシルペクチン水溶液のゲル化
・添加後加熱することなしでも増粘効果が出る
・熱不可逆ゲルを形成する

想定される用途

・無糖または低糖ジャムの創出
・ベビーフードおよびえん下困難者用食品の創出
・高齢のペット向けのペット食の開発

11:10~11:40 医療・福祉
2)  うつ病の生化学的指標(バイオマーカー)とうつ病抑制食材
発表資料

県立広島大学 生命環境学部 生命科学科 准教授 長尾 則男
http://www.pu-hiroshima.ac.jp/files/e23e.pdf

新技術の概要

うつ病の診断は主に問診で行われ血液検査のような客観的指標はない。私達はマウスに足先だけの浸水ストレスをかけて変動する血清中の蛋白質量を見出し、それをマーカーとしてストレス抑制物質をスクリーニングした。

従来技術・競合技術との比較

光トポグラフィー検査を用いたうつ病診断は先進医療として厚労省に承認されており、徳島大を中心に白血球の遺伝子発現変化を指標として、うつ病を診断する研究がなされ、うつ病診断における客観的指標のニーズは高い。

新技術の特徴

・自殺予防
・心の自己判定および自己管理
・抑うつ気分の原因特定

想定される用途

・うつ症の初期診断補助、あるいは、うつ症軽度での診断補助
・抗うつ薬および抑うつ気分改善食材スクリーニング
・うつ病治療効果の客観的把握

11:40~12:10 材料
3)  金属ナノ粒子分散体を用いる固相有機反応
発表資料

県立広島大学 生命環境学部 環境科学科 准教授 三苫 好治
http://www.pu-hiroshima.ac.jp/files/f19e.pdf

新技術の概要

有機合成には適宜有機溶媒を利用するのが一般的ですが、金属ナノ粒子分散体を利用して、無溶媒条件下で様々な化学物質を合成することに成功しました。例えば、常温常圧等の温和な条件下、ウルマン反応により炭素-炭素結合形成反応が進行したビアリール体が得られます。

従来技術・競合技術との比較

一般的なウルマン反応の場合、銅粉末存在下、200℃以上の加熱を必要としたり、あるいは、活性化銅存在下、ジメチルホルムアミド中などの高沸点溶媒中での加熱処理が必要となります。

新技術の特徴

・無溶媒かつ温和な反応条件であるため低コスト化が可能
・無溶媒であるため安全性が向上(金属ナノ粒子分散体は大気中で安定)
・金属ナノ粒子調製法も容易

想定される用途

・食品添加剤の合成など
・化粧品への添加剤の合成など
・その他、ゼロエミッション化を目指す化学工場

13:20~13:50 環境
4)  澱粉含有排水の処理技術及び澱粉粒子の回収・再資源化技術

広島国際学院大学 大学院工学研究科 物質工学専攻 准教授 渡辺 昌規

新技術の概要

プロテアーゼ含有酵素剤処理により、穀物系加工排水中に含まれる難沈降性の澱粉粒子に対して自己凝集能を付与する方法を確立した。本技術により、製麺排水、米菓製造排水等、穀物系加工排水中に含まれる澱粉粒子を除去することができ、排水処理負担の低減並びに回収された澱粉粒子、処理水の再資源化を容易にする事ができる。

従来技術・競合技術との比較

従来より、フィルタープレス、遠心分離機等による排水中からの澱粉粒子回収方法があるが、本技術は、設備導入に伴う初期投資、ランニングコスト等を低減できる他、一般凝集剤等を必要としないことから、汚泥の減量化が可能である。

新技術の特徴

・難沈降性の澱粉粒子に対し、沈降性を付与する事が可能
・澱粉粒子を含有する排水の処理、澱粉粒子の再資源化が可能
・汚泥生成量を削減する事が可能

想定される用途

・うどん、蕎麦、パスタ等の製麺排水、ゆで汁処理
・米菓製造、製粉等、穀物加工系排水処理

13:50~14:20 環境
5)  土壌に吸着した残留性有機汚染物質の非加熱式分解法
発表資料

県立広島大学 生命環境学部 環境科学科 准教授 三苫 好治
http://www.pu-hiroshima.ac.jp/files/f19e.pdf

新技術の概要

金属カルシウムナノ分散体が持つ高い還元力と固化能力に注目し、近年深刻な社会問題となっている残留性有機汚染物質(POPs)の新規常温無害化法を提供する。併せて、揮発性有機化合物(VOC)及び重金属類による複合汚染土壌をメカノケミカル反応を利用して同時に無害化する新技術も紹介する。

従来技術・競合技術との比較

POPs含有物全体を外部からの強制的な加熱(350℃?1600℃)により無害化する方法か、あるいは、より温和な方法としてバイオレメディエーション法が知られている。しかしながら、後者は分解力が弱く、そのためオゾン法などの他法との組み合わせで用いられる。

新技術の特徴

・常温常圧
・固相反応
・投入エネルギー量の削減による低コスト化

想定される用途

・POPs汚染土壌の浄化
・VOC処理
・重金属処理

14:20~14:50 計測
6)  プリンテッド・スパイラル・インダクタを用いた安価な回転体の回転角度検出法

広島工業大学 工学部 電子情報工学科 准教授 山内 将行

新技術の概要

スパイラルインダクタは、薄く重ね合わせやすく、それらの間に発生する相互インダクタンスを利用しやすい。すなわち、基板上にスパイラルインダクタを構築し、それらを重ね合わせ、一方を固定し、他方を回転させると、その間に発生する相互インダクタンスが変化する。本システムでは、この現象を利用し、回転体の回転数や回転角度の測定を行う。

従来技術・競合技術との比較

一般的に回転角度の測定には、光学式や磁気センサを用いたものや機械式のものなどがある。これらに対し、本方式は非常に単純であり、ネジに挟んでそのゆるみの検出、モータの回転角度計測など、従来の方式では設置しにくい狭い場所にも設置できる小型、かつ安価な製品を実現する。

新技術の特徴

・薄く軽量であり、構造が単純である
・相互インダクタンスの変化を利用している
・半円などで構成されたスパイラルインダクタより、非線形性がある程度高い構造が望ましい

想定される用途

・ボルトやネジのゆるみの検出
・モーターや発電機などの回転数、回転角度の観測や物体の位置の特定などへの利用
・ロボットなどの回転部の回転角度測定や、ギアなどの回転角度や故障の検出

15:00~15:30 情報
7)  複数データベースで機密情報を保護しながら選択的に情報を共有するためのプロトコル

広島市立大学 大学院情報科学研究科 情報工学専攻 講師 上土井 陽子

新技術の概要

本技術は、複数の機関の非公開データベース間で安全に情報を共有するための基盤技術である。本技術により、課題となっていた実社会で扱う程度の小さな値域からの要素によるデータベース間での情報共有の脆弱性を克服する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術ではデータベースの値域が暗号鍵の値域と比べ小さい場合には、明らかにしたくない情報が漏えいする可能性がある。本技術は値域の小さいデータベースに対しても暗号鍵と同程度の機密性で情報を守ることを特徴とする。

新技術の特徴

・高機密性保持
・プライバシー保護技術
・選択的情報共有

想定される用途

・クラウドコンピューティング
・プライバシー保護データマイニング
・高度医療サービス

15:30~16:00 情報
8)  1台のカメラと3点キャリブレーションで実現する視線追跡法

広島市立大学 大学院情報科学研究科 システム工学専攻 助教 疋田 真一
http://www.se.info.hiroshima-cu.ac.jp/lab/ics/index.html

新技術の概要

眼球表面上の特徴点(毛細血管パターンなど)や角膜反射像をカメラで計測し、眼球固有のパラメータ(視線方向を基準とした特徴点位置、眼球回転中心位置)を測定・保存することにより煩雑なキャリブレーションを不要とする視線追跡法。

従来技術・競合技術との比較

眼球表面上の特徴点を追跡する場合、眼球の3次元回転(水平・垂直・ねじれ)を1台のカメラで計測可能。角膜曲率中心を追跡する場合、角膜反射像(光点)さえ検出できればよいため、瞳孔を用いる方法に比べて画像処理コストの大幅削減可能。

新技術の特徴

・視線まわりの回転角(torsion)の測定
・計測装置の小型軽量化、低コスト化
・視線方向の計算に必要な眼球固有のパラメータは3点注視により容易に取得可能

想定される用途

・スポーツにおける視線計測
・日常生活空間内での視線計測
・視線追跡ARメガネ

16:00~16:30 情報
9)  プロジェクタとカメラを利用した、高速に変化するシーンの形状計測

広島市立大学 大学院情報科学研究科 知能工学専攻 講師 古川 亮
http://www.cv.info.hiroshima-cu.ac.jp/

新技術の概要

複数台のプロジェクタと、1台のカメラを利用した形状計測技術である。各プロジェクタから、単純な平行線状のパターンを投影し、それを撮影した1枚の画像のみから形状計測が可能である。

従来技術・競合技術との比較

高速度カメラを併用することで、非常に高速に動く物体の形状計測が可能である。競合技術の多くは、複数の画像を利用したり、多数の色を利用するため、高速物体の計測が出来なかったり、カメラの仕様によっては適用できない。パターンが単純なため、画像処理が容易で誤差が小さい。

新技術の特徴

・カメラとプロジェクタのみで形状計測が可能
・非常に高い速度で変化する形状の測定が可能
・物体表面の材質や、色に対して頑健

想定される用途

・衝突破壊試験における形状変形過程の測定
・高速搬送中の被加工物の形状測定
・高速に回転する吸排気ファンの形状検査
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