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発表内容詳細

10:30~11:00 アグリ・バイオ
1)  蛍光相互相関分光法(FCCS)を用いた分子間相互作用解析の応用
発表資料

北海道大学 先端生命科学研究院 生命機能科学研究部門 細胞機能科学分野 教授 金城 政孝
http://www.lfsci.hokudai.ac.jp/labs/infmcd/index.html

新技術の概要

蛍光相関分光法は分子の動きと分子数変化の組合せから、また蛍光相互相関分光法は直接に分子間相互作用を検出することができる。我々は抗原抗体反応における反応複合体の検出・定量のために、二つの方法を利用した手法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

通常、抗原抗体複合体の検出はF/B分離を基本としている。FCS/FCCSはこのようなF/B分離過程を経ることなく、複合体検出を行うことが可能である。この手法は、抗体のほかの生体高分子間の相互作用解析に広く応用可能である。

新技術の特徴

・F/B分離を必要としない均一系検出方法
・蛍光測定を基礎とした高感度検出
・生細胞解析への応用可能

想定される用途

・抗原抗体反応一般への拡張可能
・タンパク質間相互作用解析・定量を用いた創薬スクリー二ング
・生細胞ないタンパク質動態解析を目指す医用応用分野

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11:00~11:30 アグリ・バイオ
2)  生体組織内の1細胞レベルでの機能イメージングを可能にする光活性化生理機能指示薬
発表資料

北海道大学 電子科学研究所 電子計測制御研究部門 ナノシステム生理学分野 助教 松田 知己
http://nano.es.hokudai.ac.jp

新技術の概要

生体内で機能センサータンパク質を任意の領域に“出現”させる新たな技術として、光活性化できるセンサータンパク質を開発した。このセンサータンパク質を用いれば、光刺激により任意の時間に組織内の任意の領域の細胞についてカルシウム濃度、ATP濃度等の可視化を開始することが出来る。

従来技術・競合技術との比較

個体や組織中の特異的な細胞における生理機能を可視化する場合、その細胞にのみ指示薬をロード或いは遺伝子発現させることが要求される。しかし指示薬の狙った細胞への的確な注入や、任意の細胞のみでの発現は極めて困難であった。この技術では光刺激で細胞を選択することにより時間と領域の任意性を向上させた。

新技術の特徴

・組織特異的発現のための遺伝子プロモーターを必要とせずに任意の細胞を選択的に機能イメージングすることができる
・複雑に入り組んだ細胞群の中で1つの細胞の領域を明らかにして機能イメージングを行うことが出来る
・センサー部分を入れ替えることにより様々な機能をイメージングする指示薬を作成することが出来る

想定される用途

・神経細胞ネットワーク中の任意の細胞間の機能的相互作用の可視化
・組織内の任意の細胞の動態と機能の同時計測
・微生物バイオフィルム中の任意の階層の細胞の機能の可視化

11:30~12:00 アグリ・バイオ
3)  アミノ酸関連化合物の触媒作用を利用した高光学純度タミフル合成中間体の新しい製造法
発表資料

室蘭工業大学 大学院工学研究科 応用理化学専攻 教授 中野 博人

新技術の概要

本技術は、金属触媒を用いない設計性に優れたアミノ酸関連不斉有機分子触媒を用いた光学活性化合物の製造法であり、それを用いて、タミフルなどの高光学純度の様々な有機化合物の大量製造を可能にする。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では問題となった、混入金属の除去が必要なく、不純物の生成も少なく精製工程が容易である。また、競合技術に比べ、目的生成物の収率が格段に高い(従来技術:収率22%、新技術:収率85%)、さらに光学純度はほぼ100%である。

新技術の特徴

・アミノ酸含有化粧品開発への利用
・健康食品開発への利用
・動物飼料開発への利用

想定される用途

・新しい抗インフルエンザ治療薬の化学合成への利用
・様々な医薬品関連化合物の化学合成への利用
・様々な機能性材料の化学合成への利用

関連情報

・サンプルの提供可能

13:10~13:40 情報
4)  学習データが少量でも分類可能な文書分類技術
発表資料

北見工業大学 工学部 情報システム工学科 助教 前田 康成

新技術の概要

学習データが少ない場合には主に事前分布推定用データを使用し、学習データ増加時には主に学習データを使用することによって、学習データが少ない場合でも増加時でも高い分類精度を実現する文書自動分類方法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来の文書分類技術は、初期段階に大量の学習データの準備が必要でコストが掛かる。一方、本技術では、学習データが少量の場合でも従来よりも高い精度で分類可能なため、学習データの整備に必要なコストを軽減できる。

新技術の特徴

・低コスト(small start)と高精度の両立
・新規対象データや学習データと性質が似た既存データの有効活用
・ベイズ統計学に基づく精度保証

想定される用途

・文書データベース ・データマイニング
・電子カルテ ・社内文書仕分け
・マーケティング ・顧客クレーム ・トラブル集計

関連情報

・外国出願特許あり

13:40~14:10 情報
5)  3次元CADモデルやFEMメッシュからの対称性の自動認識技術
発表資料

北海道大学 大学院情報科学研究科 システム情報科学専攻 システム創成情報学講座 教授 金井 理
http://www.sdm.ssi.ist.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

3次元CADモデルやFEMメッシュの形状内からユークリッド対称(点対称、面対称、回転対称など)な関係にある形状部分を全自動で網羅的に認識できるソフトウエアを開発しました。解析メッシュサイズの削減やCADモデルの整形・再構築に役立ちます。

従来技術・競合技術との比較

平行移動・回転・平面反射の任意の組み合わせからなる「ユークリッド対称性」を形状内から全て認識できます。また全体のみならず局所的対称性も認識でき、レーザ計測やCTのようなノイズが含まれるデータからも認識が可能です。対称面や対称軸も自動計算されます。これらを兼ね備えた3次元認識アルゴリズムは、これまでありません。

新技術の特徴

・対称性が発見できれば、対称関係にある片側部分のモデルのみを作り、他方はそのコピーで定義できるため、様々な種類のモデルサイズ縮減に有効です
・人工物のみならず、あらゆる生物や分子の構造や構造には、ミクロからマクロスケールまで多くの対称性が見られるため、幅広い分野に利用可能です
・同一パターンが繰り返し現れる規則形状の認識も、この対称性認識の手法で行えます
・3次元CADモデル、3次元FEMメッシュモデル、3次元点群のいずれからも対称性認識が可能です

想定される用途

・対称性を活用したFEM解析メッシュサイズの削減(1/2、1/4モデルなどの自動作成)
・コンパクトな定義をもつ3次元CADモデルの再構築
・レーザ計測やX線CT計測データから3次元CADモデルを再構築する際のモデルの自動整形
・対称性を活用したCAMシステムにおけるNCデータサイズの削減(工具経路に対するミラーやコピーによるデータ削減)
・面対称性を活用した人体3次元モデルのサイズ縮減

関連情報

・プロトタイププログラムの提供可能

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14:10~14:40 情報
6)  映像解析技術と新しい検索方法
発表資料

北海道大学 大学院情報科学研究科 メディアネットワーク専攻 情報メディア学講座 教授 長谷山 美紀
http://www-lmd.ist.hokudai.ac.jp

新技術の概要

当該技術は、マルチメディア情報が持つ曖昧性を許容可能な連想型検索(融合型検索)、ユーザネットワークによる個人の嗜好のモデル化、及びユーザインタフェースによる嗜好の類似性の可視化(個人適応型検索)を実現し、新たな検索手法を提供する。

従来技術・競合技術との比較

予めキーワードを付与する必要がある検索システムや大量の学習データを必要とする映像解析技術の利用が必要な検索システム。画像・映像に限らず暗黙知に頼る技術分野。

新技術の特徴

・画像データと音楽、音声などの音響データを協調利用することで、特定のデータを高精度に抽出する技術
・画像データベースの全体を俯瞰するための可視化技術。キーワードに頼らない画像検索および類似画像検索技術
・個人(もしくは、家族や企業、地域など)が持つデータから、個人の嗜好を他と比較して可視化する技術

想定される用途

・映像・映像・音楽の意味理解と検索エンジンを利用した用途:Webサービス。情報家電。PC、タブレット型コンピュータなどのアプリケーションソフト
・クラウドサービス:地域、企業、家庭、個人により蓄積された画像映像音楽などの非構造化データの意味理解及び検索
・画像認識:監視カメラ映像解析、ディジタルサイネージ効果測定、個人嗜好可視化:マーケティング支援

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14:40~15:10 情報
7)  車載装置に利用可能な、自然照明下でリアルタイムに路面凍結状態を検出する方法
発表資料

北見工業大学 工学部 情報システム工学科 教授 三浦 則明
http://silver.cs.kitami-it.ac.jp/

新技術の概要

路面からの光の垂直偏光画像と水平偏光画像の情報を自然照明下で同時に取得し、リアルタイムに路面凍結状態を検出する方法、及び小型で汎用性の高い(車載型)路面状態検出装置を提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来の路面状態検出方法では、垂直偏光と水平偏光の情報を取得するのに時間差が生じ、または2台のカメラが必要であるなどの問題点があった。一方、本技術では、1台の撮像装置で同様の情報を同時に取得することができる。

新技術の特徴

・鏡面反射部(光沢部)と非鏡面反射部(非光沢部)を区別することができる
・カメラが移動する場合だけでなく、物体が移動している場合にも適用可能
・通常のカメラとして他用途との併用が可能

想定される用途

・車両搭載用のリアルタイム路面状態検出装置
・固定カメラによる路面状態の監視
・工業製品や農作物などの品質検査

15:20~15:50 デバイス・装置
8)  半導体トランジスタネットワークによる雑音に埋没した微弱電気信号の検出と再生
発表資料

北海道大学 大学院情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 集積システム講座 准教授 葛西 誠也
http://hydrogen.rciqe.hokudai.ac.jp/~kasai/home.html

新技術の概要

微細電界効果トランジスタの並列加算ネットワークによって雑音に埋もれた微弱信号を検出・再生する。素子ばらつきを逆手にとり、信号や雑音の変動に対し適応する能力を実現。雑音を利用するが、意図的に雑音を用意する必要は無い。

従来技術・競合技術との比較

半導体電界効果トランジスタのみで構成され、シンプル、省面積、低消費電力である。信号に関する事前情報は不要であり、かつ推定も行わず、リアルタイムに応答可能。既存の半導体技術を用いて容易に実現可能。

新技術の特徴

・雑音にうもれた微弱信号の検出
・極めてシンプルな構成、省面積、低消費電力
・広入力ダイナミックレンジ

想定される用途

・自動車など移動体用各種センシング
・無線通信、PLC
・脳波などの生体信号センシング

15:50~16:20 デバイス・装置
9)  MOSFETのしきい値電圧を参照した極低電力LSI用基準電圧源回路
発表資料

神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学科(元 北海道大学 情報科学研究科) 廣瀬 哲也
http://cas.eedept.kobe-u.ac.jp/~hirose/

新技術の概要

MOSFETのしきい値電圧は、その特性を決定する重要なデバイスパラメータである。我々は、このしきい値電圧をオンチップ上で検出する極低電力参照電圧源回路を開発した。この回路は、製造プロセスバラツキに起因する各種回路の特性バラツキ補正技術に利用できる。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、既存の低電力集積回路と比較して2?3桁低い極低電力で動作する。また、既存の電圧源回路と比較して、製造プロセスバラツキに対して安定に動作する特徴を有する。

新技術の特徴

・超低電力特性を活かした応用
・スマートセンサLSI向けの要素技術
・医療LSI向けの要素技術

想定される用途

・電圧源回路
・電流源回路
・プロセスバラツキ補正回路用参照電圧源回路

関連情報

・外国出願特許あり

16:20~16:50 デバイス・装置
10)  レアアースフリーを実現するハイブリッド自動車用フェライト磁石モータ
発表資料

北海道大学 大学院情報科学研究科 システム情報科学専攻 システム融合情報学講座 准教授 竹本 真紹
http://sfc.ssi.ist.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

NEDOの委託事業「Li-EADプロジェクト」の一環として、北海道大学では、レアアース(希土類元素)を用いない高出力なフェライト磁石モータを新たに製作した。今回製作した試作機には、磁力の弱いフェライト磁石を有効活用するために、新構造であるロータセグメント形アキシャルギャップモータを適用しており、高出力化している。

従来技術・競合技術との比較

これまで、永久磁石同期モータの性能向上に大きく貢献してきたのが、レアアースを原材料とする希土類磁石である。しかしながら、レアアースは産出量の9割以上を中国に依存するという偏在性を有する材料であり、今後、更なる輸出規制の強化や価格高騰などの懸念がある。したがって、こうした懸念にとらわれない、レアアースフリーを実現する高出力なフェライト磁石モータを開発することが極めて重要である。

新技術の特徴

・レアアースフリーモータ
・フェライト磁石モータ
・ロータセグメント形アキシャルギャップモータ

想定される用途

・電気自動車
・ハイブリッド自動車
・電動バイク

関連情報

・実験装置の見学可能
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