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発表内容詳細

13:35~14:05 創薬
1)  ヒト羊膜由来間葉系細胞を用いた糖尿病治療
発表資料

富山大学 大学院医学薬学研究部 再生医学 教授 二階堂 敏雄
http://www.med.u-toyama.ac.jp/saiseiigaku/index.html

新技術の概要

胎児を包んでいる羊膜は、羊膜上皮、羊膜間葉組織で構成されている。羊膜間葉組織に由来する不死化細胞を作製した。この不死化細胞に顕著な血糖値低下作用が認められた。羊膜由来の不死化細胞移植による糖尿病治療が期待される。

従来技術・競合技術との比較

胎児を包んでいる羊膜の上皮細胞が、インシュリン様の物質を分泌し、糖尿モデルマウスの血糖値を低下させることが報告されている。一方で、糖尿病治療の一方法としてインスリンを分泌する膵臓のβ細胞移植が検討されている

新技術の特徴

・羊膜は、分娩後に廃棄される胎盤付着物であり、羊膜細胞にはES細胞のような倫理面の制約がない。
・羊膜細胞は、移植時に組織適合性抗原HLAの一致が不十分な場合にも、レシピエントの免疫が穏やかである。
・羊膜細胞を不死化したことにより羊膜細胞に機能を付加することができる。

想定される用途

・糖尿病治療薬
・再生医療

14:05~14:35 医療・福祉
2)  癌化しない骨髄由来幹細胞の単離法と再生医療
発表資料

金沢大学 医薬保健研究域 医学系 准教授 山嶋 哲盛

新技術の概要

GPR40陽性の骨髄由来間葉系幹細胞は多分化能を有し、DHA等の刺激により、GPR40-多価不飽和脂肪酸シグナル伝達系を介して神経細胞に分化する。各種の多価不飽和脂肪酸と組合せて神経の再生に利用することができる上、他の組織の再生にも利用できる。

従来技術・競合技術との比較

GPR40陽性の骨髄幹細胞は、従来の骨髄移植に準じたオーソドックスな方法で、骨髄細胞から単離するという点で胚性幹細胞(ES細胞)とは異なり、iPS細胞のように癌化の心配がないので臨床応用が倫理的、技術的にきわめて簡単である。

新技術の特徴

・骨髄採取がでれば、だれでも簡単に作成できる。
・多価不飽和脂肪酸の添加で、神経細胞に分化させることが可能である。
・自家細胞であるので、免疫拒絶や癌化の懸念がない。

想定される用途

・脳梗塞や頭部外傷の後遺症を改善する脳再生療法
・アルツハイマー病を初めとする認知症への応用の可能性もある。

関連情報

・サンプルの提供可能

14:35~15:05 医療・福祉
3)  脂質メディエーター受容体S1P2を標的とした動脈硬化治療薬

金沢大学 医薬保健研究域 医学系 教授 多久和 陽
http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med04/

新技術の概要

スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)2型受容体(S1P2)機能の遮断により、マクロファージ機能、血管内皮細胞機能が大きく改善し、高コレステロール食負荷により誘発されるマウスの粥状動脈硬化を著しく軽減できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の抗動脈硬化療法においては、血中コレステロール低下薬が主体であった。G蛋白共役型受容体に属するS1P 2 受容体遮断薬は動脈硬化病変における泡沫細胞形成を抑制し、血管内皮細胞の健常性を回復させる新規な作用点を持つ治療薬である。

新技術の特徴

・コレステロール低下とは異なる作用機作による強力な動脈硬化抑制作用。
・細胞膜表面Gタンパク共役型受容体を標的とする薬物。
・薬物の作用点がマクロファージ、血管内皮細胞であること。

想定される用途

・既に動脈硬化を有する患者への投与により、動脈硬化の進展を予防する。
・動脈硬化の高リスク者への投与により、動脈硬化の発症を予防する。

15:20~15:50 創薬
4)  TrkAを標的としたがん抑制性新規鎮痛ペプチド
発表資料

福井大学 医学部 麻酔・蘇生学領域 准教授 廣瀬 宗孝
http://www1.fukui-med.ac.jp/home/ufms/index.html

新技術の概要

本技術は、新しい疼痛治療薬開発におけるターゲットの1つである神経成長因子(NGF)の細胞膜受容体であるTrkAに対して、細胞内部位からチロシンキナーゼ活性を直接抑制する細胞膜透過性ペプチドの開発です。このペプチドは、TrkAを発現するがん細胞において、その増殖を抑制する可能性もある新しいタイプのがん性疼痛治療薬です。

従来技術・競合技術との比較

NGFの作用を抑制する臨床応用が期待されている薬剤は、抗NGF抗体です。本ペプチドは細胞膜透過性があり、全身投与で中枢神経系にも作用すると考えられ、より効果的な鎮痛作用を発揮すると考えられます。

新技術の特徴

・細胞膜透過性がある
・神経成長因子の作用を阻害する
・TrkAは疼痛と腫瘍増殖の両方に関与するチロシンキナーゼである

想定される用途

・がん性疼痛の治療薬
・慢性非がん性疼痛の治療薬
・手術時の鎮痛薬

関連情報

・サンプルの提供可能、外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

15:50~16:20 アグリ・バイオ
5)  固定化酵素を用いた高純度糖鎖改変法
発表資料

弘前大学 大学院医学研究科 附属高度先進医学研究センター 糖鎖工学講座 准教授 柿崎 育子
http://www.med.hirosaki-u.ac.jp/~bioche1/

新技術の概要

酵素的手法による糖鎖改変方法において、反応に用いたグリコシダーゼの混入がない生成物を得るための技術。本技術により、プロテオグリカンの糖鎖部分を改変した人工プロテオグリカンや組換えオリゴ糖を高純度で得ることができる。

従来技術・競合技術との比較

生成物に混入するグリコシダーゼの除去が困難であった従来の液相で行う糖鎖改変方法の問題点を解決した技術。カスタム合成が簡便となり、目的の生成物の純度と収率を上げた。ヒアルロニダーゼを用いた特徴は、2糖あるいはオリゴ糖単位での改変、伸長が可能。

新技術の特徴

・ヒアルロン酸とタンパク質とのハイブリッドによる新素材の開発
・ヒアルロン酸とのハイブリッド糖鎖の合成による新素材の開発
・反応基質、副生成物としての糖鎖の再利用

想定される用途

・プロテオグリカンを有効成分とする医薬品に対し、副作用の低減、特異性の増強、および新規作用の付加
・組換えオリゴ糖を有効成分とする医薬品の開発
・ヒアルロニダーゼを有効成分とする医用素材の開発

関連情報

・サンプルの提供可能

16:20~16:50 アグリ・バイオ
6)  抗インフルエンザウイルス組成物及び予防食品の開発
発表資料

弘前大学 理事兼副学長 加藤 陽治

新技術の概要

ナガイモに抗インフルエンザウイルス活性があることを発見し、この発見をもとにした抗インフルエンザウイルス組成物及びその製造、並びにインフルエンザの予防を目的とした加工食品を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の予防方法であるワクチン接種は、ワクチンによって免疫力を賦活化させるが個人差があることや製造に時間を要す問題点があるのに対し、本技術は食経験豊富なナガイモから有効成分を抽出し、日常的に摂取できる安全性に優れたインフルエンザ予防食品を提供できるものである。

新技術の特徴

・ナガイモ抽出物を有効成分として含有する、抗インフルエンザウイルス組成物の製造法
・インフルエンザ予防食品は、有効成分の熱安定性、pH安定性等の特性を考慮した製造法を用いている。
・ヒトに対して安全性が高く、インフルエンザ予防効果のある加工食品を提供できる。

想定される用途

・抗インフルエンザウイルス組成物含有食品
・抗インフルエンザウイルス組成物含有飲料

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

16:50~17:20 医療・福祉
7)  phospho-diester型オリゴDNAの臨床応用の可能性

福井大学 医学部 医学科 助教 伊保 澄子

新技術の概要

フォスフォジエステル型オリゴDNAは、10鎖のパリンドローム様配列の5’末端にグアニン四重鎖を付した合成オリゴDNAである。TLR9のリガンドであり、強力なインターフェロンα誘導活性がある。

従来技術・競合技術との比較

天然型配列のためチオール修飾品より安全である。ステロイド存在下でもIFN-αを誘導できる。粘膜投与で粘膜免疫とTh1型の全身免疫を誘導する。皮膚投与で皮膚組織にTh1免疫を誘導する。少量で有効。

新技術の特徴

・ヒト、動物および魚類の免疫賦活(Th1免疫・抗体産生の増強)
・天然型TLR9リガンドの提供
・自然界に存在する抗感染症・抗炎症物質の探索ツールとしての可能性

想定される用途

・粘膜ワクチンアジュバント
・皮膚免疫強化化粧品およびアトピー治療薬
・魚用免疫増強飼料 ・抗感染症・抗炎症作用のあるハーブ製品または生理活性物質の開発

関連情報

・DNA合成会社に合成依頼可能。少量分与可。外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

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