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発表内容詳細

10:20~10:50 医療・福祉
1)  レチノイドX受容体を標的とする「リバイバル創薬」の実践
発表資料

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 創薬生命科学専攻 准教授 加来田 博貴
http://pharm.okayama-u.ac.jp/lab/gosei/kakuta/kakuta_lab/index.html

新技術の概要

本技術は、副作用発現が懸念されたレチノイドX受容体(RXR)を対象に、副作用発現を回避した新規作動物質を創出し、1型・2型糖尿病モデルともに血糖降下作用およびその創出技術などに関する提供である。

従来技術・競合技術との比較

「リバイバル創薬」とは、見捨てられていた創薬ターゲットを、化合物創出を通じて復活させようとする、発表者独自の創薬手法である。化合物創出と動物実験の同時進行により、その有効性提示に成功している。

新技術の特徴

・2型糖尿病患者のみならず、1型糖尿病患者のインスリン治療補助薬としての利用が期待できる
・RXRを標的とする従来技術で創出される化合物で見られる顕著な副作用を回避している(体重増加、血中トリグリセリド上昇など)
・ヒトのみならず、メタボリックシンドロームなどが問題となっているペット用医薬品としての開発が期待できる

想定される用途

・医薬原料
・化粧品原料
・研究用試薬

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

10:50~11:20 医療・福祉
2)  輝度分布の方向ベクトル情報を用いたMRA画像からの脳動脈瘤候補の検出
発表資料

広島市立大学 大学院情報科学研究科 知能工学専攻 准教授 青山 正人
http://www.cv.info.hiroshima-cu.ac.jp/~masa/

新技術の概要

脳血管の輝度分布から計算した方向ベクトル情報を用いて、動脈瘤が血管から瘤状に突出した終端をもつという構造的な特徴から脳動脈瘤の候補を検出する手法である。2mm以上の動脈瘤32個を含む24症例と動脈瘤なし26症例の合計50症例に本手法を適用した結果、検出感度100%のとき症例当りの平均偽陽性数4.5個、3特徴を用いた線形判別法による偽陽性除去により感度97%のとき1.5個という性能が得られた。

従来技術・競合技術との比較

従来の脳動脈瘤の候補を検出する手法では、動脈瘤を球状の領域とモデル化し、形状特徴を利用するものがほとんどであったが、実際には様々な形状のものがみられるため多様な形状の動脈瘤が検出できる手法が必要である。本手法は、瘤状に膨れた動脈瘤は、脳血管の走行方向からみたとき、膨れた方向には終点となるいう構造的な特徴を利用して従来の弱点の改良を目指すものである。

新技術の特徴

・血管の走行方向ベクトルを求め、その方向から外れる領域を検出できる
・走行方向ベクトルは、多重スケールを用いた処理により安定に抽出できる
・多くの画像特徴から偽陽性の削減に役立つ特徴を選択・利用することで、効果が確認できる

想定される用途

・MRA画像における動脈瘤候補の検出支援装置
・医用画像診断支援装置への実装
・MR撮影装置の付加機能としての利用

11:20~11:40 医療・福祉
3)  子宮頸癌の新しいバイオマーカーと治療ターゲット
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 産科婦人科 助教 福島 千加子
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~obgyn/

新技術の概要

子宮頸部扁平上皮癌のプロテオーム解析を行い、正常扁平上皮に比べ子宮頸癌で発現が増加している蛋白2種と、発現が減弱している蛋白1種を新たに同定した。

従来技術・競合技術との比較

従来の腫瘍マーカーと比べ、上皮内癌を含む早期癌でも発現の変化が見られる。そのため治療効果判定のためのマーカーとしてだけではなく、近年増加している初期癌の早期発見に役立つ可能性が高い。

新技術の特徴

・上皮内癌(早期癌)での蛋白発現の変化が見られること
・従来の抗癌剤が標的としてきたものとは異なる経路が想定されること
・血清で測定できる可能性があること

想定される用途

・腫瘍マーカーとしての利用(治療効果判定、手術適応の決定、予後予測、治療方針の決定など)
・分子標的薬のターゲットとしての利用
・子宮癌検診を採血で行える可能性

11:40~12:10 医療・福祉
4)  carbonyl reductase の発現による子宮がんの予後予測とオーダーメイド治療・分子標的治療への応用
発表資料

山口大学 大学院医学系研究科 産科婦人科 講師 村上 明弘
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~obgyn/

新技術の概要

子宮頸部扁平上皮癌、子宮体部類内膜腺癌の原発部位におけるcarbonyl reductase(CR)の発現を免疫組織染色し、発現状態によりリンパ節転移、再発・死亡に関する予後を予測する方法。発現が低下している症例ではリンパ節転移が多く、また再発・死亡例が多く、予後が不良である。

従来技術・競合技術との比較

従来より、手術による摘出臓器の病理学的検査が行われるまで予後予想がつかない。癌組織の採取により、CRの発現状態を検索することで、手術前に予後予測ができる。 CRの発現状態で予後予測をする商品化されたものはない。

新技術の特徴

・子宮癌だけでなく、肺の扁平上皮癌への応用
・ELISA等によるCRの発現についての血液、組織内発現の定量化
・CRの発現を増加させる薬剤による分子標的治療への応用

想定される用途

・リンパ節転移の予想
・再発・死亡の予後予測
・分子標的治療への応用。オーダーメイド治療への応用

J-STORE掲載特許情報

13:30~14:00 医療・福祉
5)  オリゴヌクレオチドによる難治性慢性疼痛治療剤
発表資料

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 分子遺伝学 准教授 大内田 守
http://genet1.med.okayama-u.ac.jp/Molecular_Genetics/Welcome.html

新技術の概要

我々は慢性疼痛モデルラットの遺伝子解析を行うことにより疼痛シグナル特異的な遺伝子発現機構を明らかにした。その結果,そのシグナル伝達機構を応用したオリゴヌクレオチドによる疼痛治療剤を開発した。

従来技術・競合技術との比較

多くの疼痛治療薬は急性疼痛治療薬であるが本技術は慢性疼痛に対する治療剤であり、オリゴヌクレオチドを主成分としている点、疼痛刺激により発現上昇する因子を抑制する点、神経系の局所で作用する点、に優位性がある。

新技術の特徴

・核酸製剤である
・ドラッグデリバリー可能である
・神経細胞に働く

想定される用途

・痛み止めの薬
・疼痛治療薬候補剤のスクリーニング

関連情報

・外国出願特許あり

14:00~14:30 医療・福祉
6)  NF-kBなどのDNA結合蛋白質の簡便な創薬スクリーニング方法、老化を誘導するマイクロRNAによるがん治療への応用
発表資料

広島大学 大学院医歯薬学総合研究科 教授  田原 栄俊
http://cell.pharm.hiroshima-u.ac.jp/

新技術の概要

抗炎症薬、抗がん剤治療などの標的として注目されるNF-kBのDNA結合活性を検出する簡便、迅速、高感度なin vitro測定方法の新技術である。DNA鎖交換とFRETを組み合わせた方法で、DNA配列の改変ができるので、特異性を同時に評価でき、特異的な低分子化合物のin vitroスクリーニング方法として画期的である。もう一つ技術は、老化で変化するマイクロRNAによる老化診断および癌治療を行う技術である。癌治療の予後を予測するマーカーとしても用いることができる技術であり、次世代核酸医薬品として期待される。

従来技術・競合技術との比較

①従来の方法と比較して、DNAへの結合を特異的に検出できる方法であり、擬陽性も変異型のDNAを用いることにより排除でき、効率よくNF-kBやテロメア結合タンパク質などの低分子化合物など阻害剤のスクリーニングができる特徴を有する。②これまでに老化の指標としてmiRNAを利用した技術はない。また、老化を誘導できるmiRNAを抗がん剤治療に応用した例もない。成人病やがんの治療成績にも大きく寄与しており本技術はそれを補完できる可能性がある。さらに、血中マイクロRNAを用いた癌リスク診断、予後診断の例もない。

新技術の特徴

・NF-kBやテロメア結合タンパク以外のDNA結合を指標とする方法にも応用でき発展性がある
・個人レベルの老化診断による健康診断、人間ドックへの応用
・抗老化のため化合物などのスクリーニング方法、老化関連疾患の治療への応用

想定される用途

・NF-kB阻害剤の創薬スクリーニング方法およびキット
・NF-kB阻害剤型医薬品開発(抗炎症、抗がん剤)
・老化で増加するmiRNAによる抗腫瘍効果核酸医薬品としての利用

関連情報

・外国出願特許あり

14:30~15:00 医療・福祉
7)  操作性に優れる医療用ポリマーアロイ
発表資料

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 生体材料学分野 助教 田仲 持郎

新技術の概要

エステル基を有するポリマー粉部とビニルエステルモノマー(VE)液部を混ぜ合わせることにより、数分間で長期間安定な可塑性を有する粘弾性体を得る技術。その混合物を望む形状とした後、混合物中のVEを重合することにより、多様な機械的および物理的特性を持ったポリマーアロイを創製する技術。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、ポリマーを構成モノマーに溶解していた。一方、新技術は、ポリマーを構成モノマー以外のモノマー(ビニルエステル)に溶解することが特徴である。従って、ポリマーとモノマーの組み合わせによって、多様な特性を持ったポリマーアロイを創製出来る。

新技術の特徴

・ビニルエステルがエステル基を有する多様なポリマーを膨潤溶解し、その混合物が可塑性を有する粘弾性体となる
・混合物の粘弾性は数カ月以上の長期間に亘って維持する
・ポリマーとモノマーの組み合わせにより、多様な特性を持ったポリマーアロイを容易に調製出来る

想定される用途

・粘膜調整材、機能印象材、義歯裏装材、義歯床、マウスピース
・生分解性骨セメント
・シーリング材

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

15:00~15:30 アグリ・バイオ
8)  短稈コシヒカリの開発法
発表資料

鳥取大学 農学部 生物資源環境学科 准教授 富田 因則
http://www.sangakuplaza.jp/page/156605

新技術の概要

イネの短稈化は、温暖化や台風による倒伏を防止して生産性の向上をもたらす。本特許による、第2染色体短腕に存在するd60と第5染色体短腕に存在するGalのDNA診断によって、d60を持ち稈が約20%短縮して直立葉型で受光態勢の良い短稈イネを早期に選抜・開発することができる。

従来技術・競合技術との比較

イネの短稈化は、温暖化や台風による倒伏を防止して生産性の向上をもたらす。しかしながら、これまでイネを短稈にする遺伝子は、第1染色体に存在するsd1だけしかなかった。代表発明者は、イネの稈を約20%短縮させる新規の短稈遺伝子d60とd60の遺伝に不可欠の遺伝子Galを発見した。

新技術の特徴

・植物工場用短稈コシヒカリ開発
・屋上で作れる短稈コシヒカリ
・農業雇用の促進

想定される用途

・作りやすい短稈コシヒカリの開発
・コメの品質向上
・コメの多収性

15:40~16:10 医療・福祉
9)  体脂肪の蓄積を抑制する食品成分とその機能
発表資料

岡山県立大学 保健福祉学部 栄養学科 教授 山下 広美
http://www.oka-pu.ac.jp/

新技術の概要

近年、肥満を危険因子とした、生活習慣病が増加しており、その予防のためには肥満を防止すること、すなわち体脂肪の合成及び蓄積を抑制することが重要である。本研究では、醸造酢の主成分である酢酸に、体脂肪の合成を抑制する作用があることを見出したものである。

従来技術・競合技術との比較

現在、肥満防止やダイエット(痩身)を目的とする、様々な健康食品や医薬品が提案されているが、その効果の科学的根拠については明確でないものが多いが、本技術は動物実験、ヒト試験、培養細胞等を用いて、効果とその科学的根拠を明らかにしている。

新技術の特徴

・大量給食用の新規な調味料製造
・健康長寿を目的とした高齢者用嚥下食
・健康ドリンク

想定される用途

・抗肥満・メタボリックシンドローム予防の健康食品・医薬品
・糖尿病予防の健康食品・医薬品
・脂肪代謝促進の食品・医薬品

16:10~16:40 医療・福祉
10)  微生物酵素を利用した尿中小児がんマーカーの簡便測定法
発表資料

岡山理科大学 理学部 生物化学科 准教授 三井 亮司
http://www.dbc.ous.ac.jp

新技術の概要

小児がんの一種、神経芽腫は副腎髄質に発生し、過剰のカテコールアミン類を産生する。本技術ではこのカテコールアミン代謝産物で尿中に排出されるバニリルマンデル酸を簡便に感度よく検出するものである。

従来技術・競合技術との比較

現在用いられるHPLC法は機器が高価である上、多サンプルを測定するには時間がかかる。本法で用いられる酵素は基質特異性にすぐれ、感度よく測定できる。また発色を確認できるため特別な機器を必要としない。

新技術の特徴

・血中カテコールアミン代謝物の測定
・立体特異的芳香族2級アルコールの合成、光学分割
・パーキンソン病治療薬の投与による代謝抑制効果の検証

想定される用途

・臨床検査分野での神経芽腫診断 マススクリーニングへの適用
・神経芽腫の治療後の予後の簡便なチェック
・立体選択性を加味した神経芽腫、褐色細胞腫診断の有効性評価

関連情報

・粗酵素液としての提供であれば可能
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