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発表内容詳細

10:20~10:50 環境
1)  新規バイオマス分解用セルラーゼ製剤の開発
発表資料

信州大学 工学部 物質工学科 助教 水野 正浩
http://wwweng.cs.shinshu-u.ac.jp/CHEM/lab_biochem/

新技術の概要

海洋性の糸状菌をセルロース含有培地で培養することで、セルロース分解系酵素を含むセルラーゼ製剤を調製した。本酵素剤は、1M NaCl濃度までの耐塩性を有すると同時に、耐熱・耐塩性を有するエンドグルカナーゼを含有する特徴を有する。

従来技術・競合技術との比較

バイオマスの酵素糖化には各種前処理プロセスが必要であるが、既存のセルラーゼ製剤は酵素反応に必要な条件に戻す処理が必要とされる。一方、本酵素剤は前処理後の状態に近い状態で作用させることが可能である。

新技術の特徴

・酵素剤中に耐塩性・耐熱性を含むエンドグルカナーゼを有している
・1M NaClまでは耐性を示し、海水程度の塩濃度(3%)で活性が約2倍に上昇する
・セルロース溶解作用があるイオン液体に対して耐性を有する
・培養が容易であるため、オンサイトでの培養が可能

想定される用途

・塩が残存する環境下でのセルロースの分解
・既存のセルラーゼ製剤への添加材としての利用(相乗効果)
・既存のセルラーゼ製剤が作用し難いセルロース系バイオマスの分解

関連情報

・少量でのサンプルのみ

10:50~11:20 電子
2)  磁性薄膜を用いた伝送線路デバイスの低損失化技術
発表資料

長野工業高等専門学校 電子制御工学科 助教 中山 英俊
http://www.ec.nagano-nct.ac.jp/Teacher/nakayama/index.html

新技術の概要

携帯電話などの高周波回路に使用される伝送線路デバイスに対して、磁性薄膜を適用して小型する技術であり、その弊害として増加する損失を抑制するための各種低損失対策技術である。

従来技術・競合技術との比較

関連技術として、コイル配線パターンや磁性薄膜のスリット加工などが提案されているが、本技術はこれらの配線パターン形状やスリット加工の効果をより効果的にするための位置の工夫を具体的に指定したものである。

新技術の特徴

・高周波回路の小型化のために、今後磁性薄膜を利用した高周波デバイスが必要となる可能性が高い
・磁性薄膜を利用する際に必須となる損失低減対策技術である
・コイル配線パターンや磁性薄膜のスリット加工の位置の工夫が損失低減対策として大きな効果を発揮する

想定される用途

・携帯電話、地デジ関連の高周波回路
・無線LANなどの高周波回路
・その他、高周波回路全般

11:20~11:50 情報
3)  森の広域診断:高分解能データによる樹種別の樹木本数の算定
発表資料

信州大学 農学部 附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター 教授 加藤 正人
http://karamatsu.shinshu-u.ac.jp/lab/finfo/index.htm

新技術の概要

日本高分解能デジタルデータから、樹種ごとの樹木本数を正確に算定する方法を構想・開発し、さらに当該技術の算定結果を、現場で急速に普及しているGIS(地理情報システム)の小班データベースに登録することで、森林管理での利用価値が高くなるシステム、すなわち“樹木本数算定装置”を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来技術は、森林調査であり、多大な労力と時間を要しており小面積での利用に限られている。関連技術として、発明者の樹種分類方法及び樹種分類システム、森林現況情報の作成システム(特開2010-86276)があるが、これは樹種ごとの樹冠配置を求める方法であり、本数は過少になる欠点があった。

新技術の特徴

・広域の森林を樹種別に本数が把握できる
・樹木の混み具合、配置、健康状態から森の将来計画と管理方針が明確になる
・算定結果は、GISなどの森林管理システムに活用できることから、森林管理や補助金申請の基礎資料として使える

想定される用途

・都道府県、市町村や森林組合など公的森林管理業務への情報提供
・突発的に発生した災害や病虫害の被害把握
・5年おきに森林資源の内容を調査する森林計画業務の支援

J-STORE掲載特許情報

11:50~12:20 医療・福祉
4)  生体吸収性ポリマーによる成長発育を考慮した口腔機能の回復
発表資料

松本歯科大学 歯学部 小児歯科学講座 助教 水谷 智宏
http://www.mdu.ac.jp/graduate/guidance.html

新技術の概要

1歳から小学生における成長発育過程において、食事や会話の増加といった日常における機能獲得のほか、この時期に見せるかわいい笑顔など、歯の持つ意味は大きい。虫歯や外傷により治療を必要とする子どもたちの成長を考慮した生体吸収性ポリマーによる歯科材料について説明を行う。

従来技術・競合技術との比較

歯の中の支柱としての従来手法は金属製ポストが多く、乳歯から永久歯への生え変わり時に、また子どもの突然の外傷において問題となる事例が多くあった。生体吸収性ポリマーはプラスチックと同等の硬さでありながら乳歯の生理的な吸収と同じように分解され、自然な生え変わりが期待できる。

新技術の特徴

・永久歯への生え変わりに支障の出ない修復方法
・口腔機能の獲得期間の重要性に配慮した材料
・近年事業化が進む生体吸収性ポリマーの応用

想定される用途

・乳歯の歯科治療における支柱
・適度な強度を持ちつつも生体内において経時的に吸収されていくデバイス
・生体吸収性ポリマーによるスクリューネジの応用

13:40~14:10 材料
5)  コールドスプレーの可能性と皮膜密着力の改善
発表資料

信州大学 工学部 機械システム工学科 准教授 榊 和彦
http://mplab.shinshu-u.ac.jp/

新技術の概要

コールドスプレーは、高速で粒子を衝突・積層させて熱変質のほとんどない金属皮膜を形成できる新しい溶射技術で、その特徴とアプリケーションの可能性ならびに平滑な基材への密着力改善の方法について説明する。

従来技術・競合技術との比較

従来の溶射法にくらべコールドスプレ-は、熱変質がほとんどなく電気・熱の伝導性が高く、付着率が高く、厚膜も創製できる。火炎やプラズマを使用しなので、安全性も高く、フュームも発生しない。

新技術の特徴

・パワーユニットデバイスのセラミック基板への金属皮膜の作製
・リチウムイオン電池などのニ次電池の電極作製
・インプラント部材のコーティングと部材創製

想定される用途

・スパッターのターゲット
・ガスタービン部材などの補修
・金属二アネットシェイプの部材創製

J-STORE掲載特許情報

14:10~14:40 機械
6)  収縮型PVCゲルアクチュエータの開発とその小型ブレーキへの応用
発表資料

信州大学 大学院総合工学系研究科 生命機能・ファイバー工学専攻 教授 橋本 稔
http://bs.shinshu-u.ac.jp/BEG/HASHI_HP/index.html

新技術の概要

高分子アクチュエータは、小型軽量で柔軟性に富むことから次世代アクチュエータとして注目されている。本技術はPVCゲルに電場を印加することにより収縮するソフトアクチュエータを開発し、それをロボットなどのブレーキに応用するための構造を考案し、有用性を検証したものである。

従来技術・競合技術との比較

PVCゲルアクチュエータは従来屈曲変形のみ動作にとどまっていたが、メッシュ電極を積層することにより、収縮駆動を実現できた。さらに、このアクチュエータを小型モータ用ブレーキに応用することにより、従来の電磁式に比べ、静音でソフトに停止させるブレーキを実現した。

新技術の特徴

・空気中で電場駆動のできる収縮型ソフトアクチュエータ
・柔軟・小型軽量・高効率・高応答性などの特徴を有する収縮型アクチュエータ
・ソフト駆動・静音・軽量・高効率などの特徴を有するブレーキ

想定される用途

・医療・福祉・家庭で使用されるロボットのブレーキ
・空気圧機器の制御弁
・点字表示機用アクチュエータ

14:40~15:10 医療・福祉
7)  自立支援型移乗補助具について
発表資料

長野工業高等専門学校 機械工学科 講師 小林 裕介
http://www.me.nagano-nct.ac.jp/

新技術の概要

車いす使用者が車いすからベッド等へ移乗する際の移乗動作を補助する補助具に関する技術である。車いすに固定するため持ち運ぶ必要もなく、また安定した移乗を行える。固定はアタッチメント方式を採用しているので容易に取り付けが行える。

従来技術・競合技術との比較

従来品は外出先などで使用する際は持ち運ぶ必要があったが、本技術では車いすへ固定しているためその手間が不要である。また、固定により安定した移乗を行えるので、一人での移乗も可能である。

新技術の特徴

・車いすへの改造が不要
・持ち運びぶ手間が不要
・アタッチメント方式なので簡単に取り付け可能
・走行時は収納することでコンパクト、かつ車いすの折りたたみを阻害しない
・安定した移乗が可能=一人での移乗が可能

想定される用途

・車いすへ固定して常用の移乗補助具として使用
・いす構造に固定して使用
・レンタル車いすなどの一時的な物に着脱して使用

15:20~15:50 材料
8)  高減衰能材料を用いた超精密加工装置の防振化技術
発表資料

諏訪東京理科大学 大学院研究科 工学・マネジメント専攻科 大学院研究科長 西山 勝廣
http://www.ks.suwa.tus.ac.jp

新技術の概要

高減衰能材料を超精密加工装置に応用して防振化を図り、高精度で高速で動作可能な超精密機械装置を設計製作して他国では到底実現できない装置開発が可能になった。この技術は新規高減衰能材料の開発によって実現可能となったほか、有限要素法に基づく防振のシミュレーションソフトの開発によって防振効果を予測できることが優れた点である。

従来技術・競合技術との比較

従来の機械装置の防振化はソフト(制御技術)によるものが多く振動源が多い場合には防振化を実現することは不可能とされてきた。日本学術振興会未来開拓学術推進事業などのプロジェクトにおいて高減衰能材料の開発が行われ、超精密加工分野における高性能機械装置の開発が実現しつつある。この技術は、中国、韓国、欧州では行われてはおらず、我が国における独自の成果でり技術である。

新技術の特徴

・新しい金属系高減衰能材料、プラスチック系高減衰能材料、セラミックス系高減衰能材料が開発された
・ハイブリット系高減衰能材料や塗料系防振材料が開発された
・高減衰能材料を機械装置に適用した場合の防振効果を予測できるような新規振動解析法のソフトの開発が実現した

想定される用途

・超微細機械加工装置
・低騒音精密機械装置
・高性能動吸振器

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

15:50~16:20 アグリ・バイオ
9)  骨量増加作用を有するRXR受容体関連化合物の開発
発表資料

松本歯科大学 歯学部 生化学講座 教授 宇田川 信之

新技術の概要

脂肪細胞の分化を抑制する作用を有しているレチノイドX受容体関連化合物であるHX531を骨粗鬆症モデルマウスに投与することにより、脂肪髄が改善され骨量増加作用が認められることを見い出した。

従来技術・競合技術との比較

レチノイドX受容体関連化合物を全身性の骨代謝改善薬としてのみならず、歯周疾患や癌の骨転移などに対する局所性骨吸収阻害薬として、既存の骨吸収抑制薬と比較して安全に使用できる可能性がある。

新技術の特徴

・細胞生物学試薬
・動物実験薬剤

想定される用途

・骨粗鬆症治療薬
・歯周病治療薬
・癌の骨転移抑制薬

関連情報

・外国出願特許あり

16:20~16:50 情報
10)  ウィンドウショッピングのような商品検索システム
発表資料

信州大学 繊維学部 創造工学系感性工学課程 准教授 乾 滋
http://wwwke.shinshu-u.ac.jp/

新技術の概要

本技術はWeb上でのショッピングにおいて、ウィンドウショッピングをしているような感覚でのショッピングを目指し、商品属性の選択とSOMマッピングの技術に基づいた検索のシステムを実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来のWeb上でのショッピングは、商品の範囲を選択し、候補を何ページにも渡って閲覧するものであった。また競合技術は階層的に検索するものである。本システムはこれらに比べ閲覧が柔軟に行える。

新技術の特徴

・検索範囲が広い
・多数の商品が表示される
・本来想定していたのもと異なるものが検索される場合がある

想定される用途

・アパレル商品検索
・住宅検索
・中古車検索

16:50~17:20 電子
11)  変位センサの測定範囲の拡大およびエネルギー伝送の高効率化
発表資料

信州大学 工学部 電気電子工学科 准教授 水野 勉
http://mizunolab.shinshu-u.ac.jp/

新技術の概要

本技術は銅線の外周を磁性体薄膜で覆った磁性めっき線を用いることで、変位センサの検出感度の向上や測定範囲の拡大などの特性向上、およびDC-DCコンバータに用いるトランスや共鳴形非接触エネルギー伝送などの電気機器の効率の向上や小形化を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

磁気を用いたセンサや電気機器の特性改善は磁性材料の特性向上、たとえば鉄損の低減などによって実現されてきた。本技術はコイルの交流抵抗を低減してQ値を増加させることで、センサや電気機器の特性を向上させる。

新技術の特徴

・磁性めっき線
・交流抵抗の低減
・コイルのQ値の増加

想定される用途

・渦電流形変位センサ、誘導形近接センサ、近接スイッチ、金属検知、磁気探傷などの計測分野
・トランス、共鳴形非接触エネルギー伝送、誘導加熱装置などの電気機器

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

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