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発表内容詳細

10:20~10:50 計測
1)  フラットベッドスキャナーを用いた低コストで簡易な水質分析システムの開発
発表資料

明星大学 理工学部 総合理工学科 准教授 岩見 徳雄

新技術の概要

多検体(最大96検体)を1回の測定でまとめて分析でき、且つ、1検体あたりの試薬量削減(従来量の1/25)も達成し、しかも、市販のフラットベッドスキャナーを検出器として用いるといった、イニシャル、ランニングともに低コストで簡易な水質分析(窒素、リン等の濃度)の方法である。

従来技術・競合技術との比較

窒素、リンなどの水質項目の分析には主として分光光度計やクロマトグラフなど高価な機器が用いられる。一方、簡易分析キットで正確な分析を行うには専用機器を別途購入する必要がある。本法は、フラットベッドスキャナーを用いた分析方法であり、少量の試薬で多検体を簡易な手順でまとめて分析できる。

新技術の特徴

・事務機器としても使われている市販のフラットベッドスキャナーが利用できる
・多検体(最大96検体)を1回の測定でまとめて分析できる
・市販の発色反応試薬(リージェント)が利用できる
・発色反応試薬(リージェント)の使用量が少なく、経済的である
・フラットベッドスキャナーで取り込んだ画像データ解析にはフリーウェアの画像解析ソフトが利用できる

想定される用途

・開発途上国での水質分析方法
・養殖漁場や農・工業用水池等の水質管理
・環境教育の教材

10:50~11:05 製造技術
2)  陽極酸化を用いたTiの自動描画装置
発表資料

工学院大学 工学部 機械システム工学科 教授 丹羽 直毅

新技術の概要

Tiの陽極酸化による鮮飾性豊かな製品の用途が拡大しているが、本技術は、PCを用い個別の注文に応じられる描画装置である。

従来技術・競合技術との比較

描画装置:個々に注文された文字・図柄を、PCへの入力により電極の位置制御を行い描画することが可能である。

新技術の特徴

・チタンニウム及びその合金の表面への陽極酸化による描画
・チタニウム板表面に感電の危険なしに高精度な描画

想定される用途

・描画装置:ネームプレートなど個々に異なる注文に対し、PC入力により対応可能
・高級腕時計へのマーキング等、その他機器へのデコレーション図柄の高精度な描画

11:05~11:20 製造技術
3)  材料断面を極力減らさず強加工により結晶粒の微細化をはかる方法
発表資料

工学院大学 工学部 機械システム工学科 教授 丹羽 直毅

新技術の概要

強加工を用いた結晶粒の微細化により材料の力学的特性が著しく向上することは既によく知られており、実用的な強加工法の開発が今望まれている。本技術は、材料の断面積を極力減らさず強加工を加えることが可能である。

従来技術・競合技術との比較

強加工法:鍛造機を用いた従来の強加工法に比較し、工業的生産性の向上を図った強加工法である。

新技術の特徴

・他の強化法であるが、純チタンで引張強度900MPaという高強度チタン合金並みの特性が得られている(チタン,vol.58,No.2p48-52)
・安価で入手しやすい汎用の素材を用いて高価な高強度材並の強度を得られる可能性
・プレスを有する企業であれば、汎用の素材を用い強加工により力学特性を向上させた部品製造の可能性
・圧延機を用いた強加工法は、さらに低い加工力で高い生産性を得ることが可能

想定される用途

・この強加工法は材料断面積の減少を極力抑えた加工法であり、微細結晶粒を持つ材料を広く工業用部材へ適用可能
・従来、高強度材により作製されていた部品をより安価な汎用材の使用に変える可能性

11:20~11:50 機械
4)  自然な膝伸ばし歩行を実現する下駄歩行ロボット技術
発表資料

首都大学東京 東京都立産業技術高等専門学校 荒川キャンパス ものづくり工学科 医療福祉コース 准教授 深谷 直樹
http://www.metro-cit.ac.jp/~fukaya/index.html

新技術の概要

本発明は2足歩行ロボットが人のような膝伸ばし歩行を実現するための下駄状の足裏に関する技術を示す。原理は簡潔で容易に自然な歩行を実現する上、不整地歩行性や歩行時消費電力の35%削減といった効果も得られる。

従来技術・競合技術との比較

従来の2足歩行ロボットは制御性、実現性、安定性向上などを優先した結果、不自然でエネルギ消費の高い膝曲げ歩行をしている。早稲田大は股関節を能動的に動かす膝伸ばし歩行を行ったが、やはり不自然でエネルギ消費は多く根本的解決には至っていない。

新技術の特徴

・足裏の形状の工夫で、簡単に自然な膝伸ばし歩行が実現
・従来の膝曲げ歩行と比較して歩行時の消費電力約35%削減
・既存のロボットの足裏を換装するだけで膝伸ばし歩行が実現
・従来指摘されてきた、歩行の不自然さが解消(生活環境への親和性が高まる)
・凸凹路面など不整地でも歩行可能

想定される用途

・家庭用・セールス・アミューズメント・医療介護用等各種サービスロボット
・人の運動を解析するためのロボット(例:様々な靴を履かせ、効果や違いを定量化できる)
・医療福祉機器開発用ロボット(例:杖をロボットに持たせ、効果を定量的に評価する)
・荒野や災害地用ロボット(不整地歩行性を利用)
・月面など宇宙用ロボット
・人間型はロボットの基本のため、様々な用途に応用が可能

11:50~12:20 計測
5)  局所拡大可能な単眼マルチビジョンシステム
発表資料

東京工芸大学 工学部 電子機械学科 講師 鈴木 秀和
http://www.seit.t-kougei.ac.jp/vision/

新技術の概要

ビジョンシステムには全体を見渡せる能力(全視野撮影)と特定の場所を詳細に見る能力(局所拡大撮影)が必要とされる。本システムでは双曲面ミラーをカメラの視軸上に備え、1台のカメラによるミラーの撮影により上述の2つの機能を実現する。

従来技術・競合技術との比較

本システムでは、1台のカメラのみを使用して全視野撮影・局所拡大撮影を切り替えることが可能。また、カメラの駆動範囲がミラーを撮影可能なごく狭い範囲に限定されるため、高い駆動性能を必要とせず、駆動装置に対する連続負荷も軽減できる。

新技術の特徴

・状況に応じたカメラ機能(全方位or詳細拡大)の使い分け
・広い開視野空間を必要としない
・カメラ画像処理のコスト低減、駆動装置の負荷低減

想定される用途

・ロボットにおける視覚システム
・セキュリティにおけるカメラシステム
・遠隔会議システム

13:20~13:50 医療・福祉
6)  高齢者、車椅子利用者のための転倒検出システム
発表資料

成蹊大学 理工学部 情報科学科 教授 小口 喜美夫
http://www.ee.seikei.ac.jp/~Info_NW_Lab/index.html

新技術の概要

高齢者、車椅子利用者等の対象者に装着したウェアラブルセンサを用いた転倒検出システム。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、被験者の鉛直方向の変位を算出して転倒を判定する。本発明では、いくつかのセンサデータを組み合わせて転倒判断を行うことで、誤判定を減少させるとともに、予見を可能にする。

新技術の特徴

・被験者の鉛直方向の変位より、先行して転倒を検出できる
・取得データの組み合わせにより、誤判定を低減できる
・歩行者、車椅子利用者、運動用具(ダイエットツール)に利用できる

想定される用途

・高齢者歩行用エアバッグ装置
・車椅子用エアバッグ装置
・運動用具(回転運動量を計測し、ダイエット効果に換算する)

13:50~14:20 アグリ・バイオ
7)  細胞活性測定用マイクロ流路ディスク
発表資料

創価大学 工学部 生命情報工学科 教授 久保 いづみ

新技術の概要

細胞のような粒子をマイクロ流路上のトラップに分離し、粒子(細胞)をトラップにとどめたまま、洗浄液、染色液などを流して細胞の周囲の液を交換し、細胞を生きたまま染色できるマイクロ流路ディスクを開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の技術では、ダム状の構造で粒子を捕捉するため、硬い粒子の捕捉や単離はできるが、細胞などの柔らかい生物学的微粒子は、変形してマイクロ流路に入ってしまい、捕捉できず、また変形したものは死滅するという問題があった。

新技術の特徴

・リポソームなどの柔らかい微粒子をトラップして化学物質を作用させることができる
・微粒子を分離して、顕微鏡下で観察する際、極微小の反応容器として使用できる
・異なる粒子を順次トラップして、粒子間での反応を観察することができる

想定される用途

・細胞の生死判定
・細胞の表面抗原の酵素または蛍光標識抗体による検出
・環境化学物質の細胞活性への影響評価

14:20~14:50 計測
8)  画像計測のためのひずみ・変形測定用シート
発表資料

首都大学東京 理工学研究科 機械工学 教授 浅古 豊
http://www.eng.metro-u.ac.jp/thermal-eng/

新技術の概要

本シールはやわらかい材質のシートに複数のコントラストの強いマークが印刷されたもので、これを測定対象物に貼り、マークを撮影し、画像計測からひずみあるいは変形を求めるためのシートである。

従来技術・競合技術との比較

「ひずみゲージ」では二次元の変形を測定するのは難しかったが、本シールには複数のマークが印刷されているので二次元の変形を測定できる。また「ひずみゲージ」に比べ変形抵抗が小さいので、箔のような薄い材料あるいは柔らかい材料のひずみあるいは変形も測定可能。

新技術の特徴

・対象物によってシールの厚さを変えることができる
・対象物によってシールの大きさを変えることができる
・対象物によってマークの形状、配置を変えることができる

想定される用途

・「ひずみゲージ」では測定できない、薄いもの、柔らかなものの変形やひずみ測定
・二次元の変形の測定
・小さな領域の変形の測定

関連情報

・サンプルの提供可能

15:00~15:30 情報
9)  ARを用いたインタラクティブな情報提示装置の開発に関する研究
発表資料

創価大学 工学部 情報システム工学科 准教授 今村 弘樹
http://www.t.soka.ac.jp/~imamura/

新技術の概要

カメラによる手の三次元的な位置計測とAR技術を用いて、センサーを備えたHMDを用いてインタラクティブに人と人、人とコンピュータの直観的なインターフェースを開発する。

従来技術・競合技術との比較

従来の手法では、情報がコンピュータから人間への一方向、あるいは、双方向であっても、特別な装置を用いてコンピュータとのインタラクションしていたのに対し、本手法は、手の3次元的な位置、形状を画像により取得することにより、無拘束で直観的なインタラクションが可能となる。

新技術の特徴

・画像を用いたリアルタイムな手の3次元的な位置・形状認識が可能
・ARと画像処理技術を用いて、現実の世界の環境を考慮したCG描画が可能
・センサーと画像情報からユーザの3次元位置が測位可能

想定される用途

・ナビゲーションシステム
・遠隔会議システム
・TVゲームの新たな入力装置

関連情報

・試作可能

15:30~16:00 製造技術
10)  同一空間を分煙化する換気システム
発表資料

神奈川工科大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 准教授 岩永 正裕
http://www.mech-kait.net/laboratory/iwanaga/cat160.html

新技術の概要

レストランや喫茶店などで、一壁面全体から均一な風(0.2m/s程度)を給気し、反対側の壁の上端、下端のスリットから排気して、喫煙席を排気側に設定することにより、吸気側の非喫煙席に煙害が及ばないようにする換気システム。

従来技術・競合技術との比較

従来の喫煙室と非喫煙室を仕切りで分離する方法や喫煙席に特設した排気システムを設置する方法と異なり、本技術は喫煙席の数を自在に変更することができること、また間仕切りが不要などの特色がある。

新技術の特徴

・流体力学の「縮小流路では剥離など逆流現象が発生しにくい」ことを利用した換気システム
・排気と給気の熱交換機能をもつ空調機を室外に設置して、エネルギーロスを小さくする
・列車や航空機の客室など、座席が密集したケースにも、時間的に変化する脈動流を利用することにより対応できる

想定される用途

・喫茶店やレストランにおける換気システム
・会議室などにおける換気システム
・列車や航空機の客室の換気システム

16:00~16:30 環境
11)  アンモニアを燃料とし、二酸化炭素を排出しない水素生成装置
発表資料

工学院大学 グローバルエンジニアリング学部 機械創造工学科 学部長 雑賀 高
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwa1027/

新技術の概要

本装置により、液体アンモニアを分解し、水素を燃料電池に供給することができる。その際に、有毒である微量のアンモニア濃度を十分低減させて供給することができる。また、内燃機関などへの水素供給も可能である。

従来技術・競合技術との比較

水素は気体であるので、貯蔵や輸送が難しい。通常、燃料としては考えられていないアンモニアをエネルギー源として、使用する際に水素に変換して供給できる。本装置はアンモニアの気化熱が大きく、水への溶解度が高いなどの特質を有効に活用している。

新技術の特徴

・窒素と水のみを排出し、他の有害物質を一切排出しないので、環境負荷が小さい
・高圧水素タンクに比べ燃料タンクの小型化が可能である
・貴金属触媒の他にニッケル/アルミナなどの卑金属系触媒も使用できる

想定される用途

・ポータブル形燃料電池発電機への水素供給
・家庭用コージェネレーションシステムへの水素供給
・車載用燃料電池用への水素供給

16:30~17:00 エネルギー
12)  太陽光発電システムのIV特性スキャン型MPPT制御方式
発表資料

神奈川工科大学 工学部 電機電子情報工学 准教授 板子 一隆
http://www.kait.jp/laboratory/itako.shtml

新技術の概要

MPPT制御には山登り法と呼ばれるアルゴリズムが用いられているが、日射強度の急変時や部分影ができた場合など動作が不安定になる欠点がある。本特許ではそのような条件下でも確実に動作するIV特性スキャン型MPPT制御の発明である。ある間隔でIV特性を極短時間で計測し、最大電力点を検出し、これに追従する動作を繰り返すことによってMPPT制御を実現する方式である。

従来技術・競合技術との比較

この方法は、一般的な山登り法と異なり、原理的に、部分影が生じたり、混成使用して太陽電池電圧に対する出力電力の特性に2つ以上のピークを持つ場合でも最大電力点を確実に捉えることが可能であるという利点を有している。IV特性はインダクターの電流の変化を利用するため極めて短時間(数百μs程度)でスキャンすることが可能である。石柱による部分影の実件では、山登り法と比べて一日の発電電力量を44%増加させることができた。

想定される用途

・系統連系型太陽光発電システムのパワーコンディショナ
・独立型太陽光発電システムのパワーコンディショナ
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