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発表内容詳細

13:20~13:50 機械
1)  新型差動駆動操舵機構を用いた知的全方向移動ビークルの開発
発表資料

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 機械工学系 教授 機械工学系系長 人間・ロボット共生リサーチセンター長 寺嶋 一彦
http://www.syscon.pse.tut.ac.jp/

新技術の概要

平歯車を用いた新型差動駆動機構を提案し、それとオフセット型車輪を組み合わせることで、全方向移動可能な新型ビークルを開発した。この新型ビークルは数cmの段差越え、地面からの振動の吸収、消費エネルギーの半減化を可能とし、従来のビークルの問題点を解決した。

従来技術・競合技術との比較

全方向車輪としては、従来オムニホイール、メカナム機構などが有名であるが、新型差動駆動操舵機構により、それらの欠点を解消し、さらに、消費エネルギーを半減化することができた。また、知的制御を導入することで、パワーアシストだけでなく、熟練度に応じた操作性の向上をもたらすことができた。

新技術の特徴

・差動駆動操舵機構による全方向移動車
・エネルギー低減化
・パワーアシスト・操作性支援

想定される用途

・電動車椅子
・工場内での部品搬送車
・フォークリフトや荷役搬送

関連情報

・見学訪問可能。出張訪問・展示は相談に応じる。
・外国出願特許あり

13:50~14:20 デバイス・装置
2)  金ナノロッドを用いた高効率赤外通信用光検出器
発表資料

豊橋技術科学大学 工学部 電気・電子情報工学系 助教 山口 堅三
http://www.photon.eee.tut.ac.jp/

新技術の概要

本技術は、振動エネルギーの小さい長波長光の検出効率を飛躍的に向上させるものである。これは金ナノロッド表面での光共鳴(プラズモン共鳴)を利用し、ショットキー障壁を超えた光電子量を増加させる。このため、フォトダイオードを始め、各種検出素子への高効率検出を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

赤外線など波長の長い光は、持っている振動エネルギーが小さい。このため、ショットキー障壁型のフォトダイオードの光検出性能が悪く、1.3-1.5μm帯の光通信システム用光検出器として用いることが困難であった。

新技術の特徴

・近赤・赤外高感度イメージング装置(防犯、監視、誘導、医療、工業計測等としての赤外線撮像素子など)
・近赤外線吸収材料としての医療への応用(皮膚癌・虫歯等医療など)
・近赤・赤外光を利用した異物検出(空港・港湾ゲートでの秘匿危険物検知、構造物の非破壊検査など)

想定される用途

・光通信システム用光検出器
・赤外線検出用光センサ
・高感度光センサ

15:00~15:30 情報
3)  超高速音声検索
発表資料

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 国際交流センター/情報・知能工学系 桂田 浩一
http://www.mmi.cs.tut.ac.jp/~katurada/index.html

新技術の概要

キーワードを適切に分割し、その出現を効率よく反復して探索する新技術を実現し、数万時間~数十万時間の大規模音声データベースから指定されたキーワードの発話区間を 1秒未満で検出できる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術と比較して、数十倍高速である。またコンパクトなデータ構造を利用しているため、メモリの使用量も少ない。一万時間規模の音声データベースからの検索であれば一般的なパソコンで実行できる。

新技術の特徴

・数万時間を超える大規模な音声データを瞬時に処理できる検索速度
・パソコンや組み込み機器でも音声検索を実用的な速度で実現できる少ないメモリ消費量
・ばらつきや多様な表現を含んでいる音声データでも高い検索率を実現
・検索結果に応じて提示される正確な音声(発話)区間

想定される用途

・Webからお気に入りの動画像、音声や楽曲などを瞬時に見つけるツール
・テレビ局やラジオ局が保有する映像(音声トラック)や番組アーカイブの編集作業
・コールセンター等で想定される過去の問合せから事例を瞬時に引用する顧客応対業務

関連情報

・1か月程度を要するが、検索ソフトウェアのバイナリファイルを提供可能。
・外国出願特許あり

15:30~16:00 製造技術
4)  大気圧マイクロ波放電を利用した低電力プラズマ溶射法
発表資料

豊橋技術科学大学 工学部 機械工学系 准教授 安井 利明
http://isf.me.tut.ac.jp/

新技術の概要

1kW以下の低電力で溶射が可能な大気圧マイクロ波プラズマ溶射装置の開発です。金属粒子およびセラミック粒子を、CFRPなどの低融点基材へ溶射することが可能です。また、小径プラズマを用いた小スポット溶射が可能であるため、微細領域への選択的成膜も可能です。

従来技術・競合技術との比較

プラズマ溶射法は、高速に厚膜を形成できる優れた方法ですが、溶射粒子や溶射基材への過剰な入熱を防ぎ、溶射粒子組織の著しい変化を防ぐために、低電力化が望まれています。大気圧マイクロ波放電を利用することにより低電力化に成功すると共に、従来は使用できなかった低融点基材の利用を可能としました。

新技術の特徴

・低融点基材への成膜を可能にする1kW以下の低電力溶射
・微細領域への選択的成膜(小スポット溶射)
・オンデマンド成膜

想定される用途

・ガラスやCFRPなど低融点基材への大気圧下での表面機能付与に適用
・基板配線の直接描画
・ナノ組織構造皮膜、バイオ材料皮膜の創製

関連情報

・試作可能

J-STORE掲載特許情報

16:10~16:40 計測
5)  環境磁気ノイズ耐性の高い超高感度SQUID磁気センサ
発表資料

豊橋技術科学大学 工学部 環境・生命工学系 准教授 廿日出 好
http://www.eco.tut.ac.jp/tanakaslab/

新技術の概要

異なる結晶方位を持つSrTiO3基板の結晶粒界上に、特殊な検出コイルを形成する高温超伝導dc-SQUID磁気センサにおいて、そのセンサ上に高温超伝導薄膜を積層して不安定動作の原因となる磁束トラップを抑制し、数μTの磁気ノイズ中でも安定して動作することが可能な高感度磁気センサを実現する。

従来技術・競合技術との比較

高温超伝導SQUID磁気センサは環境磁気ノイズの低減された空間では高い磁場感度を有するが、100nT程度の環境磁気ノイズにより磁束トラップが生じることがある。本技術は、高温超伝導薄膜を特殊構造のSQUID磁気センサに積層することにより磁束トラップを生じるノイズレベルを約一桁向上した。

新技術の特徴

・環境磁気ノイズに対する高い耐性
・高温超伝導薄膜積層による磁束トラップの抑制
・従来よりも扱いやすい超伝導磁気センサ

想定される用途

・環境磁気中での精密磁場測定
・非破壊検査応用
・異物検査応用

関連情報

・外国出願特許あり

16:40~17:10 環境
6)  生分解性プラスチックを用いた生物学的環境浄化処理
発表資料

豊橋技術科学大学 工学部 環境・生命工学系 助教 山田 剛史
http://ens.tut.ac.jp/microbes

新技術の概要

ポリ乳酸は、低炭素・循環型社会を担うプラスチック材料として注目を浴びている。将来的に排出されるポリ乳酸の廃材を想定して、本技術では、ポリ乳酸を利用する新たな環境浄化手法を開発した。特に本技術は、低BOD/N比を示す廃水の低コスト・環境保全型脱窒処理を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

ポリ乳酸は生分解速度が遅いため、廃水中のN化合物を除去する脱窒処理の電子供与体としての利用は不向きとされてきた。本技術は、ポリ乳酸の物性を人為的に最適化することでポリ乳酸の分解性を制御し脱窒処理技術への利用を可能とした。

新技術の特徴

・生物学的に耕地から過剰な施肥等によって蓄積された硝酸態窒素を除去できる
・生物学的に汚染土壌から有機塩素化合物を除去できる
・生物学的に廃水中から窒素化合物を除去できる

想定される用途

・下水・排水処理における効率的脱窒処理システム
・地下水内の硝酸除去システム
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