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発表内容詳細

10:20~10:50 アグリ・バイオ
1)  金含有物への糖鎖の導入法
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 技術職員 小山 哲夫
http://md.fms.saitama-u.ac.jp/

新技術の概要

機能性糖鎖誘導体末端に結合させたチオアセチル基を脱保護させることによりチオラートアニオンを発生させ、金ナノ微粒子と結合させた。この簡便な方法により、糖鎖が表面に集積化された水溶性の金ナノ粒子の合成に成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来の合成法では金微粒子の合成と糖鎖の導入を同時に行うことになり、糖鎖構造によっては中心となる金ナノ粒子の直径が小さくなるために、本来想定した微粒子の径や分散度を制御することが難しくなっていた。それに比べ、今回の発明では予め所定の状態で合成した金微粒子に後から糖鎖を導入できるため、この問題点とは無縁である。

新技術の特徴

・所定の大きさの金ナノ微粒子に糖鎖を簡単に導入することができる
・色々な糖鎖を簡単に導入できる
・糖鎖以外にも適用可能である

想定される用途

・糖鎖を認識するウィルスなどを補足できる
・糖鎖を認識するタンパク質の精製に利用できる
・糖鎖を利用した診断薬に利用できる

関連情報

・現在のところ、単純な糖鎖を導入したサンプルの提供が可能。

10:50~11:20 アグリ・バイオ
2)  イネ雑種弱勢原因遺伝子を利用した形質転換遺伝子拡散防止技術
発表資料

茨城大学 農学部 生物生産科学科 准教授 久保山 勉

新技術の概要

2つの正常なイネの品種が交雑して得られた雑種第一代が生育しない雑種弱勢と呼ばれる現象の原因遺伝子を用いて、遺伝子組換えイネの遺伝子が圃場生態系へ拡散することを防ぐ方法。

従来技術・競合技術との比較

イネが本来持っているイネ自身の遺伝子を用いるため、消費者に受け入れられやすい。特別な薬剤を必要としない。

新技術の特徴

・2つの遺伝子の特定の対立遺伝子(Hwc1-1とHwc2-1)を両方とも持ったときに弱勢が生じる
・弱勢では根の成長が著しく阻害される。根の成長点でプログラム細胞死が生じている
・弱勢が生じた個体ではほとんど種子が付かない

想定される用途

・日本の良食味品種の近くで形質転換植物を育てる場合、形質転換遺伝子の拡散防止
・ジーンターゲティング(相同組換えを利用した遺伝子改変法)のためのネガティブ細胞選抜
・赤米などの形質が良食味白米品種へ導入されるのを防ぐ

11:20~11:50 アグリ・バイオ
3)  血球系細胞と小脳神経細胞選択的GFP発現トランスジェニック動物

群馬大学 大学院医学系研究科 脳神経病態制御学講座神経生理学分野 教授 平井 宏和
http://synapse.dept.med.gunma-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

細胞の種類に関わりなく活性をもつと考えられていたMSCVプロモーターが、トランスジェニック動物作成に使用した場合、骨髄細胞と白血球、脳内では小脳プルキンエ細胞に選択的に活性をもつことを発見した。

従来技術・競合技術との比較

CAGプロモーターを用いて、全身の細胞でGFPを発現するトランスジェニックマウスが作成され販売されている。これに対し発現部位が主に血球系と小脳プルキンエ細胞の2つである。

新技術の特徴

・骨髄細胞、末梢白血球選択的な遺伝子発現
・小脳プルキンエ細胞選択的な遺伝子発現
・全ての細胞がGFPでラベルされているわけではないので、GFPを指標として上記細胞だけを簡単に分離できる

想定される用途

・血液幹細胞などの再生医療研究への応用
・他の動物に移植することなく、GFPラベルされた細胞の体内における挙動を観察できる
・血管内皮細胞にもGFP発現がみられるので、血管内皮の研究にも使用できる可能性がある

11:50~12:20 アグリ・バイオ
4)  蛍光タンパク質と遺伝子転写スイッチを利用した有害金属の検出キット
発表資料

宇都宮大学 農学部 生物生産科学科 准教授 前田 勇
http://agri.mine.utsunomiya-u.ac.jp/hpj/deptj/chemj/jmicrobio/microb-eng.html

新技術の概要

遺伝子転写スイッチは特定の塩基配列をもつDNA鎖とそれに結合する転写調節タンパク質から構成されます。本キットは有害金属濃度による、蛍光タンパク質と連結した転写調節タンパク質のDNA鎖への結合量変化を測定します。

従来技術・競合技術との比較

遺伝子の転写量を生きた細胞で定量し有害金属を測定する技術では、測定完了までに数時間以上を要していました。蛍光タンパク質の蛍光を直接的に検出する本技術では培養を必要としないため、操作は30分以内で完了します。

新技術の特徴

・新しい地下水検査や食品検査の方法としての利用が期待されます
・可搬性に優れており、現場でのアッセイに適しています
・簡単な操作で測定結果を得ることができます

想定される用途

・飲料水や地下水の有害金属検査
・食品や食材中の有害金属検査
・環境計測分野における応用

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

13:40~14:10 アグリ・バイオ
5)  シアノバクテリアを用いた芳香族化合物の分解方法
発表資料

茨城大学 工学部 生体分子機能工学科 教授 木村 成伸
http://www.biochem.ibaraki.ac.jp/05_kimura.html

新技術の概要

貧栄養環境下において、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などのビフェニル骨格を持つ芳香族化合物を分解可能なシアノバクテリア株を作製した。シアノバクテリアへの分解酵素系遺伝子の導入方法と分解株の作製技術を提供する。

従来技術・競合技術との比較

バイオレメディエーションなどへの応用がはかられている芳香族化合物分解細菌は貧栄養環境下では分解活性が低い。光合成微生物であるシアノバクテリアを利用する本技術によってこの問題を解決することができる。

新技術の特徴

・ビフェニル類似分解酵素系導入によるベンゼン、トルエンなど芳香族系難分解性化合物の効率的分解
・光合成微生物であるシアノバクテリアの光エネルギー利用能を利用した物質生産
・生体内での電子供給が必要な酸化還元酵素の立体特異性を利用した精密化学合成への応用

想定される用途

・工場跡地など貧栄養性の土壌中に残留するビフェニル化合物の分解除去への応用
・PCB、ダイオキシン等の生物的環境浄化(バイオレメディエーション)への応用
・ビフェニルジオキシゲナーゼの立体特異性を利用した有用化合物の精密化学合成への応用

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

14:10~14:40 創薬
6)  好中球を活性化し関節リウマチ等の治療薬につながるペプチド
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 教授 若松 馨

新技術の概要

本発明は好中球等の免疫細胞刺激機能を有するペプチドおよびその発見法ならびにその利用に関する。本発明のペプチドおよびその受容体・抗体は、免疫細胞が関与する疾患の治療、診断および予防に利用できる。

従来技術・競合技術との比較

内因性機能ペプチドは同定に年単位の時間を要するが、本発明による方法は効率的に同定方法を提供する。また、本発明によるペプチドは(病態を生み出す)免疫細胞を強く阻害する新規な薬物の開発に繋がる。

新技術の特徴

・新規な機能ペプチドの発見
・新規機能ペプチド発見のためのソフトウェア
・従来認識されていなかった新しい恒常性維持メカニズムに基づき、従来とはパラダイムの異なる創薬のアプローチ

想定される用途

・関節リウマチの治療薬
・アレルギーの治療薬
・心筋梗塞などにおける虚血再灌流障害の予防薬

関連情報

・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

14:40~15:10 アグリ・バイオ
7)  蛋白質でできた高性能な蛍光カルシウムセンサー
発表資料

埼玉大学 総合研究機構 脳科学融合研究センター 准教授 大倉 正道
http://www.saitama-u.ac.jp/iron/hP-kenkyo/shinkou/nou.htm

新技術の概要

100nm付近のカルシウム濃度変化を検出可能な、高感度、高反応量の蛍光センサー蛋白質を開発した。センサーの遺伝子を細胞・動物に組み込むことにより、これまで見えなかった微弱な細胞活動が明らかになる。

従来技術・競合技術との比較

カルシウム感受性蛍光色素は細胞特異的、時期特異的に細胞に色素を導入することが困難である。他の蛍光カルシウムセンサー蛋白質は感度が低く、反応量が小さいため、微弱なシグナルの判定が困難である。

新技術の特徴

・遺伝子でコードされており、細胞や動物・植物に組み込むことができる
・細胞特異的、時期特異的な測定が可能となる
・測定直前に細胞に色素を取り込ませる必要がない
・従来のセンサーではシグナルが微弱で観測できない現象を観測できる

想定される用途

・薬剤スクリーニングや薬物試験
・環境モニタリング
・遺伝子治療、移植医療、再生医療
・細胞-マシンインターフェイス

15:30~16:00 アグリ・バイオ
8)  抗体に代るペプチドを用いた分子認識材料(ペプチドアプタマー)の迅速な創製
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授 根本 直人
http://www.fms.saitama-u.ac.jp/lab/nemoto/index.html

新技術の概要

近年、医療診断や環境測定において特定の分子を的確かつ迅速に認識する分子のニーズが高まっています。そこで本説明会では、常温保存やチップ等への固定、加工性などに優れた特徴を有し、抗体の代替として注目されているペプチドアプタマーの迅速な取得法についてご紹介します。

従来技術・競合技術との比較

従来のペプチドアプタマーの試験管内分子進化実験に比べ次のような特徴があります。
1)大幅なコストダウン (約10分の1)
2)スクリーニング時間の短縮 (約3分の1)
3)スクリーニング条件(pH、温度、有機溶媒等)の拡張

新技術の特徴

・ドラッグデリバリー(DDS)における標的分子認識ための分子として
・無機物との複合材料(特に糊の役目をする)分子として
・汚染物質除去

想定される用途

・プロテインチップ・ペプチドチップ
・センサー素子
・ELISA等の検査試薬

関連情報

・サンプルの提供可能

16:00~16:30 医療・福祉
9)  亜鉛はインターフェロンα・βの抗ウィルス作用を増強する
発表資料

群馬大学 大学院保健学研究科 保健学専攻 教授 長嶺 竹明
http://www.med.gunma-u.ac.jp/undergrad/health/index.html

新技術の概要

U937細胞に塩化亜鉛(50-200μM)を投与するとインターフェロンα/β蛋白は軽度増加し、mRNAは約30%増加した。亜鉛錯体は塩化亜鉛に比べ明らかなインターフェロンα/β受容体の誘導作用を認めた。

従来技術・競合技術との比較

亜鉛によるインターフェロンα/β受容体の誘導に関する先行文献はなし

新技術の特徴

・塩化亜鉛によるインターフェロンα/β受容体の誘導
・亜鉛錯体によるインターフェロンα/β受容蛋白の誘導増強効果
・亜鉛錯体によるインターフェロンα/β受容体mRNAの誘導増強効果

想定される用途

・感冒症候群における亜鉛および亜鉛錯体の症状改善
・インタ-フェロンα・β製剤と亜鉛および亜鉛錯体の併用による抗ウイルス効果の増強
・インタ-フェロンα製剤と亜鉛および亜鉛錯体の併用による慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、肝細胞癌に対する抗腫瘍効果の増強

J-STORE掲載特許情報

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