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発表内容詳細

10:20~10:50 材料
1)  有機太陽電池用新しい有機溶媒可溶性フタロシアニンの製造
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 物質科学部門 准教授 石丸 雄大
http://www.fms.saitama-u.ac.jp/lab/ishimaru/

新技術の概要

金属フタロシアニンは、有機薄膜太陽電池用ドナー分子として極めて有力な分子である。有機溶媒に可溶化する本技術により、スピンコート法等による成膜法に利用可能な新しい金属フタロシアニンの製造法を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の金属フタロシアニン薄膜は、蒸着法で作成していたために、真空系が必要でありコスト削減等難しいのが現実である。有機溶媒に可溶となったことで、インクジェットやスピンコート等に利用可能。

新技術の特徴

・有機溶媒可溶
・金属ならびに金属フリーフタロシアニン
・近赤外吸収色素

想定される用途

・有機太陽電池用ドナー
・レザー書き込み型コンパクトディスク用色素
・インクジェットプリンター用色素

関連情報

・サンプルの提供可能

10:50~11:20 材料
2)  D-UV LEDを利用した差分吸光方式水銀フリーオゾン計の開発
発表資料

茨城大学 理学部 理学科地球環境科学コース 教授 北 和之

新技術の概要

現在、高出力化・発光波長域の拡大などLEDの発達は目覚ましく、LEDを利用して安価で高性能な大気環境計測機器の開発を試みています。今回は、Deep-UV LEDを光源とすることで水銀ランプを用いない、差分吸光法に基づく連続的にオゾン計測が可能な装置を開発しましたので、ご紹介します。

従来技術・競合技術との比較

従来の紫外吸光方式オゾン計では、水銀ランプを光源として用いるため、環境計測装置でありながら、環境に有害な水銀廃棄物が発生する問題がありました。今回LEDを光源にすることでこの問題を解決し、さらに差分吸光法により頻繁にゼロ較正を行わない、ほぼ連続測定が可能になりました。

新技術の特徴

・水銀ランプを光源に用いない、水銀フリーの高精度オゾン測定装置
・LED採用で消費電力低減
・差分吸光法により連続・高時間分解能測定が可能に、また消耗品コストも低減

想定される用途

・大気環境監視、オゾン劣化試験でのオゾン濃度監視
・空気清浄器の開発、複写機・LBP・大型電源機器・半導体製造装置の開発
・オゾンを利用した超純水精製装置、洗浄装置の監視制御、 上下水処理場の高度化処理施設、 CVC装置用オゾンの濃度監視

11:20~11:50 材料
3)  ケイ素置換基を導入した光癌治療薬の開発
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 応用化学・生物化学専攻 助教 堀内 宏明
http://www.chem-bio.gunma-u.ac.jp/~okutsu-lab/

新技術の概要

光癌治療法(光線力学療法)に用いる治療薬にケイ素置換基を導入することにより、その活性を著しく向上させることに成功した。この効果は一重項酸素の光増感効率や腫瘍への選択的集積性の向上などに基づいている。

従来技術・競合技術との比較

治療薬に必要な特性は複数あり、別の特性を悪化させることなく、どれかの特性を伸ばすよう分子設計することは一般的に難しい。本発明はケイ素置換基の導入によりデメリット無しで複数の特性を同時に伸ばせる点が重要である。

新技術の特徴

・ケイ素置換基により一重項酸素の光増感効率を高めた
・ケイ素置換基により腫瘍への選択的集積性を向上させた
・ケイ素置換基により癌の光治療効果が向上した

想定される用途

・癌の光線力学療法に用いる治療薬
・癌の光プローブ
・光触媒

関連情報

・サンプルの提供可能

11:50~12:20 材料
4)  新規オゾン酸化システムによる医薬品原料合成
発表資料

宇都宮大学 工学研究科 物質環境化学専攻 准教授 葭田 真昭

新技術の概要

高純度のオゾンの液化二酸化炭素溶液を用いた細管中の連続オゾン酸化反応システムにより、リスクの高い過酸化物の生成を抑え、医薬品原料を安全に製造する新技術。

従来技術・競合技術との比較

従来のオゾン酸化は、酸素を多量に含む低純度(数%)のオゾンを有機溶媒の溶液中に吹き込む回分反応で、ラジカルが発生しやすい反応系があったが、本技術はラジカル生成を抑制した安全な製造技術。

新技術の特徴

・オレフィンの二重結合を選択的に安全に酸化開裂する
・オゾニドの分解工程に酸化剤や還元剤を使わず熱分解が可能
・過酸化物を含む危険な廃溶媒が出ない

想定される用途

・光学活性な医薬品原料合成
・ポリマー原料のジカルボン酸合成
・特殊界面活性剤合成

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

13:35~14:05 材料
5)  高溶解性とホール輸送能を備えたトリアルキルシリル基を持つ液晶性ピレン誘導体の開発
発表資料

埼玉大学 総合研究機構 科学分析支援センター 講師 安武 幹雄

新技術の概要

比較的小さなπ共役骨格を有するピレンをコア部位に用いたトリアルキルシリル基を有するピレン誘導体からなる液晶性化合物を合成し、その電荷移動特性について調べた。また、この液晶性化合物は、有機溶媒に対して高い溶解性を示し、液晶性半導体材料であった。さらに、この液晶性化合物は、カラムナー液晶相を発現し、10-2 [cm2V-1s-1]オーダーの電荷(正孔)輸送能を示すものである。

従来技術・競合技術との比較

粒界による電荷移動度の低下を気にする必要が無い広いπ共役を持つ液晶材料が注目されている。液晶性の半導体化合物の多くは、広いπ共役を分子中心に持たせたため、液晶温度が高温であり、溶媒等の溶解度も悪く、スピンコーティング等による製膜がしにくい欠点を持っている。最近、中程度のπ共役を持つ液晶性ピレン誘導体が開発されている。しかし、その液晶温度範囲は狭く(73-87℃)、液晶温度範囲における電荷移動度も10-3[cm2V-1s-1]オーダーにとどまっている。

新技術の特徴

・有機EL等の正孔輸送層
・電界効果型トランジスタ
・発光素子

14:05~14:35 材料
6)  マイクロカプセルを用いたバイオディーゼル燃料の製造方法
発表資料

宇都宮大学 オプティクス教育研究センター 特任研究員 倉山 文男
http://www.chem.utsunomiya-u.ac.jp/lab/funtai/

新技術の概要

植物油とメタノールを原料としたバイオディーゼル燃料の製造に用いる固体触媒(酸化カルシウムなど)の反応にカプセルの微小空間を利用する方法を開発した。カプセルを利用すると、課題である触媒溶出を抑制でき、かつ反応時間を大幅に短縮できる。

従来技術・競合技術との比較

固体触媒粉末を用いた従来法では、活性が低い点や触媒成分の溶出が問題である。また、触媒の分離プロセスを考慮すると、成型や担体への固定化が必要となる。本技術では、固体触媒が活性化し、かつ溶出を抑制できる。また分離回収が容易となる。

新技術の特徴

・合成して得られた物質の精製が従来より簡単
・触媒(カプセル)の分離回収が容易
・課題となっている固体触媒の溶出抑制が可能 ・触媒の活性処理が不要

想定される用途

・食用廃油を利用したバイオディーゼル燃料の製造産業
・グリセリンを利用した産業

関連情報

・サンプルの提供可能

J-STORE掲載特許情報

14:35~15:05 デバイス・装置
7)  レーザーによる球状物体の直径測定方法とその測定装置
発表資料

茨城大学 工学部 メディア通信工学科 教授 辻 龍介

新技術の概要

レーザーを球状物体に照射すると、影の中心部分に明るい部分が出来る。その位置は球状物体の中心からレーザーの進行方向に直線を延ばした線上にある。明るい部分の位置を測る事で球状物体の直径を求める事が出来る。

従来技術・競合技術との比較

従来は台上に球状物体を設置し機械的に接触させて直径を測っていたが、設置までに時間がかかる事、測定に時間がかかる事、接触なので摩耗が生じることが欠点である。本方法は光学的手法であるので、高精度で高速な計測が可能で摩耗も無い。

新技術の特徴

・球状部品の直径測定を高速で行う事ができる
・球状部品の直径測定を非接触で行う事ができる
・球状部品の直径計測を高精度で行う事ができる

想定される用途

・ベアリング用鋼球等、金属球体製品の直径の全数検査、品質管理
・ボールレンズ等、非金属球体製品の直径の全数検査、品質検査
・球状部品の直径の全数検査、品質管理

15:20~15:50 製造技術
8)  ランドマークを不要とした環境磁場に基づく自律ナビゲーション法
発表資料

宇都宮大学 工学研究科 機械知能工学専攻 教授 尾崎 功一
http://www.ir.ics.utsunomiya-u.ac.jp/ozaki/

新技術の概要

構造物には地磁気を乱すような磁気を発しているため、電子コンパスは自律走行法に不適切とされている。この乱れた磁場変化を地図とすることによって、ランドマークを不要としながらも、自律移動体に効果的な走行法を実現した。

従来技術・競合技術との比較

実用的には磁気マーカーを設置したトレース走行が一般的である。マーカーを設置しないでそのままの環境で自律走行するには実用的な方法は完成していない。現在有力な方法としては、レーザ測域センサを利用した地図照合法が挙げられる。

新技術の特徴

・容量的・処理的に低コストな自律走行が可能
・内界センサであること(センサを外部に出す必要がないこと)
・安定した自律走行

想定される用途

・車椅子のコントローラ
・移動ロボット、無人搬送車、パーソナルモビリティ
・公共空間での親和性のある自律移動体

15:50~16:20 製造技術
9)  表面改質法を用いた非鉄金属材料の低温接合技術
発表資料

群馬大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻 助教 小山 真司
http://www.me.gunma-u.ac.jp/zai2/koyama/HTML/index.html

新技術の概要

固相接合は材料を溶かすことなく接合する方法で、ひずみが少なく精密な接合に適する。しかしながら接合面には酸化皮膜があり接合を阻害する。本技術は環境調和型の酸により皮膜除去し、低温接合化を図っている。

従来技術・競合技術との比較

アーク溶接や抵抗溶接など、従来の接合法には無い特徴を有しており、製品の軽薄短小化・精密化、構造の複雑化など、製品製造における自由度を拡大させるとともに、高付加価値化に適する接合要素技術である。

新技術の特徴

・低荷重接合であるため、機械的強度の低い部品(MEMSなど)の接合が可能
・低温接合であるため、耐熱性の低い部品(樹脂製光学部品など)の接合が可能
・低温接合であるため、金属間化合物層(脆弱層)の形成抑制が可能で、高い接続信頼性を確保できる
・フラックスレス・はんだレス接合の可能性を有しており、省資源・エネルギー化に貢献

想定される用途

・自動車や航空宇宙機器などの高い接合信頼性を必要とする電子機器
・心臓ペースメーカー、カテーテル、ステントを代表とする医療用デバイス
・アルミニウムと銅の接合などの放熱機構部品
・その他、非鉄金属材料同士の接合部形成

関連情報

・試作可能

16:20~16:50 製造技術
10)  ナノ結晶微細配線および薄膜における結晶粒径の非破壊評価技術
発表資料

茨城大学 工学部 マテリアル工学科 准教授 稲見 隆

新技術の概要

幅100nm以下のLSI用銅配線では、結晶粒界による特性低下を軽減するために配線後の結晶粒粗大化処理が必要となり、その過程において容易な粒径評価法が必須となる。非破壊かつ容易な結晶粒評価法として、X線回折法を用いた解析法を確立した。

従来技術・競合技術との比較

電子顕微鏡による組織観察、電流密度および抵抗増加量測定などによる従来法では、高度な試料作製技術及び多大な事前データの準備時間を要する。本粒径評価法は非破壊・迅速法で、生産ラインにおけるその場評価の可能性もある。

新技術の特徴

・強力X線源を用いることにより生産ラインでの結晶粒径の現場解析の可能性がある
・X線回折に限らず、中性子回折を用いた粒径評価などにも適用可能な解析法である

想定される用途

・ULSI用微細配線の結晶粒径評価
・電子デバイス用極薄金属膜の粒径評価
・ナノ結晶金属微粒子の粒径評価

関連情報

・予備測定可能

16:50~17:20 製造技術
11)  高精度高速広測定レンジを持つOCT三次元測定方法
発表資料

宇都宮大学 オプティクス教育研究センター コーディネータ 小野 明
http://www.opt.utsunomiya-u.ac.jp/

新技術の概要

OCT法の測定範囲は可干渉距離の数mm程度である。数mmづつ長さが異なる光ファイバを多数本並べ、それらを一本づつ超高速に切り替れば、参照光路長を変化できる。これにより測定範囲は数mm×ファイバー本数となり、数100mmの奥深い三次元形状をμmオーダの高精度で測定できるようになる。

従来技術・競合技術との比較

機械部品等の三次元形状を高精度で測定する方法にはレーザ干渉計やCNC三次元測定器がある。しかし、前者は測定範囲が波長の数倍程度と狭く、また、後者は大型装置で操作性に難点があった。本考案では秒オーダの短時間で数100mmの奥行きの物体の形状をμmオーダの高精度で測定できる。

新技術の特徴

・秒オーダの短時間で数100mmの奥行きの物体の形状をμmオーダの高精度で測定できる
・可搬でき小型で安価で操作性に優れている
・光による非接触測定であり、被測定物に傷をつけない

想定される用途

・精密機械部品の三次元測定
・彫刻等美術品のインサイチュー三次元計測
・人体の三次元計測等の医療関係用途

J-STORE掲載特許情報

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