発表内容詳細

11:00~11:30 創薬
1)  糖鎖抗原に対する抗体産生を抑制する新薬の開発~自己免疫性疾患や血液型不適合移植への応用~
発表資料

広島大学 大学院医歯薬学総合研究科 先進医療開発科学講座 外科学 教授 大段 秀樹
http://home.hiroshima-u.ac.jp/~home2ge/

新技術の概要

近年自然免疫と獲得免疫を繋ぐ重要な細胞として注目されるNKT細胞は多型性のないT細胞レセプターを持ち、抗原提示細胞上のCD1d分子を認識する。我々は糖鎖抗原認識B細胞の抗体産生機構にNKT細胞の関与を見いだし、抗CD1d抗体による特異的な制御の可能性を示す。

従来技術・競合技術との比較

現在、血液型抗原認識B細胞を抑制するには一度全てのB細胞を除去しなければならず、それゆえに過剰免疫抑制状態に陥り重症感染症の増加をみている。血液型不適合移植をより安全な治療法とするためには、より特異的減感作療法を必要とし、今回の抗CD1d抗体は特異的な制御の可能性を示す薬剤となり得る。

新技術の特徴

・リポソーム薬剤の安定化
・癌細胞表出糖鎖抗原を利用した新たな腫瘍マーカーの発明
・癌細胞表出糖鎖抗原を利用した抗がん剤の発明

想定される用途

・血液型不適合移植における新たな免疫抑制剤
・自己免疫性疾患を制御する新たな薬剤
・糖鎖抗原に対するアレルギー反応を制御する新たな薬剤

関連情報

・外国出願特許あり

11:30~12:00 医療・福祉
2)  表面プラズモン共鳴法を利用した生細胞屈折率可視化技術の開発
発表資料

広島大学 大学院医歯薬学総合研究科 創生医科学専攻 助教 柳瀬 雄輝
http://hiroshima-dermatology.jp/

新技術の概要

本技術では、従来の表面プラズモン共鳴(SPR)光学系に対物レンズ・CMOSカメラを組み合わせて、センサ表面上の屈折率分布を二次元的に観察することで、1細胞毎の刺激応答(屈折率変化)を可視化することに成功した。

従来技術・競合技術との比較

本技術により、従来技術では不可能であった、1細胞レベルの屈折率分布を可視化できるため、微量サンプルを使った生細胞刺激応答の解析、正常細胞中の異常細胞応答の検出や様々な刺激に対する細胞応答を同時に解析することが可能となった。

新技術の特徴

・一細胞屈折率の可視化
・マルチチャンネル細胞応答解析
・サンプルの微量化

想定される用途

・アレルギー診断
・細胞機能解析
・腫瘍診断

関連情報

・外国出願特許あり

13:05~13:35 アグリ・バイオ
3)  安定な亜リン酸デヒドロゲナーゼによるNADH再生技術
発表資料

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授 黒田 章夫
http://home.hiroshima-u.ac.jp/akbio/index.html

新技術の概要

亜リン酸デヒドロゲナーゼは、産業界で広範に利用されている脱水素酵素に必須の補酵素であるNADHやNADPHを効率的に生産する。優れた熱安定性を有する新規亜リン酸デヒドロゲナーゼを大腸菌内で効率よく生産する技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

亜リン酸は+3価のリン酸で、亜リン酸デヒドロゲナーゼにより+5価のリン酸に酸化される。その際、NADやNADPが還元される。亜リン酸は、これまで用いられてきたNADHやNADPH再生系の中で、最も安価で安全な材料である。発見した新規亜リン酸デヒドロゲナーゼは従来品に比べ、効率的な生産が可能で、かつ熱安定性が高い。

新技術の特徴

・水溶解性が高くかつ耐熱性の高い亜リン酸デヒドロゲナーゼを大量生産できる。
・各種阻害物質による影響の少ない亜リン酸デヒドロゲナーゼによるNADH/NADPH再生系ができる。
・従来の亜リン酸デヒドロゲナーゼよりも反応効率が高い亜リン酸デヒドロゲナーゼを大量生産できる。

想定される用途

・医薬品製造
・工業用薬品製造
・加工食品・食品添加物製造

13:35~14:05 創薬
4)  むし歯菌・歯周病菌・カンジダに効くL8020乳酸菌とそのバクテリオシンの利用
発表資料

広島大学 大学院医歯薬学総合研究科 口腔健康科学 教授 二川 浩樹
http://www.campusmedico.jp/

新技術の概要

13名の協力者の口腔から42菌株の乳酸菌を分離し、歯周病・むし歯そしてカンジダ菌に対して殺菌効果を持つ乳酸菌を単離、同定した。L. rhamunosusに分類された菌にL8020と名付け、培養上清中に豊富に抗菌物質を産生する条件を見出した。また、L8020由来のバクテリオシンについても特定した。

従来技術・競合技術との比較

本技術は、凍結乾燥と打錠の技術があれば製品化可能である。他にも歯周病菌を抑制するLS1や同様の効果を持つロイテリ菌などが製品化されている。本技術の有意性は、他の菌に比べて、スペクトルが広い点とバクテリオシンを特定できている点である。特に後者は、特保の申請には不可欠である。

新技術の特徴

・歯周病菌・むし歯菌を抑制
・内毒素の不活性化
・カンジダ菌の抑制

想定される用途

・歯磨剤
・タブレット
・膣カンジダ症の予防

関連情報

・サンプルの提供(要相談)、展示品あり
・外国出願特許あり

14:05~14:35 創薬
5)  時計遺伝子DEC1は生活習慣病治療の有望な分子標的である
発表資料

広島大学 大学院医歯薬学総合研究科 生化学 教授 加藤 幸夫

新技術の概要

DEC1ノックアウトマウスは、アデイポネクチン産生異常を含む脂質代謝異常およびExtreme dipper type の血圧異常を示したので、疾患モデルとして有望である。またDEC1による異常を仲介するそれぞれの分子も同定した。DEC1とこれらの分子との相互作用は治療薬開発に役立つ。

従来技術・競合技術との比較

PPAR-gammaは、糖尿病や高血圧の重要な分子標的である。DEC1はPPAR-gammaと結合して其の作用を制禦するので新たな分子標的として有望である。またこれまで、時計遺伝子と生活習慣病との関係に着目した新薬開発はなかった。

新技術の特徴

・DEC1は、睡眠不足、交代勤務、夜勤による生活習慣病の発症に関与する。
・新しい生活習慣病の疾患モデルである。
・強心配糖体と共通した機構で血圧を制禦するので、新たな心不全、不整脈治療薬としても有望である。

想定される用途

・脂質代謝異常治療薬の開発のための疾患動物モデル
・高血圧治療薬の開発のための疾患動物モデル
・心不全、不整脈治療薬開発のための疾患動物モデル

関連情報

・外国出願特許あり

14:55~15:25 創薬
6)  むし歯治療の新技術-アメロゲニンを用いたエナメル質再生-
発表資料

広島大学 大学病院 口腔健康発育歯科矯正歯科 講師 谷本 幸太郎
http://home.hiroshima-u.ac.jp/orthod/clinic-hp.html

新技術の概要

本法は、生体でエナメル質を形成する蛋白であるアメロゲニンを用い、エナメル質の再生修復を行うものである。エナメル質再生液を損傷したエナメル質に塗布することにより、歯の主成分であるハイドロキシアパタイト結晶が再生する。

従来技術・競合技術との比較

カルシウムやリン酸イオンを供給することによりエナメル質再生効果を狙った食品や歯磨剤の効果は、唾液性状などに左右されやすい。本技術では、アメロゲニンの効果により、口腔内環境に影響されることなく確実にエナメル質再生を誘導する。

新技術の特徴

・一般的な再生治療と異なり、人体へのリスクの高い細胞を使用しないため、低コストで実現性が高い。
・塗布するだけなので、治療が簡便である。
・歯を元通りに再生するため、大きなむし歯への移行を効果的に阻止でき、審美性も高い。

想定される用途

・むし歯の治療
・むし歯の進行予防
・歯の審美性向上

15:25~15:55 アグリ・バイオ
7)  青枯病ワクチンの開発とその有効利用法
発表資料

広島大学 大学院先端物質科学研究科 分子生命機能科学専攻 教授 山田 隆
http://home.hiroshima-u.ac.jp/mbiotech/ichikou/itikouindex.html

新技術の概要

RSMファージを感染させた青枯病菌(非病原化)をトマト等の植物に接種しておくと、その後に病原性青枯病菌を接種しても、強い抵抗性を示し高い予防効果を発揮する。主要農作物、ならびに各種園芸作物の苗に適用でき、移植後の青枯病の発症を大幅に予防することができる。

従来技術・競合技術との比較

(1)臭化メチルやクロロピクリンのような化学農薬(燻蒸剤)に比べ、環境負荷、生態系への影響、動植物への毒性が全くない。(2)任意の青枯病菌(レースに関係なく)を非病原化でき幅広い農作物予防ワクチンとして利用できる。(3)ファージ生産は安価であり処理プロセスは簡単である。

新技術の特徴

・自然界の天敵を用いるため、環境負荷、生態系への影響、動植物への毒性が皆無
・幅広い農作物予防ワクチンとして利用可
・安価、操作容易

想定される用途

・農作物、園芸植物等苗の病害予防剤
・農作物、園芸植物の病害予防技術
・科学研究用病原菌の非病原化技術

15:55~16:25 医療・福祉
8)  DNAメチル化を用いた精神疾患の診断法の開発
発表資料

広島大学 大学院医歯薬学総合研究科 精神神経医科学 准教授 森信 繁
http://home.hiroshima-u.ac.jp/seisin/

新技術の概要

大うつ病や統合失調症の病態機序への密接な関与が報告されている、脳由来神経栄養因子のエクソンIのプロモーター上のシトシンのメチル化プロフィールを解析した結果、大うつ病・統合失調症・健康対照者の3群が全く重なりなく分類することが出来た。

従来技術・競合技術との比較

これまでに報告された精神障害診断のためにバイオマーカーは、健康対照者と一つの精神疾患との分類にはある程度有効(検査値に重なりはある)だが、複数の障害との間の分類には無効であった。またDNAメチル化を用いた精神障害のバイオーマーカーの開発は、本研究が初めての報告である。

新技術の特徴

・精神障害の客観的診断法
・ある遺伝子の多数のメチル化の同時解析
・ある遺伝子の多人数のメチル化の同時解析

想定される用途

・精神疾患の診断のためのDNAメチル化キットの作製
・精神障害の薬物治療反応予測のためのバイオマーカーの開発
・精神障害発症感受性のバイオマーカーの開発

関連情報

・外国出願特許あり
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