発表内容詳細

10:10~10:40 製造技術
1)  供給方法を改良した高効率連続傾斜シックナーの開発
発表資料

苫小牧工業高等専門学校 物質工学科 教授 平野 博人

新技術の概要

固液分離や油水分離など、懸濁液中に浮遊する懸濁物質を分散媒から分離するために、平行傾斜板流路内へ傾斜高さを利用した多段供給型の供給管を挿入することにより、効率的に分離操作を行う装置。

従来技術・競合技術との比較

装置は単純な構成で、設置が容易で、均一に流入操作ができ、装置サイズを大きくすることなく処理効率を向上させると共に、装置の維持・管理・保守作業が簡便で、従来の装置に比較して安価に提供できる。また、懸濁物質の種類、流量等に応じて複数ユニットで構成することも可能である。

新技術の特徴

・多段供給型傾斜シックナー
・簡易な構成で装置サイズを大きくすることなく傾斜分離装置における処理量を増加させる
・所望の処理量に応じて必要なユニットを配列した構成とすることが可能

想定される用途

・移動型傾斜沈降分離装置
・移動型傾斜油水分離装置
・多段連続傾斜沈降濃縮装置

10:40~11:10 製造技術
2)  スギ間伐材を微粉砕した牛の濃厚飼料の製造方法
発表資料

秋田工業高等専門学校 物質工学科 教授 上松 仁

新技術の概要

省エネルギー型微粉砕機でスギ間伐材を20~50μmまで微粉砕して牛が木材の糖質を消化できるようにした。この微粉末を成型した飼料ペレットは、乳牛の飼育試験でトウモロコシの代替飼料になることを確認した。

従来技術・競合技術との比較

本発明の木質飼料ペレットは、可消化養分総量(TDN)が55%、代謝エネルギーが2.2 Mcal/kgで従来の蒸煮木質飼料と比べてそれぞれ5倍、17倍と高く、一般的なセルロース系飼料の中で最もTDN含量が高い。

新技術の特徴

・機械的にリグニンを分解する
・セルロースを機械的に非晶化して消化できるようにする(糖化率80%以上)
・非加熱であるのでフルフラールが生成しない
・ペレット形状であるので機械給餌ができる
・共通設備で燃料用ペレットが製造できる

想定される用途

・トウモロコシの代替飼料
・乳量増加飼料
・健康増進飼料

関連情報

・展示品あり(木質飼料ペレットのサンプルをお見せします)

11:10~11:40 製造技術
3)  回転翼等の可動部がなく設計自由度が高いガスポンプ
発表資料

有明工業高等専門学校 機械工学科 准教授 坪根 弘明
http://mame.me.ariake-nct.ac.jp/blog/blog.cgi

新技術の概要

コロナ放電によるイオン風を利用して、可動部がなく、小型・薄型等の設計自由度が高い高性能なガスポンプを紹介する。特に、本ガスポンプの特徴的な構成はグラウンド電極を部分的に絶縁被覆することで、非一様電場を発生している点である。

従来技術・競合技術との比較

従来、電子機器の冷却には回転翼式のファンが使用されているが、その騒音や振動、冷却システムの大きさ・重さが問題である。さらに、これまでに研究されている針?円筒型や針?メッシュ型の電気流体ガスポンプは電極の消耗等が問題である。本研究はこれらの課題を解決するものである。

新技術の特徴

・他の電極タイプのガスポンプより安定した放電状態を極めて簡単に維持できる電極形状を使用
・多段型のガスポンプへ発展可能
・多様な流路形状に応えることができる設計自由度の高さ
・可動部がないため、振動・騒音がほとんどない

想定される用途

・一般的なファンによる冷却が必要な電子機器への応用
・メンテナンスが難しい使用場所(例えば、人工衛星や宇宙ステーションの冷却や空調のためのファン)
・1000分の数秒程度の高精度な流れの制御

関連情報

・展示品あり(ガスポンプを展示します)

11:40~12:10 製造技術
4)  傾斜プラネタリ加工による高効率なCFRP穴あけ技術の開発
発表資料

長岡技術科学大学 工学部 機械系 助教 田中 秀岳
http://orion.nagaokaut.ac.jp

新技術の概要

難削材である複合材料のCFRPを航空機産業以外の産業でも普及させるには、加工に伴うバリ、剥離、工具摩耗などの課題を克服しなければならない。CFRPの効率的な穴あけ加工が可能な実用装置を開発し、複合材料を扱う産業界(自動車産業や民生品)へ向けて供給することを目標としている。

従来技術・競合技術との比較

CFRPの穴あけ加工原理は公知のものであり、競合技術に特許性はない。また、本技術は、自転軸を傾斜させる機構を有しているため、既存のオービタル加工装置よりも加工の自由度が高い。加えて、基礎実験の結果、競合技術よりもバリや剥離の発生を抑えられることも判明している。

新技術の特徴

・CFRP以外の複合材料の穴あけ加工
・内径研削への応用
・コンクリートやセラミクス材料の穴あけ加工への応用

想定される用途

・航空機産業でのCFRPおよびアルミ合金の穴あけ加工
・CFRPや複合材料を用いた一般工業製品の穴あけ加工
・将来的にCFRPが自動車の構造部材として使用されたときの加工法

13:30~14:00 製造技術
5)  ガラス結晶化プロセスによる二次電池用正極活物質の合成
発表資料

長岡技術科学大学 工学部 物質・材料系 助教 本間 剛
http://mst.nagaokaut.ac.jp/amorph

新技術の概要

リチウムイオン二次電池の正極活物質として、近年、リン酸系オリビン結晶を主とするポリアニオン系化合物が提案されている。構造中に典型元素酸化物多面体が導入されるため構造安定性に優れ、鉄等の安価な遷移金属を利用出来るが、伝導性が乏しく製造プロセスが煩雑であるという課題を有する。本発明ではガラス結晶化法に基づいたポリアニオン系正極活物質の合成技術である。

従来技術・競合技術との比較

ポリアニオン系正極活物質の代表例であるリン酸鉄リチウムの合成については、固相反応、水熱法など報告されている。リン酸鉄リチウムは伝導性に乏しいため炭素被覆や鉄価数の制御など煩雑な合成プロセスを必要とし、多くの課題を有する。ガラス結晶化による合成法では、結晶化の過程で価数制御、炭素被覆の同時処理が可能である。

新技術の特徴

・組成分布が均一
・高速充放電に優位とされる非晶質相を含む特異な構造を有する
・準安定な結晶を合成できる

想定される用途

・電気自動車
・家庭用蓄電池
・再生可能エネルギー発電のための蓄電池

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

14:00~14:30 計測
6)  オンサイト計測可能な土壌中の水分量・イオン濃度計測センサ
発表資料

豊橋技術科学大学 テーラーメイド・バトンゾーン教育推進本部 特任助教 二川 雅登
http://www.int.ee.tut.ac.jp/icg/

新技術の概要

電気を通さない土や空気と、電気を通す水とが混在している物体について、単位体積当たりの水の量(水分量)に影響を受けず水の電気の通りやすさ(イオン濃度)が計測できるセンサを開発した。また、イオン濃度に影響を受けず水分量だけを同時に計測することも可能である。

従来技術・競合技術との比較

これまでは、水分量を計測するために主に容量の計測を行っていたが、比誘電率がイオン濃度に影響してしまい、イオン濃度に影響しない水分量の計測ができていなかった。また、数cmとセンササイズが大きく、土壌などに埋め込んで継続的な計測に不向きであった。

新技術の特徴

・イオン濃度の影響を受けない水分量の計測が可能
・水分量の影響を受けないイオン濃度の計測が可能
・ミリオーダーの微小エリアを計測可能
・リアルタイムやオンサイト計測が可能
・動作周波数は1MHz以下で計測可能

想定される用途

・農業分野での苗床の自動計測や自動灌水
・崖くずれの事前予測、モニタリング
・水質調査
・地質調査

関連情報

・展示品あり(センサのサンプルを展示します)

14:30~15:00 計測
7)  食品の鮮度評価に最適な濁度の測定法
発表資料

木更津工業高等専門学校 機械工学科 准教授 小田 功
http://www.kisarazu.ac.jp/gakka/mecha/public_html/lab/meas.html

新技術の概要

本技術は、半透明体の濁度を非破壊で容易に測定するものである。本技術は生鮮魚介類などの食品の鮮度評価に適用することが可能であり、将来的に、手軽な鮮度評価装置が実現できる。

従来技術・競合技術との比較

本技術では、縞パターンの影を測定物に投影したときに現れるコントラストを、光の照射側から撮影することで濁度を測定している。このため光の照射部と画像の撮影部を一体化することができ、可搬性に富む測定装置が実現できる。

新技術の特徴

・非破壊かつ非接触測定である
・外部からの擾乱の影響を受けにくい
・測定対象の形状や大きさに対して柔軟に対応できる

想定される用途

・食品の鮮度評価
・樹脂製品の質感の評価
・肌の透明感の評価

15:00~15:30 計測
8)  スペクトル拡散を利用した低速・長距離無線通信技術
発表資料

東京工業高等専門学校 情報工学科 教授 土居 信数

新技術の概要

通信帯域を小さくすること、すなわち通信速度を低速にすることで、送信電力を増大させることなく長距離通信を可能にする。具体的には、スペクトル拡散通信を利用し、送信機と受信機の周波数ずれを受信機側の信号処理で補償することにより実現する。

従来技術・競合技術との比較

長距離通信は送信電力を大きくすることで対応していた。高出力無線機はその使用に管轄機関の認可が必要である一方、微弱無線は認可不要であるが通信距離が数10mと短く、ともに利用が制限されていた。

新技術の特徴

・送信電力を増大することなく長距離無線通信が可能
・小型軽量化の必要な送信機の構成は単純で、複雑な信号処理はすべて受信機側で対応可能
・受信信号の信号対雑音比(S/N)を向上させる効果があり、長距離通信以外の用途へ応用可能

想定される用途

・広域モニタリング(被災地の放射線量リアルタイムモニタリング等)
・高解像度超音波検査(S/N向上効果)
・高精度超音波位置・速度測定(S/N向上、ドップラー周波数)
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