九州大学 新技術説明会 2012年1月31日(火)
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
 
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材料
中性水溶液に溶解する新規キトサン誘導体とその水溶液から得られる架橋剤フリーのヒドロゲル
A chitosan derivative soluble at neutral pH and gellable in the absence of toxic chemical cross-linking agents
10:50〜11:20
九州大学 大学院工学研究院 化学工学部門 助教 武井 孝行
http://sirius.chem-eng.kyushu-u.ac.jp/
新技術の概要
キトサンにグルコン酸を修飾した新規キトサン誘導体の特徴は、1)中性水溶液に溶解し、2)化学架橋剤等の添加物を使用することなくゲル化することである。また、当該ゲルは傷の治癒促進作用を有している。
従来技術・競合技術との比較
キトサンは酸性溶液にのみ溶解するため、得られるゲルのpHも酸性である。また、ヒドロゲルを作製する際には、有毒な添加物が使用されている。開発したキトサン誘導体を使用することで、中性pHを示し、かつ、架橋剤フリーのキトサンゲルを作製できる。
新技術の特徴
・化学架橋剤等の添加物を使用することなくキトサンゲルの調製が可能
・得られるゲルのpHは生体内と同じ中性
・ゲルの成形が容易
想定される用途
・創傷被覆材
・生体組織癒着防止材
・薬物徐放担体
関連情報
・サンプルの提供可能
・架橋剤フリーかつ中性pHを示すキトサンゲルの展示有り

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2

材料
防汚機能を有する生体適合性複合高分子材料
Biocompatible polymer composites with high antifouling properties
11:20〜11:50
九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授 松野 寿生
http://www.cstf.kyushu-u.ac.jp/~tanaka-lab/cgi-bin/index.html
新技術の概要
水中での安定性に富みかつ分子レベルで平坦なポリ(アクリル酸2-メトキシエチル)(PMEA)表面を異種高分子との複合化および熱処理により作製する技術であり、当該表面は血小板やタンパク質などの血液成分の吸着を抑制することが可能である。
従来技術・競合技術との比較
PMEAはガラス転移温度が室温以下であるため、単独でのコーティング特性が十分ではない。本技術は、PMEAを他の高分子と複合化・熱処理することで、従来のPMEA単独表面と比較して、より高い水中安定性、および同等以上の血液適合性を示す表面を作製できる。
新技術の特徴
・熱処理により、高分子・金属等広範な材料の表面コーティングが可能である
・水道施設(台所、浴槽、貯水槽、水道管など)におけるヌメリ発生を抑制することができる塗装材として応用できる
・水棲生物の付着を抑制する船底塗装材などに応用できる
想定される用途
・抗血栓性付与を目的とする人工心肺装置材料の表面コーティング
・抗血栓性を有する人工血管材料の表面コーティング剤、人工血管のバルク材料
・医療器具・医療施設建材へのコーティングによる院内感染の主要因子であるバイオフィルム形成の抑制
関連情報
・膜試料の試作可能

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3

材料
生理的条件下で作用する高温溶解型高分子 −バイオマテリアルへの応用を目指した感温性高分子の設計−
UCST-type thermoresponsive polymers for biotechnological and biomedical applications
11:50〜12:20
九州大学 先導物質化学研究所 融合材料部門 特任助教 嶋田 直彦
http://www.cm.kyushu-u.ac.jp/wmaruyama/
新技術の概要
バイオマテリアルへの応用を目指して、ウレイド基を有するポリアミノ酸を作成したところ、高温溶解型の挙動を示し、さらに生分解性があることが示された。
従来技術・競合技術との比較
生理的条件下で高温溶解型の挙動を示す高分子は非常に少ない。さらには体温付近に相転移温度を有し、生分解性をもった高分子はない。
新技術の特徴
・生理的条件下における高温溶解性
・生分解性
・転移温度可変
想定される用途
・DDS
・分離剤
・その他バイオマテリアル
関連情報
・サンプルの提供可能

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ライフサイエンス
単分散エマルション製造の飛躍的高速化 −旋回流膜乳化法の開発−
High Performane Mono-dispersed Emulsification -Swirl-Flow Membrane Emulsification-
13:30〜14:00
九州大学 大学院農学研究院 生命機能科学部門 教授 下田 満哉
新技術の概要
膜乳化法は多孔質膜を介して分散相を連続相中に圧入し分散させる技術。円筒膜内での連続相の高速旋回(>20,000rpm)が強力な剪断力を生み、乳化速度を数千倍(従来比)に高速化。数〜数十ミクロンの単分散液滴を製造。
従来技術・競合技術との比較
分散相の膜透過速度15m3/m2h(従来法;0.01m3/m2h)。液滴径の分散は同等。連続、高速、省エネ、安定乳化を実現。10x150mmの多孔質膜により240kg/hの乳化。膜モジュール数の増加により大規模生産に対応。
新技術の特徴
・単分散微小液滴ならびに単分散微粒子の実用的製造
・経時的に安定な単分散乳化物を製造
・高速・高性能マイクロリアクターとして機能
想定される用途
・乳化食品、乳化香料、化粧品、塗料
・ドラッグデリバリ分野
・懸濁重合、ポリマービーズ、ケミカルトナー

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ライフサイエンス
新規機能性ヌクレオシドを用いた遺伝子損傷検出方法
New Functional Nucleoside Analogs for Detection of Damaged Nucleosides
14:00〜14:30
九州大学 大学院薬学研究院 創薬科学部門 教授 佐々木 茂貴
http://bioorg.phar.kyushu-u.ac.jp/
新技術の概要
遺伝子損傷は変異の原因となり癌などの疾患の誘発につながるため、その検出は重要な意義がある。本研究では、独創的な機能性ヌクレオシドを開発し、酸化損傷塩基8−オキソグアノシンおよびアルキル化塩基6-O-メチルグアノシンの特異的な検出技術に展開した。
従来技術・競合技術との比較
損傷塩基は通常、抗体やHPLCなどを用いて分析されている。これらは、遺伝子を分解してその成分を分析するため損傷の配列の決定は容易ではなかった。本技術では遺伝子を分解せずに分析できるため、多数の検体の同時検出法への展開が可能である。
新技術の特徴
・8−オキソグアノシンを簡単かつ選択的に検出できる
・6-O-アルキル化グアノシンを簡単かつ選択的に検出できる
・ゲノム中の損傷塩基の発生位置と発生量を決めるマッピング法
想定される用途
・抗がん剤などに対する細胞応答の測定、新規抗がん剤の新しいアッセイ法
・スポーツなど酸素消費の多い活動をした後の生体の酸化ストレスを簡便に測定する方法
・食品添加物や保存剤などに対する細胞の応答結果を網羅的に調べる方法
・放射線障害によるゲノム損傷を、癌に関連する遺伝子に焦点を絞って簡便かつ正確に決定する評価法として利用可能
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

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ライフサイエンス
任意のRNA配列に結合、切断する蛋白質の設計方法
Production of custom PPR protein that recognizes and cleaves specific RNA sequence
14:40〜15:10
九州大学 高等研究院 次世代研究スーパースター養成プログラム 特別准教授 中村 崇裕
http://bbs1.agr.kyushu-u.ac.jp/SSP/nakamura/
新技術の概要
本技術は意図したRNA配列に選択的かつ特異的に結合可能な蛋白質を提供する。本技術にはPPRモチーフを利用する。本技術はRNA結合性蛋白質の同定、設計、およびRNAの機能制御に有用である。例えば、RNA切断酵素ドメインと融合させることで、意図した配列を認識・切断する蛋白質を調製できる。
従来技術・競合技術との比較
DNAに作用する蛋白質因子として、Znフィンガー、TALE蛋白質が蛋白質工学的に研究・開発されている。近年、RNAの機能が注目され、低分子RNAを媒介した遺伝子発現制御法(RNA干渉)などが盛んに利用されている。しかし、RNAに作用する蛋白質因子は非常に限定されている。
新技術の特徴
・一つのPPRモチーフは1つのRNA塩基に対応する。複数個のPPRモチーフを配することで、任意の配列、長さを有する標的RNAに結合できる
・NまたはC末端側に作用ドメインを融合させることで、結合したRNA配列を制御(切断、編集、など)または可視化することができる
・任意のRNA配列に結合するPPR蛋白質を予測・同定することができる
想定される用途
・RNAを標的とした全ての生物系産業(タンパク質工学、医療、農業、など)
・RNAの機能制御を介した生物(細胞、組織、個体)の機能制御
・有用な形質に関わる天然型PPR蛋白質の予測・同定
関連情報
・外国出願特許あり

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ライフサイエンス
新規キナーゼ基質ペプチドと、それを用いた診断・創薬のための技術
Novel peptides for protein kinase substrate and their application for diagnostics and drug discovery
15:10〜15:40
九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 教授 片山 佳樹
http://www.chem.kyushu-u.ac.jp/~katayama/
新技術の概要
プロテインキナーゼの活性を評価可能な新規ペプチド基質を開発した。これらを利用し、新規ペプチドアレイを開発して、細胞の状態を正確に判断できるキノーム解析、金ナノ粒子の利用や、基質自身の誘導体化を介した迅速アッセイ、基質の高分子への担持を介した疾患細胞特異的遺伝子送達法やin vivoイメージング法など、診断や創薬に有用な新手法を紹介する。
従来技術・競合技術との比較
キノーム解析は、次世代の診断や創薬関連技術として世界的にも注目されているが、独自の基質と手法を同時に開発することが重要である。ペプチドアレイは、すでに商品化もされているが、安定した結果が得られていない。本技術は実際の細胞評価での定量性に優れ、実用化が可能である。また、迅速アッセイ法は、従来方法に比べ、簡便性迅速性において優れ、in vivoイメージング法や、キナーゼ応答型遺伝子送達法は、世界的にも全く例のない新規手法である。
新技術の特徴
・幹細胞の品質管理・分化の評価
・農作物の分析評価、品種改良
・魚介類の分析評価
想定される用途
・創薬におけるスクリーニング、薬効評価
・投薬前診断・予後評価など疾患の診断
・副作用を大きく低減させる遺伝子治療
関連情報
・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

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<連携・ライセンスについて>
九州大学 知的財産本部 技術移転グループ
TEL:092-642-4361  FAX:092-642-4365
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