発表内容詳細

13:20~13:50 創薬
1)  神経変性疾患の病態モデルマウスおよびその作成方法
発表資料

琉球大学 大学院医学研究科 麻酔科学講座 准教授 垣花 学

新技術の概要

全身麻酔下にマウスの前胸部から正中開胸し、大動脈弓部を金属製クリップで5分間遮断し脊髄虚血侵襲を与えたところ、虚血後24時間は運動機能ならびに脊髄組織に異常は認められなかったが、48時間に完全麻痺を来すモデルを開発した。その病態には、カスパーゼ3を介するアポトーシスが関与しており、脊髄神経細胞変性疾患のモデルと類似していることが判明した。

従来技術・競合技術との比較

ウサギの大動脈遮断による遅発性運動障害モデルは存在するが、遺伝子改変可能なマウスを用いた当該モデルは存在しなかった。さらに、その機序としてカスパーゼ3が関与するアポトーシスであることが判明したことから、神経変性疾患モデルとして有用であることが非常に有益であると思われる。

新技術の特徴

・遅発性脊髄障害の動物モデル
・神経変性疾患の動物モデル
・神経細胞アポトーシスモデル

想定される用途

・神経変性疾患治療薬のスクリーニング
・神経変性疾患の病態解明モデル
・アポトーシス治療薬のスクリーニング

13:50~14:20 アグリ・バイオ
2)  ラム酒蒸留粕に存在する美白化粧品料
発表資料

琉球大学 農学部 亜熱帯生物資源科学科 准教授 高良 健作

新技術の概要

サトウキビを原料に蒸留酒であるラム酒が製造される。ラム酒製造の後に蒸留粕が残るが、この粕からカラムクロマトグラフによってチロシナーゼ阻害作用を持つインペラネンを見出した。ヒト由来チロシナーゼに対し1.85mM濃度で50%阻害した。

従来技術・競合技術との比較

チロシナーゼ阻害剤は従来より植物成分や合成物など様々存在するが、サトウキビ関連食品の残渣から分離した阻害剤は存在しない。未利用資源の開発という点からも特徴がある。

新技術の特徴

・サトウキビ糖蜜の食品産業以外への利用
・サトウキビ糖蜜中の機能性成分の探索

想定される用途

・化粧品原料

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14:20~14:50 創薬
3)  植物由来のアルカロイド、ニチジンによるヒト肺腺がん細胞内への特異的蓄積と細胞毒性を利用した薬剤開発
発表資料

琉球大学 熱帯生物圏研究センター 分子生命科学研究施設 遺伝資源応用学分野 助教 岩崎 公典
http://www.tbc.u-ryukyu.ac.jp/ja/lab/staff/article/lab/24-1403/14-iwasaki.html

新技術の概要

植物アルカロイドのニチジンはヒト肺腺がん細胞への高い特異性を示し、増殖性正常細胞への副作用が小さい。従来型の抗腫瘍剤である細胞増殖抑制剤と比較して、高い抗がん効果と低い副作用の両立が可能な新薬が期待できる。また、蛍光を示し、特異的な細胞へ蓄積させることによって病変を検知できるマーカーとしても可能性がある。

従来技術・競合技術との比較

スクリーニング法の改変により、増殖性正常細胞への毒性を最小限に抑えつつ、ヒト肺腺がんのみを特異的に抑制する抗腫瘍物質を見出した。蛍光を示し、細胞内蓄積量に依る細胞毒性を誘導するため、投与前診断が可能な抗腫瘍剤としても期待できる。

新技術の特徴

・ニチジンは民間薬(サルカケミカン)から抽出された成分であり、民間薬処方に準じた場合でもニチジンの摂取が可能である。
・サルカケミカンの処方では日常的に摂取する場合もあり、安全性が確認されている。
・ニチジンは細胞内小器官に特異的に蓄積する。
・ニチジンはヒト肺腺がん細胞に特異的に蓄積する。
・固定した細胞では、細胞内小器官へのニチジン蓄積は認められない。

想定される用途

・抗腫瘍剤(ヒト肺腺がん特異的抗腫瘍剤)
・ヒト肺腺がん細胞の蛍光指示薬
・術後の病理検査におけるヒト肺腺がん転移の検査薬
・健康食品(薬草茶由来成分)
・抗腫瘍剤との併用または補完代替医療

15:10~15:40 創薬
4)  ガンやエイズの免疫抵抗性を高めるヒト樹状細胞の簡易で短期の分化培養方法
発表資料

琉球大学 大学院医学研究科 免疫学講座 教授 田中 勇悦

新技術の概要

ガンの免疫療法で第4の選択肢として注目を浴びている免疫療法は、樹状細胞免疫療法である。この細胞は患者の免疫力を促進するために重要な働きを持つことから、試験管内で大量に調製し、患者に戻すことにより、ガンへの抵抗力を増強できる。本発明は、簡単にしかも短期に患者の樹状細胞を分化させる方法である。ガンやエイズ等の難治性の感染症への応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

現在、臨床でがんの樹状細胞療法で使われている樹状細胞は、患者末梢血液に含まれる単球を精製して、IL-4とGM-CSFと呼ばれるサイトカインを添加して培養されたものである。この方法は世界的に使われている方法であり、約1週間で単球から樹状細胞が分化する。本方法は、未精製単球から2日間で樹状細胞を分化させる方法である。

新技術の特徴

・簡易細胞分化培養
・短期間分化培養
・難治性感染症の新規治療法

想定される用途

・ガンの免疫細胞治療への応用
・エイズの免疫細胞治療への応用
・他の難治性感染症への応用

15:40~16:10 環境
5)  オキナワモズクを原料とする新規海藻多糖凝集剤
発表資料

琉球大学 農学部 亜熱帯生物資源科学科 准教授 小西 照子

新技術の概要

オキナワモズクを原料とする水凝集剤(海藻多糖凝集剤)を開発した。本凝集剤は海藻を丸ごと利用するため、既存の天然凝集剤に比べ低コストで調製可能である。それゆえ安心・安全・低コスト凝集剤である。

従来技術・競合技術との比較

現在主に利用されているPACや硫酸バンドと同等の凝集活性を示す凝集剤である。また、pHに依存しないため濁水のpHを調製する必要がなく、処理水をそのまま放出できる。また、凝集沈殿物は農地などに戻すことが可能であり、その廃棄に制約を受けない。

新技術の特徴

・天然物由来
・二次副産物がない
・低コスト

想定される用途

・浄水工程中の凝集処理
・建築現場での浚渫工事
・凝集沈殿剤としての利用

関連情報

・サンプルの提供可能(MTA契約必要)

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16:10~16:40 エネルギー
6)  新規構造の起動性の良い往復流対応形軸流タービン風車の開発
発表資料

琉球大学 工学部 機械システム工学科 准教授 伊良部 邦夫

新技術の概要

本タービンは、平羽根の前縁に円筒を組付けた構造の軸流タービン風車であり、一方向のみならず、往復流に対して常に同一方向に回転する。したがって波力や風力発電などに、中小形の風車や波力タービンとして利用できる。

従来技術・競合技術との比較

往復流に対して、風向切替弁なしで常に同一方向へ回転するタービンとして、ウエルズタービンが知られているが、それと比較して本タービンは、やや出力が低下するが、起動時間が短く、製作が容易であること、従って製作費が比較的廉価になることが大きな特徴である。中小形の風車や波力タービンとして、地域や離島などの電力源や非常電源などに活用できる。

新技術の特徴

(1)一方向や往復流に対して、風向切替弁なしで常に同一方向へ回転
(2)低回転速域で稼動範囲が広く、高トルクを有する
(3)起動時間が短い
(4)製作が比較的容易である
(5)風洞などに設置することにより、小形化、高回転化が図れる
(6)発電機の駆動動力や低速回転機械の動力源として活用できる

想定される用途

(1)発電機の動力源
(2)工業用や農業用のコンプレッサーなどの動力源
(3)低速回転機械の動力源
(4)各地や離島などの電力源や非常用電源
(5)船舶や車両の光源や動力補助

関連情報

・サンプルの提供について:技術提携を前提として、模型などの試作や貸出に応じる場合がある

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16:40~17:10 機械
7)  改良形ストップホールによる疲労き裂進展の抑制
発表資料

琉球大学 工学部 機械システム工学科 教授 真壁 朝敏

新技術の概要

疲労き裂の進展を抑制する手法にストップホール法がある。それを改良した。き裂先端のストップホールの他に付加孔をストップホールの近傍に加工し、その穴にピンやリベットを打ちこんで、き裂の進展をより効果的に抑制することを狙ったものである。

従来技術・競合技術との比較

従来のストップホール法においては、穴加工によってき裂先端の応力集中を軽減し、疲労き裂の進展を抑制する。本手法では応力集中の軽減と同時に、き裂進展経路への圧縮の残留応力の付与によってき裂進展をより効果的に抑制する。

新技術の特徴

・き裂進展経路への圧縮の残留応力の付与によって進展速度を抑制する
・き裂進展経路が変化させることによって、き裂が進展して欲しくない部分を避けてき裂を進展させる
・き裂の進展抵抗を増加させるために局所塑性加工を施す

想定される用途

・き裂が発生した部分の一時的な補修
・き裂材の強化
・航空機、船等のき裂発生部分への適用

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