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発表内容詳細

10:20~10:50 アグリ・バイオ
1)  開閉を制御可能なタンパク質性ナノカプセルのDDSへの応用
発表資料

神奈川工科大学 応用バイオ学部 応用バイオ科学科 教授 小池 あゆみ
http://web.mac.com/bio_kait/Koike_Lab/Welcome.html

新技術の概要

シャペロニンは、生体内で変性タンパク質が凝集しないようその空洞内に閉じ込め、一定時間後に放出する機能を持つタンパク質である。この、生体適合性、均一サイズ、開閉能力を兼ね備えたカプセル素材としてのシャペロニンをDDSに応用するため、閉じ込めから放出までの時間を改変した人工変異体を作製し、評価した。

従来技術・競合技術との比較

タンパク質製剤における重要な課題は、タンパク質の失活・凝集抑制と徐放であるが、シャペロニン本来の機能を利用することでこの問題を解決できる。また、局所送達のための生体内シグナル配列の付与が遺伝子工学的手法により容易な、優れた機能性DDS素材と考えられる。

新技術の特徴

・タンパク質性のカプセル構造を持つ
・タンパク質や化学物質、半導体粒子など空洞内(直径45Å)に入る大きさのものならば閉じ込めることができる
・人工変異体の作製により比較的容易に放出時間を改変でき、除放あるいは任意放出が可能である

想定される用途

・薬物担体
・生物応答デバイス
・ナノ材料

関連情報

・試作可能

J-STORE掲載特許情報

10:50~11:20 製造技術
2)  高静水圧処理による効率的微細構造洗浄方法
発表資料

創価大学 工学部 環境共生工学科 教授 清水 昭夫

新技術の概要

洗浄液の入った圧力容器内に洗浄対象物を入れて静水圧処理(数千気圧)することにより、微細構造に効率よく洗浄液を浸透させることができると共に減圧時の力で付着した樹脂や無機物を効率よく取り除く事が可能である。

従来技術・競合技術との比較

静水圧処理は高温の洗浄液を加圧(数気圧)して吹きかける方法と異なり、密閉された高圧容器内で行うため洗浄液量の削減や、1度加圧してコックを止めることでエネルギーを供給する必要がなく環境負荷が低減される。

新技術の特徴

・微細構造への洗浄液の効率的浸透
・はぎ取り効果
・閉鎖系洗浄による溶媒の削減および環境負荷の低減

想定される用途

・ナノインプリンティングのモールド洗浄
・半導体ウエハー洗浄
・食品

J-STORE掲載特許情報

11:20~11:50 情報
3)  3Dディスプレイ互換の映像多重化システムと画像隠蔽アルゴリズム
発表資料

神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科 准教授 白井 曉彦
http://www.shirai.la/

新技術の概要

現在の3Dディスプレイと互換の方法で、個々の視聴者に向けて映像を多重表示する技術および、裸眼の視聴者と特定の視聴者に向けて異なる情報を表示することができるディスプレイシステム及びアルゴリズム。

従来技術・競合技術との比較

シャッター方式による多重化は競合特許が混在しているが、本技術は偏光メガネをベースとした技術であり、安価に産業化できる。画面分割と異なり、解像度が減少しない。隠蔽画像技術は特殊なデバイスも不要なアルゴリズム。

新技術の特徴

・既存の3Dディスプレイに互換性があり、既存製品に少ない投資で付加価値を追加できる
・ユーザー側に電気的なデバイスを必要としない
・幅広い種類の3Dディスプレイ方式に利用できるアルゴリズム

想定される用途

・医療用/教育用ディスプレイ
・デジタルサイネージ
・エンタテイメントシステム

関連情報

・試作可能/当日、映像多重化システムのデモンストレーション有り

11:50~12:20 情報
4)  高精度拡張現実感スマートフォン情報提示手法(高精度の世界カメラに近い機能)とその応用
発表資料

首都大学東京 システムデザイン研究科 情報通信システム 教授 山口 亨
http://www.sd.tmu.ac.jp/yamaguchi

新技術の概要

部屋や街角の人を見守るカメラによるジェスチャー認識を用いることで、人がスマートフォンを向けた方向を精度良く得ることが出来る。その結果、直観的でかつ高精度なスマートフォン情報提示が実現できた。

従来技術・競合技術との比較

従来の電子コンパス依存の方向特定でなく、利用者の実際のジェスチャーを見守りカメラで認識するため、GPS精度悪化をカバーできる。このため、利用者と場所や向けた物の特定精度が増し、個別のユーザーモデル依存で、その人の欲するきめ細かい状況に応じた情報提示が可能となる。

新技術の特徴

・きめ細かい情報提示の特徴から高齢者向け「福祉支援IT機器」
・データマイニング用のログの自動収集に活用でき、「ユーザーモデル依存型の各種サービスシステム」
・自動車運転中など、利用者が直接端末を操作できない場合の「ロボット(エージェント)型情報支援機器」

想定される用途

・高齢者宅で高齢者の生活リズム維持による「介護予防システム」への活用
・店舗でユーザの嗜好を自動収集する「マーケティングシステム」への活用
・支援行動ログなど、各種行動ログ自動獲得によるルール発見用の「データマイニングシステム」への活用

13:30~14:00 計測
5)  人為動作と自然現象を識別する、果樹園用防犯システム
発表資料

成蹊大学 理工学部 情報科学科 教授 小口 喜美夫
http://www.ee.seikei.ac.jp/~Info_NW_Lab/index.html

新技術の概要

カメラの死角を気にすることなく、より簡易に盗難動作を監視することができる防犯システムを提供する。果樹の枝に生じる加速度の発生原因が人為動作か自然現象かを判定する機能を備えており、一般の防犯システムに適用可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の防犯システムでは、葉が多い果樹園ではカメラの死角となる箇所が多く存在するため、盗難行為に対して監視のもれが生じてしまう。また、常にカメラを駆動して画像データを取得する必要があり、データ処理が膨大になってしまう。

新技術の特徴

・監視場所に生じる振動、加速度で盗難動作を検出できる
・振動、加速度の発生原因が人為動作か、風など自然現象かを判定する機能を備えている
・自然災害の度合いを、遠隔地から推定できる

想定される用途

・果樹園における果実の防犯システム
・野外にある無人施設の防犯システム
・住居等の防犯システム

14:00~14:30 計測
6)  曲げ方向を検知可能な屈曲ファイバセンサの開発
発表資料

創価大学 工学部 情報システム工学科 助教 時田 大作
http://www.t.soka.ac.jp/6f/

新技術の概要

フェムト秒レーザーにより、通常、通信に用いられる光ファイバケーブルの内部に構造体を作製することで、曲げ量に加えて曲げ方向まで検知可能な屈曲ファイバセンサを開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来の屈曲ファイバセンサは、その構造上、曲げ方向を検知することは不可能であった。本センサは内部に作製する構造体を工夫することにより、曲げ方向を検知することが可能となった。

新技術の特徴

・曲げ方向の検知
・比較的緩やかな曲げに対して感度を持つ
・光強度ベースによる簡便な計測

想定される用途

・地滑りなどの自然災害検知
・建物の構造モニタリング
・光神経センサ

14:30~15:00 計測
7)  超音波高精度距離測定法および動き検知システム(センサネットワーク等への応用)
発表資料

工学院大学 グローバルエンジニアリング学部 機械創造工学科 教授 疋田 光孝
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwa1022/

新技術の概要

高速フーリエ変換(FFT)は、あらゆる物へ容易に応用することが可能になった。従来のように時間波形にFFTを適用するのではなく、複数の周波数の連続超音波を送信し、受信器では対応する周波数の超音波の相対振幅と相対位相を測定する。周波数は逆高速フーリエ変換(IFFT)の各周波数に対応させ、IFFTにより送受信機間のインパルス応答波形を得る。この波形から送受信機間の距離、時間差のある波形から物体の動きを正確に計測する。また、トランスデューサの周波数特性を同時に補正可能なため精度は波長の数分の1が可能である。

従来技術・競合技術との比較

従来の超音波による距離計測法は、送信超音波パルスとしてM系列符合による拡散信号やチャープ拡散信号を用い、受信側では相関器により信号を逆拡散することでパルス圧縮し距離分解能を高めていた。しかし、拡散チップ長は数波長必要なためチップ長以下の精度実現は極めて困難である。本発明は、波長以下の精度実現を可能にするものである。

新技術の特徴

・逆高速フーリエ変換(IFFT)に基付く複数の連続超音波を用いた新しい距離計測法
・IFFTから得られるインパルス応答波形の位相情報から、波長の数分の1の精度で距離を特定
・時間の異なるインパルス応答波形の差波形より、複数の物体の動きを同時に検知

想定される用途

・産業機械等を用いる作業現場で要求される高精度な距離計測システムへの応用
・医療現場や介護住宅におけるヒトの動きなどのセンシングシステムへの応用
・防犯や住環境のモニターを目的としたセンサネットワーク等への導入

15:10~15:40 医療・福祉
8)  リハビリ用車椅子、事務及び作業用移動椅子にも適用可能な転倒防止装置
発表資料

明星大学 情報学部 情報学科 教授 香椎 正治

新技術の概要

何らかの事情で一時的に歩行が困難になった人に対し、脚力が衰えないように運動を補助し、自立を促すために用いるのに好適な、座るだけでなく自由に動ける椅子としての室内移動用自助具、及び、その安全装置。事務及び作業用移動椅子にも適用可能。

従来技術・競合技術との比較

車椅子や、その補助具に関して、使用者のそばまで移動させる時、使用者が座ろうとしている時、使用者が乗って移動しようとしている時、及び、使用者が立ち上がろうとしている時、従来の安全装置は十分ではなかった。車輪や脚の構造上、足を使った移動には不都合があった。

新技術の特徴

・使用者の意図を検知して、安全装置を制御
・制御系のみを電子化することで、コンパクト化、省電力化
・20Ah単一電池で6ケ月稼働、電源低下で安全側にロック

想定される用途

・リハビリ用車椅子の安全装置
・事務及び作業用移動椅子への応用
・シニア用歩行器への応用

関連情報

・当日展示あり:(1)椅子型自助具、(2)歩行器タイプ自助具

15:40~16:10 機械
9)  広く大きな六自由度の可動範囲を持つ平面運動形三脚パラレルメカニズム
発表資料

法政大学 デザイン工学部 システムデザイン学科 教授 田中 豊
http://hams.i.hosei.ac.jp/hams/index.html

新技術の概要

従来の運動機構に比べ、極めて広い可動範囲の運動性能をコンパクトに実現できる、新発想の平面運動型三脚パラレルメカニズムの運動機構と、その機構を用いた運動シミュレータ装置の技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来の運動シミュレータ装置は、長年にわたりスチュワートプラットフォーム型六脚パラレルメカニズムが用いられ、構造上、装置構成が大きく、主に大規模な研究開発用に特化した、非常に高価な装置となるのに比べ、本技術は高い運動性能を小型で簡易な装置構成で実現できる。

新技術の特徴

・広い平面運動範囲(前後:1.6倍、左右:1.3倍)
・大きな傾斜角度(ロール、ピッチ角:3倍)と全周方向(ヨー角:360度)の回転運動
・設置面積を従来の3分の1まで低減

想定される用途

・フライトシミュレータ
・次世代ビークル用運動シミュレータ
・ロボットマニピュレータ

関連情報

・試作可能(小型の試作機有り)

16:10~16:40 材料
10)  新規液相合成法により希土類イオンが高濃度均一ドープされたシリカガラス
発表資料

首都大学東京 大学院都市環境科学研究科 分子応用化学域 准教授 梶原 浩一
http://inorg777.apchem.metro-u.ac.jp/new/kanamuralab/Japanese/top.html

新技術の概要

ゾル-ゲル法をベースとした希土類イオンドープシリカガラスの新しい合成法である。溶液調製法と組成の工夫により、試薬使用量を抑えつつ、希土類イオンが高濃度均一分散したシリカガラスの比較的短時間での合成、およびSiOH基濃度の低減による赤外透明性の向上を可能とする。

従来技術・競合技術との比較

現在希土類イオンドープシリカガラスの主要合成法である気相合成法に比べて高濃度の希土類イオンを含むシリカガラスを合成できる。また、従来液相合成法の短所とされてきた、合成時間の長さと試薬の使用量の多さが改善されており、さらに赤外透明性の向上も期待できる。

新技術の特徴

・合成時間の短縮、試薬使用量の削減
・希土類イオンの高濃度化、赤外透明性の向上
・希土類イオンの配位環境の精密制御への展開

想定される用途

・蛍光材料
・レーザー材料
・光磁気光学材料

関連情報

・当日展示あり: ガラスサンプル
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