発表内容詳細

13:20~13:45 デバイス・装置
1)  光渦レーザー照射の光重合による金属的フラーレン膜作製
発表資料

千葉大学 名誉教授・グランドフェロー 落合 勇一
http://adv.chiba-u.jp/nano/qnd/index.html

新技術の概要

光渦レーザー光を用いたフラーレン薄膜の光重合化により、ひび割れのない均一な光重合体を得ることができ、その光重合体は金属的な電気伝導特性を示すことから、フラーレン分子を用いたフレキシブル電子回路内の配線材料等としての応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

光渦レーザー光を用いたフラーレン薄膜の光重合化により,従来法で観測されているようなひび割れの生じない光重合膜が作製できる。また、従来の光重合体は半導体的な特性を示すのに対し、本方法による光重合体は金属的な伝導特性を示し、大気中でも導電性が確認されている。

新技術の特徴

・ひび割れのない均一性の高いフラーレン光重合膜が形成できる
・大気中でも金属的な電気伝導特性を示すフラーレン重合膜を光照射によって作製できる
・フラーレン光重合体は200℃程度の加熱によってモノマー化でき、再利用が可能である

想定される用途

・フラーレンで構成されたFET素子を用いたフレキシブル電子回路内での配線
・透明導電性膜
・再利用可能なエレクトロニクス素子

13:45~14:10 材料
2)  光両性物質発生剤
発表資料

千葉大学 大学院融合科学研究科 情報科学専攻画像マテリアルコース 准教授 高原 茂
http://www.takaharalab.tp.chiba-u.jp/

新技術の概要

光開始剤とは光照射により活性な反応中間体を生成し、それらが高分子の重合や脱保護などの反応を開始させるという機能を持つ光機能性材料であるが、これまでの分類にはなかった光タウリン発生剤などの光両性物質発生剤を合成し、pHの光変化を可能とした。

従来技術・競合技術との比較

光両性物質発生剤についてはほとんど知られておらず、知られているものでも水溶性のものはなく、その光分解効率も高いものではなかったが、オニウム塩構造をもつ効率のよい水溶性の光両性物質を見出した。

新技術の特徴

・高感度の光両性物質発生剤であること
・水溶性の光両性物質発生剤であること

想定される用途

・光pH制御
・光アミノ酸発生

14:10~14:35 エネルギー
3)  その場で水素を得る光燃料電池
発表資料

千葉大学 大学院理学研究科 化学コース 准教授 泉 康雄
http://cat.chem.chiba-u.jp/index.html

新技術の概要

その場で水素を得る光燃料電池を開発した。例えば酸化チタンを基とする光触媒を両極に用い、水の光酸化および酸素の光還元反応を進めることで、その場で得た水素が燃料となり電力が得られる。両極の半導体光触媒が光励起されるため、理論上の起電力は最大で、アノードの伝導帯エネルギー下端とアノードの価電子帯エネルギー上端の差になり得る。カソードに白金を用いず、銀が有効で持続可能な特徴も有する。

従来技術・競合技術との比較

従来の光燃料電池はメタノール等燃料を供給し、また従来のPt/C触媒も併用していた。本技術は水を太陽光により分解し得られた水素が光燃料電池中で酸素と反応させることで燃料とできる。光エネルギーを電気に変換する点で太陽電池と比較すると、本技術はTiO2、銀、[プロトン伝導膜]しか要さず、シリコンや高価な色素を用いる太陽電池より安価である。また、1Vが起電力の上限の太陽電池に対し、3Vの起電力が原理的に可能である。

新技術の特徴

・太陽電池よりも高電圧を得やすい小型電源
・材料が安価で持続可能な太陽光発電所

想定される用途

・野外での小型機器電源
・環境モニタリング機器電源
・軽量ラジコンの電源

関連情報

・展示品あり

15:10~15:35 アグリ・バイオ
4)  アブシナゾール処理による植物への乾燥耐性付与技術の開発
発表資料

千葉大学 大学院園芸学研究科 生物資源科学コース 教授 近藤 悟
http://www.h.chiba-u.jp/prof/graduate/seibutsu/skondo.html

新技術の概要

アブシシン酸(ABA)は葉の気孔開閉などを制御する植物ホルモンであり、乾燥環境下など細胞の浸透圧ストレスの状況に応じて増減する。本技術はABA代謝に関する酵素活性を、外生的な散布処理による簡易な技術によって気孔開閉等を調節し、植物に乾燥および耐塩性を付与するものである。本技術は様々な種類の植物に適用可能であり、屋上緑化およびゴルフ場での使用等に応用可能と考えられる。

従来技術・競合技術との比較

アブシナゾールと類似の効果はトリアゾール系薬剤でも得られるが、トリアゾール系薬剤の場合、同時に植物の生長が抑制されるため使用場面が限定される。また同濃度の効果で比較した場合、乾燥耐性についてはアブシナゾールの効果が強かった。

新技術の特徴

・作物への耐塩性の付与 (Tolerance against salt)

想定される用途

・ゴルフ場での使用(夏季の灌水軽減)
 The usage in golf course (The decrease of a number of irrigation)
・屋上緑化・壁面緑化での灌水の回数軽減
 The decrease of a number of irrigation in greening in rooftop
・ビル・室内緑化での灌水の回数軽減
 The decrease of a number of irrigation in greening in building

15:35~16:00 創薬
5)  抗がん作用を直截的に指向する新規光学活性化合物の触媒的供給技術
発表資料

千葉大学 大学院理学研究科 化学コース 教授 荒井 孝義
http://synthesis.chem.chiba-u.jp/index.htm

新技術の概要

タンデム反応やマルチコンポーネントカップリング反応を高次の触媒的不斉反応として達成することによって、従来法では合成できない多連続不斉中心の新立体化学を構築しています。得られる「新3次元ケミカルスペース」を用いて、Wntやp53及びp63等、細胞の癌化機構とも密接に関与する形態形成シグナル間の連動性を解明、制御しています。

従来技術・競合技術との比較

独自の触媒探索システムを駆使することで、生物活性が直截的に期待される新規な化合物を多く合成できるようになってきました。実際に反応化学と生命科学の集合により、新規なWntシグナル伝達経路に阻害作用を示す化合物を見出しています。千葉大学の新しい取り組みです。

新技術の特徴

・ラボオートメーション
・再生医療
・液晶など光学活性マテリアル

想定される用途

・医薬・農薬
・生命化学研究用プローブ分子
・有機合成用触媒

16:00~16:25 創薬
6)  標的への集積向上を目的とした放射性ガリウム標識薬剤
発表資料

千葉大学 大学院薬学研究院 分子画像薬品学研究室 准教授 上原 知也
http://www.p.chiba-u.ac.jp/lab/housha/index.html

新技術の概要

複数の標的分子認識素子を結合した配位子とガリウムとが安定なガリウム錯体を形成する一方、未標識の配位子は速やかに1分子の標的分子認識素子化合物に崩壊することで、ガリウム錯体の標的への集積を向上させる分子設計を開発した。

従来技術・競合技術との比較

標的分子認識素子を放射性ガリウム標識する従来の方法では、ガリウム標識体と未標識体が同等の親和性を有しているが、本発明による分子設計ではガリウム体のみが多価体となることで、標的への親和性が向上し、標的への集積の向上が期待できる。

新技術の特徴

・γ線放出核種を用いた放射性薬剤の標的への集積向上における画質の向上
・β-線放出核種を用いた放射性薬剤の標的への集積向上における治療効果の向上

想定される用途

・金属放射性核種を用いた画像診断
・金属放射性核種を用いた治療

関連情報

・外国出願特許あり

16:25~16:50 環境
7)  ヒートアイランド現象緩和のための高層建築物全面緑化法
発表資料

千葉大学 大学院園芸学研究科 生物資源科学コース 准教授 小川 幸春
http://www.h.chiba-u.jp/machine/staff/ogawa/ogawa.htm

新技術の概要

都市部のヒートアイランド現象解決のための、新たな概念による植物栽培法および壁面緑化法である。本技術によってこれまで不可能とされてきた「高層建築物の丸ごと緑化」など、どのような建築物・場所でも容易に緑化可能となる。

従来技術・競合技術との比較

土壌から離れた多様な環境であっても、自立的に植物栽培を可能とする基幹技術である。従来の植物栽培と比べて立体的・空間的な自由度が飛躍的に向上するとともに、栽培後のメンテナンスがきわめて容易となる。

新技術の特徴

・追加の肥料なしに植物がライフサイクルを完結できる栽培土台
・空気中の炭酸ガスを固定
・夏季昼間使用電力量の軽減

想定される用途

・建築物緑化
・砂漠緑化
・植物相の工夫による広告媒体

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