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発表内容詳細

10:10~10:35 材料
1)  薬剤輸送に適用可能な金ナノ粒子から構成される光応答性ナノカプセル
発表資料

北海道大学 電子科学研究所 生体分子デバイス研究分野 准教授 新倉 謙一

新技術の概要

フッ素リガンドを用いた金ナノ粒子表面修飾によって、ナノ粒子から構成される100nm前後のカプセル体が有機溶媒中で形成される。このカプセルは表面の更なる化学修飾により水中へ分散可能であり、レーザーなどの光に応答して粒子間距離が開くので、薬剤放出機構を備えた薬剤輸送担体としての応用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

ナノ粒子からなるカプセルを作製する方法として、液?液界面などの鋳型を用いて粒子を集める方法や、親疎水のポリマーを表面に修飾する方法があるが、いずれの方法でも生体応用に適している100nm前後のカプセルを作製することは困難であった。本技術は低分子フッ素リガンドを用いた全く新しいカプセルの作製法であり、形成するカプセルはサイズが50?100nmである。また、光に対する応答性も既存技術と比べて高い。

新技術の特徴

・カプセルサイズが50-100nmというDDSに適した領域である。
・光に対する応答性がよく、数分以内で内包された物質を放出できる。
・鋳型などを用いることなく、フッ素リガンドとナノ粒子を混合するという簡便な操作で作製可能である。

想定される用途

・薬剤輸送システム(DDS)
・カプセル表面の光電場増強を利用した高感度物質検出センサー
・ナノリアクター

関連情報

・外国出願特許あり

10:35~11:00 材料
2)  潜熱蓄熱材(PCM)を用いた未利用熱エネルギーの有効活用
発表資料

北海道大学 工学研究院 附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター 教授 秋山 友宏
http://anergy.caret.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

高温用充填層型熱交換器に使用する、高密度蓄熱が可能な潜熱蓄熱材(PCM)のカプセル化技術(融解時体積膨張率0%、PCM充填量100%)の提案。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では潜熱蓄熱材(PCM)の融解時体積膨張率が大きい(例 NaCl; 20%)ため、熱応力を緩和する構造が必要となり結果としてPCM充填量が減少、潜熱蓄熱の持つ高密度蓄熱の利点が生かせていない。

新技術の特徴

・高密度蓄熱
・熱交換器のコンパクト化
・変動熱源の恒温化

想定される用途

・充填層式熱交換器の代替
・太陽熱発電システム
・高温排熱利用システム

関連情報

・外国出願特許あり

11:00~11:25 材料
3)  電解質及び高分子電解質含有水溶液を吸水可能な生分解性高吸水マテリアル
発表資料

苫小牧工業高等専門学校 物質工学科 准教授 甲野 裕之
http://www.tomakomai-ct.ac.jp/department/sem/labo/kono/index.html

新技術の概要

カルボシキメチルセルロースを原料とした生分解性を有する高吸水性材料。既存の吸水性高分子を凌駕する吸水性を兼ね備えており、電解質や蛋白質などの高分子電解質存在下でも凝集しずらく、高い吸水性能を示す。

従来技術・競合技術との比較

既存のポリアクリル酸系高吸水性高分子と比較して、電解質存在下で凝集することなく安定した吸水力を示す。また環境に対する非毒性も低い利点がある。

新技術の特徴

・サニタリー製品
・廃液処理剤、固化剤
・ゲル化剤

想定される用途

・紙おむつ、衛生用品
・土壌保水材、土壌改良剤
・保水用化粧品

11:25~11:50 材料
4)  マイクロ波液中プラズマを用いたナノ粒子調製、ナノ粒子へのドーイングならびにその応用
発表資料

北海道大学 工学研究院 材料科学部門 教授 米澤 徹
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/lims/link.html

新技術の概要

水中でプラズマを発生させることで、金属・金属酸化物ナノ粒子を高速・大量合成することに成功した。ナノ粒子分散コロイド、担持触媒、さらにはカーボンナノ粒子の合成にも成功し、新しいナノ粒子製造システムが確立した。さらに、特筆すべきことは、ナノ粒子への金属イオンドープを可能としたことです。これによってナノ粒子の改質が行えることとなり、ナノ粒子の新しい用途展開が可能となってきている。

従来技術・競合技術との比較

従来のナノ粒子製造技術では、還元剤の添加による金属イオンの還元が主流であるが、それに比べ、非常に効率よくナノ粒子を合成することが可能である。また、遷移金属酸化物ナノ粒子も同一の装置で合成可能である。これらは、触媒製造技術などへ容易に展開できる。さらには、金属棒からの直接ナノ粒子製造が可能となった。一方、金属酸化物ナノ粒子への他の金属イオンのドープも本手法で可能となり、光触媒効果の低減、導電性付与など材料改質も可能となっている。

新技術の特徴

・貴金属ナノ粒子の高速調製(数g/10 min)
・遷移金属酸化物ナノ粒子、カーボン系粒子の高速調製
・ナノ粒子への表面ドーピングによる改質

想定される用途

・有機合成触媒、燃料電池触媒の作製
・電子部品用酸化物ナノ粒子、触媒用担体、色素ナノ粒子の作製
・化粧品用途ナノ粒子、ナノ粒子の光触媒効果軽減、質量分析用ナノ粒子、ナノ粒子の改質

関連情報

・サンプルの提供可能

11:50~12:15 デバイス・装置
5)  傾斜シックナーを利用した高効率な分離装置の開発
発表資料

苫小牧工業高等専門学校 物質工学科 教授 平野 博人

新技術の概要

簡易な構成で装置サイズを大きくすることなく傾斜分離装置における処理量を増加させることが可能な、平行傾斜板流路内へ傾斜高さを利用した多段供給型の供給管を挿入する、「傾斜軸方向多段供給型高効率連続傾斜シックナー」の開発。

従来技術・競合技術との比較

装置サイズを大きくすることなく、設置場所に限定されず処理量を増加させることができる。従来の傾斜シックナー装置に比較し、装置の維持・管理・保守作業が簡便で安価に装置の提供が可能。装置が小型化し、移動式の傾斜分離装置としても使用でき、現場に簡易に持ち込んでの作業が可能となり、凝集剤などを使用せず、環境への負荷の軽減にも繋がる。

新技術の特徴

・固液沈降分離以外に,応用分野として広範囲に浮遊性の粒子にも適用可能
・水質汚濁・土壌汚染防止・浄化等の環境負荷軽減に寄与
・高効率な油水分離装置の理論的な開発にも展開が可能

想定される用途

・廃水処理施設の小型化・効率化
・農業生産物加工段階での廃棄物処理への対応
・食品や医薬分野での製品の濃縮に応用

J-STORE掲載特許情報

13:15~13:40 情報
6)  PC用キーボードのための突起付ハードカバー
発表資料

公立はこだて未来大学 システム情報科学部 情報アーキテクチャ学科 助教 竹川 佳成
http://www.fun.ac.jp/~yoshi/index.html

新技術の概要

提案するキーボードカバーは、薄いプラスチック板や厚紙からできており、キーボードカバーに切り込みを入れることで任意形状のキーを作成できる。また、キーボードカバーのキーの下に突起を配置することで、キーボードカバーのキーを押す重さや深さといった打鍵感を柔軟に変更できる。

従来技術・競合技術との比較

防塵や汚れ防止を目的としたキーボード用カバーがOAサプライメーカから販売されている。これは、各キーボードキーをスムーズに押下できるようにするため、キーボードのキー配列をそのままコピーしており、しかし、キーそのものの形状を変えたり、キーの重さやキーストロークを変えるといったことはできない。

新技術の特徴

・PC用キーボード上に任意形状のキーを配置でき、キーボードカバーのキーを押す重さや深さといった打鍵感を柔軟に変更できる。
・利用者が容易にキーボードカバーをカスタマイズでき、好きなPC操作用インタフェースを作ることができる。
・提案するキーボードカバーは、プラスチック板や厚紙から構成されており電気的な機構を必要とせず安価である。

想定される用途

・PC用アプリケーションおよびアプリケーション専用キーボードカバーを、学校用教材・知育玩具として販売する。
・不特定多数の人が来場する展示会などでアプリケーションの操作と関連のないキーが押されて誤作動が生じることを防ぐ。
・子供・お年寄り・視覚障害者・手の不自由な方などキーボード操作に不慣れな人が直観的にアプリケーションを操作できる。

関連情報

・展示品あり

13:40~14:05 材料
7)  透明性および熱耐久性を有する蓄光性ガラス材料
発表資料

北海道大学 工学研究院 物質化学部門 助教 中西 貴之
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/amc/index.html

新技術の概要

Eu:SrAl2O4は残光や応力発光,光伝導特性を有し、様々な光学材料に期待されるが、その形態は粉体で実用途への展開が難しかった。本講演では無機ガラス中に単結晶粒子が分散した、透明でかつ良好な光特性を有する蓄光結晶ガラス板について初めて報告する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、マイクロサイズの結晶粉体を有機樹脂に分散させるため、不透明で熱耐久性に問題があった。本技術で得られたガラス試料は、高い透明性と結晶の機能性を有した新材料であり、かつ従来のものに比べ格段に光特性が良い。

新技術の特徴

・良好な透明性と強発光/残光特性、および硬い構造特性
・応力センサおよび光スイッチ材料への応用
・簡易な合成法

想定される用途

・屋外利用できる残光蛍光体(アート分野も含む)
・LED用蛍光材料
・光貯蔵材料

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(希望者にお見せします)
・外国出願特許あり

14:05~14:30 製造技術
8)  金属腐食反応を用いた金属アルコキシドの大量生産方法
発表資料

室蘭工業大学 大学院 もの創造系領域 教授 世利 修美

新技術の概要

新しい無機合成法の紹介である。腐食合成法と名付けられた本法はナノ材料の前駆体としての金属アルコキシドを大量に生産できる技術である。既にAl(OMe)3,Al(OEt)3,Al(OPh)3等の作製実績があり、論文として公表している。また腐食合成時に他金属を混合することにより複酸化物(例えば、MgFe2O4, MgAl2O4, CaTiO3, LiCo2等)の作製にも成功している。

従来技術・競合技術との比較

自然な腐食現象を利用するため、①簡単、②省エネ、③大量生産が可能である。得られる粒子の特徴は、(1)微粒子(サブミクロン)、(2)粒径分布が良好、(3)高純度である等の特徴を有する。

新技術の特徴

・自動車産業における電池材料
・電気業界、特に携帯用弱電部品
・石油業界

想定される用途

・電池の正極材料用の複酸化物
・電磁シールド用複酸化物
・石油改質用の触媒材料

関連情報

・試作可能

14:35~15:00 デバイス・装置
9)  薄膜エッジを利用した新たなナノ細線・ナノ接合作製技術
発表資料

北海道大学 電子科学研究所 ナノ構造物性研究分野 助教 海住 英生
http://qed4.es.hokudai.ac.jp/

新技術の概要

我々は、既存のリソグラフィー法を用いることなく、ナノ細線、及び、ナノ接合を作製する技術を開発した。説明会では、本技術の詳細と、実際に作製したナノ構造デバイスの構造評価や電気伝導特性に関して紹介する。

従来技術・競合技術との比較

本技術では、薄膜の膜厚をナノ細線として用いるため、現行の光リソグラフィーによる限界を大きく超えることができる。現在既に10nm程度のナノ線幅・ナノ接合の作製が可能になっているため、優位性は極めて高い。

新技術の特徴

・既存のリソグラフィー法を用いることなく、10nm程度幅の極細線を提供することができる。
・10nm程度幅の極細線でも、数kΩ程度以下の低抵抗が実現する。
・本技術のナノ細線は金属に限定されるが、磁性体でも非磁性体でも作製可能である。

想定される用途

・記録再生用高密度メモリ
・磁気記録用磁気ヘッド・各種磁気センサー
・太陽電池や液晶パネル等の透明電極

関連情報

・外国出願特許あり

15:00~15:25 デバイス・装置
10)  車両挙動解析による路面プロファイルのリアルタイム計測
発表資料

北見工業大学 社会環境工学科 教授 川村 彰
http://www.kitami-it.ac.jp/public_relations/engineering/cource_info/shakai.html

新技術の概要

更新時代を迎えた社会基盤の維持管理のため、走行路面の点検モニタリングが道路管理上注目されている。本技術は、加速度計を活用し、道路利用者満足度と密接な関係のある路面平坦性を経済的、効率的、汎用的に測定するシステムを提供する。

従来技術・競合技術との比較

従来、平坦性の高速測定は、レーザーセンサーを用いた特殊車両によるものが一般的なため、高価で専用車が必要であり、測定データもオフライン処理による解析を要したが、本技術では低価格で汎用車によるリアルタイム測定が可能である。また、従来技術では困難であった雨天時、積雪時の路面モニタリングも可能である。

新技術の特徴

・自動車関連:主として車両の耐久設計、乗り心地評価及び車の走行抵抗予測など
・環境・エネルギー関連:車両走行時の振動・騒音対策、燃費予測及び地球温暖化対策(CO2、NOx排出への影響評価)
・輸送産業:荷痛みを回避した走行ルート選定や運転者への疲労軽減対策

想定される用途

・道路の維持管理1(道路点検パトロール)
・道路の維持管理2(舗装マネジメントシステムの構築)
・道路の維持管理3(防災・除雪対策)

関連情報

・展示品あり(希望者にお見せします)

15:25~15:50 デバイス・装置
11)  ボロン酸の活用により明瞭な色変化で糖濃度を測るセンサー
発表資料

北見工業大学 バイオ環境化学科 准教授 兼清 泰正
http://www.kitami-it.ac.jp/

新技術の概要

糖濃度に応じて明瞭かつ多彩な色調変化を示すセンサーの作製技術を開発した。本技術により、誰もがいつでも簡便な操作により糖濃度測定を分かりやすく行うことが可能となり、糖尿病の予防・管理に向けたパーソナルユース糖センサーなどの用途に広く普及することが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来の糖センサーは酵素を使用したタイプが主流であるが、不安定な生体物質を用いることに起因する耐久性・保存性の低さといった欠点が存在する。本技術では、糖に対する応答部位として酵素に代わってボロン酸という合成分子を用いており、温度や湿度に影響されず長期保存が可能である。また、様々な色素を組み合わせることにより、従来に無い鮮やかな色調変化を実現しており、目視による簡便かつ高精度な糖濃度測定を手軽に行うことができる。

新技術の特徴

・糖濃度に応答した明瞭多彩な色調変化
・簡便な操作
・高い耐久性

想定される用途

・パーソナル・ユースの糖尿管理用糖センサー
・長期保管・簡便な保管を要する環境で使われる糖センサー
・病院・検査機関などで使われる一般的な糖センサー

関連情報

・展示品あり
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