発表内容詳細

10:00~10:15 デバイス・装置
1)  粉末圧延法を利用した電解用新規不溶性アノードの開発
発表資料

秋田大学 大学院工学資源学研究科 材料工学専攻 教授 田口 正美
秋田大学 産学連携推進機構 産学連携・共同研究部門 産学連携推進コーディネーター 伊藤 慎一

新技術の概要

アトマイズ粉を出発材料とする粉末圧延法によって、卓越した耐クリープ性を有する新規なPb基合金不溶性アノードを開発した。この新規アノードは現行アノードに比較して薄型であり、材料費の削減が望める。また、耐久性の面で、アノード寿命の大幅な延長が期待できる。さらに、電解におけるエネルギー効率や電着製品の純度も現行に比して遜色なく、次世代型の電解プロセッシング用不溶性アノードとしてきわめて有望である。

従来技術・競合技術との比較

新規不溶性アノードは、現行アノードに比して卓越した耐クリープ性を発揮する。そのため、薄型化による材料費の削減と耐用年数の延長によって、電解プロセッシングにおける必要コストを削減できる。

新技術の特徴

・これまでにない不溶性アノードの製造法
・アノード耐用年数の大幅な延長
・材料費の削減による低コスト化

想定される用途

・電解プロセッシング用不溶性アノード
・粉末圧延法による非鉄金属製品の成型加工
・耐食性・耐クリープ性を必要とする金属製品の開発

10:15~10:30 デバイス・装置
2)  微細リンクル構造を利用した多機能型材料の開発
発表資料

東京理科大学 工学部 工学部 嘱託助教 遠藤 洋史
東京理科大学 科学技術交流センター 技術移転部門長 金山 薫
http://www.ci.kagu.tus.ac.jp/lab/phy-chem2/

新技術の概要

表面座屈現象を利用して、ゴム基材であるポリジメチルシロキサン(PDMS)に簡便に微細パターン(リンクル)を作製できることに成功した。具体的には、PDMS膜を固定し、下からピンや円柱で立体的に伸張し、その状態で表面処理(プラズマ処理や金属蒸着)を行い伸張を解放していくアプローチである。ランダム型や無欠陥ストライプ型のリンクル構造を用いて、高感度ラマン散乱センサーや超撥水性基板、細胞培養基板、ナノカップアレイなど多目的材料の創製を行った。

従来技術・競合技術との比較

従来、微細凹凸構造の作製にはトップダウン型のフォトリソグラフィーやレーザー加工法が用いられてきた。しかしながら、この方法は大規模装置や特殊な技術が必要なこと、高コスト・多工程を経なければならない。本案では、簡便に微細凹凸構造(リンクル)を作製できるワンプッシュナノリソグラフィー技術を用いることで、上記の課題を克服できる。

新技術の特徴

・ワンプッシュで多彩な微細凹凸構造を作製できる
・大面積で無欠陥ストライプ型リンクル構造が作製でき、かつ超撥水•高吸着基板へと展開できる
・コロイド粒子とリンクル構造を組み合わせることで、金属ナノカップアレイや棘状アレイなど新規なナノ構造を作製できる

想定される用途

・毒物や生体分子検出用の高感度センサー
・超撥水かつ水滴吸着性を利用した液滴輸送デバイス
・細胞培養基板

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品有り

J-STORE掲載特許情報

10:30~10:45 デバイス・装置
3)  水素漏えい多点監視システムに適用可能な水素センサタグ
発表資料

横浜国立大学 大学院工学研究院 機能の創生部門 准教授 岡崎 慎司
横浜国立大学 産学連携推進本部 共同研究推進センター 産学官連携コーディネーター 西川 羚二
http://kuwalab.eng.shizuoka.ac.jp/

新技術の概要

水素は次世代エネルギーシステムにおけるエネルギー媒体として有望視されているが、爆発危険性を有するため信頼性の高い水素漏えい監視技術が必要である。本研究では、RFタグのアンテナ部に水素感応物質を固定化したセンサ機能一体型のデバイスを開発した。水素感応物質として白金触媒担持酸化タングステン薄膜を使用し、水素曝露に伴うインピーダンス特性の変化によってアンテナ特性が変化することを見出した。

従来技術・競合技術との比較

提案するデバイスは、常温で動作が可能であると同時にRFタグのアンテナ部に水素感応性という付加価値を付与したものであり、センサの構造自体は極めて単純であるためデバイスの低コスト化が可能である。

新技術の特徴

・常温で水素と反応
・無通電・無線型の水素センサ
・低コストの多点監視が可能

想定される用途

・水素貯蔵タンクを有する水素ステーションや大規模水素発電システムにおける水素漏えい検知センサ
・水素タンカーなどの大規模輸送機器における水素漏えい検知センサ)
・液体水素を利用するロケットなどの宇宙輸送機の燃料系統の安全センサ

10:45~11:00 デバイス・装置
4)  無線機器の位置推定技術を活用した電子トリアージ・システム
発表資料

大阪大学 大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 教授 東野 輝夫
http://www.etriage.jp/

新技術の概要

本研究では、列車事故や災害など多数の傷病者が短時間に発生するような状況において、各傷病者に装着したバイタルセンサからの生体情報を現場で構築した無線アドホックネットワークを介して収集し、傷病者の位置や病状変化をリアルタイムで監視し、その情報を図的に提示する電子トリアージ・システムを開発している。災害現場のみならず病院や地下街などでの活用事例を紹介すると共に、防災訓練などで活用可能なトリアージ・シミュレータについても紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来、無線通信技術を用いてバイタルセンサから得られる生体情報を無線で収集可能な機器は幾つか開発されているが、提案する新技術では、無線通信機器の位置推定技術と組み合わせることで、傷病者の高精度な位置把握が可能になっている。

新技術の特徴

・遊園地や学校、スポーツ施設などにおける熱中症対策
・火災現場で働く消防士や放射能除染現場で防護服を着用して働く方々の体調監視
・地下街・飲食店街などでの急性アルコール中毒症状の方々のモニタリング

想定される用途

・災害現場や交通事故現場などでのトリアージ(傷病者の重症度判定)
・病院、救命救急センターでの来院患者の病状把握、介護施設などでの高齢者の見守り
・駅、地下街、ビル、工場などでの急病人・怪我人の病状把握、AEDの補助機器
・医学部の授業や病院でのトリアージ訓練・シミュレーション

関連情報

・展示品有り(電子トリアージ・タッグ、電子トリアージシステム、トリアージシミュレータ展示)

11:00~11:15 デバイス・装置
5)  自己組織化を利用したナノカーボン材料の新規配列化プロセスと次世代デバイス応用
発表資料

中部大学 超伝導センター 教授 河原 敏男
中部大学 研究支援センター 客員教授・コーディネータ 井上 隆敬
http://www.chubu.ac.jp/organization/institute/sustainable_energy/index.html

新技術の概要

数層グラフェンを自己組織化プロセスで成長と同時に配列化する技術を開発した。これを用いて、電界効果トランジスタのチャネル構造を作製し、薄膜トランジスタを作製する技術も開発した。そこで、チャネル構造の作製プロセス、及び、作製したトランジスタの電気的特性について報告する。特に、素子動作原理として、生体の情報伝達の動作原理を模倣した素子を作製したので、超低消費電力のユビキタス時代のIT機器に対応した素子プロセスとして活用が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

材料成長後に素子構造を作製する従来のプロセスに比べ、成長時に素子構造を作製するためプロセスの時間的・エネルギー的負担が小さく、また、配列化プロセスが独立となるためプロセス設計の自由度が増す。さらに、生体模倣型の動作原理で低炭素社会と両立したスケーリング則に従うデバイス開発を行うことが期待できる。

新技術の特徴

・ナノカーボン材料から自己組織化によりデバイス構造構築可能
・リフトオフ等の後プロセス不要のためプロセスの簡略化が可能
・材料成長と独立しているため、成長プロセスの自由度が高い
・生体の動作原理をベースとする低消費電力トランジスタ

想定される用途

・高キャリア移動度のグラフェントランジスタ
・高クロック動作の次世代LSI
・現状のLSIに対して消費電力が1/300の超低消費電力素子

関連情報

・外国出願特許あり

11:15~11:30 デバイス・装置
6)  高性能なフレキシブル3次元有機トランジスタ
発表資料

大阪府立産業技術総合研究所 制御・電子材料科 主任研究員 宇野 真由美
大阪府立産業技術総合研究所 業務推進課 課長 井上 幸二
http://tri-osaka.jp/

新技術の概要

有機半導体トランジスタは、プラスチック基板上に低温で環境負荷の低いプロセスで簡便に作製でき、落としても割れない魅力的なデバイスが実現できる。従来、有機半導体中の移動度が低いためトランジスタ性能が低いという課題があったが、3次元構造を利用して縦型短チャネルを集積化することにより、飛躍的な大電流化と応答の高速化を実現した。また、UVインプリント技術による簡便な手法を用いて、プラスチック基板への作製を可能にした。

従来技術・競合技術との比較

従来の平面型有機トランジスタ構造では、高性能化のための短チャネル化の限界が微細加工の分解能によって限られるのに対し、3次元インプリント構造を用いて縦チャネルを形成するため簡単に短チャネル化・高性能化が実現できる。

新技術の特徴

・3次元・短チャネル構造の採用により、フレキシブル有機トランジスタの性能を飛躍的に向上
・インプリント法を用いた作製手法により、低コスト化・大面積化が実現
・縦型チャネルのため耐曲げ性能に優れる

想定される用途

・フレキシブルディスプレイ駆動素子
・プラスチックシート上で駆動する論理素子
・プラスチックタグを駆動する論理回路

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり

11:30~11:45 材料
7)  ナノ複合体電極と有機薄膜デバイスの高機能化に向けたパターン積層化技術
発表資料

信州大学 工学部 電気電子工学科 准教授 伊東 栄次
信州大学 産学官連携推進本部 知的財産支援部門 研究員 小林 円
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/engineering/chair/elec004/itoh-lab-top.html

新技術の概要

本研究ではソフトリソグラフィ技術による選択的転写・積層法を用いて可溶性の有機半導体や絶縁材料、カーボンナノチューブ及びナノAgインク材料のパターン化と積層化技術を開発し、電極配線及び有機デバイスへの応用を試みた。各材料を分解能1μm程度でパターン形成し選択的に積層することに成功した。同技術により、オール印刷でパターン化・積層して作製した有機薄膜トランジスタや、積層化した高分子系有機EL素子の高性能化を実証した。また、ナノAg/CNT複合体の配線パターンがナノAg単体に比べて優れた特性を示すことも明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

複合化により従来よりも低抵抗で高い耐電流密度・機械的特性に優れた次世代配線を提供できる。有機デバイスにおいてはフォトリソグラフィと同等の分解能と、従来は困難であった良好な界面を有する可溶性高分子の積層構造を実現可能としたことで、工程数を大幅に減らしながらもより高い性能を有する有機エレクトロニクスデバイスの作製を可能とする。

新技術の特徴

・積層構造を活かしたバリア膜や多機能フィルタなど
・LSIのビア配線材料への展開
・薄膜アンテナ

想定される用途

・次世代プリント基板配線技術
・有機エレクトロニクス
・太陽電池

J-STORE掲載特許情報

11:45~12:00 材料
8)  Siウエハー上へのグラフェン成膜とナノ加工による多機能化
発表資料

東北大学 電気通信研究所 情報デバイス研究部門 准教授 吹留 博一
東北大学 産学連携課リエゾン室 専門職員 高橋 哲
http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/07d0b9809a3935bd641ebf3d9ef57148.html

新技術の概要

SiC薄膜を介したSi基板上のグラフェンのウエハースケール製造プロセスの開発を行った。その結果、2インチSiウエハー上へのグラフェン製造に成功した。更に、将来のデバイス集積化に向けて、微細加工Si基板上へのグラフェン製造プロセスの開発を行った。その上、微細加工により露出した異なるSi微斜面へのグラフェンの成膜により、グラフェンの機能(半導体性vs.金属性)の制御にも成功した。

従来技術・競合技術との比較

大面積グラフェン成膜を可能にするものとして金属触媒を用いた化学気相成長法(CVD)がある。このCVDは高品質グラフェン製造を可能にするが、①金属汚染、②グラフェンの機能制御が困難という弱点がある。

新技術の特徴

・グラフェンの高いキャリア移動度
・シリコン・テクノロジーとの適合性
・単一物質(グラフェン)の物性の多機能化(半導体性vs金属性)

想定される用途

・電子・光多機能集積デバイス
・高感度バイオセンサー 
・MEMSデバイス

関連情報

・サンプルの提供可能(デモンストレーション可能)

14:00~14:15 デバイス・装置
9)  ナノ格子制御による薄膜キャパシタ構造の作製と剥離・転写・接合による実装技術への応用
発表資料

産業技術総合研究所 集積マイクロシステム研究センター ネットワークMEMS研究チーム 研究チーム長 一木 正聡
産業技術総合研究所 イノベーション推進本部 イノベーション推進コーディネーター 綾 信博
http://unit.aist.go.jp/umemsme/ci/

新技術の概要

本研究では、誘電体薄膜を耐熱性の基板上から剥離し、非耐熱性の樹脂基板上へ転写するナノ実装技術を紹介する。従来は直接形成手法のみが用いられてきた誘電体の素材に「剥離・転写」を用いる手法の援用により、新たなプロセス技術として今後の展開を図りたい。剥離プロセスに関する機構と密着性の制御要因について紹介し、本プロセス技術の新たな用途を開拓したい。

従来技術・競合技術との比較

ここで、紹介する方式では基板が繰り返し使用できること、配向性の制御により膜特性の向上が期待できること、材質によらず適用できることが特徴となっている。

新技術の特徴

・ナノ格子の整合・不整合
・剥離・転写・接合
・実装技術

想定される用途

・圧電センサ
・薄膜キャパシタ
・誘電体メモリ

関連情報

・サンプルの提供可能(試作可能(要相談))
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

14:15~14:30 デバイス・装置
10)  産業利用に向けた広帯域波長可変二波長発振注入同期レーザーの高機能化
発表資料

電気通信大学 大学院情報理工学研究科 先進理工学専攻 教授 桂川 眞幸
(株)キャンパスクリエイト 代表取締役 安田 耕平
http://www.pc.uec.ac.jp/sp/katsura/

新技術の概要

注入同期パルスレーザーは、大気環境計測やテラヘルツ光発生、LSI製造用のフォトリソグラフィーにおけるキーテクノロジーとして産業利用されている。一方で、このレーザーはパルス間の時間揺らぎが大きく、異なる発振波長を組み合わせる用途等においては、それが深刻な障害となっていた。ここではこの問題を解決する“二波長同時発振注入同期レーザー”を紹介する。このレーザーは、任意の二波長の組み合わせでの発振が可能で、かつ、“無調整”で二波長パルス間の完全な時間・空間オーバーラップを実現する。さらに、二波長の広帯域連続周波数挿引も可能である。発表では、このレーザーの仕組み、性能、どのような用途に有効かを紹介したい。

従来技術・競合技術との比較

任意の二波長の組み合わせでの発振が可能で、かつ、“無調整”で二波長パルス間の完全な時間・空間オーバーラップを実現する点が従来技術との大きな違いである。従来の注入同期レーザーは一波長発振であり、二波長を用いる場合には、二台のレーザーを用意しないとならなかった。また、独立な二台のレーザーを用いる場合には、二波長のレーザー光の時間、空間のオーバーラップのショットごとの揺らぎが極めて深刻であった。

新技術の特徴

・任煮の組み合わせの複数波長を同時発振する
・発生する二波長のパルス間の時間・空間のオーバーラップが、自動的、かつ完全に満たされる
・広帯域に渡る連続波長操引

想定される用途

・原子・分子種を種別した超高感度遠隔環境計測
・高強度・周波数可変・テラヘルツ波発生
・リソグラフィー用の高周波数純度短波長光源

J-STORE掲載特許情報

14:30~14:45 デバイス・装置
11)  ミリ波回路用薄型基板の複素誘電率評価技術
発表資料

宇都宮大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 助教 清水 隆志
宇都宮大学 産学官連携・知的財産本部 地域共生研究開発センター 客員教授 桑江 良昇
http://mmw.ee.utsunomiya-u.ac.jp/

新技術の概要

周波数資源枯渇問題の解決に向け、超高速無線・自動車衝突防止レーダ・セキュリティ用イメージングといったミリ波帯応用の研究開発が盛んであり、回路基板材料として低誘電率・低損失な薄型誘電体の開発が求められている。本技術は、基板材料開発に欠かせない低誘電率・薄型誘電体材料の60GHz付近の複素誘電率の高精度評価手法を提供するものである。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、mmオーダーの基板厚さの誘電体までしかミリ波複素誘電率の高精度測定が行えなかった。本技術では、数十umの厚さ、低誘電率をもつ誘電体基板材料の60GHz帯における評価が可能である。

新技術の特徴

・umオーダーの誘電体膜の誘電率評価
・60GHz帯における高精度測定
・比誘電率・誘電正接の高分解能測定

想定される用途

・回路用新規材料の開発
・基板材料の品質管理
・回路設計用基礎データ習得
・超高速大容量無線システム開発
・自動車衝突防止レーダ開発
・セキュリティ用イメージング開発

関連情報

・展示品有り(材料評価用ソフトウェアおよび材料評価用ミリ波共振器展示)

14:45~15:00 材料
12)  キチンナノファイバーの補強繊維としての利用と生体への効果・効用
発表資料

鳥取大学 大学院工学研究科 化学・生物応用工学専攻 准教授 伊福 伸介
鳥取大学 産学・地域連携推進機構 知的財産管理運用部門 部門長/教授 三須 幸一郎
http://saimotolab.sakura.ne.jp/index.html

新技術の概要

カニ殻からキチン質のナノファイバーを簡単に製造する方法を見出した。キチンナノファイバーは優れた引張強度を持つため、素材を強化するための補強繊維として利用出来る。ナノサイズのため、素材の透明性は損なわれない。また、皮膚へのアンチエイジング、潰瘍性大腸炎に対する炎症の抑制、生体適合性、紫外線の吸収など、様々な生体への効果・効用を備えている。

従来技術・競合技術との比較

キチン質をナノファイバーに変換することにより水中に均一に分散できるようになったため、混合や成形などの操作性が飛躍的に向上した。その結果、繊維補強材料としての利用が可能となり、また、様々な生体への効果も見出された。

新技術の特徴

・ナノファイバー化により水中で均一に分散し、ゲルのような風合い。よって配合や成形などの操作性に優れる。
・優れた引張強度を持つため素材を強化する補強繊維として利用可能。ナノサイズのため素材の透明性を損なわない。
・生体への効果がある。皮膚のアンチエイジング、潰瘍性大腸炎の炎症抑制、生体適合性、紫外線の吸収など

想定される用途

・素材を強化する補強繊維
・健康食品、医療用材料
・化粧品、日用化成品

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品有り
・外国出願特許あり

15:00~15:15 材料
13)  安価な中性ランタン触媒による革新的エステル交換反応
発表資料

名古屋大学 大学院工学研究科 化学・生物工学専攻 准教授 波多野 学
名古屋産業科学研究所 中部TLO技術移転部 部長 大森 茂嘉
http://www.ishihara-lab.net/

新技術の概要

エステル合成技術は、繊維、接着剤、医薬品、香料等の工業製造に欠かせない。従来の一般的な酸性及び塩基性金属触媒は、毒性や製品への着色の問題がある。今回、中性であることを最大の特長とする低毒性かつ安価な均一系高活性ランタン触媒を開発した。各種エステルと第1~3級アルコールを用いるエステル交換反応に有効で、グラムスケールでも生成物が無着色で得られる。光学活性エステルもラセミ化せずにエステル交換できる。均一系触媒でありながら、触媒の連続再使用も可能である。

従来技術・競合技術との比較

今回開発した中性の硝酸ランタン-ホスホニウム塩複合触媒は、前身の塩基性のランタンイソプロポキシド触媒に比べて、1/100以下のコストで、前触媒以上の非常に高い活性を持ち、温和な条件で反応が進行する。通常の触媒とは異なり、残留触媒による着色トラブルがない事も産業界では大きなメリットである。

新技術の特徴

・従来にない「中性触媒」であり、安価で入手容易な低(無)毒性の硝酸ランタンとリン化合物からなる
・生成物からの触媒除去が容易で、残留触媒による着色汚染が見られない
・加熱還流下でも光学活性エステルをラセミ化することなくエステル交換反応が可能
・原料のエステルとアルコールは理論最小量の1:1で使用すれば良い
・通常の触媒では適用不可能な第2級、第3級アルコールでも適用可能
・均一系高活性触媒でありながら、触媒の再使用が可能

想定される用途

・酸または塩基性条件に不安定なアクリル酸エステル系のエステル交換反応に有効(不安定な接着剤・樹脂材料の高効率モノマー原料合成)
・光学活性エステルをラセミ化(エピ化)せずにエステル交換できるため、付加価値の高い医薬品合成に有望(プロセスの簡略化・コストダウン)
・光学活性エステル生成物の光学純度の向上と不純物(触媒残存)の大幅な低下により、ポリマー合成における重合度の向上や分散抑制に有望
・従来の触媒では困難又は不可能だった反応性の低い第2級または第3級アルコールにも適用できるため、フォトレジスト原料の製造に有望

J-STORE掲載特許情報

15:35~15:50 材料
14)  室温硬化樹脂用の環境に優しいスズフリー硬化剤の開発
発表資料

三重大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 特任教授 中村 修平
三重大学 工学部 社会連携推進室 社会連携コーディネータ 横森 万
http://www.elec.mie-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

シリル基含有の室温硬化樹脂を主剤として、有機スズ化合物もアミノシランカップッリング剤も不要な新しい「スズフリー」硬化剤を開発した。このスズフリー硬化剤は従来品と同等以上の速硬化性と同等の貯蔵安定性を示し、室温硬化させた樹脂は従来品以上の接着強度を示した。

従来技術・競合技術との比較

本発明は、スズフリー硬化剤である。有機スズ化合物を用いた場合と比較すると、硬化性速度並びに貯蔵安定性は同等かそれ以上であり、接着強度は従来品以上である。

新技術の特徴

・硬化樹脂の用途別、川上・川中企業別に幅広いカスタマイズが可能
・市販の化合物の配合物であり、技術移転が容易である
・直近の社会的ニーズを解決するための技術である

想定される用途

・接着剤
・シーリング材
・塗料

J-STORE掲載特許情報

15:50~16:05 材料
15)  キラル銅触媒によるα-ヒドロキシエステル類の速度論分割
発表資料

北海道大学 大学院工学研究院 有機プロセス工学部門 教授/フロンティア化学教育研究センター 副センター長 大熊 毅
日本曹達株式会社 小田原研究所 主席研究員 井上 勉
http://os-cp.eng.hokudai.ac.jp/os/Welcome.html

新技術の概要

キラル銅触媒によるα-ヒドロキシエステル・ラクトン類の不斉カルバモイル化反応(アルコールの保護)を経る速度論分割法を開発した。他法では合成困難な第三級アルキル基をもつ光学活性α-ヒドロキシカルボン酸誘導体が、容易に合成できるラセミ混合物から500-5000分の1当量の触媒を用いるだけで得られる。分子の左右を見分ける選択性は>100:1に達する。第二級だけでなく、第三級アルコール化合物も高選択的に分割することができる。

従来技術・競合技術との比較

従来法に比べ、格段に少ない触媒量(500-5000分の1当量)で分割することができる。立体障害が大きい第三級アルキル基をもつ第二級および第三級アルコール化合物に適用できる。>100:1に達する選択性は酵素に匹敵する。

新技術の特徴

・少ない触媒量で反応を行うことができる。
・立体障害の大きい第三級アルキル基をもつα-ヒドロキシカルボン酸誘導体に適用できる。
・反応操作が簡便である。

想定される用途

・医薬・農薬原料の合成
・キラル分割剤・補助剤の合成
・キラル高分子材料の原料合成

関連情報

・サンプルの提供可能

16:05~16:20 材料
16)  バイオマスからの化学品2-ピロリドンの製造法の開発
発表資料

産業技術総合研究所 健康工学研究部門 生体分子創製研究グループ 主任研究員 山野 尚子
産業技術総合研究所 関西産学官連携センター イノベーションコーディネータ 堀野 裕治
http://unit.aist.go.jp/hri/group/bmd-rg/

新技術の概要

医薬品、化粧品やポリビニルピロリドンの原料等として広く用いられている2-ピロリドンを、バイオプロセスと化学プロセスを組合せて、バイオマスから生産する技術を開発した。菌体を用いて高い効率で合成したγ-アミノ酪酸から、前処理せずに高収率で2-ピロリドンを得た。石油から化学合成されている2-ピロリドンをバイオマスから安価に効率よく生産できるので、生分解性材料のポリアミド4や2-ピロリドン誘導体もバイオマス由来とすることができる。

従来技術・競合技術との比較

バイオプロセスでの化学品生産はその生産性の低さが問題となることが多いが、本技術は基質と菌体のみの単純で高効率なバイオプロセスと高選択・高収率な化学プロセスの組合せである。且つ、出発原料がバイオマスである。

新技術の特徴

・2-ピロリドンをバイオマスから効率的に生産可能
・バイオプロセスと化学プロセスの長所の組合せ
・単純な反応系で効率的なバイオプロセス
・前処理不要で高収率な化学プロセス

想定される用途

・バイオマス由来を特徴とする、耐熱性や生分解性を持つ繊維、工業材料、医療材料
・N-メチル-2-ピロリドンやN-ビニル-2-ピロリドンのバイオマスからの生産
・バイオマス由来のピログルタミン酸の活用

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品有り(GABA、2-ピロリドン、ポリアミド4展示)

16:20~16:35 材料
17)  画期的な超高温特性を有する新規二元系MGC材料の開発
発表資料

島根大学大学院 大学院総合理工学研究科 建築・生産設計工学領域 教授 和久 芳春
島根大学 産学連携センター 連携企画推進部門 准教授/産学連携マネージャー 丹生 晃隆

新技術の概要

ガスタービン翼材として新たに1600℃の大気中で使えるAl2O3/SmAlO3系MGC材料を開発した。この材料の製造方法と組織構造について現在得られている2,3の特性と関連づけて説明する。この材料の1600℃における曲げ強度は同一組成の焼結材料に比べ約60倍も高く、耐酸化性、組織の熱安定性など従来の耐熱材料(超合金)に比べ画期的に優れた高温特性を示す。

従来技術・競合技術との比較

現在ガスタービン翼材として用いられている材料は超合金であり、その耐熱性は約1100℃である。これに対して今回新たに開発したAl2O3/SmAlO3系MGC材料は約1600℃の耐熱性が期待できる。

新技術の特徴

・1600℃において700MP以上の高温強度を持つ。
・1600℃の大気中において粒成長がほとんどない(超高温において組織が安定である)。
・1600℃の大気中において優れた耐酸化性を持つ。

想定される用途

・ガスタービン翼材
・超高温熱処理治具
・高温精密器具部材

関連情報

・外国出願特許あり

16:35~16:50 材料
18)  炭素熱還元-高温酸化法を用いたガリウム分離・回収技術の開発
発表資料

法政大学 生命科学部 環境応用化学科 教授 明石 孝也
法政大学 研究開発センター リエゾンオフィス 産学連携コーディネーター 中江 博之
http://chem.ws.hosei.ac.jp/wp

新技術の概要

ある鉱山から採掘される鉱石(50ppmのガリウム含有)を、ガリウム原料として用いられているアルミン酸ソーダ溶液(バイヤー液)中のガリウム含有量(約200 ppm)よりも高い濃度まで濃縮することを目的として、炭素熱還元?高温酸化技術を用いたガリウムの分離・回収を行った。回収された試料の主成分は、SiO2とGa2O3であり、ガリウムの濃度は4.6%(46000ppm)となり、920倍に濃縮された。

従来技術・競合技術との比較

先行するガリウムの精錬技術としては溶液を用いる湿式法が一般的であるが、溶液を用いない(結果として廃液を生じない)乾式精錬を行う点においても優位性がある。これにより大量の鉱石が処理可能となる。

新技術の特徴

・Ga微量含有原料に炭素を混合し、高温で還元させてGa2O(g)を分離し、これを酸化させてGa2O3(s)として捕集。
・乾式プロセスであるため、廃液処理の問題がない。
・In(インジウム)についても本技術が適用できる。

想定される用途

・極めて低濃度のため顧みられなかった国内産鉱石からGaあるいはInを捕集して資源化可能。
・いわゆる都市鉱山からのGaあるいはInの回収にも応用可能。
・海外鉱山について、主産物もしくは副産物として極めて低濃度であっても採算ベースに乗せることが可能。

16:50~17:05 材料
19)  自己組織化法によって作製する高機能性《美》粒子
発表資料

熊本大学 大学院自然科学研究科 複合新領域科学専攻 教授 伊原 博隆
熊本大学 イノベーション推進機構 准教授 緒方 智成
http://www.chem.kumamoto-u.ac.jp/~ihara/lab3/index-j.html

新技術の概要

分子や微粒子の自己組織化現象を活用した有機-無機ハイブリッド粒子および繊維状ナノ構造体の開発と応用に関する技術。有機材料や無機材料を選択することによって、また形成させる形態によって様々な用途展開(研磨剤、分離剤、光散乱材、高屈折率材、波長変換材等)が可能となるナノサイズ~マイクロサイズの微粒子材料についての発表を行う。

従来技術・競合技術との比較

本技術の優位性は、液-液界面や分子間での自己組織化を利用して造粒する技術にあり、ワンポットで簡単に調製できること、また界面構造や特性が高精度に制御できることにある。適用できる材料の多様性や、会合状態により光学特性の制御も可能。

新技術の特徴

・多彩な組合せのコア-シェル型ハイブリッド粒子の調製
・界面構造の精密制御:たとえば均質なナノ界面の作製や硬度の調節、光散乱特性の制御など
・ナノサイズの分子集合体が均一に分散した透明ポリマー材料

想定される用途

・研磨剤
・光散乱材
・波長変換材

関連情報

・サンプルの提供可能
・外国出願特許あり
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