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発表内容詳細

10:15~10:45 計測
1)  エアロゾル粒子ビームの生成・評価技術
発表資料

東京大学 先端科学技術研究センター 気候変動科学分野 准教授 竹川 暢之
http://www.atmos.rcast.u-tokyo.ac.jp/takegawa/

新技術の概要

エアロゾルを分析・捕集するための新しい粒子ビーム生成技術を開発した。粒子ビームとシースエアを分離することにより、様々な装置と効率的にタンデム接続することが可能となる。粒子ビーム品質の評価技術についても紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来のシースエア方式の粒子ビーム生成技術では、シースエアと粒子が混合して排気されるため、タンデム接続には適さない。本技術では、これらを分離することで他装置との接続が効率的に行えるため、粒子の複合的な分析・捕集が可能となる。

新技術の特徴

・エアロゾル粒子を多角的に複合分析できる。
・ある特性を持つエアロゾル粒子を選択的に分析・捕集できる。
・粒子ビーム生成・評価機構を一体化することでビーム品質の調整が容易になる。

想定される用途

・大気環境モニタリング
・排ガス粒子分析
・クリーンルーム清浄度監視

10:45~11:15 計測
2)  有機太陽電池用電界・寿命評価装置
発表資料

東京工業大学 大学院理工学研究科 電子物理工学専攻 助教 田口 大
http://www.pe.titech.ac.jp/IwamotoLab/top.html

新技術の概要

有機薄膜太陽電池中のキャリアの発生する電界を直接可視化することで、キャリア寿命および内部電界のマッピングを行うことができる世界初の装置を開発した。

従来技術・競合技術との比較

シリコン系無機太陽電池用のキャリア寿命評価装置は市販されているが、材料の性質が異なる有機材料を用いた有機薄膜太陽電池のキャリア寿命をイメージングできる評価装置は本装置が世界初のものである。

新技術の特徴

・有機薄膜太陽電池や有機ELデバイスなどの有機薄膜デバイス中のキャリア挙動を光学的に測定
・空間分解能2mmでキャリア分布をイメージング
・時間分解能10nsでキャリア挙動を追跡

想定される用途

・太陽電池高効率化の材料選択、構造評価
・有機半導体の移動度、寿命向上へのプロセス開発
・有機太陽電池・有機ELデバイスの寿命劣化の解明

関連情報

・外国出願特許あり

11:15~11:45 計測
3)  ポジショニング機能を持つ光プローブ計測技術
発表資料

山梨大学 燃料電池ナノ材料研究センター 特任教授 犬飼 潤治
http://fc-nano.yamanashi.ac.jp/index.html

新技術の概要

計測対象とする物質・装置の任意の位置にミクロンオーダーの位置分解能でオプティカルプローブをポジショニングし、プローブ先端で光計測を行う技術である。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、オプティカルプローブを対象内にミクロンレベルで位置させることが出来ない。

新技術の特徴

・ミクロンレベルでの位置決め
・プローブを用いたミクロン分解能での光計測
・対象に与える影響の小ささ

想定される用途

・電池内での計測
・生体内での計測
・装置のその場評価、品質管理

13:00~13:30 分析
4)  従来品より20倍以上強力な小型X線源 -コの字型回転対陰極X線発生装置-
発表資料

公益財団法人国際科学振興財団 研究開発部 主席研究員/高エネルギー物理学研究所 名誉教授 坂部 知平

新技術の概要

銅ターゲット、直径10cm、6,000rpm、のコの字型回転対陰極に炭素被膜し、融点より数百度高温に出来、融解熱も有利に働き、特願2010-229572(未公開)の方法を併用しX線の出射効率は2倍に、従来の20倍以上高輝度な2(129kW/mm2)の小型X線発生装置を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来品は構造上ターゲット温度は融点より数百度低い必要があり、放電も起き易い。新技術では、融点より数百度高温可、従って融解熱も利用、原理的にターゲットへの放電無し、このため大輝度、大パワーが可能に。

新技術の特徴

・コの字型回転対陰極の技術は高輝度中性子発生用ターゲットの開発にも応用可能である。
・集光型偏向電磁石の技術はマイクロ電子ビームによる側面、背面部分の電子溶接、文字書きなどの加工にも応用可
・高出力、高輝度パルスX線発生装置を開発、時間分割研究、X線高速ムービー、量子線衝突研究の光源等

想定される用途

・分析機器分野:X線解析、表面解析、小角散乱、XAFS、3次元蛍光X線分析、トモグラフィー、トポグラフィー等の装置
・CT等画像機器分野(大型放射光より有望):心臓を10粍秒以下で撮影し3D画像を得る装置、拡大画像装置、その他、製品管理など非破壊検査装置
・X線照射装置分野:集束型癌治療機器

関連情報

・外国出願特許あり

13:30~14:00 分析
5)  ラジカル測定用時間分解遠紫外分光システムの開発
発表資料

関西学院大学 理工学部 化学科 教授 尾崎 幸洋
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~ozaki/index.html

新技術の概要

促進酸化活性種であるラジカル種の濃度の時間変化をマイクロ秒オーダーで測定するのに有用な技術。測定したスペクトルの解析から、200nmの付近にラジカル種に起因する吸収が存在し、これを利用することで直接的にラジカル濃度が測定できることを見出した。

従来技術・競合技術との比較

これまでは間接的なラジカル種の濃度測定方法しか存在しなかったが、直接的にラジカル種の濃度を測定できる測定手法を発明。さらに、測定装置をラボ用サイズから実用プロセス対応サイズへ小型化する開発を進めており、これにより現場でのインライン測定も可能となる。

新技術の特徴

・インラインで直接的にラジカル種の濃度を測定できる濃度測定方法および装置
・遠紫外の波長領域(180-280nm)でマイクロ秒オーダーの時間分解スペクトルを測定できる装置
・266nmのレーザー光で励起された物質の過渡応答解析が可能な技術

想定される用途

・半導体洗浄プロセス分野におけるラジカル濃度リアルタイムモニタ
・ラジカル種の反応過程の解析
・電子遷移スペクトルの学術的研究

14:00~14:30 分析
6)  超伝導転移端センサを用いた革新的硬X線、γ線分光技術の開発
発表資料

東京大学 大学院工学系研究科 原子力国際専攻 特任助教 大野 雅史
http://sophie.q.t.u-tokyo.ac.jp/

新技術の概要

超伝導薄膜温度センサ上に熱伝導特性に優れる金バンプポストを作成し、その上に重金属放射線吸収体を搭載・固定した硬X線γ線検出用超伝導転移端センサを開発し、高速応答かつ高S/N比を有する高性能スペクトロメータ技術を確立する。

従来技術・競合技術との比較

従来、超伝導薄膜温度センサと放射線吸収体とはエポキシ製や厚膜レジストで作られたポスト(台座)を介して接続されていたが、波高値が低下し、応答が遅くなる問題を抱えていた。本技術では金バンプポストを導入することで、検出性能向上を図る。

新技術の特徴

・放射線スペクトロメータとしての高いエネルギー分解能
・放射線検出器における応答高速化・高計数率特性
・広いエネルギー領域での放射線精密測定

想定される用途

・放射能核種弁別用γ線分光
・X線検出用高エネルギー分解能スペクトロメータ
・非破壊検査用放射線計測機器

関連情報

・試作可能
・展示品あり(放射線検出素子を展示予定)

14:30~15:00 計測
7)  大型構造物を高速に透視するための原子核乾板要素技術
発表資料

名古屋大学 素粒子宇宙起源研究機構 現象解析研究センター 実験観測機器開発室 室長/准教授 中村 光廣
http://flab.phys.nagoya-u.ac.jp/2011/

新技術の概要

X線などでは透視できない大規模構造体の中身を、地上に降り注ぐ宇宙線μ粒子を用いて高速に透視するために用いる原子核乾板要素技術です。特に原子核乾板(フィルム)を高速に読み取るために、超高速の読取装置の開発を行い世界最高速度の読み出しを実現しています。

従来技術・競合技術との比較

μ粒子ラジオグラフィーの用途では当初スパークチェンバーやシンチレーティング検出器などの電気的な検出器が用いられてきたが、原子核乾板を用いた手法はそれよりも位置分解能と簡便さにおいて遙かに勝る。設置も容易で有り、読取装置による読み取りのサービスを活用すれば、わずかな初期コストで調査を開始することが可能である。

新技術の特徴

・数mから1kmにおよぶサイズの構造物の内部構造をさぐる技術です。密度の違いを検出します。
・現場に設置するのは電源不要のコンパクトな装置のみ。読み取りは回収後に専用装置で行う。
・コンパクトであるために、ボーリングの穴などの狭いスペースにも設置可能である。

想定される用途

・老朽化構造物の内部構造調査
・熔鉱炉の寿命判定
・資源探査など
・火山・断層などの内部調査

関連情報

・試用可能
・展示品あり(原子核乾板本体を展示予定)

15:10~15:40 分析
8)  生体組織の定量化赤外分光断層イメージング
発表資料

香川大学 大学院研究科 知能機械システム工学専攻 教授 石丸 伊知郎

新技術の概要

我々は、無侵襲血糖値センサーなどの実現を目指した、生体成分の定量計測技術の研究を行っている。提案する結像型2次元フーリエ分光法は、計測深さを合焦面内に限定して2次元の分光特性分布を計測できる。そのため、合焦面を機械的に深さ方向に走査することにより分光断層イメージングが可能である。我々は、マウス耳の皮膚表層近傍の近赤外分光断層イメージングに成功している。

従来技術・競合技術との比較

深さを限定して分光イメージングができることから分光断層像計測が可能であり、形態変化のみならず成分も同時に計測が可能である。特に、分光吸光特性から、高精度に成分を定量計測できれば、無侵襲血糖値センサーなどの医用計測技術が実現する。

新技術の特徴

・赤外分光断層イメージング
・無侵襲医用計測技術
・生体成分定量計測

想定される用途

・無侵襲血糖値センサー
・眼底カメラ
・血液検査装置

関連情報

・外国出願特許あり

15:40~16:10 アグリ・バイオ
9)  iPS細胞研究を支援する脊椎動物発生・分化過程のシングルセル解析
発表資料

三重大学 大学院生物資源学研究科 生物圏生命科学専攻 准教授 田丸 浩

新技術の概要

ゼブラフィッシュ受精卵へのハイスループットなインジェクションシステムを活用して脊椎動物の発生・分化過程における一細胞(シングルセル)を解析することで、iPS細胞からの効率的な細胞分化に役立つ分化誘導因子の探索を行う。

従来技術・競合技術との比較

ゼブラフィッシュは大量の受精卵が調整でき、ハイスループットインジェクションシステムを活用することでマウスなどの実験動物と比べて、圧倒的な大量生物学が可能である。また、未分化細胞から体細胞への発生・分化は個体レベルで調べる必要がある。

新技術の特徴

・ゼブラフィッシュ
・ハイスループットインジェクション
・遺伝子発現

想定される用途

・細胞分化誘導因子
・バイオマーカー探索
・遺伝子発現

16:10~16:40 アグリ・バイオ
10)  マイクロプレート法の100倍のパフォーマンスの新型マイクロアレイMMV
発表資料

埼玉大学 大学院理工学研究科 機能材料工学科 教授 西垣 功一
http://gp.fms.saitama-u.ac.jp

新技術の概要

創薬や医・科学研究に有用な「超高速スクリーニングを実現する新型マイクロアレイシステム」を開発した。微量(0.5μl)・多並列(1024)で多段階(数10段)に試料を処理するシステムで、これまでに存在していない高いパフォーマンスの技術が概要実現した。

従来技術・競合技術との比較

従来のマイクロプレート技術は、現在384穴から1536穴へと微量・多重化しつつあるが、ピペット操作を基本とするこの技術では、ほぼ限界にきている。新型マイクロアレイ法MMV技術では、この限界を打ち破り、微量性、並列性、速度において優れたものとなっている。

新技術の特徴

・1000種並列解析
・ピペットなし・ダクト(経路)なし・一斉移送の操作で吸着ロス・蒸発ロスがなくて迅速
・並列に多段階反応ができる
・細菌や動物細胞を培養できるし、PCRもできる
・多条件を一斉に作成可能(2N法)
・微量(100nl単位)なために、2桁の低コスト化
・レプリカが作れる(細胞やDNAなどのアレイは複製可能)
・小型(3cm角)であるために、保管場所を取らない。

想定される用途

・1000種のセルベーストアッセイが簡単にできて、コストも100分の1
・モノクローナル抗体のスクリーニング(103~104種)が迅速簡便にできる
・多種の細菌・ウイルス・細胞などをコンパクトに保存し、必要な時にレプリカ増幅可能
・結晶成長条件を一度に多数調べることができる
・iPS細胞の分化誘導テストが微量で1000種並列にできる
・プレミックス・プレアソート・プレチャージなどの試薬充填キットを作成して実験の迅速簡便化ができる
・ペプチド分子進化の多段階反応ができる

関連情報

・サンプルの提供(数に限りがあるため要相談)
・展示品あり(MMVチップの展示とビデオ上映を予定)
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

16:40~17:10 アグリ・バイオ
11)  発光酵素を用いた、迅速高感度な蛋白質間相互作用検出系
発表資料

東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 准教授 上田 宏
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/hueda/

新技術の概要

ホタルの発光酵素ルシフェラーゼが触媒する二つの反応のそれぞれを触媒する変異体2種類を構築し、2つの蛋白質が近接したことを酵素の発光活性の上昇として迅速高感度に検出できる、新原理の相互作用検出系を構築した。

従来技術・競合技術との比較

試験管内で簡便に実施可能な検出系として、従来のルシフェラーゼを用いたProtein fragment complementation assay (PCA)より安定で高活性、かつ通常のFRET系より長距離の相互作用でも検出可能な利点があります。

新技術の特徴

・サンプルと基質を混ぜて数秒間発光を測定するだけの簡便なアッセイ
・安定な全長発光酵素による、明るく高感度なアッセイ
・10nm以内に近接すれば、どんな相互作用でも検出可能

想定される用途

・抗原抗体反応検出などに基づく臨床診断(In vitro diagnostics, IVD)
・相互作用促進・阻害活性に基づく薬剤スクリーニング(Drug discovery)
・細胞・個体内相互作用の発光イメージング

関連情報

・サンプルの提供可能
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