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発表内容詳細

13:20~13:50 創薬
1)  リンパ節指向型インテリジェントがんワクチン
発表資料

三重大学 大学院医学系研究科 がんワクチン治療学 教授 珠玖 洋
http://www.shikuken.jp

新技術の概要

リンパ節は抗がん免疫反応にとって最も重要な器官です。我々は、がんワクチン抗原をリンパ節選択的に高効率送達する疎水化多糖粒子によるデリバリーシステムを開発しました。本システムを応用したがんワクチンは,非常に高い免疫誘導能力と抗がん効果を発揮します。

従来技術・競合技術との比較

従来のデリバリーシステムは投与部位(皮下・筋内)にワクチン抗原を滞留させることで、抗原の体内濃度を長期維持して免疫反応の増強を図ります。しかし結局はリンパ節内へのワクチン抗原の移行は非常に微量で、免疫反応を十分に誘導することができていません。

新技術の特徴

・ペプチド・タンパク質を初めとする治療物質をリンパ節内に高効率デリバリーする技術です。
・疎水化多糖粒子をがんワクチンのデリバリーに応用すれば、ワクチンの免疫誘導能力と抗がん効果を著しく増強します。
・疎水化多糖粒子と治療物質の複合体化は非常に容易、得られる複合体は長期安定で、疎水化多糖粒子は治療物質を保護する作用もあります。

想定される用途

・がん治療用ワクチンや感染症ワクチンの有効性を最大化するデリバリーシステム
・サイトカインや免疫アジュバント、低分子医薬の有効性を最大化するデリバリーシステム
・リンパ節を可視化する画像診断薬

関連情報

・外国出願特許あり

13:50~14:20 創薬
2)  siRNAを用いた制御性T細胞の作成方法
発表資料

名古屋市立大学 大学院医学研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学 准教授 鈴木 元彦
http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/w3med/labo/oto.dir/index.html

新技術の概要

siRNAを導入して抗原提示細胞を修飾し、生体外にて制御性T細胞を誘導する。また、修飾された抗原提示細胞に抗原を感作すれば、抗原特異的な修飾抗原提示細胞が樹立され、T細胞の誘導が可能になる。

従来技術・競合技術との比較

従来技術として、抗体を用いて生体外で制御性T細胞を誘導する方法は、抗体による副作用があった。本技術では抗体を用いずにsiRNAのみを用いて制御性T細胞を作成する方法を見出した。

新技術の特徴

・既存の方法では困難な抗原特異的な制御性T細胞の誘導が可能である(抗原特異的制御性T細胞は抗原非特異的T細胞よりも安全性が高い。抗原特異的制御性T細胞は抗原非特異的(ポリクローナル)制御性T細胞よりも数十倍強力な抑制効果をもつ)
・siRNAを直接体内に投与しないために安全性が高い。
・抗体を使用しないために、抗体が生体内に投与される可能性がない。

想定される用途

・作製した制御性T細胞を直接投与(静脈投与、局所投与等)して、疾患を治療する。
・本法で作製された抗原特異的制御性T細胞を抗CD3抗体、抗CD28抗体で増幅して投与する。
・制御性T細胞を用いて生体外で免疫細胞を修飾、修飾された免疫細胞を投与して治療する。

関連情報

・サンプルの提供可能(各々のケース毎に検討させていただきます)

14:20~14:50 創薬
3)  天然由来レチノイドX受容体アゴニスト
発表資料

愛知学院大学 薬学部 薬用資源学講座(生薬学、生化学) 教授 井上 誠
http://www.phar.agu.ac.jp/lab/med_res/top.html

新技術の概要

生薬の一つサンズコンから、遺伝子転写調節因子である核内受容体の一つレチノイドX受容体を強く活性化する化合物2種を発見した。これらより生活習慣病や潰瘍性大腸炎の予防・治療剤を作製することが期待できる。

従来技術・競合技術との比較

RXRアゴニストとして合成品の「ベキサロテン」や、天然物の「ホーノキオール」が知られているが、高中性脂質血症を惹起したり、活性が弱いといった欠点があった。サンズコン由来化合物はそれらと比較して生体親和性に優れ、強いRXR活性化能を持っている。

新技術の特徴

・天然生薬を由来としており、生体親和性に優れている。
・PPARγアゴニスト(ピオグリタゾン)やレチノイン酸(retinoic acid receptor agonist)の副作用を軽減できる。
・RXRアゴニストは、いくつかの核内受容体の活性を調節することができる。

想定される用途

・糖尿病の予防・治療剤
・肥満症の予防・治療剤
・潰瘍性大腸炎の予防・治療剤

15:10~15:40 アグリ・バイオ
4)  昆虫感染ウイルス由来のコンドロイチン分解酵素とその応用
発表資料

愛知医科大学 医学部 分子医科学研究所 准教授 杉浦 信夫
http://www.aichi-med-u.ac.jp/institute/outline/5.html

新技術の概要

昆虫に感染するバキュロウイルスがコンドロイチン硫酸分解酵素を産生しており、昆虫の消化管内面にある囲食膜にコンドロイチン硫酸が存在していることを見出した。本酵素は昆虫への初期感染を促進していると考えられる。

従来技術・競合技術との比較

既存の農薬(殺虫剤)は環境や人体への影響は無視できず、より安全で特異性の高い薬剤が求められている。また、既存のコンドロイチナーゼは基質特異性が低く、特定の構造を切り出す操作には不向きである。

新技術の特徴

・本酵素は昆虫の囲食膜を分解し、ウイルスや薬剤の浸透性を高める。
・本酵素は基質特異性が高く、特定の高硫酸化オリゴ糖の切り出しが出来る。
・本酵素は温度・pHに安定であり、過酷な環境でも酵素活性を発揮する。

想定される用途

・捕食薬物の腸管浸透性を高める機序を持つ農薬(殺虫剤)
・医薬として期待される高硫酸化コンドロイチン硫酸オリゴ糖の調製
・特定基質のみに働き、副作用が少ない椎間板ヘルニア・脊椎損傷治療薬

関連情報

・サンプルの提供可能(用途開発のための共同研究可能)

15:40~16:10 医療・福祉
5)  尿検体を用いた悪性腫瘍の効率的な検出法
発表資料

奈良県立医科大学 医学部 医学科 病理病態学講座 講師 島田 啓司
http://www.naramed-u.ac.jp/~2path/index.html

新技術の概要

尿中に出現する膀胱、尿管、腎盂由来の癌細胞に対する新規癌マーカーを提供する。新規癌マーカーを標識することで、自然尿を用いた高精度の癌診断システムを構築できる。

従来技術・競合技術との比較

内視鏡を用いた癌診断は確実性が高いが患者の苦痛が大きい。一方、尿細胞診は患者の苦痛は皆無であるが診断従事者の技量など不確定要素の影響を受けやすく、診断感度が低い。しかし、新規癌マーカーを標識して自然尿中の癌細胞を効率よく抽出できれば、従来からの諸問題を克服し、低侵襲性と高い診断精度を兼ね備えた癌診断システムを構築できる。

新技術の特徴

・新規癌マーカーを標識することで、自然尿中に出現した癌細胞を高い感度、特異度で検出できる一方、患者の苦痛は皆無である。
・尿中に出現する癌細胞は新規癌マーカーを安定、持続的に高発現しており、変性の影響を受けにくく効率的に癌細胞を検出できる。
・新規癌マーカーは食道癌、子宮頸癌細胞にも強発現しており、非腫瘍細胞との識別に有用なマーカーである。

想定される用途

・尿検体を用いた癌検出キット・癌検出装置の開発や癌細胞の選択的抽出とその遺伝子情報の解析およびオーダーメイド医療への応用
・新規癌マーカーと生体使用可能な標識試薬を組み合わせた生体内腫瘍イメージング(腫瘍の大きさ、辺縁等を視覚的に把握する)
・新規癌マーカーを標的とした治療薬の開発
・食道、子宮頸部扁平上皮癌の新規診断・治療システムの構築

関連情報

・サンプルの提供可能(抗体の提供可能)

16:10~16:40 医療・福祉
6)  高機能性膜タンパク質再構成リポソームの作製技術
発表資料

三重大学 大学院工学研究科 リポソームバイオ工学 特任教授 吉村 哲郎
http://www.lel.co.jp

新技術の概要

本技術は、組換えプロテオリポソームおよび超音波処理プロテオリポソームの新規作製技術であり、元々水に溶けない膜タンパク質を生体内類似の可溶化状態にし、高機能性とした。疾病の診断・治療・予防および創薬におけるオリジナル開発に利用可能である。

従来技術・競合技術との比較

GPCR等の膜タンパク質は、創薬ターゲットとして注目されているが、水に不溶であるため、通常界面活性剤を用いてリポソームに再構成されている。しかし、構造、配向性、機能等において問題が残る。本技術は、遺伝子組換え技術および超音波処理法を用いてこれらの問題を解決し、応用可能とした。

新技術の特徴

・遺伝子を用いるため、何れの膜タンパク質かつ膜タンパク質複合体でも再構成可能(組換えプロテオリポソーム)
・界面活性剤が不要で、膜タンパク質の構造・配向性が維持され、医療応用が可能(組換えプロテオリポソーム)
・全ての細胞膜タンパク質が提示され、医療応用が可能(超音波処理プロテオリポソーム)

想定される用途

・生理活性物質(薬物)や(自己)抗体等の検出・同定・識別・探索(疾病診断および創薬)
・抗体(医薬)の開発(疾病治療)
・ワクチンの開発(疾病予防)

関連情報

・サンプルの提供可能(関連会社にて開発・作製・測定受託)
・展示品あり・((株)リポソーム工学研究所の会社案内、受託サービス案内、装置カタログ)
・外国出願特許あり
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