発表内容詳細

10:50~11:20 材料
1)  温度応答性電解質を使った酸/塩基性ガスやイオンの分離方法
発表資料

九州大学 大学院工学研究院 化学工学部門 助教 星野 友
http://www.chem-eng.kyushu-u.ac.jp/lab9/index.html

新技術の概要

本技術は、温度に応答して酸・塩基性が可逆的に変化する温度応答性電解質を利用することで、混合ガスや溶液中から特定の酸・塩基性ガスやイオンを効率よく連続的に分離する方法を提供します。

従来技術・競合技術との比較

これまでのガス吸収法やイオン交換法は、吸収剤や樹脂の再生のために多くのエネルギー・コストを必要としていた。本技術は温度に応じて相転移を起こす高分子にイオン交換基を導入することで僅かな温度変化で連続的に再生し使用可能なガス、イオン分離を可能にします。

新技術の特徴

・本技術によりこれまで利用できなかった低温廃熱を利用して効率よく物質の分離・精製が出来るようになります。
・本手法により、排熱を化学エネルギーや電気エネルギーとして変換・貯蔵する事が可能になります。
・安価な材料からなる単純なプロセスのため大規模化が可能です。

想定される用途

・ガス精製、二酸化炭素回収
・水処理
・電池、コンデンサ、熱電変換

関連情報

・外国出願特許あり

11:20~11:50 材料
2)  超高密度な表面拘束電荷により触媒活性能を発現するセラミックエレクトレット
発表資料

九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 准教授 田中 優実
http://www.cstf.kyushu-u.ac.jp/~hojolab/

新技術の概要

表面静電荷を保持するエレクトレットと呼ばれる材料に酸化還元触媒を担持することで触媒周囲に静電場を導入し、触媒反応を活性化させる技術である。エレクトレット基材としてセラミックを用いることで、水溶液や有機溶媒中においても静電場による触媒活性化効果を発現させることが可能となる。

従来技術・競合技術との比較

酸化還元触媒の反応場に電圧を印加して電荷層を形成させることにより触媒活性が向上する現象はすでに知られている。しかしこの手法には外部電源が必要となるため、電池への適用は困難であった。本技術は、電荷層形成にエレクトレットの静電場を利用するため、電池電極触媒にも利用することができる。

新技術の特徴

・数百万C/㎡におよぶ超高密度電荷を半永久的に保持するエレクトレットを担体とする新たな触媒活性化技術である
・静電気を利用した触媒活性発現系であり外部電源を必要としないため電池電極反応にも応用可能である
・エレクトレットの表面電荷は水溶液や有機溶媒中においても消費されないため永続的な効果の発現が期待できる

想定される用途

・固体高分子型燃料電池の酸素還元触媒用担体
・各種酸化還元反応系の触媒担体
・局所電場を利用した特異なイオン/分子選択吸着性を具備する機能性セラミック基板

13:00~13:30 材料
3)  金属微粒子によるフルカラーナノコーティング
発表資料

九州大学 先導物質化学研究所 物質基盤化学部門 教授 玉田 薫
http://www.cm.kyushu-u.ac.jp/?page_id=2449

新技術の概要

我々の研究室独自の研究成果である金属ナノ微粒子二次元結晶シートが、金属薄膜上に多層積層した際に、下地金属との相互作用によって特有の鮮明な呈色(プラズモン現象による特定の波長の光の吸収による)をすることを発見、これを用いてナノメートル厚みのフルカラー金属薄膜の作製法を発明した。

従来技術・競合技術との比較

材質が貴金属なので、安定性・安全性ともに従来の有機色素に比べて優れているほか、プラズモン構造を活かした高感度バイオセンシングや高効率光電子デバイス開発に応用できる。

新技術の特徴

・低コストで耐色性に優れたカラーメタリック・コーティングが実現可能
・特定波長のバルク光をnm厚みの領域に均一に閉じ込めることが可能

想定される用途

・装飾技術として、携帯電話等電子機器、自動車関連、インテリア用品のメタリック・コーティング
・プラズモン構造を用いたバイオセンシングデバイスや光導波路、太陽電池といった光エレクトロニクスデバイス

関連情報

・試作可能
・外国出願特許あり

13:30~14:00 材料
4)  高品質・大面積のグラフェン薄膜の製造方法
発表資料

九州大学 先導物質化学研究所 融合材料部門 准教授 吾郷 浩樹
http://nano.cm.kyushu-u.ac.jp/ago/

新技術の概要

サファイアなどの単結晶基板上にエピタキシャルに金属薄膜を堆積し、それを触媒としてCVDを行うことで、六員環の方位を揃えた超高品質なグラフェンを合成する技術です。平坦な金属膜を用いるため、グラフェン膜の破損をなるべく抑えて転写することも可能です。

従来技術・競合技術との比較

近年は、グラフェンの触媒として銅ホイルが広く用いられていますが、銅の表面が粗く、かつ多結晶であるため高品質のグラフェンを得るのが困難でした。本技術ではエピタキシャル金属を利用することによって、極めて高品質の転写グラフェンを比較的安価に得ることができます。

新技術の特徴

・大ドメインで理想的なグラフェンに近い特性が得られる
・表面改質・表面保護用の単原子シートなどへの応用も可能
・グラフェンの層数制御や積層制御の可能性

想定される用途

・フレキシブルな透明電極
・タッチパネル
・高移動度の半導体材料

関連情報

・展示品あり(転写したグラフェンサンプルをいくつか展示予定)
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

14:00~14:30 材料
5)  イオン液体の新しい機能と応用-強誘電液体とバイオナノカプセル作成
発表資料

九州大学 大学院工学研究院 応用化学部門 教授 君塚 信夫
http://www.chem.kyushu-u.ac.jp/~kimizuka/

新技術の概要

(1)強誘電体であるチタン酸バリウムより大きな分極Pを示すイオン液体を発見した。(2)親水性のイオン液体と生体高分子(核酸,酵素)を含むタンパク質水溶液を膜乳化法を用いて混合し、生体高分子を内包したタンパク質ナノカプセルを簡便に製造する技術。またカプセルの表面化学修飾を行って水相に抽出する技術。

従来技術・競合技術との比較

(1)これまで、チタン酸バリウムを超える分極を示す液体は知られていない。(2)w/oエマルションを用いてタンパク質マイクロカプセルを作成する手法と異なり、本技術では不揮発性のイオン液体と水の界面を利用する。イオン液体中とタンパク質水溶液を混合することにより、タンパク質ナノカプセルを簡便に作成することをはじめて可能にした。特に、タンパク質水溶液とゲストとなる生体高分子(酵素あるいは核酸)を共存しておくと、ゲストが内包されたナノカプセルが一挙に得られ、本技術はイオン液体ー水界面をナノマテリアル合成に利用する初めての技術を提供する。

新技術の特徴

・強誘電液体:アクチュエーター
・タンパク質ナノカプセル:生体適合性、環境保全ナノ材料
・親水性イオン液体:様々な高分子、無機高分子材料からなるナノカプセルの合成

想定される用途

・強誘電液体:ガラスなどの表面改質(潤滑性、ぬれ性)、電解質、太陽電池、コンデンサー、燃料電池、めっき、アクチュエーター
・タンパク質ナノカプセル:化粧品、医薬品分野、薬物送達キャリヤ、触媒固定材料、徐放材料

関連情報

・サンプルの提供可能(要相談)

14:40~15:10 材料
6)  炭化水素系燃料の直接供給で発電する新コンセプト固体酸化物形燃料電池
発表資料

九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 准教授 白鳥 祐介
http://www.mech.kyushu-u.ac.jp/~hup/index.html

新技術の概要

炭化水素系燃料の直接供給時に効率良く安定的に合成ガスを生成する触媒材料と、それを搭載しバイオ燃料等の直接供給でも作動するコンパクトな新構造SOFCを開発した。当技術は、次世代CHPへの応用が期待される。

従来技術・競合技術との比較

炭化水素系燃料を燃やさずに直接電気に変換できるため、従来の発電機に比較して倍の発電効率が得られる。また、改質部がセルに内蔵されているため、従来の燃料電池システムに比較して、大幅な高効率化・コンパクト化・低コスト化が期待される。

新技術の特徴

・必要箇所への貼り付けが可能なフレキシブルな改質触媒
・上記触媒を搭載した新構造固体酸化物形燃料電池(SOFC)
・上記SOFCによるバイオマスの直接エネルギー変換

想定される用途

・化石燃料およびバイオマスからの水素製造システム
・電気・熱・水素を発生する次世代CHPシステム
・バイオマス賦存量が多い地域での分散型電源

関連情報

・展示品あり(燃料電池サンプル、開発触媒材料サンプル展示予定)

15:10~15:40 材料
7)  各種材料のストレス分布を検出できるメカノクロミック材料
発表資料

九州大学 先導物質化学研究所 分子集積化学部門 准教授 大塚 英幸
http://takahara.ifoc.kyushu-u.ac.jp/otsuka-group/index.html

新技術の概要

材料が受ける圧縮、延伸、衝撃、せん断、粉砕、曲げ、摩擦などの力学的刺激(力学的ストレス)の度合いを着色によって視覚的に示すことで、その損傷位置や程度を可視化できるメカノクロミック材料について紹介する。

従来技術・競合技術との比較

本メカノクロミック材料は、色素分子の会合形態変化や異性化を利用せず、力学的ストレスにより共有結合が切断されて発生する比較的安定なラジカル種による着色を利用するため、様々の力学的刺激に応答し、さらに刺激を取り除くことで退色するため、繰り返し使用が可能である。

新技術の特徴

・力学的な刺激(粉砕、伸長など)により、青色に着色する。
・着色後、静置することで退色し、繰り返し使用できる。
・様々な有機材料に導入しやすい。

想定される用途

・ストレス分布を可視化できるコーティング材
・圧力センサー材料
・スポーツ用素材

関連情報

・講演後の個別面談時にサンプルをご覧いただけます。
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