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発表内容詳細

10:20~10:50 医療・福祉
1)  治療の工程分類・評価と最適化を実現する手術工程解析システム

千葉大学 大学院工学研究科 人工システム科学専攻 准教授 中村 亮一

新技術の概要

外科手術の作業内容を生産工学的手法及び術具移動情報を用いた作業内容分析法を通じ分析することにより、術式の特徴・個別症例/術者の差違や変化を定量的に明らかにし、手術の最適化や教育訓練効果の向上を支援する技術。

従来技術・競合技術との比較

これまで定性的な評価が中心であった外科における作業・技量評価に定量性を持たせた。また手術ビデオ等を用いた方法と異なりナビゲーション情報を用いた本手法は必要最低限の情報を完全匿名化して利用することが可能である。

新技術の特徴

・作業内容を直接的に定量評価
・作業者の技量や作業内容の難易度の定量化
・作業環境に影響を与えない計測環境の提供

想定される用途

・病院(手術部)管理におけるスケジュール・人員管理の最適化、リスクマネージメント
・新規医療機器の効用・安全性の定量評価
・手術の教育訓練

10:50~11:20 医療・福祉
2)  不可視化メガネを用いた歯面刷掃能の評価方法
発表資料

新潟大学 大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻 口腔健康科学 教授 早崎 治明
http://www.dent.niigata-u.ac.jp/pedo/pedo.html

新技術の概要

歯列模型の表面に色素を着色させる。その色素を不可視化するメガネを使用して歯列模型を刷掃することにより、刷掃者(介助者)がどの程度歯ブラシの毛先を歯面に到達できるかを評価可能となった。また、この刷掃は歯ブラシに依存することから歯ブラシの評価も可能である。

従来技術・競合技術との比較

比較できる技術はない。

新技術の特徴

・歯ブラシの刷掃能をヒトによって客観的に評価できる
・刷掃者(介助者)や歯科教育に用いることができる
・不可視化するメガネはヒトの動作やその動作の目的の評価に有用な場合がある

想定される用途

・不可視化することでヒトと道具の能力または効果を客観的に評価できる
・指導と評価を繰り返し行うことにより指導方法や効果が評価できる

関連情報

・展示品あり(不可視化メガネと歯形の模型)

11:20~11:50 創薬
3)  関節軟骨特異的イメージングプローブ
発表資料

岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(医) 生体制御科学専攻 准教授 大橋 俊孝
http://mbb-okayama.sakura.ne.jp/

新技術の概要

関節軟骨画像化用のペプチドプローブを紹介する。中小動物の関節軟骨病変の進行を鮮明に評価出来れば、変形性関節症やリウマチなどの関節疾患を対象とする新規治療薬開発への貢献が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

従来、変形性膝関節症の画像診断にはX線撮影が使用されてきたが、関節軟骨組織は造影できないため、関節間の隙間が減少することなどが指標とされてきた。本技術は軟骨組織の可視化を可能にする画像診断用プローブである。

新技術の特徴

・軟骨基質(プロテオグリカン)の定量評価
・様々な検出モダリティー(蛍光、X線、MR) に対応可能
・薬物送達

想定される用途

・変形性膝関節症動物モデルの治療効果評価
・リウマチ性関節症動物モデルの治療効果評価
・骨折治癒動物モデルの治療効果評価

関連情報

・サンプルの提供可能(必要量によりますので、相談ください。
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

11:50~12:20 創薬
4)  褐色脂肪細胞活性化による新規抗肥満薬
発表資料

金沢大学 医薬保健研究域薬学系 薬物学 准教授 檜井 栄一
http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/~yakubutu/

新技術の概要

肥満は万病の元である。すなわち、体にたまる脂肪を減らすことが健康・長寿につながる。褐色脂肪組織には脂肪を燃やす働きがある。近年、ヒト成人における褐色脂肪細胞の重要性が相次いで報告されている。今回私達は、褐色脂肪細胞を活性化する新規因子を同定し、その抗肥満効果を確認した。

従来技術・競合技術との比較

アドレナリン受容体作用薬を含め、抗肥満治療薬の開発が試みられてきた。しかし、他の臓器に対する副作用等により、現時点ではまだヒトでは成功していない。今回私達が同定した因子は、動物実験において、他の臓器での副作用がほとんどみられないことから、特異性の高い有用な抗肥満薬となる可能性がある。

新技術の特徴

・抗変形性関節症
・抗骨粗鬆症

想定される用途

・抗肥満
・抗糖尿病
・抗動脈硬化

J-STORE掲載特許情報

13:10~13:40 医療・福祉
5)  皮膚細胞が乳酸菌を取り込むと多能性細胞になる
発表資料

熊本大学 大学院生命科学研究部 神経分化学分野 准教授 太田 訓正

新技術の概要

私たちは乳酸菌をヒト皮膚細胞に感染させ、多能性細胞を創り出すことに世界で初めて成功した。この技術を癌細胞のリプログラミングに応用し、安全な抗がん剤製造の基盤確立を目指す。

従来技術・競合技術との比較

ES細胞やiPS細胞には、倫理的問題や癌化の可能性が残っているが、乳酸菌を用いて製造された多能性細胞は安全である。

新技術の特徴

・新規多能性幹細胞の提供
・細胞のリプログラミング
・がん細胞の性質変換

想定される用途

・新規多能性幹細胞の提供
・細胞のリプログラミング剤
・新規作用を持つ抗がん剤の開発

関連情報

・MTAにて提供可能
・外国出願特許あり

J-STORE掲載特許情報

13:40~14:10 創薬
6)  不安障害やうつ症状を示すCD157/BST1ノックアウトマウス
発表資料

金沢大学 子どものこころの発達研究センター 脳細胞遺伝子学研究分野 特任教授 東田 陽博
http://noupro.w3.kanazawa-u.ac.jp/index.html

新技術の概要

CD157/BST-1はリューマチ等の免疫疾患、白血病や卵巣がん細胞の転移に関与し、パーキンソン病の危険因子である。 CD157/BST1 ノックアウトマウスは、運動障害を示さず、扁桃体の低形成を伴い、不安やうつ症状を呈する。この症状は、可逆的に抗うつ薬で改善されるため、上記の病気の原因解明や新薬のスクリーニングに適する新しいモデルマウスである。

従来技術・競合技術との比較

CD157/BST-1は免疫機構や白血病や卵巣腫瘍細胞の転移に関係があるとされていたが、そのノックアウトマウスによる解析はほとんどないに等しい。本ノックアウトマウスによる中枢神経作用の障害は新発見である。

新技術の特徴

・リューマチやB細胞性のCD157依存的免疫疾患の解明と薬物開発
・カロリー制限やサイクリックADPリボース依存的腸幹細胞性消化管疾患の解明と治療薬開発
・白血病や卵巣腫瘍のCD157 依存的転移機構の解明と転移抑制剤の開発

想定される用途

・抗不安やうつ薬のスクリーニング
・リュマチ等の免疫疾患やパーキンソン病の精神症状改善薬のスクリーニング
・パーキンソン病の原因解明

14:10~14:40 医療・福祉
7)  3次元環境における細胞アッセイのためのハイドロゲル材料の提案

千葉大学 大学院工学研究科 共生応用化学専攻 准教授 山田 真澄
http://chem.tf.chiba-u.jp/gacb01/index.html

新技術の概要

生体内に近い環境における細胞の挙動観察や薬効評価を可能とするハイドロゲル材料を開発した。ファイバー状のゲル材料の内部に、複数種の細胞を正確に配置することで、簡便かつ正確に細胞の挙動を評価することが可能となる。例として、癌細胞及び正常細胞を高密度に包埋し、3次元的な環境における癌細胞の浸潤挙動に対する抗癌剤の影響を評価した。

従来技術・競合技術との比較

通常の平面培養やスフェロイド培養では不可能な、(1)3次元的な環境下で、(2)複数種の細胞が存在し、(3)細胞の位置が正確に制御され、(4)細胞の移動方向が一方向に制御される、系における細胞アッセイが可能となる。

新技術の特徴

・異方的な微小ハイドロゲル材料の作製が可能となる
・3次元的環境における癌細胞の浸潤評価が可能となる
・生体内環境に近い状態における薬効アッセイが可能となる

想定される用途

・創薬スクリーニング
・細胞を用いた薬剤代謝・毒性評価試験
・生化学的研究

関連情報

・サンプルの提供可能

14:50~15:20 医療・福祉
8)  近赤外蛍光赤血球を用いたマウス深部脳活動の経頭蓋イメージング
発表資料

新潟大学 脳研究所 システム脳生理学分野 教授 澁木 克栄
http://www.bri.niigata-u.ac.jp/~physio/

新技術の概要

マクロ共焦点光学系のピンホール径を拡大し、光検出能力を強化した。さらに近赤外蛍光色素で標識した赤血球をマウスに投与し、深部脳活動を活動依存的な血流応答として経頭蓋的に可視化する技術の開発に成功した。

従来技術・競合技術との比較

従来、マウスの深部脳活動は、fMRI・PETなど大型で高額な機器で可視化するしかなく、高磁場や放射線などを必要とした。本法は、安価な機器で深部脳活動を可視化でき、制約条件が少なく、時間・空間分解能が良い。

新技術の特徴

・脳活動を血流変化として観察するので、脳の血行動態についても詳しく解析できる
・複数のレーザーを搭載することにより、脳表面(大脳皮質など)の神経活動をニューロンレベルで解析できる
・蛍光色素で標識した赤血球は動物の体内で数十日残存するので、同一個体の脳活動や脳血流を経頭蓋的に繰り返し計測できる

想定される用途

・モデル動物の深部脳活動に影響を与える薬物(例えば向精神薬)の効果の解析や新薬のスクリーニング
・モデル動物における脳血流障害(脳出血、脳梗塞)の治療薬の解析や新薬のスクリーニング
・モデル動物における脳病変(脳腫瘍、脳変性疾患など)の治療薬の解析や新薬のスクリーニング

15:20~15:50 アグリ・バイオ
9)  細胞間接着を促進する3次元培養用基材
発表資料

岡山大学 大学院自然科学研究科(工) 化学生命工学専攻 教授 妹尾 昌治
助教 笠井 智成
http://www.cyber.biotech.okayama-u.ac.jp/senolab/

新技術の概要

微生物が生産したチューブ状で非晶質、多孔質の酸化鉄を培地に添加することにより、巨大な細胞塊が形成される。2次元培養では生産が困難な希少タンパク質やペプチド、活性型タンパク質の分泌促進が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

薬剤などの処理濃度の調節、細胞分泌物の回収が容易となり、細胞間接着を促進して巨大な細胞塊を形成することが可能である。本技術は細胞塊内部に担体を取り込ませて培地成分を送達する全く新しいコンセプトを提案する。

新技術の特徴

・細胞分泌物の回収が容易
・既存の培養設備での3次元培養が可能
・薬剤スクリーニングに応用可能

想定される用途

・希少タンパク質やペプチドの生産
・細胞生物学研究用試薬
・ドラッグデリバリーシステム

関連情報

・サンプルの提供可能

15:50~16:20 医療・福祉
10)  腹腔鏡レンズの術中洗浄装置
発表資料

長崎大学 工学部 機械工学コース 技術専門職員 久田 英樹

新技術の概要

腹腔鏡下手術における腹腔鏡先端の観察用レンズは、術中に血液や脂肪などにより汚れ、また曇りを生じることが頻繁で、その洗浄・清浄化のために一時施術を中断せざるを得ず、手術効率を著しく低下させている。そこで現在市販されている腹腔鏡に取り付けて、術中にレンズ窓面を洗浄することを可能とする器具を考案した。

従来技術・競合技術との比較

胃カメラのような内視鏡(軟性鏡)では、鏡筒内部に洗浄ノズルを内蔵させたものが市販されているが、腹腔鏡(硬性鏡)では有効な市販品がない。

新技術の特徴

・市販されている腹腔鏡(硬性鏡)に簡単に着脱できる構造
・レンズ窓面の効率的洗浄(洗浄液(生理食塩水)+乾燥空気のダブル洗浄)
・最少部材による低コスト化(ディスポーザル使用対応)

想定される用途

腹腔鏡レンズの術中洗浄

関連情報

・展示品あり(腹腔鏡レンズ洗浄装置の試作品を示しながら説明する)
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