発表内容詳細

13:20~13:50 アグリ・バイオ
1)  大豆と卵白のタンパク質で米粉パンを膨化させる新技術
発表資料

静岡県立大学 食品栄養科学部 調理科学・フードマネジメント分野 教授 新井 映子

新技術の概要

グルテンを含まない米粉パン(グルテンフリー米粉パン)を膨化させるために、豆乳に含まれる大豆タンパク質と卵白タンパク質を併用することにより、グルテン膜を形成できない米粉単独の製パンにおいても、良好な膨化とパンに特有の内相が得られることを見出した。さらに、従来のグルテンフリー米粉パンでは不可能であったきめの細かさやクラムおよびクラストの柔らかさが実現できた。

従来技術・競合技術との比較

イーストが発生する炭酸ガスをグルテン膜によって保持することができないグルテンフリー米粉パンでは、食品添加物の増粘多糖類を加えて生地粘度を上げ、気体の散逸を防いでいるものが多い。本技術では食品添加物を使用せずに、食品素材の大豆と卵白のタンパク質のみでパンを膨化させるところに特色がある。

想定される用途

・小麦アレルギー疾患の人を対象としたアレルギー除去食としてのパンや菓子類
・グルテンの過剰摂取を避けたい人を対象としたグルテンフリーダイエット用のパンや菓子類

J-STORE掲載特許情報

13:50~14:20 創薬
2)  高い脳神経疾患改善作用を示す2-デセン酸誘導体の開発
発表資料

岐阜薬科大学 大学院薬学研究科 薬科学専攻 教授 古川 昭栄
http://www.gifu-pu.ac.jp/top.html

新技術の概要

うつ病又はアルツハイマー病のモデルマウスにkg体重あたり5又は25マイクログラムを毎日経口投与すると明瞭な薬効を示す高活性の新規2-デセン酸誘導体を開発した。

従来技術・競合技術との比較

開発したのは、低用量でニューロンに作用して、高次脳機能の発達、維持、シナプス可塑性に必須であるニューロトロフィンファミリー神経栄養因子に類似のシグナルを生成する低分子化合物であり、これまでにない作用メカニズムで神経系に作用する。

新技術の特徴

・中枢神経の軸索再生を引き起こすので脳卒中後のリハビリ効果を促進する可能性がある
・アミロイドβに対して抵抗性をもつので新しい視点に立つアルツハイマー病治療薬として期待できる
・従前に開発した2-デセン酸活性化合物より約20倍高活性であるため、非特異的副作用の軽減が期待できる

想定される用途

・神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病など)の治療薬
・気分障害(うつ病、不安症など)の治療薬
・中枢神経の軸索機能障害(脊髄損傷や脳卒中に伴う運動障害など)の回復促進薬

関連情報

・サンプルの提供可能

14:20~14:50 アグリ・バイオ
3)  立体的に遮蔽された金属ポルフィリンの効率的合成と、その特異なC-H結合活性化能
発表資料

名古屋市立大学 大学院薬学研究科 創薬生命科学専攻 教授 樋口 恒彦
http://www.phar.nagoya-cu.ac.jp/hp/ysk/index.html

新技術の概要

金属ポルフィリンは、強力なC-H結合活性化反応により、アルカンの酸素、窒素、炭素官能基導入などの有用な反応を触媒する多彩な機能を有しているが、金属部位は広く開放されているいるため、反応の選択性が不十分な場合がある。この点を解決するために、立体的に遮蔽されたポルフィリン触媒の効率的な合成新技術を発明し、触媒がアルカンのC-H結合活性化で特異な高い選択性を示すことも明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

これまで報告された立体的に遮蔽されたポルフィリンは、過酷な反応条件を用いても極めて低収率でしか得られなかったが、新しい技術は穏やかな条件で収率も一桁以上向上し、様々な類縁体も合成できるようになった。また触媒としての反応選択性も従来のものを凌駕している。

新技術の特徴

・直鎖状アルカンの末端メチル基の隣のメチレン基を選択的に一段階修飾できる
・種々の誘導体合成が可能であり、電子的・立体的な調整ができる
・中心金属を種々選択できることより、様々なC-H結合活性化反応に応用可能

想定される用途

・合成困難な医薬品代謝物の一段階合成
・医薬リード化合物の構造最適化のための独創的類縁体調製
・天然物化合物など複雑な化合物の合成過程への応用

15:00~15:30 創薬
4)  クラリスロマイシン準安定形結晶を利用した胃内浮遊製剤
発表資料

静岡県立大学 薬学部 創剤科学分野 助教 岩尾 康範
http://w3pharm.u-shizuoka-ken.ac.jp/pharmeng/

新技術の概要

特殊な添加剤を用いずに、 clarithromycinの準安定形結晶であるform I及び0と賦形剤として汎用されるhydroxy propyl methyl cellulose (HMPC) を配合し、打錠するだけで、溶液中で数十時間も浮遊する錠剤の作製が可能となる。

従来技術・競合技術との比較

これまでのクラリスロマイシン胃内浮遊性製剤に関する公知例としては、親水性ポリマーなどを用いた例、カルボフィルなどを用いた例などはあるが、クラリスロマイシンの結晶多形を利用した例はなく、その新規性は高い。加えて特殊な添加剤が必要でないので、高含有の錠剤の調製も可能となる。

新技術の特徴

・浮遊製剤
・クラリスロマイシン
・準安定形結晶

想定される用途

・浮遊製剤
・徐放性製剤

15:30~16:00 創薬
5)  アンドロゲン合成阻害を作用点とするがん細胞増殖抑制化合物
発表資料

岐阜薬科大学 大学院薬学研究科 生命薬学大講座 生化学研究室 助教 遠藤 智史
http://www.gifu-pu.ac.jp/research/research_seika.html

新技術の概要

プロポリス含有桂皮酸誘導体であるバッカリンが、アンドロゲン合成に関わるアルドケト還元酵素 (AKR) 1C3を特異的に阻害することを見出している。バッカリンをリード化合物とし、阻害特異性と阻害強度を向上させた誘導体を開発した。

従来技術・競合技術との比較

最近、去勢抵抗性前立腺治療薬として欧米で承認されたCYP17A1阻害剤は、糖質コルチコイドの合成阻害を伴うため、その補充が必要とされるが、AKR1C3はアンドロゲン合成においてCYP17A1の下流に位置するため、その阻害は糖質コルチコイド合成に影響しないと考えられる。

新技術の特徴

・アルドケト還元酵素阻害剤の選択性向上

想定される用途

・抗がん剤
・AKR1C3関連疾患の治療薬
・AKR1C3の性状解析のための阻害剤

関連情報

・サンプルの提供可能

16:00~16:30 医療・福祉
6)  癌細胞選択的新規光線力学療法の開発

名古屋市立大学 大学院医学研究科 共同研究教育センター 准教授 片岡 洋望
http://www.ncu-shotai.ac/index.html

新技術の概要

癌細胞がグルコースを多く取り込む事象を利用し、光感受性物質にグルコースを結合した新規光感受性物質による癌細胞選択的光線力学療法は強力な抗腫瘍効果を示した。癌間質の腫瘍関連マクロファージをも標的としたマンノース結合光感受性物質は、さらに強力な作用を発揮した。

従来技術・競合技術との比較

現在我が国で保険適用となっているPDT第2世代の光感受性物質の20倍から50倍の抗腫瘍効果をin vitroで示した。癌細胞が糖を取り込む性質は現在PET-CTに応用されているが、癌細胞選択性、特異性の高いPDTとして臨床応用が期待される。

新技術の特徴

・癌細胞のみを標的とした治療のみでなく、癌組織間質に存在する腫瘍関連マクロファージを標的とした新規治療
・マクロファージが関与する慢性炎症の治療への応用

想定される用途

・食道癌、胃癌、膀胱癌、子宮頸癌など管腔内から内視鏡観察下に光線照射が可能な癌に対する局所PDT治療
・肝臓癌、脳腫瘍など実質臓器に対するPDT治療(660nmという長波長光線に組織透過を利用)
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