JSTトップ > 新技術説明会 > 発表技術アーカイブス > 2013 二次電池・次世代エネルギー

発表内容詳細

9:45~10:10 エネルギー
1)  CNTを補強材料とする新規リチウムイオン電池負極構造
発表資料

信州大学 工学部 物質工学科 教授 新井 進
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/engineering/chair/chem003/index1-2.html

新技術の概要

一般にスズやシリコンを活物質として用いたリチウムイオン電池負極は充放電時に活物質が集電体から滑落するため充放電耐久性が低い。本特許ではCNTを活物質層と集電体の密着性向上のための補強材料として用いる新規アノード構造を提供する。このようなアノード構造はめっき法により構築される。加えてめっき法による比表面積の大きな銅の簡単な作製方法も紹介する。

従来技術・競合技術との比較

集電体と活物質層との界面にカーボンナノチューブが双方に食い込むように配置されたリチウムイオン電池負極構造およびその製造方法を提供する。さらに、比表面積の大きな集電体(銅)を創製する簡単な方法を提供する。

想定される用途

・スズ系リチウムイオン電池負極
・シリコン系リチウムイオン電池負極
・リチウムイオン電池負極集電体

関連情報

・展示品あり(めっきサンプル)

J-STORE掲載特許情報

10:10~10:35 エネルギー
2)  Ni系二次電池の高容量化を可能にするα型水酸化ニッケルの開発
発表資料

宮崎大学 工学教育研究部 環境ロボティクス学科 教授 酒井 剛

新技術の概要

本発明は、通常ニッケル系二次電池の正極材料として用いられるβ型水酸化ニッケルよりも容量増加が期待できるα型水酸化ニッケルを簡便な方法で製造するものである。さらに詳細には、ニッケルの一部を4価のイオンであるチタンやスズと置換し、高アルカリ溶液と反応させることによりα型水酸化ニッケルを安定期的に製造する。

従来技術・競合技術との比較

これまで、アルファ型水酸化ニッケルの合成には3価元素ドープでの合成例はあるが20%以上ドープしなければα型水酸化ニッケルを合成することは出来なかった。しかし、本発明では4価のイオンをニッケルと置換することで、安定的にα型水酸化ニッケルが合成できることを見出した。

想定される用途

・二次電池の正極材料
・キャパシタ

関連情報

・サンプルの提供可能

10:35~11:00 エネルギー
3)  微生物によるアルカリ等前処理無しの草本系バイオマスの直接高糖化
発表資料

中部大学 応用生物学研究科 応用生物化学科 教授 倉根 隆一郎

新技術の概要

現行では避けて通れないアルカリ等前処理無しで粗粉砕のみの草本系バイオマスに新規取得微生物(酵素)を直接作用させて有効バイオマス成分を高糖化(これまで世界最強の酵素群を凌駕)することを明らかにした。

従来技術・競合技術との比較

これまで世界最強とされていた市販酵素(群)を凌駕する。

想定される用途

・バイオエタノール生産用バイオマス糖化
・バイオ化成品生産用バイオマス糖化
・糖化酵素(群)

11:25~11:50 エネルギー
4)  バイオディ-ゼル燃料用植物ジャトロファに含まれる抗酸化成分の有効利用=100%バイオ由来BDFの生産=
発表資料

香川大学 農学部 応用生物科学科 教授 片山 健至
http://www.ag.kagawa-u.ac.jp/t-suzuki/

新技術の概要

バイオディーゼル燃料(BDF)用植物としてジャトロファが注目され、熱帯の広い地域で栽培・利用されている。我々は、同BDF抽出後の残渣に複数の強力な抗酸化成分が含有されることを見出し、効率的な分離精製法も確立した。こうした抗酸化成分をBDFに安定剤として添加すれば、100%バイオ由来のジャトロファBDFをオンサイトで生産することが可能となり、新規なグリーン・バイオエネルギー創出に貢献が期待される。

従来技術・競合技術との比較

本技術の従来法に対する優位性は、以下の通り。*100%バイオ(ジャトロファ)由来BDFの生産が可能。*オイル抽出後の残渣より抗酸化安定剤が生産できることによる、バイオマスの効率的利用とオンサイト生産が可能。*従来、燃焼処理していたBDF抽出残渣が有効利用できることよりバイオマスの有効利用・温暖化防止の観点よりも有用である。

想定される用途

・BDF用抗酸化安定剤
・油脂酸化防止剤
・酸化防止剤

関連情報

・展示品あり(ジャトロファ種子、バイオディーゼル燃料、抗酸化物質など)

J-STORE掲載特許情報

11:50~12:15 エネルギー
5)  光合成明反応機能強化による植物バイオマスの上昇
発表資料

広島大学 大学院理学研究科 数理分子生命理学専攻 准教授 島田 裕士
http://www.mls.sci.hiroshima-u.ac.jp/mpb/index.php?FrontPage

新技術の概要

光合成明反応をおこなう光合成タンパク質に直接作用する因子を同定した。本因子を高発現させた植物体では光合成効率の上昇が示され,通常生育下において高発現植物体はバイオマス(植物乾燥重量)を増加させ得ることを見いだした。

従来技術・競合技術との比較

二酸化炭素の効率的資源化のための植物光合成機能強化は作物増産においても極めて重要と考えられる。本技術は高等植物一般に有する一遺伝子の高発現化によって、通常生育下でバイオマスを上昇させる技術である。

想定される用途

・バイオマス増加樹木の育種
・バイオマスプラスチックの原料となる植物の育種
・バイオマスエタノールの原料となる植物の育種

関連情報

・サンプルの提供可能

12:15~12:40 エネルギー
6)  固形あるいは不純物含有原料も扱える無触媒バイオ燃料製造法
発表資料

滋賀県立大学 産学連携センター 特任研究員 小坂田 潔
http://www.mech.usp.ac.jp/~prw/index.html

新技術の概要

油分抽出前の固形物から直接バイオ燃料を製造する無触媒プロセスを紹介する。常圧下で高温の過熱メタノール蒸気と接触させ、油分抽出と乾燥を反応と同時に行う過熱メタノール蒸気法を用いる。この方法は、熱を利用して反応生成物を余剰蒸気とともに流出させるため、原料の状態(固体、液体)や品質(不純物、含水量)を限定することなく使用できるメリットがある。今回は、油分含有固形原料の例として米ヌカを用いた実験結果をもとに紹介する。

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、アルコールと反応させるために油を抽出する必要があるが、本プロセスでは不要のため、燃料製造工程の簡略化による低エネルギー、低コスト化の実現と、未利用バイオマスの有効活用が期待できる。

想定される用途

・微細藻類からのバイオ燃料製造
・米ヌカ等の未利用バイオマスからのバイオ燃料製造
・製造コストの削減

13:30~13:55 エネルギー
7)  効率的地下熱空調設計のための熱パラメータ解析ツール
発表資料

信州大学 工学部 土木工学科 教授 藤縄 克之
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/engineering/department/civil/fujinawa/fujinawa.html

新技術の概要

地下浅層部に広範かつ豊富に賦存する地下熱をヒートポンプと組み合わせて空調などに利用する地下熱ヒートポンプ(GSHP)システムは、従来の空気熱源方式よりはるかに省エネルギーで、かつ環境への負荷も小さいことから、近年欧米のみならず我が国においても大規模施設を中心に急速に普及が進んでいる。このGSHPシステムの初期費用と維持管理費用を抑えるために必要な地下の熱特性を正確に容易に解析できる技術を開発した。

従来技術・競合技術との比較

従来、熱交換する地盤の熱特性を調べる熱応答試験には数日の試験が要求され、その結果も精度の劣る近似解を用いて手作業で解析されてきたが、高精度漸近解を用いた逆解析法の開発により試験期間の短縮、解析精度の向上、解析作業の自動化が可能になった。

想定される用途

・熱交換井を用いたクローズドタイプ地中熱冷暖房システムの最適設計
・揚水された地下水を熱源とするオープンタイプ地下熱冷暖房システムの最適設計
・開発技術を地下水を包蔵する帯水層の水理定数を調べる揚水試験に適用し、透水係数などを求めることも可能

関連情報

・展示品あり(逆解析の流れと、解析事例の展示)

J-STORE掲載特許情報

13:55~14:20 エネルギー
8)  単純な化学的手法による極低反射率結晶シリコンの形成法とシリコン太陽電池の高効率化
発表資料

大阪大学 産業科学研究所 第2研究部門(材料・ビーム科学系) 教授 小林 光
http://www.sanken.osaka-u.ac.jp/labs/fcm/index.html

新技術の概要

シリコンウェーハを過酸化水素+フッ酸薬液に浸漬し、触媒体を接触させるだけで瞬時にウェーハ表面にシリコンナノクリスタル層が形成され、2%以下の極低反射率が得られる。6インチウェーハを20秒以下で極低反射率化できる。反射防止膜すら形成しない単純構造のp型単結晶シリコン基板の太陽電池でAM1.5 100mW/cm2の照射下40mA/cm2以上の高い短絡光電流密度と17.6%の変換効率を得ている。硝酸酸化法を用いてナノクリスタル層の表面パッシベーションを行った場合、少数キャリアーライフタイムが50倍以上に増加することを見出して、このパッシベーション法を太陽電池に有効に利用すれば20%以上の変換効率が期待される。

従来技術・競合技術との比較

従来技術ではピラミッド構造を形成することによってシリコンウェーハの反射率が10%程度に低減、本技術では反射率は2%以下に低減。従来技術では20?30分を要するが、本技術では20秒以下。従来技術では多結晶シリコンには適用困難、一方本技術は多結晶シリコンに容易に適用可能。

想定される用途

・単結晶シリコン太陽電池
・多結晶シリコン太陽電池
・MEMS

関連情報

・サンプルの提供可能
・展示品あり(極低反射率結晶シリコンウェーハ)
・外国出願特許あり

14:20~14:45 エネルギー
9)  低温高速スパッタエピ成長法によるSi系太陽電池の製造技術
発表資料

島根大学大学院 総合理工学研究科 機械・電気電子領域 准教授 葉 文昌
http://www.ecs.shimane-u.ac.jp/~yeh/

新技術の概要

スパッタ堆積法でSi膜またはGe膜を300℃以下、3nm/s以上の高速でエピタキシャル成長する技術である。本方法ではドーパント元素との共スパッタにより簡単にSi及びGe膜への高濃度ドーピングができる。大面積で低コストな成膜が可能であり、紫外レーザダイオードアニールにより准単結晶化されたガラス上のSi薄膜を厚膜化すれば高効率な薄膜Si太陽電池が期待できる。

従来技術・競合技術との比較

500℃以下の低温でSi又はGe膜を1nm/s以上でエピタキシャル成長する技術は本方法以外にない。またGeに関しては10^20cm^-3程度のn+-Geが実現可能であり、n-Ge膜と金属のオーミック接触が簡単に実現できる。

想定される用途

・太陽電池
・LSI
・デイスプレイ

関連情報

・サンプルの提供可能

15:10~15:35 エネルギー
10)  水を燃料とする光燃料電池
発表資料

千葉大学 大学院理学研究科 基盤理学専攻 化学コース 准教授 泉 康雄
http://cat.chem.chiba-u.jp/index.html

新技術の概要

水を光酸化し、セル内で再び水へと光還元することで光触媒のバンドギャップ相当の起電力(3V)を得る光燃料電池を実現した。ありふれた元素より成る光触媒を組み合わせ、水と光のみから発電できる長所をもつ。二酸化炭素を発生することなく、また原理上、単セルで3Vの大起電力を得られる点も特徴である。水と酸素をセル内で完全に循環させることで、場所に制約されることなく自然光からコンスタントに電力を得る新デバイスとなる。

従来技術・競合技術との比較

シリコン太陽電池や色素増感太陽電池と同様に、光エネルギーを電力に変換するが、単セルで3V得られる点で差別化される。さらに、ありふれた元素より成る光触媒を組み合わせて用いるため、より安価である。燃料電池と比較すると、燃料を要しない点で差別化される。

想定される用途

・野外使用機器電源
・携帯機器電源
・緊急時や災害時のバックアップ電源

関連情報

・展示品あり(光燃料電池の動作)

15:35~16:00 エネルギー
11)  ポリ乳酸およびその廃材からの気体燃料回収技術の開発
発表資料

豊橋技術科学大学 大学院工学研究科 環境・生命工学系 助教 山田 剛史
http://ens.tut.ac.jp/microbes/

新技術の概要

ポリ(L-乳酸)(PLLA)は、循環型社会を担う最も有望な生分解性プラスチック材料として注目されている。将来的に、様々なPLLA系生分解性プラスチックが様々な形態へと加工され、それらの余剰物や廃材が大量に排出される可能性がある。そのため、本技術では、前記を想定してPLLAを利用した嫌気消化プロセスにおける効率的メタンガス生成法を提案する。

従来技術・競合技術との比較

嫌気消化プロセスでは、ポリ乳酸およびその廃材からのメタン生成は困難とされてきた。本技術では、ポリ乳酸およびその廃材の重量平均分子量や結晶化度を最適化し、効率的なメタン生成を可能とした。

想定される用途

・メタン・水素などの気体燃料(エネルギー)生産
・微生物燃料電池の負極活物質
・生物学的脱窒処理における電子供与体供給剤

16:00~16:25 エネルギー
12)  水素生産酵素および二酸化炭素固定化酵素
発表資料

信州大学 農学部 応用生命科学科 助教 伊原 正喜

新技術の概要

ヒドロゲナーゼは、常温常圧で水素の分解・生成を触媒する酵素であり、水素関連技術分野で大きな注目を集めている。また、ギ酸デヒドロゲナーゼは、二酸化炭素を効率よくギ酸に変換することができることから、新たな二酸化炭素固定触媒として、大きな注目を集めている。これまで、両酵素の調製は困難であったが、本新技術はその簡便な方法を提供することで、これらの酵素の産業応用の扉を大きく開くことができた。

従来技術・競合技術との比較

従来、ヒドロゲナーゼやギ酸デヒドロゲナーゼの調製は、天然の微生物から抽出する方法か、もしくは訓練を積んだバイオ技術者のみが実施できる遺伝子工学技術による方法のみであったが、我々の技術によって簡便化に成功したことが特徴である。

想定される用途

・燃料電池の触媒
・水素センサー
・水素生成触媒
・二酸化炭素固定用光触媒などの助触媒
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